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INTERVIEW

2018.11.28

TVアニメ『ゾイドワイルド』EDテーマ「blue moon」をリリース!中川翔子インタビュー

TVアニメ『ゾイドワイルド』EDテーマ「blue moon」をリリース!中川翔子インタビュー

TVアニメ『ゾイドワイルド』のEDテーマ「blue moon」を収録する今作は、中川翔子単独名義では約3年半以上ぶりとなるCDリリース。数々のアニソンを歌い、毎年ライブを続けてきた彼女が待ちわびたこの時を迎え、歌い続ける難しさ、そして歌い続けられる喜びについての想いを中川翔子が語る。

アニソンを歌い続ける道が見つけられれば

――3年半ぶりのシングルリリースとなります。初回生産限定盤に収録される特典映像「Shoko Nakagawa Interview in LA」でも話していましたが、CDを出せない焦りを感じていたんですか?

中川翔子 アニソンを歌い続けたいということは(自分の中にある軸の)第1位としてブレていないんですけど、思い通りにはいかなくて。3年半の間にコラボや何かでのリリースはあっても、自分のCDがストップしているのはすごく悔しかったです。(アニメ『ポケットモンスター XY』EDテーマ、2015年リリース)「ドリドリ」もまだアルバムに入れられていないし。毎週土曜日に『アニソン・アカデミー』っていうラジオを生放送で5年以上やっているんですけど、「リリースできてみんなが羨ましい!」ってすごく思ってました。ライブだけは絶対続けたい、歌いたい気持ちはブレずに持っていようとは思っていても、今年の頭は舞台でしたので歌から離れるかなと不安もありましたが、でも、秋になったら久しぶりにリリースイベントでみんなと会えることになって……。続けていてよかったという実感があります。みんなから近況を聞いたり、こんなにたくさんの笑顔に会えたりできるなら、3年半の意味があったと思えました。

――「blue moon」のMVで共演した女の子は中川さんのことを、アニソンをいっぱい歌っている人、みたいな認識を持っていましたが、自身としてはアニソン歌手という意識はどれくらいありますか?

中川 なんだろ。アニソンを歌っていてもちょっと「外の人」って思われがちで、いつになったら納得できるのかと思っていたんですけど、自分ではまだまだ果てしないですね。でも、今年の9月に(『高崎音楽祭』の)加藤登紀子さんのライブ(『加藤登紀子プロデュース・コンサート ジブリソングを歌う』)にゲストでお邪魔したんですけど、同じゲストだった夏木マリさんが、「歌っていても役者でいても立ち位置がどこなのか聞かれることが多いけど、すべてのときに夏木マリとして楽しむことを大事にしている」と仰っていて、「あー、それだ!」と思いました。私の場合はそれが歌で、歌があったからすべてのことがここまで途切れず続けることができたと思うんです。舞台やミュージカルやドラマといった、歌から離れたときの経験が「Heavy Girl」のMVでも役立ったと思うし、「歌に繋がってた」とも思えました。どれかだけだったら続けられなかったと思います。一度、(やることを)絞ろうかという会議も行われたんですけど。

――会議?(笑)。

中川 会社の人と。30代にさしかかったとき、20代までは何をやっても「器用だね」みたいに受け取ってもらえるけど、30代だと浅く見られてしまうから、やることを絞ったほうがいいんじゃないかなど話し合いました。でも、知らなくてもやってみて初めて好きになることがたくさんあったし、ドラマでお友達が増えたりもしたし。なによりやっぱり歌うことが大好きなので。歌のために頑張りたい気持ちなんですよね。それこそ「blue moon」は今だからできた曲でもあるので。

――アニソンを歌い続けてこれたという喜びを感じますか?

中川 めちゃくちゃ感じます。『アニソン・アカデミー』にはいろんなレジェンドの方が来てくださるんですけど、この間はささきいさおさんがいらっしゃって。いさお様への好きが強すぎて、4回ぐらい泣いていました。MCがずっと泣いてるラジオって相当気持ち悪いと思うんですけど(笑)。でも、先輩方を見ていても、時代の波を乗り越えて歌い続けることがどれだけ尊くて大変だったのかが伝わるし、だから後輩にも優しいし。アニメソングって時と共に宝石の輝きを増していくもので、私もアニソンを集めているうちに昔のアニソンを聴いて、そこから出会えたアニメも多いので感謝です。だから、久々にリリースできた今、「頑張りどきだな」って感じています。これからも、少しでも長く歌えるように、未来への道が見つかるといいなと思っています。

――海外にもアニソンアーティストとして呼ばれてもいます。

中川 今年の夏、アニメソングのおかげで10年ぶりにロサンゼルスでライブができました。10年前はまだ持ち歌が3曲ぐらいしかなくて、ひとりでステージに立つのがすごく怖かったんですけど、「空色デイズ」を歌った瞬間にすごく盛り上がってくださって。日本でもあんまりライブをやったことがない頃だったんですけど、「ライブって楽しい!」「歌でこんなに人と人が笑顔で繋がるんだ!」って大きなきっかけの扉が開いた気がしました。でも今回は、この10年でオタク文化が十分染み渡ったみたいで、「空色デイズ」を歌ったらみんなが天を指差すところで、それじゃあ飽き足らずオレンジのライトを持って腕をぐるぐる頭上で回転させまくる謎の動き付きで(笑)。感動しました。ニューヨークのライブでも同じでした。「アニソン」ってすごい文化ですよね。それはホントに先輩たちが切り開いた道なので、私もアニメソングを通じて世界とアニメを共有できたらな、と思います。

一日でも長生きしてほしいと思いながら歌ってます

――歌い続けてきたことで成長できた、変わった、と思うところはありますか?

