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2018.11.09

angela 武道館の夢を再び誓う! ベスト選曲で臨んだ “angela Live 2018 All Time Best in 日比谷野音”25曲完全レポート

angela 武道館の夢を再び誓う! ベスト選曲で臨んだ “angela Live 2018 All Time Best in 日比谷野音”25曲完全レポート

「太陽神を認めよう」――この日、最初のMCでKATSUがatsukoをそう呼んだとき、会場中の観客が間違いなく頷いた。10月27日に開催されたangelaのワンマンライブ“angela Live 2018 All Time Best in 日比谷野音”でのことだ。この日の天気予報は1週間前から雨が予報されていたが、それは見事に外された。このエピソードには前日譚がある。5月19日に河口湖ステラシアターで開催された屋外ライブでも同様に雨の予報をangelaは覆したのだった。ここぞというタイミングを外さないangelaの“持っている”人智を超えたパワーはアーティストとして重要な力だ。その勢いのまま、軽快なMCを挟みつつ約3時間、全25曲のライブを走りきった。

日の沈む早さと都心の空気から秋の深まりを実感させる東京日比谷の夕方5時30分過ぎ。angelaはデビュー15周年を記念した2枚組×2のオールタイム・ベストアルバムを引っさげてのオールタイムベスト選曲で臨むと銘打っていたこともあり、客席だけでなく立ち見まで出るほどの集客に恵まれた。ぢぇらっ子のボルテージは開演前から高く、会場に流れるangelaが主題歌を担当した作品のBGMの一つひとつにざわめきが聞こえる。やがて入場の曲とともにステージメンバーが入場し、歓声が湧きたち一列になるやいなや壮大な音楽が響き渡り、atsukoが声を発する。この日の1曲目は皆の予想と期待通り、angelaがキングレコードと歩みを始めた『宇宙のステルヴィア』の主題歌「明日へのbrilliant road」だった。頭サビを終えると野音仕様か、ベースとドラムがバキバキの太い音を響かせ、それに負けじとatsukoがオーディエンスを煽っていく。合いの手と掛け声のタイミングは15年前と変わらず、しかしそのときよりもずっと多くの熱いファンが声援を投げかけ、サビに変わると一斉にステルヴィアのイメージカラーであるグリーンライトが点灯する。間奏のソロで台の上に登り煽ったかと思えば、2コーラス目には上手に走り腕を振り上げるatsuko。1曲目からコール&レスポンスの応酬の後、マイクアピールをしてシンガロング。そしてラストサビでは「あたしがいて、ぢぇらっ子がいる」とファンに呼びかけ、オープニングから演出を全部乗せてこの日の幕を開けた。

続いて、おなじみのマーチのイントロが聴こえると会場は赤く染まり、それをバックに「総員敬礼!」の声が響き渡る。1曲目からangelaの歴史を10年ほど進めた「シドニア」を投入。序盤の静から一気に轟音の動へ。それに合わせるかのようにatsukoは華麗に回り、KATSUは低位置でギターをヘヴィに掻き鳴らす。間奏では各メンバーがソロパートを回していき、KATSUおなじみの「ジーク・ジオン!」の掛け声をatsukoがお株を奪い早々に投下。期待を越えていくこともまたエンターテイナーだ。落ちサビではスモークが焚かれ、リフレインではここでもコール&レスポンスを行ない、最後も敬礼で締めくくった。

この雰囲気から一転、軽い音が聴こえてくるとそう、「全力☆Summer!」の合図だ。この幅の広さがangelaだ。最新の部類に入るこの楽曲はangelaにとって、演出上ひとつ大きな武器となったはず。それをこの日は最もシリアスな楽曲のうちのひとつ「シドニア」からの流れで入れこんできた。もちろんそれをエンターテイメントに消化できるのはangelaの瞬発力と演出、そしてオーディエンスとの信頼感あってのこと。阿吽の呼吸でバナナの黄色を点灯させる客席。「うー、はー」のリフレインやKATSUのスルド(太鼓)を持って走り回り、ダンサーたちもリズミカルに動いて視覚的にも楽しませる。間奏では客席を半分に分け「野音」(上手)と「だよ~ん」(下手)を繰り返し合唱、そしてホーン隊もテンポを上げて演出する。チーム一丸となったこの演出ぶり。落ちサビではatsukoはコブシを思い切り効かせて歌い、最後はホーン隊も前方に入り乱れるお祭り騒ぎ。5分前には一糸乱れぬ敬礼をしていたステージとは思えない高度なエンターテイメントを見せてもらった。

