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INTERVIEW

2019.04.18

自身を見つめ直して作り上げた最新作が完成!ミニアルバム『光へ』豊永利行インタビュー

自身を見つめ直して作り上げた最新作が完成!ミニアルバム『光へ』豊永利行インタビュー

近年は『B-PROJECT』『ツキプロ』シリーズ、『夢色キャスト』『A3!』など、数々の音楽キャラクターコンテンツで卓越した歌唱力を披露する、声優アーティスト界きっての実力派シンガーソングライター・豊永利行。そんな豊永の新しいミニアルバム『光へ』が、4月17日に全国リリースとなった。豊永が自分自身を見つめ直し、本当にやりたい表現は何か?を追求した本作への想いと、5月に開催されるツアーについて語ってもらった。

――前作『With LIFE』から約1年ぶりのミニアルバム『光へ』が、ついに発売となりました。シンガーソングライター・豊永利行としての新譜のリリースが、本当に待ち遠しかったです。

豊永利行 ありがとうございます。そんなふうに言っていただけると……ちゃんとしなきゃ!(笑)。

――いつもちゃんとなさってるので大丈夫です!(笑)。まずは今回のアルバムコンセプトから聞かせていただけますか?

豊永 まず考えたのは、今までの僕の楽曲は、人に向けてのエール的な部分が多かったんですね。よくインタビューでもお話させてもらってましたけど、聴いてくれる方の背中を押せる応援だったり。でも今回は、自分に何かをメッセージとして届けたい、自分を見つめ直そうというところからのスタートでした。それが結果的に、皆様に対するエールソング、メッセージソングになればいいなと。だから、楽曲から受け取ってもらえる表面的なメッセージ性は変わってないんですけど、そこに至る経緯をちょっと変えてみようと思いました。そこが今までと大きく違うところですね。

――その気持ちは、どこから湧き上がってきたんですか?

豊永 僕、今年の4月28日で35歳になるんです。舞台役者から始まって、10代の終わり頃からは声優というお仕事もさせてもらうようになり、ありがたいことに30代半ばになって、よりいろいろなお仕事にも触れ、作品の一部となって動く役者業と、自分が中心で動くアーティスト業とを、とてもいいバランスで両立させていただいているんです。ただ、長く役者をやらせていただいていると、どこか自分の軸、ポリシーがだんだんわからなくなってくる瞬間があるんですね。とくに、お芝居のことを誰かにお教えする仕事……例えば専門学校の特別講師などで自分の芝居論や精神論を語らせていただくと、自分が放った言葉が自分自身に返ってくる瞬間がある。そこで改めて自分を見つめ直し、初心を思い出すんです。30代半ばになった今だからこそ、その感覚をアルバムにしたいなと思ったんです。

――それが、等身大の自分に対するメッセージと言えるものだったと。

豊永 そうですね。かつ、今までブレてきていたり、油断したり、ぬるま湯に浸かりそうになっている自分を律するため、みたいなこともちょっとあります(苦笑)。だから、ジャケット写真の僕も、お客様のほうを向きたくはなくて。みなさんと同じ方向から、光に向かって行きたい。『光へ』というタイトルには、そういう意味合いもあるんです。

――役者としてもアーティストとしても、豊永さんの表現活動は、いつもしっかりと自分を持っているようにしか見えませんが……。

豊永 でも結局、「じゃあ俺は何がしたいんだ?」というところに陥ることはありますよ、結構(苦笑)。どんなジャンルでも、自分らしさを失わずに皆さんの要求に応えるためにはどうしたらいいか?というのは、ずっと考えちゃいますよね。

――表現活動としてもの作りに携わる限り、それはずっと続きますよね。

豊永 そうなんですよね、きっと。終わりはない。だからこそ、自分自身をあらためて確認するためのアルバムを作るというのが、今回のコンセプトなのかなと。僕は何をしたいのか、どうしたいのかに焦点を当てて、1曲1曲を作っていった感じですね。

――では、『With LIFE』から音楽的に変化したことはありますか?

豊永 音楽ではリリースのたびに新しいことにチャレンジさせていただいていて、とくに僕はビッグバンドテイストの楽曲群が好きなので、今の自分が作り出せるミュージカルテイスト、オーケストレーション、スイングジャズ感というのは、毎回の音楽的なテーマのひとつなんですね。そこは変わらずなんですが……

――その意味では、表題曲の「光へ」が、ビッグバンドサウンドにのせた、今までで一番ミュージカルナンバーらしい楽曲になっていますね。例えば、1930~40年代のフレッド・アステア、1950年代の『雨に唄えば』で有名なジーン・ケリーが活躍した時代のオーセンティックなハリウッドのミュージカル映画を思い出しました。

豊永 そうそう、そうなんですよ。今回が一番、ミュージカル感が強いです。

――「光へ」の曲の終わり方も、主役がカメラ目線で華麗なダンスを決めて、それをアップで撮っていたクレーンカメラがぐーんと引いて、セット全体が俯瞰になるエンディングシーンのようで。

