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INTERVIEW

2019.03.12

『グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION』EDテーマ「サヨナラの惑星」リリース記念 南條愛乃インタビュー

TVアニメ『同居人はひざ、時々、頭のうえ。』のEDテーマ「君のとなり わたしの場所」を2月6日にリリースした南條愛乃が、3月15日から劇場上映がスタートする『グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION』のEDテーマ「サヨナラの惑星」をリリースする。これまでにも『グリザイア』シリーズの楽曲を多く歌ってきた彼女は、今回どんな世界を見せてくれているのだろうか。

歌えば歌うほど、自分が歳を取ればとるほど解釈が増えていく気がするんですよね。

――『グリザイア』シリーズはこれまでにも関わりがある南條さんですが、この作品についてはどんな印象を持っていますか?

南條愛乃 歌えば歌うほど、自分が歳を取ればとるほど解釈が増えていく気がするんですよね。自分で歌詞を書いた曲って、ライブで歌えばうたうほど完成形に近づいていく感覚があるんです。でも『グリザイア』シリーズって、最初は「こういう曲だな」と思って聴いていても、自分が歳を重ねて経験を積んでいくうちに、「こういう捉え方もできるな」とか、いろんな視点で観ることができたりするんです。だからそのときの自分の気持ちやテンションでどんどん変わっていくし、切なくも力強くも歌えるので、表情がありすぎて正解があるのかないのかわからない……。でもそれがすごく面白いし、歳を重ねながら歌いがいがあるなという印象なんです。

――それで言うと、今回の「サヨナラの惑星」もいろいろな受け取り方ができるというか。

南條 レコーディングは昨年の3月くらいだったんですけど、そのときは作・編曲の藤間仁さんの曲が持つ疾走感とかっこよさ、あとは作詞の桑島由一さんの歌詞に出てくる“サヨナラ”という切ない言葉使いに引っ張られてレコーディングをしていたんですけど、そこからかなり時間が経っているので、聴く時間がすごく長かったんですね。で、MVの撮影があるからと思って聴き直していたんですけど、聴けば聴くほど悲しいというか……むしろツライ!みたいな(笑)。絶対に報われないふたりの曲だし、世界から別れを求められているし、途中で時間を止めてみたりするんだけど、現実逃避じゃないですか。それに希望を見い出してみるけど時間は進んでいくので、どうしようもないんですよね。なので今となっては、『グリザイア』シリーズの中で、いちばん絶望を感じた曲というか。

――歌を聴くと、時間を止めるところで少し希望を感じるんですよね。

南條 レコーディングのときは、まだ少し軽く感じられるところもあったんですけど、今歌ったら、だいぶ切羽詰まっちゃう感じになると思うんですよね……。だって時を止めてみたら希望は見えたけど、実際時は止まらないわけだから、上げたあとに、ガッと落とされる感じがするじゃないですか。それがツラい(笑)!

――ただ、『グリザイア』シリーズの楽曲って、ライブでの反応はすごくいい印象があるんですよね。

南條 そうですね。アップテンポな曲が多いので、ライブ映えする曲が多いと思います。「黄昏のスタアライト」が流れると、お客さんの熱が一段上がる気がしますし、「あなたの愛した世界」とか「きみを探しに」もそうですよね。「きみを探しに」とかは、最後の“愛してる”の歌詞をお客さんが歌ってくれますし。でも、最近はそれをやらないときがあってもいいのかもしれないと思っているんです。ライブで盛り上がる曲という立ち位置でもあるんですけど、先ほどもお話した、歌い込んでいくうちに曲の解釈が広がっていくことがあるから、曲自体の持っている物語性に入っていってしまうんですよね。なので、ちゃんとひとつの物語として歌いきる日があってもいいんじゃないかなって思ったりするんです。最後を歌ってもらうつもりで歌っていたとしても、途中で気持ちが入ってしまって、歌ってもらうのは違うかもしれないって思うときもあるんですよ。でも、お客さんに歌ってもらう想定でライブを作っているし、当然お客さんも歌いたい気持ちがあると思うから、難しいんですけど。

――ライブってその時の自分の感情とか、会場の雰囲気で変わるものなので、すごく理解できる感情だと思います。

南條 自分の感情あっての歌ですからね。『グリザイア』シリーズの曲ってそういうことがいちばんあるんですよね。

――『グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION』ではマキ役として出演していますが、演じてみていかがでしたか?