この日最初のMCでは冒頭のやり取りに加え、時事ネタの笑いを取りつつ「たくさんの曲をお届けします。まだまだ戦っていける?」と煽ってから大音量でヘヴィなサウンドと艶やかなロングトーンで雰囲気を作る。間奏のストリングスに続けてKATSUはメタルなギターソロで魅せる。パワフルなベースとクラッシュシンバルのキラメキがステージから日比谷の夜に響き渡り、この場所が日本のロックの聖地であることを思い出させてくれる。メロディックなイントロからアツい煽りへと展開する「ANGEL」もボルテージが上がるロックな調べで、atsukoはディープな歌声にファストな歌メロを次々と繰り出していく。KATSUは長めのギターソロでキメてこのロックなゾーンを締めくくった。

MCで振り付けを練習ときたら、察しの良いオーディエンスも多い「Spiral」。情感たっぷりかつ高らかに歌い上げるこの楽曲の複雑な振り付けもぢぇらっ子は一様に行なう練度の高さ。そして青いライトに染まった空間がしゃがむところで隠れ、一瞬の暗闇が客席に落とされた後にジャンプして灯る光の開放感は壮観だ。久々の「gravitation」ではこの日もatsukoは伸びやかかつ高らかにパワフルで劇的なこのナンバーを歌い上げる。続く「僕じゃない」では彼女の武器であるファルセットを活かし、リズムに乗って紡いでいく。壇上に登ったり、下手では膝をつくパフォーマンスがあったり、サビでのシンガロングなど、客席との一体感を強く感じさせる楽曲となった。「The end of the world」は初期のバラード曲。ここでは前の曲の流れに乗り、ただじっくりと歌声とファルセットを聴かせていく。終わった後は温かい拍手だ。

MCでatsukoは「ずっと歌っている曲なのにすごく新しい気持ちで」歌っていると話す。それはこの日のバンドメンバーに依る所が大きい。KATSU「15年の中で出会った怪物を集めよう」という意図で、縁が深く実力派のプレイヤーで揃えていた。IKUO<bass>は「Shangri-La」以降のほとんどで弾いている。<key>はKATSUの師匠である蓮沼健介。angelaのレコーディングではほぼ常にピアノを担当。KATSUとは「2週間に一度は会っている」という。<dr>はアニサマバンドでも活躍する山内”masshoi”優。マニピュレーターは『宇宙のステルヴィア』でキャラソンを作っておりangelaと「同期」である大串友紀。<horn>はこちらも長年angelaのレコーディングであらゆるホーンをひとりでこなすYOKAN率いるYOKAN HORNSの面々だ。

「このメンバーで新鮮なangelaをお見せしたいと思っています!」と宣言したあと、「オルタナティヴ」へ。独唱から癖になるメロディとキレキレのシンセサウンド。そしてバロック的なクワイア、ロックへと展開する、曲名以上に1曲の中に多彩な要素が盛り込まれた曲を、観客はじっくりと味わい、やがて拳を振り上げて酔いしれる。その流れに乗りキラーチューンのひとつである「蒼穹」を投下。atsukoはメロディアスに振り切って世界を表す独唱から極上のハイスピードな2バスに乗せて煽りに煽り、歯切れよく歌声を繰り出していく。このスピードに乗りつつも、少しだけタメを作りグルーヴを出していくatsukoの見事なボーカルワークはこの曲の聴きどころのひとつ。それが間奏でのヘヴィなヘドバンに繋がるという、綿密な演出をこともなげにやってのける。ふたりがステージから掃けるに合わせてブラス隊が登場し、各人がソロを吹くと客席からクラップが湧き会場を包み込む。

やがて衣装直しをして登場したKATSUは黒いチャイナ風コートに白いパンツでギターを掻き鳴らし、atsukoは艶やかなドレスで登場。続く「in your arms」ではメロウなサウンドに乗せてダンサーと踊り、彼女らしいファルセットでパーティー感を演出。つづくセルフカバーの「キラキラ-go-round」は、ミドルなブラスサウンドのイントロから手拍子を要求。黄色く染まった会場にかわいらしい1,2コールと拍手響く。伸びやかで温かいサビに会場は多幸感でいっぱいとなった。