豊永 そうそう、そしてスタンディングオベーションが巻き起こる、みたいなね(笑)。それも、全体のコンセプトである“自分自身を見つめる”にスポットを当てていくと、「やっぱり俺はこういう曲が好きだ!」という思いにたどり着いたんですね。それを全力で自分に投げかけたら、こういう音楽になりました。

――ミュージカル舞台で役者デビューされた豊永さんのルーツが垣間見えます。燕尾服とシルクハットで踊り出しそうですもん(笑)。

豊永 あはははっ! イメージとしてはまさにそれですね(笑)。舞台だったら古き良きブロードウェイ。

――エンターテイナーとしての本領発揮ですよね。こういう曲も作詞・作曲してしまうのが、豊永さんらしい。しかも、本格的なミュージカルナンバー風なので、途中で曲調もコロコロと変わる。歌の難度、高いですよね。

豊永 そうなんです、すごく難しい。僕の歌もそうなんですけど……ライブをサポートしてくれているバンドメンバーにも言われてます、リズムが取れないと!(笑) そういう曲を……自作してしまうんですよねぇ(苦笑)。

――歌詞のほうはいかがでしたか? アルバムコンセプトにのっとって、悩める自分に問いかけつつ悩む姿も描かれますが、最後は一人で考え込まずに一緒に光に向かおうと、希望を放つ。豊永さんがずっと歌い続けてきたエールソングらしさが、やはり表れているなと。

豊永 そうですね。逆に「その部分は変わってなかったんだな」と、自分でも安心しました。変わらずいられたんだなと。ただ、やはり物の考え方が変わった部分ももちろんあって……。

――何がどう変わったんでしょう?

豊永 家族が増えたという、プライベートな環境の変化も大きいんですけど、やはり仕事に対して考え方に変化はありますね。とくに役者業では、深い部分に対する理解度が上がったと自負するところもあって。

――例えば?

豊永 今までは、いただいた台本を読み込み、自分の役を作りこんでお芝居するという、言葉にするととてもシンプルなアプローチで臨んでいたんですが、キャリアを重ねて自分の中に余裕が生まれてきたこともあって、自分の芝居を追求するとともに、監督さんの全体的な意図だとか、音響監督さんがどこにBGMを挿入し、どんな効果音をどこにどうつけそうか?ということも、自分で予想するようになったんです。「監督さんが、このシーンで描きたいことが何なのか?」をまず考えて、そこから自分の芝居を変えていく。そういう自分の表現の追求が、できるようになりました。

――それは音楽活動にも反映されている?

豊永 むしろ、自分で「T’s MUSIC」というレーベルを立ち上げて、単に表に立つ人間としてだけじゃなく、裏方としても音楽制作に関わるようになったからだと思います。裏の方々の作業過程を想像することが、より具体的になりましたね。

――そろそろ、豊永さん自身が前線に立ち、監督として映像作品を撮ったりしそう(笑)。

豊永 気づかれましたか(笑) 。そういう夢はありますよね。もちろん芝居をやっていく中で蓄積されたものを、歌やそれ以外の表現としても伝わるようにしたいですし、歌と芝居が“表現”という部分でリンクできたらなと、いつも思います。

――そんな進化する“表現”として、とても気になった自作曲が「マジカル☆だでぃ?(仮)」。豊永さんは毎回、アルバムに、賑やかでコミカルな楽曲を収録するのが恒例になっていますね。『With LIFE』ではオレオレ詐欺をモチーフにした「TEMPE ×∞」でしたが、今回の「マジカル☆だでぃ?(仮)」は、パパが魔法少女だったという内容(笑)。

豊永 聴いてくださった皆さんには、僕がアニメの『魔法少女 俺』に出させていただいたから、こういう曲を作ったのか?と言われるですけど、じつはそんなつもりはなくて……。

――となると……コンセプトは?

豊永 あ、それ聞いちゃいます? すぐ終わりますよ?……なんとなくです!(笑)

――ええーっ⁉(笑)

豊永 あははは、いちおうこの曲を作ろうとしたきっかけは、近年、僕自身が男性アイドルユニットが題材のコンテンツにいろいろ出させていただいていることからなんですよ。その派生で、男性アイドルのキャラクターソングを歌わせていただくんですが、女性アイドルの歌も一度歌ってみたいなと。ガチンコのアイドルソングを自分で作って歌うとどうなるのかな?という、純粋な興味ですね。

――たしかに、曲調もめちゃめちゃアイドルソングですね。

豊永 正直、ネタっぽく作った曲ではあるので、「☆」はつのだ☆ひろさんイメージで決めましたし、タイトルにもあえて「(仮)」を残し遊びましたし、歌詞も「日曜朝8時」とか、女性アイドルさんが言いそうなフレーズを盛りこんで、日曜朝8時にやっている魔法戦士系作品のオープニングを意識しました(笑)。

