リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

INTERVIEW

2018.10.31

TVアニメ『ツルネ―風舞高校弓道部』ED主題歌「オレンジ色」をリリース!ChouChoインタビュー

TVアニメ『ツルネ―風舞高校弓道部』ED主題歌「オレンジ色」をリリース!ChouChoインタビュー

京都アニメーションが制作する話題のTVアニメ『ツルネ―風舞高校弓道部』。そのED主題歌を担当するのは、透き通る歌声が魅力のChouCho。今回の楽曲でも優しい歌声が心を温かくしてくれている彼女に、10月31日に発売されるニューシングル「オレンジ色」について語ってもらった。

――『氷菓』以来の京都アニメーション作品でのタイアップになりますが、京アニの魅力はどこだと思いますか?

ChouCho やっぱり繊細な映像と心理描写ですね。独特な透明感があって、美しい作品だなと思います。目の表情だけでも表現が深いじゃないですか。そういうところがすごく印象に残っています。だから今回もきっと繊細で美しい作品になるんだろうなぁと思って、期待しています。

――弓道に打ち込む男子高校生たちの青春ストーリー『ツルネ―風舞高校弓道部』のED主題歌ですが、原作小説を読んで世界観を感じたりもして?

ChouCho 曲を受け取る前に小説を読んだんですけど、実は私、高校3年間弓道をやっていたんですよ。それは制作の方々は知らなかったみたいなんですけど、原作の弓道の描写の細かさに驚いたんです。実際にそうだった!って、私の記憶に残っている弓道の映像が見えるように書かれていたんです。だから弓道を知らない人が読んでも、すごくわかりやすいんだろうなって思いました。

――ED主題歌「オレンジ色」を受け取ったとき印象を教えてください。

ChouCho すごく温かい、優しい曲だなと感じました。とてもシンプルな曲なので、歌でどう表現すれば、この曲の魅力を最大限引き出すことができるんだろうというのはすごく考えましたね。やはりシンプルな曲のほうが難しいので。

――すごく情景が浮かんできました。

ChouCho 本当に帰り道の情景が浮かぶというか。弓道の試合の部分ではなく、友情の部分にフォーカスを当てた曲ですけど、青春が詰まってますよね。

――アレンジもすごく優しくて。

ChouCho 最初いただいた仮歌はもっと素朴なものだったんです。そこから村山☆潤さんにアレンジをしていただいたんですけど、より繊細な美しさが加わったと思います。ストリングスも入っていたので。

――やはり『ツルネ』ということで、弦なのかなと思いつつ、とても印象的でした。

ChouCho そうですね。きっとそういう意味合いでも弦を入れている気がします。もともとシンプルなメロディなのでそこに華を添えてくれていますよね。しかも今回の弦はカルテット(吉田宇宙ストリングス)に入れてもらっていたので、すごく深みもあるんです。特にチェロの音は印象的でした。

――ボーカル録りと同じ日に弦の収録をしていたんですよね?

ChouCho 先にカルテットを録ったあとにボーカルを録ったんです。生で聴いた演奏がものすごく良くて!それを聴いたあとだったから、気持ちもさらに高まっていました。

――でも、すごく優しいボーカルで。

ChouCho 素朴な歌詞なので、歌い上げてしまうと意図したものとは違うところにいってしまうのかな、というのがあったんです。曲が持つ素朴さを大事にできるように、言葉を置いていくというか。歌い上げるのではなく語るという気持ちで、Aメロは特に意識して歌いましたね。

――Aメロはすごくボーカルが際立っていました。

ChouCho 音の数もすごく少ないので、そこで頑張って歌ってしまう曲ではないのかなと。情景が浮かぶ歌詞をそのまま素直に表現すればいいと思って、言葉を届けることは意識しましたね。あとは全体的に温かみが出るようになればいいなと思いました。

――オレンジって温かいイメージがありますからね。でも“静かに燃えるオレンジ”という歌詞は、あまりない表現だなと思いました。

ChouCho そこは(作詞・作曲の)藤井万利子さん独特の表現だと感じました。燃えるだけど炎の赤ではなくオレンジで、温かく燃えている。その言葉が届くように歌いたいというのはあったので、どんなトーンで歌ったらそれが表現できるのかなというところは自分で試しながら、ベストな表現を探りました。ここは曲の最後のところなので、とても大事にしました。

――MVは、子供が出てくるものでしたね。

ChouCho 『ツルネ―風舞高校弓道部』の世界観を意識して監督さんが少年たちをキャスティングしてくれました。雰囲気のある廃校を使わせていただいたんですけど、実は雨だったんです。でも、柔らかい光を作ってもらい、夕焼けのような表現をしていただきました。

――朝、早かったんですよね?

