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INTERVIEW

2019.01.21

ワンマンライブ“ワンダーランドへようこそ~in STUDIO COAST~”開催直前!ORESAMA 配信限定シングル「ワンダーランドへようこそ」インタビュー

ワンマンライブ“ワンダーランドへようこそ~in STUDIO COAST~”開催直前!ORESAMA 配信限定シングル「ワンダーランドへようこそ」インタビュー

ボーカルのぽんとギター、サウンドクリエイターの小島英也による音楽ユニット、ORESAMA。昨年はアルバム『Hi-Fi POPS』のリリースや“Animelo Summer Live 2018”“ANIMAX MUSIX 2018 YOKOHAMA”といったイベントへの出演で飛躍の年とした彼らが、2019年最初の作品となる配信シングル『ワンダーランドへようこそ/秘密』をリリースした。

リード曲の「ワンダーランドへようこそ」は、彼らのワンマンライブのタイトルにもなっている軽快なディスコチューン。一方の「秘密」も以前からライブで披露されてきた楽曲で、今回はMiliのYamato Kasaiがストリングスおよびピアノアレンジで参加している。ORESAMAにとって大切な意味を持つというこの2曲について、じっくりと話を聞いた。

――このたびの新曲「ワンダーランドへようこそ」と「秘密」は、どちらも以前から温めていた楽曲だそうですね。なぜ、このタイミングで配信シングルとしてリリースすることにしたのですか?

ぽん 今まで作品をリリースさせていただいてきたなかで、ちょうどこの1月が良いタイミングだったのと、「ワンダーランドへようこそ」は私たちのワンマンライブシリーズのタイトルにも掲げている曲なので、アルバム曲としてそのまま収録するのも違うかなと思って、配信シングルとしてリリースすることにしました。私たちはまだ世に出していない曲がたくさんあるんですけど、その中でもこの2曲は出しどころをすごく考えてた曲なんですよ。

――以前からタイミングがあれば発表しようと思っていた曲たちなんですね。「ワンダーランドへようこそ」はORESAMAらしいポップでダンサブルなナンバーですが、ライブのテーマ曲のようなイメージで作られたのでしょうか。

ぽん この曲は私たちがまだワンマンを開催したことがない頃に作った曲で、逆にこの曲がORESAMAのワンマンライブでやりたいことを表現できてると思って、ワンマンのタイトルにしたんです。

小島英也 でも、この曲をワンマンライブでフル尺で披露したことは一度もなくて、オープニングやDJで曲の要素を少し入れてるぐらいだったんですよ。ただ、2月には新木場STUDIO COASTでのワンマン(“ワンダーランドへようこそ~in STUDIO COAST~”)を控えていることもあって、この楽曲でもライブでみんなと盛り上がることができればと思って、リリースすることにしたんです。

――そもそもいつ頃に作った曲なんですか?

小島 はっきりとは覚えてないんですけど、この曲を作った当時のプロジェクトファイルを聴いてみたらディスコの要素が入っていたので、多分僕がディスコに取り組むようになってから作った曲だと思います。

――歌詞は、現実のことはひとまず忘れてライブや音楽を楽しむことを呼びかけるような、シンプルかつ明快な内容ですね。

ぽん この曲の歌詞を書いたのはだいぶ前になるんですけど、あらためて歌詞を読み返してみると、今のような規模でワンマンライブが出来るとは思っていなかった頃から、自分の根底にはこういうことがしたいという思いがあったことを再確認できて、自分でもうれしくなりました。

――“ワンダーランドへようこそ ほらここは君だけのファンタジー”や“ワンダーランドへようこそ ほらここはすべてがフィクション”といったフレーズには、ORESAMAにとっての理想の音楽の形が表されているように感じました。

ぽん そうですね。私たちは「日常から非日常に連れ出したい」というコンセプトでワンマンをやってますし、この歌詞を書いたときには自分自身がそういう世界に行きたい思いも強かったんだと思います。ライブは自分たちにとっても普段とは違う自分になれる大切な場所で、それがワンマンではより濃厚になるんです。そういう意味でもワンマンは自分たちに必要なものですし、お客さんにとってもそういう場所であってほしいですね。

