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INTERVIEW

2019.01.08

新作ゲーム「紡ロジック」と佐々木李子のコラボCD「紡ロジック Music Selection」リリース記念 佐々木李子×白戸佑輔スペシャル対談!

新作ゲーム「紡ロジック」と佐々木李子のコラボCD「紡ロジック Music Selection」リリース記念 佐々木李子×白戸佑輔スペシャル対談!

大人気ミステリーアプリゲーム『誰ソ彼ホテル』の制作スタッフが贈る新作アプリゲーム『紡ロジック』と、歌手・声優の佐々木李子とのタイアップコラボCD『紡ロジック Music Selection』が、2019年1月9日にリリースされる。収録される4曲の制作には、hotaru、毛蟹のほかに、「DAYS of DASH」「リワインド」など人気アニメ・アイドルソングを数多く手がける白戸佑輔が初参加している。今回はその白戸と、「歌うために生まれてきた」と言うほど歌が大好きな佐々木の対談が実現。3曲の制作を振り返ってもらった。

――今回の収録楽曲のうち、3曲の作・編曲を白戸さんが手がけられています。

佐々木李子 このお話を聞いたときは本当に驚きました。JUNNAさんの「Here」や亜咲花さんの「Edelweiss」など、白戸さんが作られた曲はたくさん聴いていたんですよ。なので、曲を書いてもらえるんだと思うとうれしかったです。

白戸佑輔 僕は佐々木さんのお名前と写真は何度か見たことがあって、今回ご一緒して初めて歌声を聴きました。

――まずはオープニング曲の「Blooming!」からお話をうかがいたいと思います。制作はいかがでしたか?

白戸 僕の好きな「ファンク系」という発注をいただいたので、とても楽しく書かせていただきました。おしゃれなコード進行のファンクとか、アシッドジャズが好きなんですが、そういう要素をしっかり入れられる機会ってなかなかなくて。今回は「やりたいことをやって、だめだったら自分の曲にして書き直そう」という心意気で、ここぞとばかりに入れてみました。それで最終的に、修正したのはキーぐらいでしたね。2音上がったんですが、キーはわりと高めで作ったつもりだったので「こんなに上げるの!?」と思っていました。

――佐々木さんは曲を聴いてどんな印象を受けましたか?

佐々木 最初に聴いたとき、きらびやかな海外のショーで粋なお姉さんが歌っているようなイメージが浮かびました。実際に歌っている内容は少しネガティブなんですけどね。ファンクは初めて挑戦したジャンルでしたが、楽しんで歌えました。

――レコーディングには白戸さんも立ち会われたのでしょうか?

白戸 そうですね。スタジオに入ったら佐々木さんがずっと精神統一みたいなことをしていて、なかなかレコーディングが始まらなかったんですよ。20分ぐらい。初対面だったこともあり、その様子を見ながら「いったいどういう子なんだろう……」と思っていたら、お互いに始まる合図を待っていたという(笑)。

佐々木 あのときはすみませんでした(笑)。レコーディング前はいつも曲をイメージして瞑想するんですが、この曲は歌詞がほとんど英語で、テンポも速いんですよ。英語が苦手なのでかなり緊張していて、「準備ができたら言ってね」と言われていたのを忘れて、ずっと待っていました。

白戸 でも、レコーディングが始まってみたら、ちゃんと「ファンク」を歌ってくださったんですよね。モノマネでそれっぽく歌うのではなくて、そういう音楽を聴いてきているんだろうな、という印象を受けました。本当にかっこよくて。「かっけー!」って言ってました。

佐々木 うれしいですね。白戸さんの曲って、聴いていても歌っていても気持ちいいフレーズがたくさん散りばめられているじゃないですか。最初は本当に緊張していましたが、何回かテイクを重ねるうちにすごく気持ちよく歌えるようになって、聴いてくださる方にも、その気持ちよさが最大限に伝わればいいなと思っています。2番Bメロの「絶対のAnswerがあったら冒険じゃないや」という歌詞がお気に入りなんですが、この部分やサビは、歌っていて特に気持ちいいです。

――レコーディング中はどんなディレクションがありましたか?

佐々木 「子音とリズムを大切に」とは言われました。

白戸 プリプロの段階でよくできていたので、指示したのはそういう、歌い方くらいでしたね。

佐々木 「全然下手じゃん」とか言われたらどうしようと思っていたんですが(笑)、優しくディレクションしてくださるので、余計な力を抜いて歌うことができました。ありがたかったです。

白戸 初めてご一緒したので、探りながらのディレクションではありました。「あの子、OKって言っても納得いくまで歌い直すんですよ」みたいなことを言われたんですが、確かに何度も果敢にトライしてくれてうれしかったものの、喉が心配になりました(笑)。

――先日『紡ロジック』オープニングムービーが公開されましたが、もうご覧になられましたか?