ChouCho 出発したのが4時過ぎくらいで。本当は本物の朝日で撮るつもりだったんですけど、結果すごくきれいな映像が撮れたので、雨が降って、かえって良かったのかなってと(笑)。お昼には雨も上がって、子供たちのシーンはちゃんと撮影できたんですけど。

――今の子供たちはザリガニを捕ったりするのかな?と思いながら観ていました。

ChouCho 今もザリガニっているんですかね?

スタッフ 撮影用にザリガニは用意していったんですけど、行ってみたら実際にいましたね。

――やっぱりまだいるんですね(笑)。子供たちの演技も最高でした。

ChouCho 撮影のときに挨拶したんですけど、子役って感じじゃなくて、リアルに子供!って感じだったんです。挨拶もシャキシャキしてるのかと思いきや、普通にかわいくて(笑)。でも、素敵な演技をしてくれて、すごいなぁって思いました。後半で男の子のひとりが引っ越しちゃうみたいなストーリーがあるんですよ。最後はほっこりするような感じなので、フルコーラス観てほしいですね。私は別次元で歌っているので、絡みはないんですけど……(笑)。

――そしてChouChosさんが作詞・作曲をしたカップリングの「still」が、ものすごくかっこよかったです。

ChouCho ホントですか?表題と真逆の曲にしようと思って作ったんです。ここまで激しい曲はなかったなと思うんですけど、そもそもデモの段階ではここまで激しくなかったんです。

――たしかにアレンジがとてもハードなんですよね。

ChouCho そうなんです。こんなバンドサウンドになることは想定していなくて、デモはシンプルでタイトでクールな感じだったんです。それをアイディアを出し合いながら作っていったら、印象がかなり違うものになりました(笑)。

――そこから歌詞を書いて?

ChouCho アレンジができたところで、最後に書きました。タイアップでは表現できない自分の内面を書きたいという気持ちが毎回あるので、この曲は英詞が多いんですけど、自分の中にある可能性を信じている、というテーマで書いていきました。だから歌も、バンドサウンドに負けないように、自分の殻を破って歌わなければいけないなという感じでした。

――途中で語りが入るじゃないですか。あれも新しいですよね。

ChouCho 楽器のレコーディングをしたときにアイディアとして出て、私は語るなんてまったく思っていなかったんです。セリフを入れたらいいんじゃない?ってことに……。もともと間奏部分がかなり激しい演奏だったので、それに負けないインパクトが欲しいみたいなところから始まったんですけどね。

――だいぶインパクト出ましたね。声も歌の声とはがらっと変えてるし。

ChouCho 結構高い声でしゃべっているんです。それは楽器に埋もれないというのはあったんですけど、いろんなしゃべり方を試したところ、いちばん高い声がハマったんですよね。あまり現実感がなかったのが良くて。

――この曲はライブで映えそうですね。ライブといえば、2019年2月16日にアコースティックライブも開催しますね。

ChouCho 「オレンジ色」はアコースティックにも合いそうな曲なので絶対やると思います。「still」はまだどうなるのかわからないですけど。

――ちなみに、アコースティックの魅力ってどこだと思いますか?

