Linked Horizonによるあらたなる進撃!3rdシングル『楽園への進撃』リリースインタビュー

――ほかの曲についてもお伺いしますが、「黄昏の楽園」はイントロから驚かされました。

Revo 「楽園への進撃」というタイトルにも関わってくることなのですが「今作で僕から提示するべきキーワードは何だろう?」と考えたんです。すぐには出てこなかったのですが、行き着いた結論としては“楽園”だろうと。この“楽園”は今後『進撃の巨人』に付きまとうキーワードになるわけですが、「楽園とは何か?」について、一度この曲で皆さんには考えてもらおうと思ったんです。誰かにとっての楽園は、誰かにとっての地獄かもしれない。そんな“楽園”をテーマに生まれた「黄昏の楽園」を、子どもたちが歌ったらどう心に響いてくるのか。子どもたちがピュアな視点で天使のように歌うからこそ、余計に考えさせられるんじゃないかな? って。

――正直に申し上げて、恐ろしいなと思いました。

Revo そう、恐いんです。“楽園”というキーワードを投げかけるという意味では、曲として最適な選択だったと思います。そしてこのシングルを1枚の作品として考えたときに、1曲目に持ってくるのがいちばんいいだろうと思ったんです。これまで僕たちが発表してきた『進撃』にまつわる音楽作品を聴いてきてくれた皆さんなら、きっと驚いてくれる1曲になっていると思いますから。SHを聴いている皆さんにとっては「この感じ知ってる!」になるかもしれないけどね(笑)……いや、Sound Horizonでも1曲目からこの感じは珍しいか。

――たしかに(笑)。「革命の夜に」は「これぞLH!」というようなシンフォニック・メタル・ナンバーに仕上がっていますね。

Revo シングルの構成的にも、僕個人的にも、そして『進撃』のファンやLHのファンにとっても「そろそろ激しい曲が欲しいでしょう?」と(笑)。「暁の鎮魂歌」も良い曲だと自信を持っていますが、「革命の夜に」はこれまでのOPテーマにあったような熱い曲なので、多くの皆さんがイメージするLHはこれだろうと。ズバリ、皆さんの痒いところにちゃんと手が届くシングルです(一同笑)。

――さすが、素晴らしいサービス精神です(笑)。

Revo とはいえ戦う曲なので「何のために戦うのか」を考えると重い1曲です。殺伐とした精神性を内包した物語ですから。そして“革命”というワードも登場しますが、『進撃』はSeason 3になって段々と近代的な思想にも接近するようになるのも面白いところなんです。

――ジャケットやブックレットに込められたメッセージ性も濃いですね。

Revo 僕たちの作品においては、楽曲の世界観に関係のないジャケットはまずあり得ないですね。初回盤と通常盤で二種類ありますが、その世界観はそれぞれに凝縮されていると思います。すべての曲を聴いたうえでこのジャケットを見ていただければ、その意味をきっと理解していただけると思います。CDを購入していただくショップ別の特典「アニメ描き下ろしチェンジングジャケット」も、正装に身を包んだリヴァイ、エレン、ヒストリア、ハンジたちが、どんな状況で、どんな思いでその場にいるのか。そういうメッセージを投げかける土台はちゃんと用意しています。ジャケットもブックレットも、数え切れないほどのリテイクを延々繰り返して今の形になっています。ものすごく時間も手間暇もかけていますが、それくらい僕たちの創作物は、すべて隅々まで心を込めて作っているということはお伝えしておきます。みんなこのプロジェクトに心臓を捧げています!

――ですね。ぜひ手に取って隅々まで楽しんでほしい音楽作品です。さて、「楽園への進撃」の制作が終った今、「Linked Horizon Live Tour『進撃の軌跡』総員集結 凱旋公演」の編集作業に追われていると伺いました。

Revo そうですね。『進撃の軌跡』の劇場公開版に向けた制作の、今は佳境といったところです。

――5ヶ月間にわたって国内外34公演を駆け巡った「Live Tour『進撃の軌跡』」、終えられたときは安堵感も大きかったのでは?