――ストレートな言葉が並んでいるので、ライブでも何も考えずに盛り上がれそうです。

ぽん 小島くんの作る曲はいつもポップだから、ORESAMAではなるべく難しい言葉遣いにならないように意識して歌詞を書いてるんですけど、この曲はその中でもよりポップな曲なので、いつも以上にわかりやすくてスッと理解できるような歌詞にしようと思ったのはすごく覚えてます。サビではしつこいぐらいに“ワンダーランドへようこそ”を繰り返すので(笑)、お客さんと一緒に歌って踊れたらいいなあと思います。

――最初に制作した当時のバージョンと比べて、アレンジはどのように変化してますか?

小島 僕は基本的に自分が昔作ったものをそのままリリースすることはなく、アレンジをいちからやり直すことが多いんですけど、今回はあえて過去のファイルの上から音を付け足したり、作り変えたりする方法で作ったんです。数年ぶりに聴き返したら、シンセやキックの使い方に「なんでこの頃はこんな作り方をしてたんだろうなあ」と思う部分もありつつ、当時の僕は底抜けに明るくてキラキラしたものをやりたくてこの曲を作ったんだろうな、ということが伝わってきたんです。だから、それを丸々作り変えるよりも、当時の僕が作りたかったものと今の僕が作りたいものをしっかりと融合させて1曲にしようと思いました。

――なるほど。具体的にどの部分を残して、どの部分を新しく作り直したのでしょうか。

小島 シンセの音は昔に作ったものが結構残っていて、当時にレコーディングしたぽんちゃんのボーカルを編集して、曲の冒頭のコーラスを作ったりもしてます。それと今は今で僕なりの手法ができてるので、例えばベースの音にアナログシンセの低い音を足したり、さすがにギターは自分の昔の演奏が許せなかったので弾き直したり(笑)。だから作った当初のテイストからガラッと変わってるわけではなく、昔と今のORESAMAがうまく融合しているので、最近のORESAMAに比べてキラキラしててポップな質感が強いと思います。要は当時の僕と今の僕との共作ですよね。

ぽん なんかロマンがあるね(笑)。歌詞もほんの少しだけ、今のORESAMAに照らし合わせて修正を加えた部分があるんですけど、やっぱり当時いいなあと思ったものは残したかったので、そこは大事にしつつ、今の自分たちらしい作品になったと思います。

――いわゆるストレートなディスコ感がありつつ、前作「ホトハシル」のカップリング曲「ようこそパーティータウン」のような近年のORESAMAらしいアップデート感を感じたりもしました。

小島 この曲を作った当時の音源を聴くと、頑張ってディスコの要素を入れようとしてるけど、あまり上手に入れられてない部分があって、それが逆にいいと思ったんですね。最後のサビのところは急にエイトビートになってたんですけど、その混在してる感じが面白かったし、当時の僕はそういう音や作り方が好きだったのかなあと思ったので、その部分は変えずに、エイトビートでありながらシンセやコードで今のORESAMAらしさを構築していって。だからどちらかと言うと僕が昔の自分に手助けをしてあげて、僕が今できるファンクやディスコの要素を足していった感じですね。

ぽん でも、あらためて聴き返したときに「ディスコがやりたかったんだろうな」っていう必死感が伝わるのはいいよね。

小島 そうだね。あとは必死感も伝わってきたけど、とにかく自由でしたね。遊び心があって、音楽には正解はないということがヒシヒシと伝わってくるトラックで。今ではこの曲みたいにサビを何回もリピートするような曲は作らないですし、一般的にはリピートの何回目かで少し変えてみる手段を取ると思うんですけど、自分も最近はそういうものに縛られてるところがあったのかなと思ったんですよね。この曲を聴いたときに、その必要はまったくなくて、もっと自由に作ったらいいということを思い出させてくれて。よく「初心は忘れるな」と言いますけど、まさにそれを痛感した曲でした。

――たまには過去に作ったものを振り返るのもいいものですね。

小島 絶対に必要だと思います。でも、過去に作ったものを聴き返すのはすごくつらい瞬間もあるので、僕は好きじゃないですが(笑)。

――ハハハ(笑)。ぽんさんは自分の書いた歌詞を振り返ったりしますか?