ChouCho 歌をしっかり聴いてもらえるのがいちばんのポイントだと思います。あとはライブもかなりアットホームなので、MCがすごくゆるいんです。だから素の自分に近い状態でしゃべったり歌ったりできるなぁと思います。それに、これまでたくさんのアニメの主題歌を歌わせていただいているんですけど、アコースティックにするとまた違った魅力が出て、メロディ自体の良さに改めて気づいたりして、自分自身もいろいろな発見があるんですよね。それとリクエストコーナーというのを毎回やっていて、その場で曲を決めて歌うんです。その場で譜面を調べて演奏するから演奏者がすごく焦るんですけど(笑)、できたときは盛り上がるし、できなくてもそれはそれで盛り上がるんですよ。だからすっごく楽しいんです。

――すごく見てみたくなりますね(笑)。最後にこれまで主題歌を担当されてきた『ガールズ&パンツァー』のBlu-ray Box『ガールズ&パンツァー TV&OVA 5.1ch Blu-ray Disc BOX』のテーマソングCDも12月26日に発売されるそうですね。

ChouCho 私と佐咲紗花さんで歌うんですけど、その作曲もさせていただきました。私と佐咲紗花さんは音域が違うので、その音域を活かすメロディを考えるのがすごく楽しかったです。私より高い部分が出るので、普段私が使えないところまでメロディが使えるというのが新鮮で。実際完成したものを聴いて、想像以上に良くて感動しました。自分が作ったメロディがこんないい感じに仕上がるなんて!声が重なるとこんなに広がるというのがすごくうれしくて、ディエットソングって面白いな!って思いました。こちらも楽しみにしていてください!

Interview&Text By 塚越淳一


●リリース情報
TVアニメ『ツルネ ―風舞高校弓道部―』ED主題歌
「オレンジ色」ChouCho
10月31日発売

品番:LACM-14806
価格:¥1,200+税

<CD>
1.オレンジ色
作詞・作曲:藤井万利子 編曲:村山☆潤
2.still
作詞・作曲:ChouCho 編曲:村山☆潤
3.オレンジ色(off vocal)
4.still(off vocal)

『ガールズ&パンツァー TV&OVA 5.1ch Blu-ray Disc BOX』テーマソングCD
アーティスト:ChouCho、佐咲紗花
12月26日発売
品番:LACM-14819
価格:¥1,300+税

●ライブ情報
「ChouCho Acoustic Live“naked garden”vol.5」
2019年2月16日(土)
時間 開場17:30 開演18:00
会場:HAKUJU HALL
料金:前売り 5,500円(税込・指定席)
※未就学児童はNG

一般発売:2019年1月19日(土)10:00~

●作品情報
TVアニメ『ツルネ ―風舞高校弓道部―』
NHK総合テレビにて
毎週日曜 24時10分から放送中
※関西地方は同日24時50分から

【スタッフ】
「ツルネ-風舞高校弓道部-」綾野ことこ(KAエスマ文庫/京都アニメーション)
監督:山村卓也
シリーズ構成:横手美智子
キャラクターデザイン:門脇未来
総作画監督:丸木宣明
美術監督:落合翔子
3D美術:篠原睦雄
色彩設計:秦 あずみ
小物設定:唐田 洋
撮影監督:船本孝平
3D監督:山本 倫
スーパーバイザー:武本康弘
音響監督:鶴岡陽太
音楽:富貴晴美
音楽制作:ランティス
アニメーション制作:京都アニメーション
製作:ツルネ製作委員会

【キャスト】
鳴宮 湊:上村祐翔
竹早静弥:市川 蒼
山之内遼平:鈴木崚汰
如月七緒:矢野奨吾
小野木海斗:石川界人
滝川雅貴:浅沼晋太郎
藤原愁:小野賢章

<STORY>
地元の公立高校・風舞高校へ入学した鳴宮湊。
入学早々、顧問のトミー先生から弓道部に勧誘され、
幼馴染の竹早静弥、山之内遼平は入部を快諾する。

とある思いから入部を断っていた湊だったが、
遼平に押し切られる形で弓道部の説明会へと足を運ぶと、
そこには如月七緒、小野木海斗らの姿もあった。

貴重な弓道経験者ということで、
トミー先生の指名によって湊は急きょ、
参加者の前で射を披露することになるが、矢は的には当たらない。
湊は弓引きにとって重大な病を抱えていた……。

湊、静弥、遼平、七緒、海斗。
弓道によって5人が出会い、
そして、美しくもビターな<青春>の中をもがき続けた先、
少年たちが手に入れたものとは――。

©綾野ことこ・京都アニメーション/ツルネ製作委員会

関連リンク

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP