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INTERVIEW

2019.04.04

映画『パンドラとアクビ』アクビ役に抜擢! 22/7・天城サリー インタビュー

『モンスターストライク』とタツノコプロがコラボ!『モンスト』のキャラクターである「パンドラ」と、永遠の愛されキャラクターであるアクビちゃんを主人公に、懐かしのあんなキャラやこんなキャラも登場し、ドタバタな珍道中劇が巻き起こされる映画『パンドラとアクビ』が、4月5日より公開される。
そのアクビちゃんを演じるのは22/7の天城サリー。声優として今回が初の主演となる彼女がどのように役と寄り添っていったのか、話を聞いた。

3段階のオーディションを経て、アクビ役に決定!制作チーム側のイメージと雰囲気が一緒だったと言われて、ひとつ肩の荷がおりました

――まずは、アクビちゃん役に決まるまでの経緯から教えてもらえますか?

天城サリー まず、22/7のメンバーは11人いるので半年に1回くらい演技テストを行い、成績上位のメンバーがテープオーディションを受けられるという仕組みがあるんです。今回、そのひとりとしてアクビちゃん役のテープオーディションに参加させていただき、スタジオオーディションに進んで、合格、という形でした。なので3段階がありました。

――アクビちゃんというキャラクターについてはどれくらい知っていましたか?

天城 実はお母さんがアクビちゃんを好きだったので、私も元々知っていました。でも、資料を見る限り、以前のアクビちゃんと身長が全然違ったので、「もしやこれは違うアクビちゃんなのかな」って思っていました。

――では、自分の中で新しいアクビちゃん像をイメージしつつスタジオオーディションに?

天城 そうですね。声の出し方が若干違うのかな、とは思いました。今、アクビちゃんの絶賛更新中の『着ぐるみ・あくびちゃん』の公式Twitterがあるんですが、参考としてオーディションの前にそれを観てみました。そうしたら、動画でめっちゃ走り回ってたんですよ。

――自転車でおとたまに体当たりとかしてましたよね(笑)。

天城 私もそれ観ました(笑)。それで「自由奔放なキャラなんだな」っていう情報をひとつ入れて。あと、「今日は〇〇ですぅ」みたいにちっちゃい「ぅ」を必ず語尾に入れているんですよ。だから、「なるほど、今のアクビちゃんは語尾を丸くするのかな」という情報も仕入れて、自分なりに演技プランを立ててオーディションに挑みました。

――スタジオオーディションはどんな感じでしたか?

天城 例えば、「6歳でやってみて」「今度11歳でやってみて」「1歳年を上げて」「1歳下げて」って1歳単位での指示があったんです。でも、自分に置き換えてみると、「私。去年と声変わったかな」と思って。だから、すごく混乱したんですけど、そのときの自分の精一杯を出しました。

――合格した理由については、自分でどのあたりにあると感じていますか?

天城 アフレコが始まる前に監督さんから、「最初だから緊張してると思うけど、天城さんがオーディションのときに持ってきたアクビちゃん像が制作チーム側と同じイメージだった」と言われたんです。年齢とか声色というよりも……。

――雰囲気が。

天城 はい。雰囲気が一緒だったって言われました。「だから、緊張せずに全力で頑張って」って。なので、どんなアクビちゃんがいいのか不安があったんですけど、ひとつ肩の荷がおりましたね(笑)。

――アクビちゃん役ということでのプレッシャーはありましたか?

天城 やっぱり代々受け継がれていて、皆に愛されている役なので、プレッシャーももちろんあったんですけど、自分としては喜びのほうが大きかったです。だから、失敗したらどうしようという気持ちよりは、いかに魅力的なアクビちゃんを演じるかという思いのほうが大きかったです。

――アクビちゃん役に挑んでみて、苦しんだところはどんなところでしたか?