ぽん 私は結構するんですよ。前に使ったワードを確認して、それに照らし合わせながら歌詞を書いたりするので、自分の好きなワードも少しわかってきて。私は歌詞より歌の方が、振り返って「うーん……」となることが多いかもしれないです(笑)。それはそれでいい味が出てるとおっしゃってくださる方もいますけど、「今だったらこう歌うなあ」とどうしても思ってしまうんですよね。

――今回の「ワンダーランドへようこそ」と「秘密」は、最初に作った当時のバージョンの歌を聴いたうえで歌い直したりした?

ぽん 私はどちらも聴き返さなかったですね。私の中ではすでにどう歌いたいかが出来上がっていて、それを今の自分ならどう歌えるか、というところがあったので。「ワンダーランドへようこそ」は当時、楽しさやかわいさだけで歌ってた気がするんですけど、今回は楽しさがありつつ、もう少し深みを出すにはどうしたらいいのかを考えました。特にウィスパーの成分には気をつけながら歌いましたね。

――ウィスパーボイスは昔に比べてより自在に操れるようになってきた?

ぽん なってきてたらいいなあと思ってます(笑)。

――小島さんは昔からずっとぽんさんの歌を聴いてきたわけですが、成長や進化を感じることはありますか?

小島 もちろん感じますし、今回「秘密」を作ったときに(Miliの)kasaiさんともお話したんですけど、kasaiさんは「(ぽんの)声質がいいね!」と褒めてくださって。

ぽん わーっ。知らなかった。すごくうれしいです。

小島 ぽんちゃんの声質は唯一無二のものがあって、ウィスパーだろうが声を張ってようがちゃんと声が抜けてくれるから、kasaiさんもトラックをつけるのが楽しいと言ってくれて。僕が作る場合も、ぽんちゃんの声は後ろに強めの音を入れてもちゃんと前に出てきてくれるから、いろんなアレンジができてる部分があるので、そこは本当に自信を持ってほしいし、武器にしていけたらと思いますね。

ぽん ありがとうございます(笑)。

小島 それと今回の2曲で言うと、「ワンダーランドへようこそ」は歌のリズムがすごく重要な曲で、「秘密」はどちらかと言うとウィスパーとか表情の部分が必要な歌なんです。それを両方とも歌い分けられるということも、作る側としては曲の幅が広がる要素になるので、ありがたいですね。

――その「秘密」は先ほどもお話に上りましたMiliのkasaiさんが、ストリングスとピアノのアレンジで参加しています。

ぽん 「ホトハシル」のMVで他の作家さんとたくさんコラボレーションさせていただいたので、楽曲制作でも誰かとコラボさせていただけたらという話をしてたときに、以前から仲良くさせていただいてるKasaiさんのお名前が挙がったんです。それでkasaiさんにお願いできるのであれば「秘密」をアレンジしていただきたいということで、小島くんがすぐに連絡してくれて。

小島 僕は元々自分の音楽は自分ひとりで完結させたいところがあったんですけど、「ホトハシル」のMVもそうですし、以前に「流星ダンスフロア」でTECHNOBOYSさんと一緒に制作させていただいたことで、だんだんコラボや共作に対して積極的に向き合えるようになってきたんです。そういう経験があったからこそ、今回、今まで大事にしてきた「秘密」という曲のアレンジをkasaiさんにお願いしたいと思ったし、結果的に自分が想像していた何倍も良い曲になって。もちろんkasaiさんに信頼を置いていたこともありますし、この作業で独りよがりにならず柔軟な姿勢でいることの大切さを学びましたね。

――ORESAMAの楽曲といえば、小島さんのギターカッティングの印象が強いですけど、この曲はピアノとストリングスがメインで、珍しくギターが入ってないんですよね。

小島 この曲はまずkasaiさんからピアノだけでアレンジした音源が届いたんですけど、それを聴いた時点でギターは必要ないと思いました。その状態でも十分世に出しても問題ないクオリティーだったんですけど、その細かいピアノのフレーズの上にさらにストリングスが乗ると、ギターを入れることでその調和を崩すのは絶対にNGだと思ったんです。であれば今回はギターを入れないで、僕はリズムトラックで自分の味を出そうと思ったんです。

――なるほど。ピアノとストリングスが主体のアレンジにしたのは、どなたの発案だったんですか?