Revo 「最後までやり切れて本当に良かったな」と思う一方で、どこかで寂しい気持ちもありました。とはいえ、僕の場合は「そろそろ新しい作品を作りたい」と思ってしまうから、延々とツアーをやり続けるわけにもいかないんですけどね。

――『進撃の軌跡』の劇場公開版は通常の5.1chサラウンドだけではなく、360度の空間に迫力のサウンドを生み出す「ドルビーアトモス」を採用して期間限定公開も行われるということですが、初めての試みですよね?

Revo そうです。音楽作品でここまでやるのは、日本ではあまり前例のないことみたいですね。

――これまでの5.1chとは違って、どのような効果が得られそうですか?

Revo そもそもの話ですが、音楽作品を立体的に体感してもらうこと自体、決して簡単なことではないんです。でもそれを今までは5.1chで何とか立体的に聞こえるように、細かくバランスを整えていました。僕の作る音楽はオーケストラ、バンド、SE、そしてヴォーカリストたちのコーラスなどなど、一般的なポップスなどと比べると音の情報量が桁違いに多い。つまり5.1chではシステム的にその情報量を理想と呼ぶほどの空間には整理できなかったんです。しかし今回「ドルビーアトモス」に挑戦してみた結果、実現が困難だったことのいくつかがクリアできました。前後左右だけではなく天井からも音が降り注ぐことで、音楽の再現に余裕が生まれたんです。やはり限られたスピーカーでは様々な楽器の音を合成して鳴らしているような状態なので「グシャッ」とした聴感になり、再現度は下がります。しかし「ドルビーアトモス」ではさらに複数のスピーカーを駆使して楽器を配置することができるので、当然音と音が分離して再現度があがる。

――なるほど。

Revo これはライブで体感したよりもよく聴こえるはずですし、映像作品用に特別な演出も加えられているので、ある意味〈ライブを超えている〉映像作品と言えるかもしれません。

――そんな「ドルビーアトモス」を使った「Live Tour『進撃の軌跡』」が楽しめるのはたった1週間なんですね……。

Revo そうなんですよ(笑)。何しろ上映できる環境が限られてるので、こればっかりは仕方がないですね。もちろん、Blu-ray版もパッケージ作品として今できる最良の形をめざして、こだわりを持って制作しています。音楽的な意味合いや、ストーリー的なリンクにも最大限配慮しましたし、そういった多面的な意味でのベスト・セレクションなので、いろいろな見どころがあると思います。LHとして、現時点での集大成的な作品だと言えますね。

Interview & Text By 冨田明宏


●リリース情報
Linked Horizon 3rd Single
「楽園への進撃」
9月19日発売

【初回盤(CD+Blu-ray)】

品番:PCCA.04724
価格:¥1,759+税

【通常盤(CD only)】

品番:PCCA. 04725
価格:¥1,204円+税

<CD>
1. 黄昏の楽園
2. 革命の夜に
3. 暁の鎮魂歌(TVアニメ「進撃の巨人」Season 3エンディングテーマ)

<Blu-ray>
暁の鎮魂歌 Music Video
Blu-ray
「Linked Horizon Live Tour 『進撃の軌跡』 総員集結 凱旋公演」
12月26日発売

【初回盤】
品番:PCXP.50585
価格:¥15,000(本体)+税

<Disc 1>
Linked Horizon Live Tour『進撃の軌跡』総員集結 凱旋公演【第一壁】
<Disc 2>
Linked Horizon Live Tour『進撃の軌跡』総員集結 凱旋公演【第ニ壁】

【通常盤】
品番:PCXP.50586
価格:¥7,000(本体)+税

<Disc 1>
Linked Horizon Live Tour『進撃の軌跡』総員集結 凱旋公演【第一壁】

●配信情報
TVアニメ『「進撃の巨人」Season 3』EDテーマ
「暁の鎮魂歌 [TV Size]」
配信中
その他各配信サイトにて配信中!

●作品情報
「劇場版Linked Horizon Live Tour『進撃の軌跡』総員集結 凱旋公演」
【ドルビーアトモス上映】2018年9月28日(金) ~10月4日(木)
【通常上映】2018年10月5日(金) ~全国で順次公開

詳細はこちら

チケット情報(当日鑑賞料金)
【ドルビーアトモス上映】3,500円(税込)
【通常上映】2,500円(税込)

※上映時間、チケット購入方法は劇場により異なります。公開日間近になりましたら各劇場ウェブサイトにてご確認下さい。

※前売チケットの販売はございませんのでご了承ください。

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