南條 今回のアニメーションは、ゲームのシナリオを追っていくような感じなんですけど、戦闘シーンとかすごくかっこよく作られていました。そのなかで私の演じているマキは、私としてはそれほど特殊なことをやっているつもりはなかったんですけど、アニメを観た方は「今までにない役ですね」とか「南條さんとわかりながら聞いてもわかりませんでした」って言ってくれる方もいて新鮮でした。私としては自分の中にある引き出しを出したつもりだったんですけど、あまり表立って見せていなかった引き出しだったみたいです。でもうれしいですね。口が悪いという意味では、これまででナンバーワンではありますけど(笑)。

――今回の「サヨナラの惑星」ではMVも制作していますが、こちらのコンセプトは?

南條 今回2パターンあって、フルバージョンはワンカットで撮りきったものなんです。曲が悲しい物語なので、歌詞や曲だけで映像になったとしても曲の物語を魅せられたらいいなと思ったんです。なのでいろいろな足し算をしなくても成立させられるんじゃないかなと思って。それと自分がMVを思い浮かべたときに、画面変わりがなかったんですよね。特に後半2サビから最後のところがそうだったので、それを監督に伝えました。

――ワンカットの緊張感がいいですよね。

南條 やっぱり難しかったですね。「動きすぎると違うな」とか。今回背景も、かつて生き生きとしていた木が枯れていたり、有機物なんだけど生命力を感じない、“すべてが終わってしまっている世界”の中で歌うという意図だったので、躍動感のある世界観にはしたくなかったんです。とはいえカメラの関係であまり寄れないから表情も見せられないし、どうしようみたいな。その動きのバランスと、スモークをたくタイミング、灰が降るタイミング、そしてカメラの寄り引き……みんなのタイミングが合わないといけなかったので、テイクは結構重ねました。結局OKテイクは、ラストのひとつ前のカットなんですけど、もう何が正解か、やっててもわからないという感じでしたね(笑)。

――この曲をリリースしたあとには“南條愛乃 Acoustic Live Tour Vol.1 17/47 ~わたしから会いにいきます!~”が5月からスタートしますね。

南條 「サヨナラの惑星」を皆さんに最初に披露するであろうライブがアコースティックライブという……(笑)。

――アコースティックは感情がより伝わってきたりもするので、緊張ですね。でも、47都道府県を廻るというのはいいですね。

南條 何年かかけて全国を廻りたいと考えていて、これまでのツアーだと大きめの都市で開催することが多かったので、私の地域に来てくださいという声がずっと届いていたんです。5周年のツアーとベストアルバムのツアーが終わり、一区切りというか。ソロとしての土台ができてきたのかなと思ったので、今までと同じことを繰り返していても……という気持ちがあったんです。その話をプロデューサーとしていたら、「なんちゃんからみんなに会いに行くというのは、ありだと思う」という話が出たので、そういうのもあるのか!と、このツアーをすることになりました。私も皆さんがどういう場所から応援しに来てくれてるのかを知りたいし、ライブハウスってホールよりも物理的な距離も全然近いじゃないですか。なので、そういうコンセプトでライブをやるのもいいなと思いました。これまで近くにいるという気持ちは持ち続けてやってきたけど、どうしても会場が大きかったりしたので、初心に帰るではないですけど、物理的にもそれが見せられたらいいのかなと思っています。シングルなどで表に向かうエネルギーを出しつつ、応援してくれる人たちと目線が合うような活動を、もう一度ちゃんとしていきたいなと思っています。