小島 僕が作った「秘密」の当初のデモの時点から、ピアノとストリングスとドラムがメインのトラックだったので、それを踏まえてkasaiさんにお願いしたんです。僕はkasaiさんのピアノとストリングスに100パーセントの信頼を置いてるので。「秘密」は前からkasaiさんにアレンジしてもらいたい気持ちがあったんですよ。仮にコラボの話は関係なく「秘密」をリリースすることが先に決まったとしても、この曲はkasaiさんにお願いしたと思うんですよね。

ぽん 必然だよね。私も個人的に「秘密」のKasaiさんアレンジを聴きたいと思いましたし、絶対に良くなるという確信がありました。

――kasaiさんの音の魅力はどんなところにあると思いますか?

小島 楽器の音が活きていて、すごく表情があるんですよね。今回のピアノは生演奏に差し替えたんですけど、その前にkasaiさんが打ち込んでたピアノのデータの時点でものすごくエモーショナルなんですよ。それをPCで再現するのはすごいことだと思いますし、ピアノだけで音が成立してるのに歌の邪魔を一切しないんです。そういうふうに、すべての楽器のバランスを考えて作ることは、今の僕には出来ないことだと思いますし、kasaiさんはヴァイオリン奏者でもあるので、その肝の美味しい部分もわかってるんですね。「小島が好きなのはこれだろ?」「これです!」みたいな感じで(笑)。友達のような感じで制作のコミュニケーションが取れて、なおかつ僕にはないテクニックを持ってるので、制作の面でもすごく頼りになりますね。

――全幅の信頼を置かれてるんですね。一方でぽんさんは「秘密」の歌詞を、当時どんなイメージで書かれたのでしょうか?

ぽん いつもなら歌詞は私発信で書くことが多いんですけど、この曲は小島くんからデモが届いた段階から世界観が出来上がってると思ったし、言葉ではなかなか言い表せないんですけど、聴いた瞬間に映像が見えたので、私としてもひとつのストーリーを観ている感覚で、それを聴いて感じたことを歌詞にして書いていったんです。この曲に関しては映画を観終わったような感覚ですべての歌詞を書き終えられたので、不思議な感覚でした。なので自分で考えたのは、サビの頭の言葉を数字にしようと思ったぐらいで、あとは降りてきたものを私が言葉にした感覚が強いです。

――「秘密」以外にそういう感覚で生まれた曲はあるんですか?

ぽん そういうことはあまりないですね。いつもならテーマに対してどう歌詞を書こうとか、どういうテーマを歌詞にするかを考えながら書くので、すごく珍しい曲なんです。だから出しどころを考えて温めていたところもあるんです。

――言葉で表しにくいとのことですが、そこをあえて言葉にするなら?

ぽん 始まりは宇宙より暗くて、でもすごく広い世界に落ちていくところから始まって、それがサビになって物語がさらに展開していくというか、ダイナミックになっていく感じというか……本当に言葉では言い表しがたいんですけど、そういう映像が見えたんです。この曲の歌詞はこれしかなかったと自分でも思っているので、出来て良かったなと思いますね。

――小島さんは曲を作ったときに何か具体的なイメージを浮かべてた? その段階でぽんさんに何かイメージを伝えたりとか。

小島 ぽんちゃんにはいつもそういうイメージは伝えなくて、僕が入れた仮歌をくみ取って歌詞を書いてくれるので、この曲でも何も伝えてないです。僕は曲を作るとき、その時々で自分が好きなものを入れるんです。このときはメロウな楽曲を作ろうと思って、メロディに関しては語りのようなニュアンスのものを作りたいと思ったので、Aメロで語り調の崩したメロディを入れて、Bメロとサビで一気にメロディアスなものに広がっていくものを意識して作ったんです。だからメロのイメージから作り始めた曲ですね。