2枚組×2のベストアルバム収録の60曲を1公演で披露するのは物理的に難しい。それでも時間内にできるだけ多くの曲を届けようとするangelaが「今日はムダ話(MC)が少ない」と言った瞬間、最も長いブーイングが飛んだのはご愛嬌。楽曲と同じくらいMCも愛されている証左。気を取り直し、atsukoは優しいピアノ伴奏に乗せて深い歌声で「愛すること」を歌う。イントロのピアノが静かに響くと日比谷公園の虫の音が鳴っていることに気付かされる。こうした自然のSEもまた野外ライブの醍醐味だ。展開の中でドラムが入り劇的に演出し、一度音を止めてからさらに感動的な歌声でドラマティックに締めくくり、深く一礼をするatsukoに観客は温かい拍手を送った。この曲は『蒼穹のファフナーEXODUS』の第17話のみのED曲。作品への寄り添い方もより深いものとなっているが、普遍性をもって届いた模様だ。次の曲はまた感動的な1曲。昨年の武道館公演ではキングレコード所属以前の幻のシングル「memories」が歌われたが、今回はそのカップリング「笑顔をみせて」だ。再び路上に戻ったangelaにおいて、道行く人々の足を止める武器になっていたというミディアムバラードだ。また屋外で、だが今は温かいファンからの黄色いライトに照らされてatsukoはじっくりと、ファルセットからウィスパーまで駆使し朗々と歌ったあと、深々と頭を下げた。つづくMCで選曲理由を語り、当時の苦労話も今は笑い話となった。「辛いこととかあったけど、止めなかったからこそ今日という未来を迎えられた」と続け、「未来とゆう名の答え」へ。ブラスロックの軽やかさに乗せつつ、スウィングするボーカルを聴かせていった。

ここでまたライブの雰囲気を変える曲「蒼い春」を投入。ブラス隊が牽引しつつ、ダンサーも登場し客席にアピールしつつ、お祭り感覚の楽曲の楽しませ方でコーラスや手振りを交えつつ、ギターソロに合わせてモンキーダンス。angelaがふたりのユニットであることを忘れるほど多彩な楽器を使ったこの曲を、実際に演奏するさまを目撃するのは至福の時間だ。さらにまた雰囲気を一転させるタイミング。ゆっくりとシンバルが鳴り、KATSUの大太鼓に合わせて凛々しく錫杖を手にしたatsukoの声が響く。この勇ましいイントロは「騎士行進曲」に他ならない。繰り返されるリズムで高揚感がどんどん高まっていき、オーディエンスの掛け声も大きくなる。屋外のステージはとりわけ大太鼓がよく響く。間奏での今日の語りは、「まだまだぢぇらっ子と一緒にブリリアントロードを歩んでいきたいです!」と叫び、喝采を受け、ラストサビではマイクを客席に向け、さらに大声でリフレイン。最後に敬礼をして「諸君らの声援、そして歌唱に心より感謝する。ぢぇらっ子の騎士たちに栄光あれ!」と締めくくった。

MCでは今冬のコミックマーケット(C95)に参加申し込みをしていることを明かすangela。ファンクラブで集めた投稿の「ぢぇらっ子アンソロジー本」を出す予定だという(その後、当選・配置が東地区“シ”38aに決定)。その他、「おもしろMC100選」のCDの紹介として、この日抑えていたいつもの爆笑MCを解禁。ひとしきり話した後、最後のパートは『K』のシリーズ主題歌が集まった。黄色い歓声が沸き上がるなか、公開中の『K SEVEN STORIES』第4章の主題歌から「Lost Small World ~檻の向こうに~」を歌う。エレアコで軽快なリズムを刻みつつ、オルガンで叙情的な味付けをして、徐々に楽器が増えドラマティックに仕上げ力強く歌い上げる。バスドラがリズムよく鳴らされつつ、赤青の上げ下げゲームが始まった。もちろんこれは『K』作中の両陣営になぞらえたもの。「KINGS」サビの振り付けとビッグウェーブを練習しつつ、ステージ上は全員が縦1列に並びスタート。バスドラが力強く、振り付けに合わせたテンポを保ちつつ、メロディアスな歌メロを歌っていく。ギターソロがひと暴れした後はDメロを全員で合唱。そしてラスサビのタイミングで銀テープが発射され、歓声とともにいよいよこの日の幕引きの時刻が間もなく迫っていることを否が応でも知ってしまう観客。そして「SURVIVE!」のイントロで本編最後と明言され、この日のスペシャルな宴が終わってしまうことを認めたくないかのように拳を上げる。リフは切れ味鋭く激ヘヴィで、ドラミングも野音仕様で最後に最もパワフルだ。atsukoはヘドバンのポーズを決め、間奏では赤いライトを振り、最後に会場全体でシンガロングを繰り返し、最後のギターソロからホーン隊、キーボードの重奏、そしてやはりパワフルなドラミングでかっこよく締めくくった。

