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INTERVIEW

2018.12.23

見どころは、衝撃のMVだけじゃない!充実の1stアルバムを徹底的に深掘り! 鈴木みのり『見る前に飛べ!』インタビュー

見どころは、衝撃のMVだけじゃない!充実の1stアルバムを徹底的に深掘り! 鈴木みのり『見る前に飛べ!』インタビュー

鈴木みのりが、ついに待望の1stアルバム『見る前に飛べ!』をリリース。自ら作詞を手がけ、MVではまさかの坊主姿を披露したリード曲「ヘンなことがしたい!」が衝撃を与える一方で、タイトルチューン「見る前に飛べ!」では歌詞・歌声の両面から胸の内に抱えた熱い想いをほとばしらせる。他にも多彩な新曲を収録した“今の鈴木みのり”を感じられるデビューイヤーを締めくくる1枚の裏側に、“リスアニ!Vol.35”に続いて改めて迫る!

楽曲はもちろん、曲間の秒数にまでこだわり抜いた1枚

――“リスアニ!Vol.35”でお伺いした際はまだ明かせなかった部分もありましたが、リード曲「ヘンなことがしたい!」のMVは、本当に振り切った内容で。

鈴木みのり いやぁ、とんでもないですね(笑)。それに、皆さんの反応もとっても新鮮で。それをすごく冷静な自分がいて、客観視してるんですよ。すごくびっくりされてる方もいれば、「あ、これはみのりちゃんにしかできない!」って言ってくださる方もいらっしゃったり……そういう皆さんの反応を拝見するたびに、自分で書いたこの曲の歌詞の「トンガリすぎるから みんな ちょっぴり恥ずかしいだけ!」っていう部分が延々と頭に流れ続けて「そうそう!」ってなるので「自分はすごく新しい、謎の扉を開けてしまったんだなぁ」っていう感覚がすごくありますね(笑)。

――その一方で座禅で肩を叩かれるシーンなどは、楽曲の音とうまくハマっていましたね。

鈴木 そうですね。ただ、あれは現場では音は流さずに監督のキューで叩いていただいていたので、監督が合わせてくださったんだと思います。でも叩かれるときも、なんでかわからなかったんですけど私がツボに入っちゃって。寝たところを叩かれて起こされているシーンなのにめっちゃ笑っちゃってて、ご迷惑をおかけしました……。

――楽曲自体も今までに全然なかったテイストのものなので、そこに驚いた方もいるかと思います。

鈴木 この曲のレコーディングには、作編曲を手がけてくださったDANCE☆MANさんもいらっしゃったんですけど、声優としての声の使い方みたいなところをすごく褒めてくださって。「天女のときは声を変えて」みたいにニュアンスは教えていただきつつ、自分自身で芝居がからせて歌ったものに対しては「いいと思います」とすごく言ってくださったので、本当に“自然にお芝居できたなぁ”という感じがしています。

――ラップの部分もすごく楽しそうですし。

鈴木 でもリズムに乗るのがすごく難しくて、そこはご指導いただきました。Aメロも最初は「飛んだり跳ねたり――」ってきれいな拍のリズムで歌ってたんですけど、それを弾むように「飛んだーり跳ねたり――」にしたり。そういうリズムに乗る感じは今までやったことがなかったので、難しくもあり楽しかったことでもありました。だから、表現自体は楽しかったので特に気負うことはなかったんですけど、“歌う”っていう意味での難しさはいちばん感じた曲ではあって。ファンの方の中にももう「この曲MVに気を取られがちだけど、めっちゃ難しい曲じゃない?」みたいなことを言ってくださってる方もいるんですよ。

――この曲も、リリースイベントや来年のツアーなど生で披露される機会も増えそうですね。

鈴木 そうですね。コールはめっちゃ楽しいと思うんですけどペンライトは振りづらい曲かもしれないので、ペンライトも普通に振るんじゃなくて、MVで坊主が持ってる木魚バチみたいに振っていただけたら。それでインド調になるところは、みんなに「ヘイッ!ヘイッ!」ってかけ声かけてもらったりして(笑)。

――一方タイトルチューンである「見る前に飛べ!」は、歌声から鈴木さんのあふれる想いがビンビン伝わってくる曲になっています。この曲も作詞を手掛けられていますが、そのなかで特に「こういうことをしたい」と盛り込まれたものはありますか?

