YURiKA“らしさ”満載の選曲にも注目! アニソンカバーアルバム『ただいま。~YURiKA Anison COVER~』インタビュー

2019.05.18

自他ともに認めるアニメ好き、アニソン好きのYURiKA。今年初めに美少女ゲームブランド「Key」のカバーソングライブを開催したのに続いて、今回はカバーアルバムをリリース。歌い込んできた楽曲を中心にセレクト、愛情たっぷりに仕上げてきた。オーディションに明け暮れた日々を思い出させる「戦友」たちを前にYURiKAが語ってくれたこととは?

――最初に情報が解禁されたとき、1曲目から「甲賀忍法帖」と聞いて驚きました。

YURiKA (笑)。でも「私と言えば」感はありますよ。オーディションや『NHKのど自慢』などで歌っていたので。

――今回のアニソンカバーアルバムは自身の提案ですか?

YURiKA いえ、スタッフさんから。アニソンが好きでアニソンシンガーになったということは皆さん重々承知だとは思うんですけど、そんな私だからこそできることがあるのではないかということで提案していただきました。ちょうど、今年の初めにアニソンカバーライブ“YURiKA Cover Live 願いが叶う場所 ~Keyと私~”をやらせていただいて、カバーの楽しさを感じたところでもありました。でも、原曲のファンもいますし、私も(原曲の歌手を)すごく尊敬しているので、やるならば本気で、という責任感はすごく感じました。

――選曲については、さきほど話に出た「甲賀忍法帖」やアニソンを好きになったきっかけの「創聖のアクエリオン」、「鍵っ子」(=ゲームブランド「Key」のファン)としてカバーライブでも歌った『CLANNAD』の「時を刻む唄」と、YURiKAさんにとって慣れ親しんだ曲ばかりですよね。

YURiKA アルバムのために歌い込むということはしたくないという気持ちはありました。「カバーするから覚えようというのは私っぽくないな」って。

――すごく愛を感じる点として、非常に原曲に近いバージョンで歌っていますね。

YURiKA そうですね。ボサノババージョンとか、極端に変えようという意識は私もスタッフさんもアレンジャーさんもなかったです。例えば、原曲だとここはコーラスなかったけど増やしてみようか、くらいで。でも、「超えてやるぞ」という気持ちはあったりなかったり(笑)。曲によってですけど。それに、「甲賀忍法帖」と「舞風」と「時を刻む唄」は吉田 穣さんが、「ETERNAL BLAZE」と「創聖のアクエリオン」は多ヶ谷 樹さんが、といつもお世話になっているおふたりにアレンジを頼めたので。「はじめまして」の人に大好きな曲を預けるのはちょっと怖いですし、おふたりは近くで、たとえば私がどんなに『CLANNAD』が好きかとか、この3年、痛いくらいに感じていたと思うので(笑)、安心してお任せしました。「甲賀忍法帖」の和楽器は全部本物を使って演奏してもらったことですごくかっこよくなりましたし、人気の曲を集めましたというカバーアルバムではないことは伝わってほしいですね。

――「時を刻む唄」の、最後にオルゴールが開いて鳴るところは忠実に再現されています。

YURiKA あそこは作ったんですよ、オルゴールを。

――え?

YURiKA 持ってくればよかった!息が乗っちゃうからマスクをして、私がマイクの前で回して鳴らしたのがCDに使われています。

――それはYURiKAさんのアイディアですか?

YURiKA みんなで。吉田さんも私が『CLANNAD』が好きなことはもちろんご存知ですし。吉田さんは私の影響で『CLANNAD』を全話観てくれたんですよ。

――それはすごい。

YURiKA なので、ラジオに来てもらったときにも話してくれたんですけど、この曲に関してはなるべく原曲に寄せよう、少しでも愛が本気なことを伝えよう、ということでオルゴールを作れないかとスタッフさんに相談したんです。そうしたら実現していただきました。レコーディングのときもわざときれいに鳴らさず生感を重視しました。あと、リリースイベントにも置く予定です。フォトスポットみたいに(笑)。

――そんな思い入れの強い各曲について、出会いを教えていただけますか? まずは「甲賀忍法帖」から。

YURiKA この曲は、オーディションを受けていた頃に、聴いてもらえるような曲、聴きどころがある曲を探していたら出会いました。私、佐咲紗花さんや鈴木このみちゃんがグランプリを獲った『全日本アニソングランプリ』に応募したことがあって。予選で普通に落ちたんですけど。配信で予選の一部を見ていたら5、6人が「甲賀忍法帖」を歌っていたんですね。アニソンシンガーを目指す人は誰しも通る道というか、「甲賀忍法帖」か「射手座☆午後九時 Don’t be late」ばかりという時代があったんですよ。で、たまに「Northern lights」みたいな(笑)。和テイストですし、ビブラートをかけるとうまく聴こえちゃう曲だからだと思います。そのとき、「みんなうまく歌っているけど、私はもっともっとうまく歌ってみよう」と探求し始めたのが最初でした。

