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2019.03.24

活動10年目迎えた“さや姉”円熟の熱唱でフロア焦がす“佐咲紗花 LIVE 2019 ~SCARLET BLAZE~”レポート

活動10年目迎えた“さや姉”円熟の熱唱でフロア焦がす“佐咲紗花 LIVE 2019 ~SCARLET BLAZE~”レポート

2010年1月のデビューから活動10年目を迎えたアニソンシンガー・佐咲紗花。彼女にとって約1年ぶりとなるフルバンド形式でのワンマンライブ“佐咲紗花 LIVE 2019 ~SCARLET BLAZE~”が、3月3日(日)、新宿 BLAZEで行われた。“緋色の炎”というタイトルにふさわしい、終始熱気に満ち溢れたライブの模様をレポートする。

バンドメンバーに続いてステージに登場した佐咲による“貫け 緋色に染まる運命を”の言葉から最新シングルの表題曲「SCARLET MASTER」が始まり、テンションの高いライブがスタートした。

「SCARLET MASTER」と合わせてライブタイトルを想起させる「BLAZE MOMENT~紅蓮浄歌~」やハイトーンボイスを炸裂させた「WASTELANDERS」、デジタルロック色を強めた「DREAMLESS DIVER」とテンションの高い4曲を歌い終えた佐咲は、「いつもだったら最後のブロックに持ってくるような曲ばかり」と笑う。それでもこの日東京マラソンが行われていたことに触れ、「このライブが東京マラソン夜の部」と引き続き体力の消耗が激しい公演にすることを宣言。その言葉通り、次のブロックでも早速fhánaのyuxuki wagaが提供したダンサブルな新曲「Black Goat」、ジャンプを煽りまくるキュートなロックナンバー「PARADICE BABY KISS」を畳みかける。さらに「踊る準備はよろしいですか?」という問いかけからスタートした「Golden Mission」で左右斜め上を指差すキャッチーな振り付けでフロアをまとめあげ、バンドサウンドで情熱的にアレンジされた「ID-0」で次のブロックをフィニッシュ。バラエティ豊かな楽曲でファンを踊らせ続けた。

ひと息ついた佐咲による「激しい曲が続いたので、ここら辺でしっとりしましょうか」という誘いに、フロアからは「えー!」の声も。元気いっぱいな反応に苦笑しながらも彼女が「(しっとりするのは)ここだけ」「みんなに(ゲーム『ファイナルファンタジー』の回復魔法)アレイズをかけるから」と語る間に、ステージ上はアコースティック仕様に。バンドメンバー紹介を兼ねた緩いMCを挟んで、アニメ『ガールズ&パンツァー』の爽やかなイメージソング「春色スカイ」で小休止的なアコースティックコーナーを始める。さらに「universal sky」がラテン風に、「マリンブルーに沿って」がピアノを前面に押し出したジャジーなアレンジで披露され、定番曲を新鮮に楽しませた。

再びバンド編成に戻したあとは、「Grand symphony」の厳かなイントロが流れ始めて後半戦へと突入する。「Lyla」や「Rewritable」といったヘビーな曲でバンドメンバーも、佐咲もヘドバンを連発。「今日いちばんの声出せますか!」の掛け声から始まった「CHIASTOLITE」ではギター、ベースと同時にお立ち台で観客を煽りまくり、この日いちばんの狂乱をステージとフロアに生み出してラストはハイキックを決めてみせた。

会場のテンションをふたたび最高潮まで引き上げた佐咲は、そこから人気曲が連続してパフォーマンス。タオルを取り出しての「Super Shiny Sensation!!!」は、まずサビのコール練習からスタート。「男の子」「女の子」「メガネ」「黒髪」「海外」など対象を絞ってフロアとコールアンドレスポンスを行ったのち、歌唱へ。佐咲とフロアが共にタオルを振り回し、一体感のある空間を作り出す。勢いのある「Reason why XXX」に続いて、お立ち台でゴリゴリのベースソロから始まったのは「FEEL×ALIVE」。ここでは間奏後に長めのブレイクを挟んで「このスピードに乗せた爆音が」と再び疾走し始める、緩急に富んだ展開でファンを楽しませる。「今日もみんなの色をこの曲に染め上げてください!」という言葉と共に届けられた「Atlantico Blue」では、ラストの「僕らがここで逢えることを知ってた」で何度もステージを指差しし、この日のライブという存在を強くアピールした。