鈴木 この曲はアルバム製作の序盤の頃に書いたんですけど、製作に入る直前に自分のダメだったところすごく気づき始めて。それは新しい一歩を踏み出すきっかけにもなったんですけど、「このままじゃダメだ。変わらなきゃ!」と、逆に今までの自分を軽く否定するような気持ちにもなっていたんですよ。なので、その当時の焦りがすごく入った曲になったなぁと思っていて。それは今振り返ると「大丈夫かな?」って少し不安になるぐらいの強い気持ちなんですけど、そのときの私はそれぐらいの気持ちを持っていたし、すごく疾走感のある楽曲ともいい意味でマッチングしたなって思ってますね。

――疾走感と、熱のある曲ですからね。

鈴木 そうですね。これも今までにないぐらいの心の叫びみたいな感じで歌っていたので、ワルキューレの豊洲PITでのライブの翌日にこの曲レコーディングしたっていうのもあって、すごく声が枯れました(笑)。

――特に中盤のセリフ部分は、変に綺麗じゃないほうが響くように思います。

鈴木 あれも自分の想いを叫ぶみたいな感じでやったので、とってもかっこいいセリフ回しになったなぁと思います。自分で言うのもなんですけど、すごく少年漫画の主人公感が出てますよね(笑)。

――これら冒頭2曲のコントラストも印象的なのですが、それ以降の楽曲も含めて曲順に関しても携わられたのでしょうか?

鈴木 はい。プロデューサーさんが叩き台を作ってくれたのですが、sasakure.UKさんの曲とやなぎなぎさんの曲は一緒にしたいという願望が自分の中にあったので、その2曲が隣同士になるように変えたくらいですね。ただ他にも、曲間の無音部分の秒数も「もしこの順番でライブで歌うなら、どれぐらい間があるかな?」っていうのを想像しながら、自分で決めました。なので、できればぜひ1回CDで、シャッフルとかスキップなしで聴いていただけたら。私も本当に好きなアーティストさんのCDは絶対に買うので、みなさんにもぜひ買っていただけたらうれしいなって思いますね。

――そのsasakure.UKさんからの提供曲「わたしはわたしになりたい」は、本誌掲載のインタビューでは「ひとつの恋が終わったときの曲」とおっしゃっていましたが、曲を受け取ったときにどんな世界観が頭の中に広がったか、改めてお教えいただけますか?

鈴木 前々から聴いていたsasakureさんの楽曲には、明るくてかわいくてポップな部分はあるんですけど、どこか切ないっていうイメージがあったんですね。それがこの曲では最初に頭の中にオルゴールが浮かんで。その中で回り続けてるバレリーナだったりとか、女の子をイメージしました。

――それを起点に、イメージを膨らませて。

鈴木 はい。“前に進む”ということをいっぱい書いてきたんですけど、「私は私」というところは捨てずに、そこに居て想い続ける強さ、みたいなものを描きたいなと思って。それで、最初はオルゴールの中でそばにいてくれる人がいたけど、そこからその好きな子が出ていっちゃって。でも私はあなたがまたここに来てくれる日までここで頑張る……みたいものをまずイメージしたんです。でもそういう設定みたいなものはありつつ、そこに自分の経験や、たとえば読んだマンガを通じて感じたこととかを、全部混ぜて書いていきました。

――聴き手によっては鈴木さんの想定を離れて、いろんな想像ができる曲になっていそうな曲でもあります。

鈴木 そうなんですよ。だから本当に歌詞カードを見ていただきたいなと思っていて。このアルバムの制作にあたって3曲で歌詞を書かせていただいてから、自分以外のいろんな楽曲の歌詞を見て「きっとご本人の頭の中には1個の物語やご自身の想いがあるんだろうけど、私が聴いてもすごく心に刺さるものがあるし、きっと別の誰かが聴いても刺さるものがある。そういうものが書けることって本当にすごいことだな」と改めて思うようになったんですよ。だからこの曲も、私を応援してくださってる方にも、私を思い浮かべてくださる以外にもご自身のことを思って聴いてくださって、それが心に残ったらいちばん素敵なことだなぁ……って、すごく思いますね。

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