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INTERVIEW

2018.11.27

活動10周年を迎えたそらる、TVアニメ『ゴブリンスレイヤー』EDテーマのニューシングル「銀の祈誓」リリースインタビュー

活動10周年を迎えたそらるのニューシングル「銀の祈誓」は、TVアニメ『ゴブリンスレイヤー』EDテーマ。ダークファンタジーを軸にした『ゴブリンスレイヤー』の世界観とリンクしたこの曲は、ヘビーなバンドサウンドとダイナミックな旋律、“命枯れるまで抗え”というラインがひとつになったロックチューンに仕上がっている。

客観的な視点を交えながら“自分自身がどう感じるか”

――ニューシングル「銀の祈誓」はTVアニメ『ゴブリンスレイヤー』のEDテーマ。『ゴブリンスレイヤー』に対してはどんな印象を持っていましたか?

そらる 基本的にはダークファンタジーですが、表現がすごくリアルだし、しっかり掘り下げられた作品だと思います。過激なシーンもあるのですが、王道すぎないところもいいなと。元々ゲームやファンタジーは好きだし、『ゴブリンスレイヤー』の原作も以前から読んでいたので、EDテーマのお話をいただけたことはすごく光栄でしたね。

――楽曲の制作もイメージが掴みやすかった?

そらる アニメの制作チームの意向を汲み取りながら作っていったのですが、やはり自分が歌う意味も必要ですからね。作品の世界観やストーリーに沿いつつも、自分の楽曲として成立させるにはどうしたらいいか、いろいろ考えながら制作していました。主人公のゴブリンスレイヤーは、寡黙で、自分のことを語らない。小説でもアニメでもそういう描かれ方をされていますが、“ゴブリンを殺す”という決意に至った動機は必ずあるはずだし、それは彼の内面に渦巻いていると思っていて。歌詞を書くときも、そのことは意識していました。

――ゴブリンスレイヤーの内面に焦点を当てる、と。

そらる そうですね。まずは小説の中から印象的な言葉を書き出すことから始めて、曲に落とし込む段階で、客観的な視点を交えながら“自分自身がどう感じるか”ということも反映しながら形にして。そこは難しいところでもあり、面白い部分でもありました。

――ヘビーなロックサウンドを軸にしたアレンジも、アニメの雰囲気としっかり重なりますね。

そらる アレンジに関しては、自分で作ったデモを元にして、“協力”としてクレジットされているはるまきごはんさんと一緒に固めていったんです。はるまきごはんさんの家で、椅子を並べて作業しながら、自分のイメージに近づけていって。ひとりで作っていると、どうやって落とし込んだらいいか悩むこともあるんですが、はるまきごはんさんに協力していただいて、思い描いたものにさらに近づけました。

――2曲目の「ゆきどけ」は切ない情感をたっぷり含んだロックバラード。

そらる 11月末にリリースされるシングルなので、冬をテーマにした曲にしようと思って。別れることが決まっている男女を描きたかったんですよね。冬の間に雪が降り積もっても、3月、4月までには必ず消えてなくなる。そういう儚い美しさ、尊さをふたりの別れとリンクさせたいなと。雪に包まれた世界と真っ白な病室が最初の着想でした。

――それは純度100%のフィクションなんですか? それとも、そらるさん自身の感情も含まれている?

そらる まず、自分の感情をフィクションの中に隠すことが多いんですよね、僕は。「銀の祈誓」も(3曲目の)「嘘つき魔女と灰色の虹 -acoustic ver.-」もそういう構成になっていて。今回のシングルは表題曲がダークファンタジーのアニメの楽曲だし、それを中心にして考えると、ほかの収録曲もファンタジーの要素が強いものがいいだろうということですね。自分の感情をまっすぐに出したほうがいいと判断すればそうするだろうし、つまりは“どういう楽曲にしたいか?”なんだと思います。

――とても明確ですね。「ゆきどけ」のアレンジについてもはっきりしたビジョンがあったんですか?