天城 バトルシーンは初めてだったんですけど、セリフではない声を入れるじゃないですか。「トゥッ!」とか「テイヤッ!」みたいな感じの(笑)。自分が想像していたよりもアクビちゃんがいろんなところで跳びはねているので、いつ入れていいのかわからなくて。しかも、バトルとはいえどもアクビちゃんはかわいくないといけなかったし、強い意志を持って戦っているかも考えないといけないし。そうしたら、「別に録ってみようか」と言われて……。それで皆さんの演技を見ながら勉強して、私だけ別録りでやらせてもらいました。

――演じていて印象に残ったセリフはありますか?

天城 最初の「でまして来ましてアクビちゃん」です。いきなり「もっとテンションあげて」と言われたので、「最初からちょっと違ったかぁ」と思ったんですよね。なのでそこがいちばん印象に残っています。

――何度かやり直しました?

天城 3、4回やりました。自分でも「これが究極!」と思っていたら「もっと」と言われて、「え?この上いけるかなぁ」ってなりました(笑)。でも、さらに上を出せたので、自分が思う頂点って違うんだなって思いました。思ってる以上に自分は出せるという勉強にもなりました。

――天城さんとしてはさっき仰ったように、今までのアクビちゃんよりも少し年上という感覚で演じてみたんですか?

天城 そうです。あんまり飛び跳ねてない感じの。そうしたら、もっと飛び跳ねている感じのディレクションが来たので「あちゃー」ってなりました(笑)。ずっと飛び跳ねている感じでもよかったのかも、って。

――では、かなり戸惑いましたか?

天城 ただ、最初に台本をいただいた際、「あんまり練習しないで」と言われていました。新人なので(演技を)固めてきちゃうと、ディレクションに合わせられないので。でも、台本いただいたら練習しちゃうじゃないですか。なので、固めるというよりもひとつのセリフに10パターンくらい持っていくのならいいのかなと思っていたんです。テストでは自分がいちばんいいと思うアクビちゃんを出して、違っていたらプランBを出そう、みたいに考えていました(笑)。

――家でひとりで練習しているときはかなり悩みましたか?

天城 すごく悩みました。やっぱり掛け合いができないと、ほかの声優さんがどういう言い回しなのかがわからないので。だから、パンドラちゃんの動画を観て、雰囲気を頭にねじ込んで、セリフを脳内で再生して、アクビちゃんの返しを考えていました。

――アクビちゃんはパンドラとW主人公ということで、パンドラとの掛け合いが多いですよね。

天城 ふたりともドジでおっちょこちょいの凸×凸(デコデコ)コンビなんですけど、台本を読んだ際、パンドラちゃんがアクビちゃんにちょっと翻弄されていると感じていたんです。だから、小倉 唯さんが演じるパンドラちゃんの、一個上のテンションでいかないと翻弄できないと思っていました。

――小倉さんに引っ張ってもらう部分もあったかと思いますが。

天城 はい、引っ張っていただきました。初めてお会いしたのはアフレコが始まる前で。私は小倉さんを一方的に知っているわけじゃないですか(笑)。でも、「仲良しみ」が出るために小倉さんがすごくフランクに質問を振ってくださいました。「普段何してるの?」とか「私、こういうメイク使ってるんだ」とか、本当に友達が話すような会話を。それですごくリラックスさせていただきました。

――間近で見ていて学ぶところもありましたか?

天城 小倉さんのバトルシーンを見て、力強い声だけどかわいい感じを残すかという部分は学んでいました。

――実際に演じた今、自身の手応えとしてはいかがですか?

天城 そうですね。自分の思っていた演技プランはできたと思います。例えば、パンドラちゃんには「どらら」っていうかわいい語尾があるのにアクビちゃんにはなかったので、勝手につけてあげたいと思って(笑)。「なに?」というセリフがあったら「あくびび?」にしちゃうとかしました。テストでやってNGが出たら戻そうと思っていたんですけど(笑)。

――出なかった?

天城 なのでそのまま本編でも使われています。ぜひ注目していただきたいです。

――天城さんも度胸がありますが、スタッフさんにも活かしていただいて。

天城 はい。自分の思ったものを活かしていただきました。

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