――歌唱法も、かなりキュートなアイドルテイストに寄せてますよね。

豊永 でもいざ歌ってみると、すごくいろいろな発見がありましたね、この曲は。まず思ったのは、女性アイドル方々の独特の歌唱法は……じつに難しい! その歌唱法と激しい振り付けやダンスを両立してステージパフォーマンスするのは、本当に難易度が高いなと脱帽しました。アイドルソングって、すごいんだなと再発見した感じですね。

――という面白ソングもありつつ、シリアスな自作曲もたっぷりで。「未来との約束」はシティ感あふれるさわやかなポップチューンですね。

豊永 僕は今まで、僕自身のその時々の想いを歌にして、ノンフィクションで曲を書いてきたんですけど、「未来との約束」は初めて、フィクションの曲作りを試みました。ゼロからお話を作っていく、作詞家としての挑戦をしたかった。おかげで締め切りギリギリまで書けなかったですね!(笑)

――夏の一瞬の風景を切り取っていて。

豊永 はい。今まで僕が作ってきた曲は、冬と春の歌ばかりだったので、夏ソングが書きたかったんです。

――いっぽう、タイトルにもドキッとさせられる「穴」は、美しく透明感あるドラマティックで切ないバラードです

豊永 久々にバラードを書きたくなって。内容も今まではラブバラードが多かったんですが、今回は失恋ソングがあってもいいなと。いい思い出だけじゃなく、ネガティブな思い出もあるからこそ、今の自分が形成されている。この曲も、他の人へのメッセージを書くという、今まで通りのスタンスだったら生まれなかった曲だったと思います。

――その他も、豊永さんのエンターテイメント性にあふれたバラエティに富んだ楽曲ばかりで、ミニアルバムといいつつ、とても聴き応えがありました。そんな『光へ』を引っさげて、5月2日~6日には兵庫県尼崎市、愛知県名古屋市、千葉県市川市の3都市でライブツアーが開催されますね。どんなツアーにしたいですか?

豊永 毎回毎回そうなんですけど、僕のライブは、いつ新しいお客さんがいらっしゃっても楽しめる、安心できるものにしたいというのが大前提にあります。それがありつつ、今まで細かい部分でいろんな試みをさせていただいて、だんだんベーシックな部分が固まってきた。そういう部分を踏襲しつつ、声優だったり、バラエティだったり、さまざまな入口から豊永利行を知ってくれた全員が楽しめる空間にしたい。そこは変わらないです。

――生バンドやダンサーチームとのライブならではの掛け合いあり、バラエティ感覚のお楽しみあり、豊永さんの面白MCもありで?

豊永 そうですね(笑)。ただ、今回はホールツアーなので、よりコンサート感、スタンダードなライブになりそうかな?

――最初にお話があったミュージカル調の「光へ」や「マジカル☆だでぃ?(仮)」が、どんなふうに生で歌われるのかも興味津々です。なんと『光へ』の初回限定盤には、昨年行われたツアー「豊永利行LIVE TOUR-With my LIFE-」のファイナルを飾った7月の舞浜アンフィシアター公演の映像が特典DVDとして同梱されていますし、予習もバッチリできますしね。

豊永 そうなんですよ! さらに今回のツアーでは、舞台役者、ミュージカル役者から始まっている自分の経験値をいかした演出を楽しんでいただけると思います。アーティスト一本でやられている方は違う武器を使って、楽しいステージにしたいですね!

Interview & Text By  阿部美香


●リリース情報
『光へ』
発売中
【初回限定盤(CD+DVD)】

品番:TSM-1004
価格:¥3,800+税

【通常盤(CD)】

品番:TSM-1003
価格:¥2,800+税

<CD>
①光へ
②2:00 a.m.
③情熱のヒストリア
④穴
⑤未来との約束
⑥Shiny Glory Story
⑦マジカル☆だでぃ?(仮)
⑧ラクにいこうぜ!

<DVD>
「豊永利行LIVE TOUR-With my LIFE-」 (2018.7.29 舞浜アンフィシアター)
①希望の唄
②永~とこしえ~
③Reason…
④Don’t Give UP
⑤とある午後の僕物語
⑥I’ll Be on Your Side
⑦1:1
⑧Day you laugh
⑨ゆめのあと
⑩僕の☆☆計画
⑪TEMPE ×∞
⑫青い花
⑬C”LR”OWN
⑭With LIFE

●ライブ情報
豊永利行ライブツアー「光」
5月2日(祝・木) 【兵庫】あましんアルカイックホール
16時00分開場 17時00分開演 (予定)

5月3日(祝・金) 
【愛知】日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
16時00分開場 17時00分開演 (予定)

5月6日(祝・月) 
【千葉】市川市文化会館 大ホール
16時00分開場 17時00分開演 (予定)

チケット情報
チケット価格:全席指定6,800円(税込)
一般発売 (先着) 4月20日(土) 10:00~

イープラス

チケットぴあ
〔兵庫〕Pコード:149-419
〔愛知〕Pコード:149-162
〔千葉〕Pコード:149-161

ローソン
〔兵庫〕Lコード:51479
〔愛知〕Lコード:42090
〔千葉〕Lコード:71792

CNプレイガイド ※5/3日本特殊陶業市民会館 フォレストホールのみ

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