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INTERVIEW

2019.01.11

TVアニメ『BORUTO-ボルト-NARUTO NEXT GENERATIONS』OPテーマ「Lonely Go!」をリリース! Brian the Sunインタビュー

TVアニメ『BORUTO-ボルト-NARUTO NEXT GENERATIONS』OPテーマ「Lonely Go!」をリリース! Brian the Sunインタビュー

里を離れたミツキを追うボルトたち。ナルトの世界の、新世代と呼ばれる彼らの心の葛藤や成長を描く『BORUTO-ボルト-NARUTO NEXT GENERATIONS』のOPテーマとして彼らの背を押してきたBrian the Sunの「Lonely Go!」。そんな一曲についてBrian the Sunを直撃した。

――Brian the Sunはどのように結成したバンドなのでしょうか。

白山治輝 僕と、ボーカルの森(良太)くんが同じ高校で。軽音楽部に入って出会ったのがきっかけです。それが12年くらい前で。バンドを結成して、部活動の一貫としてスタートをしたんですけど、やっているうちに……

森 良太 本気になりましたね。

白山 そうなんです。それで活動しながらメンバーチェンジも繰り返しながら、今のメンバーになったのが2011年です。結構、今の4人になってから本格的にデビューを目指したり、「音楽でごはんが食べていけるように頑張ろう!」とお互いを鼓舞していくようになったんです。

 そもそも真剣に音楽をやっていけるメンバーを探していたんです。だからふたり(小川真司と田中駿汰)が入ったことで定まった感覚がありましたね。やっとドラマーが固まった。ドラムがいちばん、決まらなかったです。

小川真司 何人変わったんだった?

田中駿汰 僕で7代目です。

小川 まさに七代目火影(笑)。

――ナルトくんですね(笑)。これまでにも『僕のヒーローアカデミア』のEDテーマや『甘々と稲妻』『3月のライオン』など多くのアニメ作品とのコラボレーションを果たしていらっしゃいますが、アニメ作品というモチーフがあることで、そうではない楽曲と制作の工程に違いはありますか?

 歌詞も曲も僕が書くんですけど、僕らがコラボしたアニメは原作があるものばかりだったので、原作の世界観みたいなものを崩したくないし、その曲がアニメに乗っかったときに、いらないことを言いたくない、というのは意識しているんです。僕らが担当したアニメはどれもそうなんですけど、自然に作者の世界観を伝えて、そこから読者や視聴者が受け取る、感じる、という作品だと思うんです。『ヒロアカ』も今回の『BORUTO』もそうですが、押しつけがましいメッセージがあるわけではなく、このキャラはこう生きていて、こっちのキャラはこんな生き方をしていて、生き方はいろいろとあるけれどどれが正解ということでもないし、正義と悪にしても正義に対してその反対側にある、というだけで強く「悪」だと言っていない。「これが答えだ!」と示すような作品とコラボをしていないので、そこを汚さないように。でも自分たちのサウンドと世界観とでコラボする、という意識で作らせてもらっています。

小川 良太が作ってきた曲のデモを聴いたときに、例えばオープニングの絵が浮かんだり、エンディングなら「絶対にこれは主人公が走ってるよな」って会話をしたりするんですが、そうやって作品がイメージできるようなアレンジにしていきたい、といつも思うんです。だから走っている絵が浮かべば疾走感を印象づけるようなアレンジにしていったり、誰が聴いてもパッと思い浮かぶイメージを、作ってきたものに対してそのまま乗せたいな、というのをタイアップ曲については考えます。

田中 僕はアレンジをするときには、テレビで流れたりするのであまり細かいことはやらずに、大きく、ロックな感じで、みんなにガツンと来るようなビートになるといいな、と思いますね。

白山 それはたしかにある。ミックスでもだいぶアニメ用に意識しているところはあるよね。

 オーディオで聴くのとテレビで聴くのとでは音像の腰の高さが違うので、あまり低いところに置きすぎたり細かいフレーズを入れると音が潰れてしまうんですね。

白山 それは何回かやったことでわかったんですよね。特に『ヒロアカ』の「HEROES」のときが強かった。そのときのオープニングはポルノグラフィティさんの「THE DAY」だったんですが、同じ大きさの音で聴いていても全然違っていたんです。

 ポルノさんの方がデカく聴こえたんですよね。

白山 そうそう。そこに僕らも衝撃を受けて。

小川 「これが経験の差かー!!!!」

白山 それ!「そういうことか!」ってなったことでその後も経験を重ねてきて、今回の新曲ではそれを活かしました。

田中 経験が活きるアレンジに!

