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INTERVIEW

2019.05.17

立花理香 TVアニメ『ノブナガ先生の幼な妻』EDテーマ「Returner Butterfly」リリースインタビュー

立花理香 TVアニメ『ノブナガ先生の幼な妻』EDテーマ「Returner Butterfly」リリースインタビュー

2018年2月にミニアルバム『Flora』でデビューを果たして以降、2ndミニアルバム『LIFE』、1stシングル「カラフルパサージュ」と順調にリリースを重ね、今年2月にはZepp DiverCityでのワンマンライブ昼夜2公演を成功させるなど、声優アーティストとして躍進著しい立花理香。そんな彼女のニューシングル「Returner Butterfly」は、しなやかかつ芯の通った歌声とエッジーなギターサウンドが絡み合う、クールなりっか様を存分に堪能できるロックチューンだ。TVアニメ『ノブナガ先生の幼な妻』のEDテーマとして作品の内容にも寄り添った本楽曲と、彼女の普段は照れくさくて言葉にできない気持ちが形になった自作詞のカップリング曲「Pelican」について、たっぷりと話を聞いた。

──ニューシングル「Returner Butterfly」はTVアニメ『ノブナガ先生の幼な妻』のEDテーマですが、制作はどのように進めたのですか?

立花理香 メインヒロインの帰蝶が戦国時代から現代にタイムスリップしてくるお話で作品自体はラブコメなんですけど、エンディングは戦国感の漂う曲でかっこよくキメて終われたら、というお話をしまして。もし作品の雰囲気に合わせるのであれば、例えばキャラソンというパターンもありだと思うんですけど、ここで私にお話をいただいたということは、少し違った切り口でエンディングを支えたられたらって。戦国時代って今ほど自由ではなかっただろうし、戦う部分が大きかったと思うので、そういう強さを表現しつつ、女の子ならではのしなやかさを入れられたらと思いました。

──この曲は作詞が松井洋平さん、作曲が俊龍さん、編曲が中土智博さんということで、立花さんの2ndミニアルバム『LIFE』に収録の「KOTO-DAMA」と同じ布陣ですね。

立花 そうなんです。それまでは大人の女性像を歌った曲が多かった中で、「KOTO-DAMA」では初めてゴリゴリのロックでかっこいい曲を歌わせていただいたんです。今回はそのチームでまた曲を作っていただいたので、これは間違いなくかっこいい曲になると思いました。ただ「KOTO-DAMA」は力強い楽曲ですけど、「Returner Butterfly」はそれとはまた違ったベクトルの強さを表現していただいたんです。今回は蝶々がモチーフになっているので、ただ強いだけではないしなやかさを出したかったんですよ。

──歌詞にも〈胡蝶〉という言葉が登場しますが、これも本作のヒロインである帰蝶の別名だとか(※帰蝶は斉藤道三の娘で織田信長の正妻。アニメでは彼女が現代にタイムスリップしてきた設定)。

立花 曲のタイトルの「Returner Butterfly」もメインヒロインの帰蝶をイメージしてますし、歌詞も“書き換えることなんて出来ない歴史”とか、作品に寄り添った内容にしてくださって。もちろん作品はラブコメとして楽しんでいただきたいんですけど、この曲では別の側面も表現してるんです。普通に考えると帰蝶はタイムスリップしてきて大変だろうなと思いますし……なんか当たり前の感想ですけど(笑)、そういう帰蝶の気持ちを松井さんが歌詞で素敵なストーリーにしてくださったんです。

──たしかに歌詞の1番では“全て受け入れてしまえばいい、だけど”と歌われている部分が、2番では“流されるよりも進むって、決めて”となっていて、主人公の心情の変化と成長が感じられます。

立花 たしかに前に進もうとする気持ちが表現されていますけど、ただそれも拳を握って力強く進むというよりは、蝶みたいにひらひらとしたイメージで……何て言ったらいいんだろう?飄々という表現もちょっと違って、凛とした強さみたいなものを出せたらと思ったんですよ。なので私も歌ではファルセットを使ったりしました。

──そのように帰蝶の気持ちに寄り添った部分もありつつ、これは立花さんの楽曲でもあるので、ご自身の心情にマッチした部分もあったのでは?