佐々木 はい。映像と音楽がすごくマッチしていて、これから何かが始まるわくわく感・ドキドキ感がありました。

白戸 わかる! あと、爽やかな曲というイメージでは作っていなかったのですが、あのムービーを見たらすごく爽やかに感じられました。

――昨年10月のSTORY LIVE「SynapstoRy」でもこの曲を披露されていましたが。

佐々木 ワンコーラスだけですが、初めてお客さんの前で歌わせていただきました。ダンスの先生にお願いして、めっちゃかっこいい振りもつけてもらったんですよ。こんな感じで(手振りで踊る)。

白戸 振り付けのパワーってすごいですよね。今、横で見ているだけでかっこよさが伝わってきますもん。

佐々木 そういえばライブのあと、ベースを弾いてくださっている方が「今までやったライブの中で一番大変だった! このベースはやばい」と言っていました。すごく難しいらしくて。

白戸 はははは!(笑)。ドラム、ベース、ギターは生で録ったんですが、やっぱりベースはこだわりたかったので。楽器RECのとき、普段は細かいアレンジはおまかせしていますが、今回はフレーズを固めて「こう弾いてください」というやり方をしました。

――ほかの2曲についてもお聞きしたいのですが、レコーディングの順番としては次にどちらを?

白戸 次が「Knock Out!」でしたよね。

佐々木 そう、「Blooming!」の翌日に録りました。レコーディング中、アドレナリンがどわーっと出まくっていて、頭の血管がブチ切れそうになった曲です。初めて聴いたとき、ものすごい衝撃を受けたんですよ。今までやってきた曲の中で一番インパクトがありました。だから、その衝撃で皆さんの心臓を突き破れるぐらいの、勢いある歌をうたいたいなと思って。

白戸 この曲も自分が好きなジャンルなので、オーダーをいただいて「書けます書けます!」という感じで作っていったのですが、作りながら「これは歌うの難しいぞ」と思ってましたよ。

佐々木 スタッフさんから「歌えますか? 大丈夫ですか?」って聞かれたんですよね。そう思われたのが悔しくて、頑張りました。

白戸 プリプロの段階から全然歌えてましたね。

佐々木 ありがとうございます。最初は歌えるか不安でしたが、挑戦してよかったなと思います。できあがった音源を聴かせてもらったら、自分が自分じゃないような感覚があったんですよ。自分の中の怪物が目覚めたな、みたいな。歌うことで、いつもは表に出さない感情を解放できた気がします。

――エンディング曲の「Good bye,Liar」についてはいかがでしょうか。

白戸 実は、一番最初に書いたのはこの曲でした。完成形は少しゆったりした跳ねのある曲なんですが、はじめはオープニング曲としてノリノリなアップテンポで作っていたんですよ。

――それがどういった経緯でエンディングに?

白戸 そのアップテンポなものを提出したとき、「キャッチーすぎる」と言われたんです。そこでのお話をもとに新しく「Blooming!」を書いて出したら、それがオープニングに決まって。で、「Good bye,Liar」が一度ボツになりかけたとき、プロデューサーさんが「この曲はテンポを落としたらすごくいいエンディングになる」とおっしゃって、エンディングとして作っていくことになりました。自分の中でアップテンポなものがはまっていたので、テンポを落とすと違和感がありましたが、完成に近づくにつれていい仕上がりになっていきました。

佐々木 初めて聴いたとき、切なさの中に、何かオープニング曲のような前向きさを感じたんです。今そのお話を聞いて、なるほどと思いました。

――レコーディングではどのようなイメージで歌われましたか?

佐々木 曲を聴いて、海辺で懐古しながらたそがれている風景が浮かんだので、レコーディング中は海を眺めている気持ちでいました。上京する前、早朝に海へ行って、寄せては返す波を眺めながら「もうすぐここを出るんだ」ってひとりでたそがれていた時期があったんですよ(笑)。

白戸 サビの最後、「忘れたっていいよ」の投げ捨てる感じとか、とてもよかったですね。あまり歌声に力を入れる曲でもなくて、少しけだるさがあるほうがいいなと思っていたので。このときはレコーディングに立ち会えなかったのですが、イメージ通りの歌をうたってくださいました。

佐々木 なるべくリラックスして、語りかけるように歌うことは意識していました。ゲームの一番最後に流れる曲なので、『つむロジ』の余韻に浸りながら切なさを感じてもらいたいです。

――ちなみに、おふたりがお会いするのは今日で何回目なんですか?

