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INTERVIEW

2018.09.27

自身初の単独・ライブツアーに抱く思いとは?“Wakana Live Tour 2018 ~時を越えて~”開催記念、Wakanaインタビュー

私にできることは歌うことだけ

──実際、8月11日の音源や映像をご覧になられましたか?

Wakana 録っていたので聴いちゃいました、翌日。

──早いですね(笑)。

Wakana 今までの癖ですね(笑)。

──自分の歌声を聴いてみた感想は?

Wakana 力が抜けていました、すっごく。「これでいいのかしら」と思うくらいに柔らかく歌えたことは発見でしたね。初めてのことでした。

──10年目にして。

Wakana やっぱり多少は力んでいたんでしょうね。でも、そうじゃなくていいのかもしれないということを歌いながら見つけられました。不思議!(笑)。歌っているのは同じ自分なのに。今まで聴いたことがない声で歌っていたと思います。

──リハーサルの段階では予想できなかった歌声でしたか?

Wakana 歌い方が全然違っていましたね。Kalafinaのときは、一人ひとりが常にパワフルさを求められていましたし、梶浦(由記)さんの音楽というのは完成されているので3人での盛り上がりや抑える場所も決まっているのですが、8月のライブはそこを自分で作っていったので。

──3人でやっていたことをひとりで行うだろう、というのは聴く人も予想していたと思います。それこそ(FictionJunction WAKANAとして『真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝 殉愛の章』の主題歌を歌唱以降)この10年間、ひとりで歌うことはなかったですよね。

Wakana なかったです。

──そこは難しくなかったですか?

Wakana そう、私も難しいかと思ったんですが、歌ってみたらすんなりと自分の気持ちが声に出ました。「私はこう歌いたいんだ」というのがわかったんですね。梶浦さんの新曲を歌うときもそうでしたが、どう歌いたいかを考える前にとりあえず歌ってみるんです。そこに歌いたい気持ちはもうあるんですが、「歌」って素直ですね。10年間一緒に歩んできた曲ですが、やっぱりそういうのがあって、ファーストインプレッションというか、どんなふうに歌うんだろうと考える前に歌になっていました。梶浦さんが作る音楽に対しては、「こういうふうに歌いたい」「こう表現したい」という憧れがずっとあって、梶浦さんは常に「こう歌ってほしい」というものを提示してくださるのでそれに向かって突き進んだKalafinaでしたが、だんだんと……自分がしたいものも出てきたんだと思います。

──「自我」が。

Wakana そうですね。すごく刺激的な言葉で言ってしまうと(笑)。でもそれは当然のことですし。梶浦さんが春以降に語ったインタビューを読ませてもらったらKalafinaについても書かれていて、すごくジーンとしました。やっぱり私たちのことを一番近くで見ていて、一番わかってくれている方だと思います。ただ、私たちはKalafinaでもあり、一人の人間でもあり、10年という長い時間を経て、やってみたいこともそれぞれにあって……。私はそれを周りの方に気づかせていただいたので、このときは「できることをやる」という気持ちで歌いました。

──8月のライブで歌ったのは、アンコールの「時を越える夜に」以外は梶浦曲ばかりでした。

Wakana これまでの私にできることはKalafinaの曲、梶浦さんの曲を歌うことだけでした。もちろん、それしかやってこなかったから当然ですよね。デビューさせてもらってから10年歩ませてもらった居場所ですから。なので私自身、Kalafinaの曲をひとりで歌うことに最初はすごく抵抗があったんです。「それは……違う」みたいな(笑)。でも、Wakanaとしてできることは歌うことだけ、ということを周りの人に教えてもらったんです。自分でもわかっていたつもりだったんですけどね。今は「四の五の言わずに歌う!」という気持ちで迷いなくやっています。

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