――そのメロディの構造が、先ほどぽんさんが語られたような映像のイメージにつながったんでしょうね。

ぽん そうですね。語りの部分から、サビのすごくいいメロディが入ってきた瞬間は、鳥肌が立った記憶があります。

小島 この曲は1サビは盛り上がりを抑えていて、最後のサビで爆発するようなイメージで作っていたので、そういう映像が思い浮かんだのかもしれないですね。

――この曲の歌詞は「ワンダーランドへようこそ」とは逆に、いろんな意味に取れる内容だと感じました。この曲で歌われてる「秘密」とは、例えば想い人に伝えられなかった気持ちだったり、あるいは別の何かのようにも思えて。

ぽん そこは聴いてくれる方がいろんな解釈をしてくれるとうれしいですね。私も曲を聴いて降りてきたイメージで書いたので。

小島 正解はあるの?

ぽん あるのかなあ。

――サビの“88個のメロディが消えても 僕は君を見つけられる”“38℃の熱に怯えながら 君は僕の秘密に溶けるの”というフレーズも印象的です。

ぽん 88個というのはピアノの鍵盤の数ですね。この曲を聴いたときにピアノの印象がすごく強かったので、サビで数字を入れたいと思ったときに、〈88個のメロディが消えても〉と〈38℃の熱に怯えながら〉というフレーズがスッとハマったんです。そこはピアノのメロディと、命のメロディを重ねて考えました。

――いちばん気になるのは、この歌詞の“君”は何を指してるのかということですが……。

ぽん 私自身もひとつの物語を観ているような感覚で書いたので、背景のストーリーを想像しながら聴いていただけたら、面白いんじゃないかなと思います。

――ですよね(笑)。そこは秘密のままにしていたほうが楽しめると。

ぽん でもこの曲は、例えば想い人でも、もう会えない人でも、いろんなものに当てはまると思うので、聴いてくれる人も自分の中のそういう面に照らし合わせながら聴いていただけるんじゃないかなと思って。昔はラブソングを書くことも多かった気がしますけど、最近はこの曲みたいにラブソングにも心の訴えにも聴こえるような曲をあまり書いてなかったので、ORESAMAを最近知っていただいた方には、私たちの新しい一面として聴いていただけたらと思います。

――「秘密」の歌はどんなところにこだわって録ったのですか?

ぽん 心に訴えかけるというか、心の隙間に入り込めるような歌にしたかったので、より身近に感じられる温度感を意識して歌いました。頑張ってるときとか楽しい気持ちのときよりも、素の自分でいる状態の人に寄り添える歌というか、やさしさや切なさを意識して歌いました。でもラストはすごく張って歌ったりもしていて。

――終盤の高まりは、ストリングスも相まってすごいことになってますからね。

小島 ボーカルのレコーディングに関しては、Aメロで吐息成分が多くなって表情が出るところがあったので、マイクをいつもよりもハイの部分がしっかり録れるハイファイなものを使って、しっかりとぽんちゃんの歌の表情や自然と出るクセのようなものを収録できるようにしました。なのでこの曲は歌単体で聴いてもかなり表情が出てるんですよね。実はこの曲のメロディはそれほどエモーショナルなものではなくて、普通に聴くと機械的で冷たいメロディだと思うんです。でも、そこにぽんちゃんのエモーショナルな歌声が乗ることによって、すごく絶妙なメロディになって。ちゃんと歌だけでも成立していて、なおかつすべての楽器がその背中を押すようなバランスで録れた楽曲なので、ぜひみなさん、いつもより少しだけでも音質の高いヘッドホンやイヤホン等で聴いていただきたいですね。

ぽん なんかメーカーの回し者みたいだね(笑)。

小島 (笑)。この曲については吐息成分に集中して聴いてもらえると、より理解していただけると思います。歌詞の世界観もそういうところに表されてると思うので。

――それだけ音や録音にもこだわって作られた楽曲なんですね。ハイレゾでの配信も予定されてるのですか?