小川 テレビで聴いてもガツンと音が出るようになってます。

――今お話に出ました、アニメ『BORUTO-ボルト-NARUTO NEXT GENERATIONS』のOPテーマ「Lonely Go!」ですが、実際にアニメで流れているのを聴いたときに、その経験で作った音はいかがでしたか?

白山 最初のオンエアのときは東北でライブだったので、車の中で観たんですね。でも車のオーディオで聴いてもしっかりと全部の音が鳴っていたので、良かったなぁ、と思いました。ライブとかとはまた別ですが。とにかく大きく音を作っていく、というのはアニメとのコラボでは強く意識していますね。

――その「Lonely Go!」はどのように作っていかれたのでしょうか。

 『BORUTO』が描いている世界観は、結構、今の時代感を彷彿とさせているように感じるんですね。昨今の時代感の中で感じている不安感や「こうあって欲しい」という希望みたいなものを、『BORUTO』の作品の中から読み取れたんです。ボルトってズルをしちゃってめっちゃ怒られるんですけど、多分、僕らの世代だったらあんなズルをしたら怒られるどころの話じゃなく、立てなくなるくらいどつかれると思うんです。でもボルトはそこから挽回できる。僕はそこが本当に不思議で。みんな、ボルトのことを許すんだって。「結果出したからOK」みたいな。なるほどな、と思って。でもそこを「おかしい」とは絶対に言いたくない。そういう時代だし、結局のところナルトもボルトの扱い方がわからないでいる。自分は成り上がりで、身寄りもいない友だちもいない、まったのゼロの状態からのスタートで。ナルトは何もないところから手に入れていく。でもボルトは多くを持っているところから捨てていかなければいけないんです。たぶん。それが時代の違いだな、と感じて。

白山 そうだな。言ってしまえば二世タレントだもんな。

 そうそう。ごはんも温かい料理が出てくるし、洋服だってお母さんがちゃんと着せてくれる。でもその満ち足りていることがボルトにとってはいちばんの孤独や不安。これ以上何を手に入れればいいかわからない。ちょっと修行すればナルトがあんなに苦労した螺旋丸もできちゃいますし。センスもある。それって今の人たちみたいって思ってしまう。周りにも「オマエ、大したことないぜ」っていう人がいない。だから結果、プライドを守るためにズルしちゃう。それってすごく寂しいなっていう想いで書きました。「内心めちゃくちゃビビリでズルという逃げる選択をする。それじゃダメだよ。怖いけどそれでもまっすぐにいくことが勇気なんだぜ」ってことを歌っています。

――そんなメッセージがオープニングに。作品の幕開けとなる曲だからこそ、と特に意識したことは制作時にありましたか?

 頭サビドーン!歌!っていう構成ですね。『BORUTO』が始まる、テレビの世界の切り替わるタイミングで「君がいるから」って言ってほしいんです。「僕はここにいるよ」って。そのフレーズで観ている人はボルトやナルトのことをめちゃくちゃ想像すると思うんです。それがやりたかったんです。

――その意図の通り、オープニングの映像は圧巻ですよね。

小川 オープニングの映像、めちゃくちゃ良かったですよね!マジで作画に力が入っているなって思いました。アニメは普段から好きなので、どれだけ力を入れてくれているかがわかるんですよね。その熱が伝わってきてうれしくて。めちゃめちゃいい映像を作ってくださっていたので、鳥肌が立ちました。あのオープニングですごく評価してもらったと思います。

――アレンジではいかがでしたか?

小川 さっきもお話ししましたが、今までの経験を踏まえたうえでテレビで流れることをしっかり意識しましたし、テレビで観たときに派手でカッコよくしようっていうことはミックスも含めてすごく力を注いだんです。僕ら、これまでは僕のギターの後ろにさらにギターを鳴らしているような、重ねる演奏をしたことはなかったんですが、今回はサウンドプロデューサーの江口 亮さんにいろいろと教えてもらって、違う音も入れることによって派手に聴こえるようなアレンジにもチャレンジしているので、とにかくテレビから流れてくる音が派手だな、と感じました。

白山 経験から予測もできるようになっていたので、聴いていても狙っていた音が響いたな、というのはあります。

 オープニングは初めてなんです。これからアニメが始まる、というタイミングで聴く曲。この経験はすごく貴重だな、と感じています。

白山 だから今、『BORUTO』を観ているちびっこにとって、その頃を思い出せる、忘れられないアニメソングに育ってもらいたいです。

田中 再放送とか、一挙放送とかで流れてもうれしいだろうしな。

――そんな「Lonely Go!」。アニメでは90秒しか聴いていないこの曲が、CDとして届くことで、さらにその先の楽曲の展開も楽しめるようになります。楽曲を聴いてくれる人たちにどんな風に楽しんでもらいたいですか?