中川 名古屋でリリイベしたときに思ったんですけど、昔、多忙の極みに声帯炎で声が出なくなったときがあって。そのとき、ファンの人が一緒に歌ってくれたんです。ライブ中にお尻の骨を折ったのもやっぱり名古屋だったこともふと思い出したんですけど、20代多少具合が悪くても気合でなんとかしていたんですよね。でも、自炊しないから栄養が偏ってくるし、よく風邪を引いてたし、背中が痛いとかそんなのばっかりでした。でも、舞台やドラマをやるようになったら共演者に迷惑をかけるから絶対風邪を引けないし。(2016年の舞台)『ドラゴンクエストライブスペクタクルツアー』ではアクションをするから、ベランダの広いところに引っ越してベランダで縄跳びしたり飛び蹴りしたり。背中に10キロの重しを乗せて体幹トレーニングするとか、毎日アクションの練習をしました。体が基本だから自炊を始めたり。

――まさに肉体改造計画ですね。

中川 そうしたらこの2年くらいは風邪を引いていません。体調もいいから歌も仕事もはかどるし。あと、家に友人を招いてご飯ふるまうとかコミュ力が上がりましたね。20代のときは、人と遊ぶとなったらおおごとすぎて、その日が近づいてくると体調悪くなっていたんですけど。(笑)ドラマで共演した皆がうちに遊びに来たり、ホームパーティーをしちゃったり。

――私も初めてインタビューしたときは目をあまり合わせてもらえませんでした。下を向いて。

中川 わーっ!ホントですか。ごめんなさい。世界でアニメしか信じていなかった頃ですね。失礼しました。でも、最初は舞台も怖かったんです。稽古って本当にしんどいし、人と飲みに行くのもすごく苦手で。でも稽古してると、あそこはああでしたよね、とか言いたくなって、居酒屋にも行きたくなるんですよ。でんぱ組.incのみんなとも「PUNCH LINE!」(2015年)でコラボしてから、いまも遊んでるし。だから、そのときはわからなくても結果オーライなことばっかりでしたね。

――進む道は間違ってなかったですね。

中川 多分。多分ですけど。

――反対に、変わらないと感じる部分はありますか?ずっとかわいらしいところは変わらないですが。

中川 いえいえいえいえ、必死ですよ、必死。だって、リリイベだと写真撮られるじゃないですか。怖いですよね、スマホがめっちゃ進化しちゃってるから。頑張ります(笑)。でも、変わってないのは……、基本的には変わってないですけどね。体調がよくなったことと料理をすること以外は。猫とだらだらしたり、家で絵を描いたり、ゲームしたりしてるときが幸せです。

――最後に、「blue moon」のリリースイベントのラストスパートに向けての意気込みを教えてください。

中川 きっと「しょこたん」という存在はなんとなく知ってくださっている方でも、私が歌っていることはまだまだ知ってもらえてないと感じているんです。リリイベは、私が歌っていることを認識してもらうにはとってもありがたい場所で、たまたま足を止めただけなのに、最後まで聴いてくださったりCDを手に取ってくれたりされるとすごく嬉しいです。ある会場ではちびっこたちが幼稚園1クラス分くらい来てくれたりとか(笑)。歌を聴いてくれるとか会ってくれるって、時間という寿命を共有してくれていることに等しいので、来てくれる方は皆、どうか元気でいてほしいし夢がかなってほしいって、リリイベのときには心から思います。笑顔で長生きしてほしいってことを願いながら歌っています。

Interview & Text By 清水耕司(セブンデイズウォー)
Photography By 小賀康子


●リリース情報
「blue moon」
11月28日発売

【初回生産限定盤(CD+DVD+付属品)】

品番:SRCL-9955~57
価格:¥2,315+税

<CD>
M1.blue moon
M2.Heavy Girl
M3.ミスター・ダーリン (self cover ver.)
M4.blue moon -Instrumental-
M5.Heavy Girl -Instrumental-

<DVD>
01.「blue moon」Music Video
02.「Heavy Girl」Music Video
03.「blue moon」Music Video Making
04.「Heavy Girl」Music Video Making
05. Shoko Nakagawa Interview in LA ~10年ぶりのLAで語る、これまでとこれから~

<付属品>
中川翔子とBEAMSが共同プロデュースする「mmts」
5th Anniversary バンダナ(全3色のうちランダム1種封入)

【通常盤(CD only)】

品番:SRCL-9958
価格:¥1,204+税

<CD>
M1.blue moon
M2.Heavy Girl
M3.blue moon -Instrumental-
M4.Heavy Girl -Instrumental-

●作品情報
TVアニメ『ゾイドワイルド』
MBS/TBS系列28局全国ネット“アニメサタデー630”にて
毎週土曜あさ6:30~放送中

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