小島 ハイレゾもあります。これはハイレゾ限定になってしまうんですけど、各曲のインストも配信するんですよ。インストも聴き応えのある作品になってますし、特に「秘密」はkasaiさんのピアノとストリングスをじっくり堪能できる貴重な機会だと思うので、ぜひ!

――そして2月2日(土)には、先ほどお話にあった新木場STUDIO COASTでの初ワンマンを控えています。

ぽん 「ワンダーランドへようこそ」というタイトルの楽曲を配信してから最初のワンマンということで、みんなをより濃密なORESAMAのワンダーランドに招待できたらと思っていて、セットリストもそれを踏まえて考えてます。まだ、演出のことはお話できないですけど、私たちのライブには演出も欠かせない部分ですし、それもありつつ、ライブサポートメンバーも含めたステージの4人のグルーヴを最高な状態でみんなと共有できればと思っています。コーストのステージには以前に“リスアニ!PARK”で一度立たせていただいて、そのときにチームのみんなと「ここでワンマンやりたいよね」と言っていた夢がかなうので、頑張ります!

――2018年9月に東京・マイナビBLITZ赤坂で行った前回のワンマンライブ“ワンダーランドへようこそ~in AKASAKA BLITZ~”も、初っ端からレーザーダンスの演出がすごくて、まさに非日常の世界にやってきた感覚を味わえましたから。その公演の模様を収めたライブBlu-ray『WELCOME TO WONDERLAND Vol.1』もリリースされるんですよね。

小島 はい。ライブ会場での限定発売になります。

――あの公演では珍しく最後におふたりが握手をする場面もあって、いつも以上の手応えを感じられたんじゃないかと思ったのですが。

ぽん あの日にかける気持ちは強かったですし、やっぱり当日になるまでどうなるかはわからなかったので、あの景色を見ることができたのがうれしかったですね。でも、2018年はさいたまスーパーアリーナや横浜アリーナのステージに立たせていただいたこともあって、さらにもっと広い景色を知ってしまったので(笑)、もっとたくさんのみんなと遊びたいという気持ちが膨らんでるんです。ただ、お客さんが増えるからこそ、ひとりひとりと向き合いたい気持ちもありますし、お客さんと私たちだけでなく、お客さん同士の思いやりを育める空間をどういうふうに作っていけばいいのかなと思っていて。2019年はそういうことをより考えていきたいと思ってます。

Interview & Text By 北野 創(リスアニ!)


●配信情報
配信シングル
「ワンダーランドへようこそ/秘密」


配信中

M1 ワンダーランドへようこそ
作詞:ぽん 作曲・編曲:小島英也
M2 秘密
作詞:ぽん 作曲:小島英也 編曲:小島英也・Yamato Kasai(Mili)
M3 ワンダーランドへようこそ -Instrumental-
M4 秘密 -Instrumental-

※M3、M4はe-onkyo music、grooversのみで配信。

配信サイト
<通常音源>
iTunes Store / レコチョク / mora / LINE MUSIC / animelo mix / music.jp / Google Play Store 他

<ハイレゾ音源>
mora / e-onkyo music / music.jp / レコチョク / groovers
※ハイレゾ音源は全楽曲96kHz/24bitにて配信。e-onkyo musicのみ96kHz/32bitも配信いたします。

●ライブ情報
ワンダーランドへようこそ ~in STUDIO COAST~
2月2日(土) OPEN 16:00 / START 17:00
新木場STUDIO COAST
チケット:一般発売中

●リリース情報
WELCOME TO WONDERLAND Vol.1
《ワンダーランドへようこそ~in AKASAKA BLITZ~》のLIVE映像を収録
2月2日(土)※新木場STUDIO COAST会場限定
発売価格:¥4,500(税込み) ※上記会場での販売価格
新木場STUDIO COAST会場限定特典:ORESAMA WONDERLAND
PassCard & 特製ORESAMA COASTer
※特典内容は予告なく変更となる場合がございます。

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