アンコールではハロウィンのシーズンに合わせてステージ上に数十人の仮装の人々が登場。すかさずライトをオレンジに点灯させるオーディエンス。angelaのふたりももちろんそれに加わりつつ、この日ならではの「That’s Halloween」(アルバム『LOVE & CARNIVAL』収録)を会場を交えて楽しく歌い上げた。イントロから歓声が湧く「DEAD OR ALIVE」は、気合十分な歌とキレのある動きで観客もそれに習い腕を振り上げ、2コーラス目からパワフルなドラミングが引っ張っていく。間奏に「follow me follow you」と、同じく『蒼穹のファフナーEXODUS』のOPテーマ「イグジスト」の一節を交え、コール&レスポンスを行なうなど、限られた時間の中でもファンへの目配せを忘れないところもエンターテイナーだ。そしてスペシャルなライブのオーラスは、やはり荘厳なイントロからスタートする「Shangri-La」。頭のサビをatsukoが澄んだ声で歌うと観客も最後の力を振り絞って応援し、皆でタオルを回していく。atsukoも最後にもかかわらず熱気を振りまき、回転しつつホイッスルを使って盛り上げる。パワーを全開に凄まじい集中力で絶叫。ラスサビでは会場一体となって合唱を行ない、それを受け取ったatsukoは満足げに笑みを見せ、最後に全員でジャンプして締めくくった。

終わりのMCでは改めてメンバーを紹介し謝辞を述べたあと、KATSUが2018年を振り返り、「予想もしなかったことの連続」と締めくくる。“KING SUPER LIVE 2018”で東京ドームに立ったことに触れ、「夢を叶えるのはひとりじゃできない」と語る。そして会場のぢぇらっ子に「いいかお前ら、へこたれんじゃねえぞ!」と檄を飛ばす。atsukoは「私たちは常に前を見てしっかりと音楽を届けて100歳まで頑張っていきたい」と宣言。最後にKATSUは「もう1回、武道館行きてえ!」と思いを爆発させたあと、ふたりはハイタッチし、この記念すべきステージを後にした。

本公演は5月の河口湖ステラシアターでのライブと共に後日Blu-rayで発売される予定だ。これまでもangelaはライブで過去の楽曲をバランスよくセットに組み込んでいたが、今回のようにベストで並べるとその時々に応じて幅広く作っていることがよく分かる。さらにこの日のようにライブで大勢のミュージシャンとパフォーマーたちによって演奏されると、使う楽器の豊かさが目に見えてわかる。それがangelaの15年間のアニソンの重み。日本のアニメの豊かさの基準は企画やモチーフの幅の広さにある。その象徴であるアニソンシンガーとして、angelaにはこれからも記録を伸ばし続けてほしいと思った。

Text By 日詰明嘉

angela Live 2018 All Time Best in 日比谷野音
10月27日(土)日比谷野外大音楽堂

セットリスト
1 明日へのbrilliant road
2 シドニア
3 全力☆Summer!
4 Beautiful fighter
5 ANGEL
6 Spiral
7 gravitation
8 僕じゃない
9 The end of the world
10 オルタナティヴ
11 蒼穹
12 接触
13 in your arms
14 キラキラ-go-round
15 愛すること
16 笑顔をみせて
17 未来とゆう名の答え
18 蒼い春
19 騎士行進曲
20 Lost Small World ~檻の向こうに~
21 KINGS
22 SURVIVE!
ENCORE
23 That’s Halloween
24 DEAD OR ALIVE
25 Shangri-La


●リリース情報
ライブBlu-ray発売決定!

2018年10月27日(土)に日比谷野外大音楽堂にて行われた『angela Live 2018 All Time Best in 日比谷野音』と、2018年5月19日(土)に河口湖ステラシアターにて行われた『angela 15th Anniversary Live』のライヴの模様を収録した Blu-ray DISCの発売が決定!
詳細は後日発表。

angelaデビュー15周年を記念したオールタイムベストアルバム
発売中

「angela All Time Best 2003-2009」

品番:KICS-3755~6
価格:¥3,300+税

「angela All Time Best 2010-2017」

品番:KICS-3757~8
価格:¥3,300+税

劇場アニメーション「K SEVEN STORIES」ED主題歌ミニアルバム
11月28日発売
『K SEVEN SONGS』
【CD+BD】
品番:KIZC-464~5
価格:¥2,800+税

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