 全編歌詞がしっかり『BORUTO』の世界なので、堪能してもらいたいです。アニメの曲は90秒を先に作ってしまうので、いざフルコーラスで作るときには2番以降を悩むんです。テレビでは流れないですし。でもとことん向き合おうと思って、『BORUTO』の世界観は自分の中で昇華しながらしっかり書いたので、そこを聴いてもらいたいです。あとは楽曲の展開が変わっていくところも聴きどころとして聴いてもらいたいです。

白山 しっかりアニメ盤もリリースがあるので、アニメで僕らを知ってくれた方にも手に取ってもらいたいです。

――その「Lonely Go!」と対称的に非常にバンドらしさのあるカップリング「Good-bye My Old Self」も収録されていますが、こちらの曲はいかがですか?

 めちゃくちゃ聴いてもらえるシングルになると思うので、しっかり僕ら自身の姿も入れておこう、と思って。こっちの曲がBrian the Sunのライブハウスでの姿です。

田中 アレンジも4人だけで。

白山 いろんな顔があるよ、というのを伝えたいですね。

――そんな出会いが多くなるコラボレーション。アニメの曲を担当することでライブのお客さんなどに変化はありましたか?

小川 『BORUTO』の曲をやったことで徐々に男の子のお客さんが増えてきたな、と感じますね。

白山 もちろんまだまだではあるんですが、バンドの知名度があがったというか。僕らを知ってくれている人が広く出てきたような印象はあります。雑誌の撮影をしていたときに、公園で撮っていたら子供さんたちが声をかけてきてくれて。「『BORUTO』の曲をやっている」って話をしたら「知ってる!知ってる!」って言ってくれたんですね。今までの僕らの活動ではなかったことですよね。

小川 それこそ『3月のライオン』の曲をやったときにはこの作品で僕らに出会ってくれたお母さんがお子さんを連れてライブに来てくれたこともありましたし。今はいろんな世代の人がライブに来てくれるようになりました。

 オーバーグラウンドなところに僕らの曲が届く機会だ、と思います。でも一般の、ライブハウスに足を運ばない人にはイメージが掴みにくいかもしれない。だからこそ主題歌となる楽曲にも、僕らのライブ感やそのままの音を詰め込んで、ライブする僕らが想像できたらいいな、と思っています。

――最後に皆さんにとって忘れられないアニメソングというのも伺いたいのですが。

 アニメ『らんま1/2』のエンデイングの「虹と太陽の丘」ですね。実は僕の母(ぴよぴよ)が歌っていたんです。推しの一曲ですね。小さい頃に再放送で『らんま1/2』を観て、自分も一緒になって歌っていました。

白山 アニメ『デジモンアドベンチャー』の、和田光司さんが歌っていた「Butter-Fly」です。やっぱり世代としてはドンピシャですし、めっちゃ歌ってました。

 デジモンはめっちゃ良かった。ウキウキしながら放送を待ってたし、あの曲は本当にいい曲!

小川 アニメ『NINKU-忍空-』のOPテーマだった鈴木結女さんの「輝きは君の中に」ですね。転調がすごい上に、Bメロが最高なんです。

田中 僕は『るろうに剣心』のJUDY AND MARYの「そばかす」が好きです。

Interview & Text By えびさわなち


●リリース情報
テレビ東京系アニメ『BORUTO-ボルト-NARUTO NEXT GENERATIONS』OPテーマ
「Lonely Go!」
1月9日発売

【DVD付初回限定盤】※紙ジャケ仕様

品番:ESCL-5145~6
価格:¥1,7549+税

【通常盤(CD)】

品番:ESCL-5147
価格:¥1,000+税

<CD>
1. Lonely Go!
2. Good-bye My Old Self
3. Lonely Go!(Instrumental)

<DVD>
Live at マイナビBLITZ赤坂 2017.10.9
1. Sister
2. パトスとエートス
3. HEROES
4. カフネ
5. the Sun

【期間限定アニメ盤】※デジパック仕様

品番:ESCL-5148
価格:¥1,204+税

<CD>
1. Lonely Go!
2. Good-bye My Old Self
3. Lonely Go!(アニメver.)
4. Lonely Go!(Instrumental)

●ライブ情報
Brian the Sun TOUR 2019「Lonely Go!」

3月16日(土)京都MUSE
3月21日(木・祝)福岡 Early Beliebvers
3月24日(目)名古屋SPADE BOX
3月27日(水)仙台LIVE HOUSE enn 2nd
3月30日(土)大阪umeda TRAD
4月7日(日)札幌BESSIE HALL
4月13日(土)渋谷CLUB QUATTRO

©岸本斉史 スコット/集英社・テレビ東京・ぴえろ

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