そらる ロックバラードを作ろうと思ったんです、最初に。ロックバラードは元々好きだし、よく歌ってきたジャンルでもあって。自分の好きな曲を作った、ということですね(笑)。

――3曲目には「嘘つき魔女と灰色の虹」のアコースティックバージョンを収録されています。編曲はMr.Children、Superflyなどのサポートでも知られるSunnyさんですね。

そらる 実際にお会いする機会をいただいて、どういう形にリアレンジするかを相談しながら制作しました。原曲はギターがメインなんですが、今回はピアノを中心にして、やわらかい雰囲気のアレンジにしたくて。これも空想の世界を描いた曲なので、ファンジーの要素、非現実感も残しつつ、アコースティックバージョンとして再構築した感じですね。原曲にはギターソロがあって、そこでテンポチェンジするんですよ。その感じは残してほしいとお願いしたら、ジャジーなピアノのソロに置き換えてくれて。自分の想像とはかなり違ったのですが、「こういう聴かせ方もあるのか」と思いましたね。

“音楽で生きていく”という決意

――このシングルは“10th Anniversary Year”の第1弾と位置付けられています。やはり10周年はひとつの節目なんでしょうか?

そらる そうですね。それを目標にしてきたわけではないですが、遊びとして始めて、気がつけば10年経っていたという。

――そらるさんは2008年に歌い手として活動をスタートさせたわけですが、どこかのタイミングで“プロとして活動していく”と意識が変わった時期もあったんですか?

そらる ライブやCDに関しては、お金をいただくものだし、以前から“プロ意識を持ってやらないといけないな”と思っていました。ただ、音楽を仕事にすると言いますか、“音楽をやることで生きていくんだな”という意識を持つようになったのは、ここ数年なんです。その時期は“どうしたらいいんだろう?”と悩むこともありましたね。

――ここ数年は、そらるさんのライブの規模が急速に拡大した時期でもありますね。

そらる それは僕だけの力ではないと思っているんです。いろいろな人がネットを使って発信、活動するようになった結果というか。YouTuberに対する注目もそうですが、いろいろな要因が重なって、自分の活動も多くの方に知ってもらえるようになったんじゃないかなと。

――なるほど。投稿動画サイトのシーンは、今も気にしていますか?

そらる はい。忙しくてなかなか投稿できないと、「早くアップしたい」と思うので。楽曲を作って発表しようとすると、どうしてもタイミングラグがあるんですよ。特に僕は1曲作るにもすごく時間がかかってしまうので……。好きな曲を歌って投稿するのはもっと気軽だし、遊びとして最高ですよね。曲によって反応に違いがあるのも面白いし。

――やはり“歌”が中心なんですね。

そらる そうですね。オリジナル曲を作っていると、メロディを何度も作り直したり、アレンジによって、最初に思い描いたものとは違う雰囲気になることもあるんです。そういうときも(ボーカリストとして)すぐに対応できるのは、何百曲も歌って、投稿してきた経験が活きているのかなと。アルバムの制作、ライブもそうですが、今まで積み重ねに助けられていると感じることは多いです。そうしようと思っていたわけではなく、結果としてそうなったいうことですけどね。

――2019年3月から4月にかけて全国ツアーを開催されます。幕張メッセ2days公演もありますが、どんなツアーになりそうですか?

そらる まだ漠然としているんですが、10年間を締めくくる内容にしたいと思っています。改めて自己紹介するというか、今までの歴史を感じてもらえるものにしたいなと。ずっと聴いてくれてる人には懐かしさもあるだろうし、最近になって知ってくれた人には、これまでやってきたことを見てもらいたいんですよね。

――“リスナーのため”という意識も強い?

そらる そうですね。“自分の歌を聴いてほしい”というのがいちばんですが、聴いてくれる人がいなければ続けられなかったのは、間違いないことなので。

INTERVIEW & TEXT BY 森 朋之


●リリース情報
「銀の祈誓」
11月28日発売

【初回限定盤A/CD+DVD】

品番:TYCT-39095
価格:¥1,600+税

【初回限定盤B/CD+DVD】

品番:TYCT-39096
価格:¥1,600+税

【ゴブリンスレイヤー盤/CD+DVD】

品番:TYCT-39097
価格:¥1,600+税

【通常盤/CD】

品番:TYCT-30084
価格:¥1,600+税

<CD>
1. 銀の祈誓
2. ゆきどけ
3. 嘘つき魔女と灰色の虹 –acoustic ver.-
4. 銀の祈誓(TVSIZE Version) ※ゴブリンスレイヤー盤にのみ収録

<DVD(初回限定盤A)>
1. 「銀の祈誓」実写MV
2. 「銀の祈誓」MVメイキング
3. そらるに色々聞いてみた

<DVD(初回限定盤B)>
1. 「銀の祈誓 –Piano ver.-」歌唱映像
2. 「ハナミズキ –cover.-」歌唱映像

<DVD(ゴブリンスレイヤー盤)>
1. 「銀の祈誓」イラストMV
2. アーティストビジュアル撮影風景

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