INTERVIEW & TEXT BY 塚越淳一


●リリース情報
南條愛乃 ニューシングル
「サヨナラの惑星」
3月13日発売

【初回限定盤/CD+DVD】

品番:GNCA-0565
価格:¥1,800+税

【通常盤/CD】

品番:GNCA-0566
価格:¥1,200+税

<CD>
1. サヨナラの惑星
作詞:桑島由一
作曲・編曲:藤間 仁(Elements Garden)
2. サクラタイマー
作詞:畑 亜貴/作曲・編曲:増谷 賢
3. サヨナラの惑星<instrumental>
4. サクラタイマー<instrumental>

<DVD>
サヨナラの惑星MV/サヨナラの惑星MV -special edit ver.-/MV making/SPOT

●ライブ情報
南條愛乃 Acoustic Live Tour Vol.1 17/47
~わたしから会いにいきます!~
5/4(土)福岡 DRUM LOGOS
5/5(熊本)DRUM B.9
5/11(土)京都 FANJ
5/12(日)石川 金沢AZ
5/18(土)福島 郡山HIPSHOT JAPAN
5/19(日)埼玉 HEAVEN’S ROCK 熊谷 VJ-1
5/25(土)高知 X-pt.
5/26(日)香川 高松Olive Hall
5/31(金)愛知 名古屋Electric Lady Land
6/8(土)岐阜 club-G
6/9(日)静岡 LIVE ROXY
6/15(土)和歌山 OLD TIME
6/16(日)兵庫 神戸Harbor Studio
6/22(土)山形 ミュージック昭和 Session
6/23(日)栃木 HEAVEN’S ROCK 宇都宮 VJ-4(新店舗)
6/29(土)鳥取 米子AZTiC laughs
6/30(日)岡山 CRAZYMAMA KINGDOM

【開演時間】
時間:開場 16:00/開演 17:00

【チケット料金】
料金:前売¥5,400(税込/入場時別途ドリンク代必要)
席種:自由席+立見(整理番号付き)
※上記全公演共通となります。

★e+プレオーダー受付中
https://eplus.jp/nanjo2019acoustic/
受付期間:2019年2月26日(火)12:00~3月11日(月)23:59
・当落発表:2019年3月13日(水)18:00~
・結果確認:2019年3月14日(木)13:00〜3月20日(水)18:00
・入金期間:2019年3月14日(木)13:00〜3月21日(木)21:00
※ 予定数を超えた場合は抽選となります。(整理番号は抽選となります。)

[e+プレオーダーお申し込みに関する注意事項]
※ 1回の申込枚数制限は「2枚」となります。
※ その他の注意事項はe+サイトの注意事項を必ずお読みください。

【一般発売】
・発売開始予定日:2019年4月6日(土) 10:00〜
・発売プレイガイド
イープラス:https://eplus.jp/
チケットぴあ:https://t.pia.jp/(※電話予約:0570-02-9999)
ローソンチケット:https://l-tike.com/(※電話予約:0570-084-003)

<チケット購入に関しての条件>
※ 3歳未満入場不可。3歳以上有料。
※ 車椅子にてご来場のお客様は必ず事前にスリーナインエンタテインメントへメールまたは電話にてご連絡ください。事前連絡のない場合は当日対応できない場合もございますので予めご了承ください。
※ 客席を含む会場内の映像及び画像が公開されることがありますので予めご了承ください。
※ 営利目的での転売行為一切禁止/転売チケットでの入場不可

【公演に関するお問合せ】
スリーナインエンタテインメント
TEL:03-3770-1919(土日祝を除く11:00〜18:00)
E-Mail:e-info@threenine.co.jp

●作品情報
『グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION』

3月15日(金) 劇場上映スタート

上映劇場
【東京】EJアニメシアター新宿
【千葉】ミッドランドスクエア シネマ
【大阪】梅田ブルク7
【福岡】T・ジョイ博多
【北海道】ユナイテッド・シネマ札幌

© Frontwing

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