――でも決して簡単な歌ではないですよね。

YURiKA そうなんですよ。歌い始めたときは、“瞼が覚えているの”のところでパンチのある歌い方ができなくて裏声で抜いていました。

――2曲目の「時を刻む唄」はカバーライブでも歌った曲ですね。

YURiKA 私、高校生のときから自分でCDを作ったりライブしたりしていたんですけど、応援してくれていた人から「YURiKAちゃんに合うと思う」ってこの曲を薦められたんですよ。しかも何人にも。「そんなに言うなら」と思って聴いたらいい曲すぎて(笑)、『CLANNAD』も観て。だから、Keyを好きになったきっかけの曲でもあります。

――これまた難しい曲ですよね。

YURiKA そう、難しくて。しかも、今回の5曲はどれもコーラスを全部私が入れているんです。自分の声以外は入れていけない気がして(笑)。アルバムには全曲のインストゥルメンタルが収録されるのですが、コーラスは入っているのでぜひ注目して聴いてもらいたいですね。

――「ETERNAL BLAZE」については?

YURiKA 「エタブレ」はスタッフさんから薦められた曲なんです。もちろん私もよく知っている曲でしたけど。「ETERNAL BLAZE」はアニソンのお手本、平成アニソンの代表、「アニメを知らないけど曲は知ってる」の代名詞みたいな気がするんです。今回はアニソンカバーのアルバムということで、リリースイベントなどいろいろな場所で歌わせてもらっていますし、そういうときに聴いてもらえる1曲だと思って選びました。

――「舞風」についても教えてください。

YURiKA 私はゲームの『薄桜鬼』がすごく好きで。恋愛シミュレーションを始めるきっかけになったくらいですし、高校時代に初めてライブで歌った曲でもありますね。オーディションの勝負曲にもしていました。音源審査で審査員の耳に止まるような曲を調べていたら、みんなは(アニメ『薄桜鬼』第1期OPテーマの)「十六夜涙」を歌っているんですよね。1期の曲だからそっちの方が印象強いからだと思うんですけど、私は「舞風」の方がかっこよくて好きで。

――この曲も、イントロから原曲の雰囲気を守っています。

YURiKA ここ、原曲では打ち込みなんですけど本物の尺八を吹いていただきました。それから、いちばんコーラスが細かく増えた曲でもあります。原曲だとBメロにしかハモがないんですけど。なので、聴いていると実は違うところがたくさんあるんですよ。

――最後は「創聖のアクエリオン」。居間でごろごろしていたらTVのCMから流れてきたこの曲にハマってしまったと仰っていましたね。

YURiKA そう、何とはなしに聴いていたのにいつの間にか覚えてしまって、「すごい!」と思いました。AKINO(bless4)さんの原曲はかっこいい要素のある曲ですけど、私はどちらかというと前向きな明るい感じにしたいと思いました。自分の声質も明るい印象を持ってもらえることが多いですし。なので、この曲は原曲を目指すというよりも、(アルバムの)最後だし、(アニソン好きになる)きっかけをくれた感謝と、「これからも頑張ろう」という気持ちが込められています。

――こうして見ると、実は年代は2005年から2010年と限られていますね。この頃がYURiKAさんの原点だと伝わってきます。

YURiKA 小6だったのが2007年で、その年に「アクエリオン」がCMで流れていて……。この頃、ヤバいですね。『マクロスF』とかもそうですし、『けいおん!』とか。時の流れを感じました(笑)。

――その頃からずっと聴いてきた曲ですが、どういう気持ちで歌いましたか?

YURiKA 基本的にはのびのびと歌わせていただきました。でも、長く歌ってきたぶん、間違えて覚えているところもあって。例えば、伸ばすと思っていたら原曲は伸ばしていなかったとか、妙な癖がついているところがあるとか。でもそこはバランスを見ながら、味として残すかどうかを決めています。タイトルが『ただいま。』ではあるんですけど、決して過去の自分に戻るわけではないし、過去の歌い方で歌うわけではないので。Keyの曲を歌ったり、去年アニサマに出たり、いろいろな経験をさせてもらって大きくなった姿で実家に帰ってきました、みたいな意味なんです。「里帰り」の意味の「ただいま。」なので。

――(出身である埼玉の)蓮田に。

YURiKA そうですね。別名『蓮田にただいま。』(笑)。

――歌詞にも思い入れがあるとは思いますが、逆に当時とは違う感覚で歌った部分もあったのではないでしょうか? 大人になったらわかった部分とか。

YURiKA たしかにわかってなかった部分もありましたね、どの曲でも。もちろんアニメ作品は全部観ているので、(「甲賀忍法帖」はヒロインの)「朧……」とか思いながら歌っていましたけど。あとは技術的な話として、地声では出なかったところが出るようになったり、息継ぎしなくても声が伸びるようになったり、そういう成長は感じました。

――長く歌ってきたからこその気づきが。

YURiKA そうですね。「おぉっ」っていう発見もありました。

――レコーディングでの苦労というとどんなことがありましたか?