その後、ピアノの音色に乗せて佐咲は「佐咲紗花のライブは、日常の嫌なこととかモヤモヤしたこと、いろんな悩み事やつらい気持ちを吹き飛ばす。みんなの負の気持ちを陽の気持ちに変えてみせる。いつもそんなライブにしたいと願っている」と自身のライブ感を語り始める。さらに「だからこんな激しいセットリストを組んで。もう、頭がよくわからなくなるくらい『楽しかった』『何でもいいや』と思ってもらえたらいいなと思って、(今回は)メンバーの体力への遠慮を捨てた」と終盤へと差し掛かったライブを振り返ってファンを笑わせる。そして「お手紙だったりラジオのお便りだったりで、みんなから『こういうことを抱えています』とか、『さや姉はいつも前に進んですごいなと思います』とかもらうけど、みんなに辛いところなんて見せるわけないじゃーん」と茶目っ気を見せつつ、「みんな人間だから、大なり小なりいっぱい抱えていると思うんです。でもここに来て全部忘れて、また新しい一歩を踏み出してほしい。そう思ってライブや歌詞をみんなに届くメッセージになるように考えて、佐咲紗花は、そして佐咲紗花バンドは過ごしています」と真摯に告げる。最後に「どうか明日からも、佐咲紗花の曲と共にみんなが前に向ける。そんな毎日が送れますように」と語ると、それまでと一転して落ち着いたラストパートへ。

マーチング調のミドルナンバー「プラネタリー」、ロックバラード「RESETLUCK」で一体感をフロアと生み出すとラストナンバーとして届けられたのは、タイアップ先の同名ゲームが2月末に発売されたばかりの「夢と色でできている」。「佐咲紗花ライブにアンコールはありません!いちばん伝えたい最後の歌詞がみんなに届くように歌うので、ぜひ聴いてください」という佐咲のメッセージからピアノソロが始まると、その後はハイトーンボイスを交えながら軽快なロックサウンドが展開していき、最後は「ああ 僕はやっぱり 僕等(きみ)が大好きだ」の言葉に辿り着く。なお、タイアップ先ゲームのメインヒロインの名前は飛鳥井姫色(ひいろ)。「SCARLET MASTER」から「夢と色でできている」まで全22曲、“ヒイロ”で彩られたライブが笑顔の広がる中で終了した。

「今年はうれしいお知らせができそうな予感がする」と告げた佐咲は、バンドメンバーと一緒にひな祭り用のひなあられ代わりに金平糖を客席に投げ入れる。そして恒例の撮影タイムを終え、何度も「ありがとうございました!」と感謝しながら、佐咲と彼女を無尽蔵の体力で支えたバンドメンバーはステージから去っていった。

Text By はるのおと

佐咲紗花 LIVE 2019 ~SCARLET BLAZE~
3月3日 東京・新宿 BLAZE

<セットリスト>
M01.SCARLET MASTER
M02.BLAZE MOMENT~紅蓮浄歌~
M03.WASTELANDERS
M04.DREAMLESS DIVER
M05.Black Goat
M06.PARADICE BABY KISS
M07.Golden Mission
M08.ID-0
M09.春色スカイ
M10.universal sky
M11.マリンブルーに沿って
M12.Grand symphony
M13.Lyla
M14.Rewritable
M15.CHIASTOLITE
M16.Super Shiny Sensation!!!
M17.Reason why XXX
M18.FEEL×ALIVE
M19.Atlantico Blue
M20.プラネタリー
M21.RESETLUCK
M22.夢と色でできている

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