白戸 3回目です。

佐々木 レコーディング、レコーディング、そして今日ですね。でも私のツイートを見てくださっていて、よくリプライとかいいねをしてくださるんですよ。

白戸 そうそう。よく見てます。包み隠さず素を出しているから面白いんですよね(笑)。

佐々木 「李子さん」「佐々木さん」と呼ばれることが多いので、「りこりこ」ってあだ名で呼んでくださるのもうれしいです。

――Twitterといえば、「顎乗せしらってぃさん」の写真も。

佐々木 レコーディング後に「こちらが白戸さんです!」みたいな感じで写真を撮ろうとしたら、顎乗せをやってくださったんですよ。

白戸 いろんなアイドルの方たちが顎乗せ写真をアップしているじゃないですか。「これ、やりたかったやつだ!」と思って、乗っかってみました(笑)。

――今後また一緒に制作する機会があったら、どんな曲をやってみたいですか?

白戸 ミュージカルでやるような、ストーリーがある曲を歌ってみてほしいですね。それと、今回ファンクが歌えることがわかったので難しいリズムの曲も提供できますし、シャッフル・スイングなんかもぜひ作ってみたいです。

佐々木 えー! うれしいです。ハチロク(6/8拍子)とかも得意なんですよ。私は、今まで挑戦したことがないジャンルの曲を作っていただきたいです。たとえば、ボーカロイドが好きでよく聴いていたんですが、そういう電子的な音が入っている曲や、スタッフさん・仲間たちと一緒に「We Are The World」のような曲を歌ってみたいです。

――ステージで共演というのは?

白戸 やりたいですね。何かやりましょうよ。トークしながらその場で曲と歌詞を作っていって、最後に1曲を完成させるイベントとか。

佐々木 え、いいんですか!? 実現できるように頑張ります。

 Interview & Text By 友安美琴(セブンデイズウォー)


●リリース情報
「紡ロジック Music Selection」
1月9日発売

【Type A】

品番:AKCY-58067
全2曲+ボイスドラマ
価格:¥1,600+税

<CD>
1. Blooming! (オープニングテーマ)
2. Knock Out! (挿入歌)
3.ボイスドラマ1「有意義なサークル活動」
瀧紡(CV:榎木淳弥)、大門詠江(CV:竹内麻沙美)、宰司(CV:土岐隼一)

【Type B】

品番:AKCY-58068
全2曲+ボイスドラマ
価格:1,600円(税抜)

<CD>
1. Freedom (アナザーテーマソング)
2. Good bye, Liar
3.ボイスドラマ2「宝石みたいな」
瀧紡(CV:榎木淳弥)、諸戸宮蒼星(CV:西山宏太朗)、四辻琴子(CV:高橋未奈美)

【Type C】

品番:AKCY-58069
価格:¥1,600+税

<CD>
1. Blooming! (オープニングテーマ)
2. Knock Out! (挿入歌)
3. Freedom (アナザーテーマソング)
4. Good bye,Liar
5. Blooming! (instrumental)
6. Knock Out! (instrumental)
7. Freedom (instrumental)
8. Good bye,Liar (instrumental)

3形態共通
初回生産分封入特典:「紡ロジック」スペシャルイベント優先販売申込み用紙

●ライブ情報
『SynapstoRy ~ダリアと二人の赤ずきん~』(再演)
1月14日(月・祝)代官山LOOP
開場 12:00 / 開演 12:30
出演:佐々木李子 / 語り手:折原秋良 / Guest Vocal:えみい

『SynapstoRy ~月から降りたかぐや姫~』(再演)
1月14日(月・祝)代官山LOOP
開場 18:00 / /開演 18:30
出演:佐々木李子/帝(声のみ): 大塚剛央

詳細は公式サイトをチェック!

<白戸佑輔 プロフィール>

1981年に茨城県で生まれ、子どもの頃よりクラシックを聴きピアノを習う。
高校でドラムと作曲に目覚め、その後、東京音楽大学作曲科へ入学。室内楽、オーケストラ、などの作曲をしつつも、大学3年時にベースをはじめ卒業後はベーシストとして活動。
2007年に作家活動をはじめ、現在は様々なアーティストへの楽曲提供やサポート演奏を手がける。
ピアノ、ストリングスを活かしたアニソン、アイドルソング、またそれとは対照的に心に染み入るバラードが定評を持つ。
アニメOP、ED、TV主題歌、挿入歌など。パチンコ、映画、ゲームなどのBGMや主題歌なども手がける。

©SEEC

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