立花 そうですね。私は1番のサビの“自由を与えてくれた言葉に留まりながら”という歌詞が自分のなかですごく引っかかって、「読み解くのが楽しい!」って思ったんですよ。この言葉って、自由になったのに自分からそこに留まるということで、その背反的な感じがいいなあと思ったんです。この曲の歌詞には他にも“夢と現(うつつ)”とか相反する言葉が共存していることが多いし、すごく好きなフレーズですね。

──立花さん自身の経験と重なる部分もありますか?

立花 例えばなんですけど、日頃声優としてキャラクターと向き合うときに、スタッフの方に「思った通りに演じてもらっていいですよ」とおっしゃっていただいたとしても、最初に説明してもらったキャラクターの設定が自分の頭の中にあるので「好きに演じてと言われても、完全に好きに演じるわけにもいかないし……」と思ったりして。せっかくの機会なのでフリーにやればいいと思うんですけど、それでも設定を気にするところがあるんですよね。

──たしかにキャラクターの枠組みの中での自由な演技、というのは、この歌詞に当てはまるかもしれません。

立花 あと、私はきなこちゃんというハムスターを飼っていまして、(ケージの)入り口を開けて「ほらほら、今の君は自由だよー!」っておやつで釣ろうとしても、全然おうちから出てきてくれないことがあるんです。それで入り口を閉めると今度はドアをガリガリしだして、「どっちだよ!」と思うことはあります(笑)。

──「与えられた自由」と「自分で勝ち取った自由」の違いなのかもしれないですね(笑)。

立花 自由って結構不自由なんですよね。それこそ私は自分で歌詞を書かせていただくことがあるんですけど、「テーマはなんでもいいよ」と言われると何も出てこないんですよ(笑)。ある程度、曲の雰囲気だとかテーマとかをいただかないと歌詞を書くことができなくて。

──曲調と歌声の強さも相まって、非常にアニソンらしい楽曲になっていますが、実際にアニメのオンエアをご覧になったときの感想は?

立花 いやあ、なんか照れましたね(笑)。イチャラブなコメディ作品なのに、エンディングの映像が和っぽい世界観のめっちゃかっこいい映像になっていて。私は元々アニソンが大好きなので、今回はアニソンみのある曲をキャラソンではなく自分の曲として歌えたのはうれしかったですね。

──ちなみに好きなアニソンを選ぶとしたら?

立花 うわーっ!どの曲にしよう?……やっぱり『ハルヒ(涼宮ハルヒの憂鬱)』の楽曲はいろいろ衝撃でしたね。オープニングやエンディングもそうですけど、特に「God knows…」を観たときは本当にかっこいいと思いましたから。作画的にかわいいだけではない描写もありましたし、アニメの中で女の子のキャラがあんなにも熱く歌うなんて、映像の迫力も相まって「すごーい!」ってなりました。

──かっこいい系の曲が好みなんでしょうか。

立花 そうかもしれないですね。『マクロスF』でもランカ・リーの曲はかわいらしくて聴くのは好きなんですけど、自分で歌うとなると、カラオケではいつも惨敗するので(笑)。キャラクターも歌声も含めて本物がかわいすぎるので、もう「それがいい!」と思ってしまうんですよ。だからいつも自分で歌ってガッカリして帰ります(笑)。

──「Returner Butterfly」はMVも作られていますが、こちらの撮影はいかがでしたか?

立花 今回は衣装のパターンがふたつありまして、夢と現の間を行ったり来たりしてるようなイメージで映像を作っていただいたんです。三角形のCGを合わせて蝶々を表現していただいていたり、そういう遊びみたいなものをいろいろ入れていただいて、目まぐるしく移り変わる映像になってるので、目が離せないMVになったと思います。

──暗がりで青白いライトに照らされた立花さんが艶めかしく動かれていて、クールな雰囲気ですよね。

立花 どこかに蝶々っぽい動きを入れようと思ったんですけど、私には羽根がないので(笑)、影絵でよくある、手のひらを重ねた蝶々の形をポーズに取り入れたりしていまして。でもMVはかっこいい感じなんですけど、メイキング映像はほっこりした感じになっていまして、撮影してるときも私は社会見学をしてるような気分だったんですよ(笑)。ぜひ初回限定盤のDVDでMVとメイキングの両方を観ていただいて、ギャップの高低差も楽しんでいただけたらと思います(笑)。

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