YURiKA 「時を刻む唄」のコーラスが高すぎて(笑)。出るんですけど酸欠になりそうでした。でも、どうしてもコーラスは自分で入れたかったですし。コーラスで言えば、普段(同じ歌詞を歌う)字ハモはあるんですけど、ウーアー系はあまり経験がなかったので少し苦戦しました。「アクエリオン」も「エタブレ」も多かったんですよね。でも、本当にアレンジがかっこいいですし、全曲生(楽器)で演奏してもらえて、すごく豪華でした。早くバンドでライブをやりたいって思いました。

――今回、歌い込んだ曲たちを並べましたが、改めて見るとどんなことを思い出しますか?

YURiKA やっぱりどれも共通して、アニソンシンガーを目指していたときに歌っていたので、オーディションに落ちていた頃を思い出しますね、

――当時の苦労を?

YURiKA そうですね。「苦労したな」って。20歳でデビューしているので、周りと比べると遅い方なんですよね。亜咲花ちゃんのような高校生シンガーもいますから。「高校生のときなんて私、チャリこいでたけど」って思いますよ(笑)。でも、我ながらいい曲と出会っていると思いました。「いい曲、選んでるな」って。

――当時の自分はエラい?

YURiKA エラいです。「ありがとう」って思います。

――当時の自分へ、ほかにかけたい言葉はありますか?

YURiKA えー? 「痩せとけ」って言いたいです(笑)。

――でもかなり痩せられましたよね。

YURiKA ましたけども、もっと前から痩せておけと思います。でも、そのまんまでいたらいいとは思います。デビューして3年目になりますけど、「今、楽しいよ」って言いたいです。軽いですね(笑)。

――5年後、10年後にはどんなアニソンをカバーしているというイメージはありますか?

YURiKA うーん。今と変わっていないと思います。むしろKeyオンリーカバーアルバムとか(笑)。偏っているんですよね。新しいアニメにも手を出そうとは思うんですけど、それならもう1回『CLANNAD』が観たくなるタイプなので。でも今度、『マブラヴ』大会をしたいんですよね。めっちゃ好きなので。Keyがいちばん好きなんですけど、ほかのゲームブランドも好きなので。(オーガスタの)『FORTUNE ARTERIAL』とか。

――今回のアルバムを聴く方にはどんな気持ちを伝えたいですか?

YURiKA 原曲のファンの方もたくさんいると思いますけど、こういう聴き方、歌い方もあるんだと思ってもらえたらうれしいです。私、佐咲紗花さんのカバーアルバム(『SAYAKAVER.』)がすごく好きで、「IN MY DREAM」という曲はそれで知ったんですよ。さや姉がカバーアルバムに入れてくれたから私がその曲を好きになったように、「時を刻む唄」を知らなかった人が私の歌で知ってくれたとしたら嬉しいですね。アニソンシンガーの一つの役割だと思うので。歌い継いでいくような、そんな役割の一つができたらいいな、と聴いている人に伝わるとうれしいですね。

――では最後に、この曲を歌っていた頃のYURiKAさんと同じように、今アニソンシンガーを目指す人たちにはどんな言葉を?

YURiKA やっぱりアニメを見て歌ってほしいです。曲が好きで、曲だけ覚えてオーディションに臨むのではなく。アニメも好きだったら話の種にもなりますし。偉そうなことは言えないですけど、アニメが好きだから歌うような、そういう人がアニソンシンガーでいてほしいと思いますね。

Interview & Text By 清水耕司(セブンデイズウォー)


●リリース情報
『ただいま。~YURiKA Anison COVER~』
発売中

品番:THCA-60243
価格:¥2,000+税

<CD>
1.「甲賀忍法帖」(TVアニメ「バジリスク 〜甲賀忍法帖〜」OPテーマ)
作曲・作曲:瞬火 編曲:吉田穣
2.「ETERNAL BLAZE」(TVアニメ「魔法少女リリカルなのはA’s」OPテーマ)
作詞:水樹 奈々 作曲上松 範康(Elements Garden) 編曲:多ヶ谷樹
3.「舞風」(TVアニメ「薄桜鬼 碧血録」OPテーマ)
作詞:森由里子 作曲:上野義雄 編曲:吉田穣
4.「時を刻む唄」(TVアニメ「CLANNAD -クラナド-」OPテーマ)
作詞・作曲:麻枝准 編曲:吉田穣
5.「創聖のアクエリオン」(TVアニメ「創聖のアクエリオン」OPテーマ)
作詞:岩里祐穂 作曲:菅野よう子  編曲:多ヶ谷樹
6.「甲賀忍法帖」(Instrumental)
7.「ETERNAL BLAZE」(Instrumental)
8.「舞風」(Instrumental)
9.「時を刻む唄」(Instrumental)
10.「創聖のアクエリオン」(Instrumental)

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