リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

INTERVIEW

2018.08.13

待望の1stアルバム『Time Capsule』をリリース!暁月凛インタビュー

待望の1stアルバム『Time Capsule』をリリース!暁月凛インタビュー

2016年3月にシングル「決意の翼」で鮮烈なデビューを果たした暁月凜が、ファーストアルバム「Time Capsule」をリリース。タイアップ以外の曲まで全てが想いの詰まった“アニメ主題歌”のように響く全A面アルバムとも言える今作について彼女に話を聞く。

――すごく情報量の多いアルバムが完成しましたね。

暁月凛 ありがとうございます。アルバムはいつか作りたいと思っていましたから。アルバムの方が表現できるものが広いですし。夢ではあったんですけど、まさか自分がアルバムを出すときまで頑張れると思いませんでした。正直、三次元の生活は大丈夫なのかな、と思うくらいにずっと夢の中で生きていきたいんですけど、メジャー・デビューをして、アーティストとして活動しながら現実世界で無事にアルバムを完成させることができました。

――このアルバムに至るまでに様々なアニメ作品とコラボレーションをしてこられました。以前、アニメとのコラボレーションは夢だった、とお話されていた暁月さんですが、実際にこれらのコラボはいかがでしたか?

暁月 本当に、リアルタイムで経験しているときには実感がわかなくて、今回アルバムを出すことになって、今回のアルバムのタイトルが『Time Capsule』なんですけど、私のデビューからの道のりの、集大成になったなと感じます。

――デビューから今日までの時間はどんな時間でしたか?

暁月 もちろん辛いこともあったんですが、ドリームな時間と言いますか。ドリームと言いつつも現実ではあるんですが、そんな時間でした。小さい頃から本当にアニメが好きで、アニメに関わることが夢だったので、こうやってデビューをして、アニメの曲を歌えて。そのとき、その瞬間では実感はなかったんですが、このアルバムをきっかけにいろいろと改めて感動しました。

――そのアルバムでは多くのクリエイターさんたちとも一緒に楽曲を制作されています。これまではわりと「湊 貴大さんとやりたかった!」というお気持ちをお話してくださいましたが、Ruccaさんをはじめ、名を連ねる方たちとはどういった経緯で制作をされることになったんでしょうか。

暁月 今までは、私がイメージした自分、表現したい自分があって。私自身の願望で湊さんとやりたい、と発信していたんですが、今回は周囲のスタッフさんから見て、暁月凜の表現がもっと広がった方がいい、という提案もあって、いろんな方たちとやらせていただきました。それもあって今回はこれまでとは違う雰囲気の曲も歌うことができたんじゃないかと思います。

――以前、お話をしてくださったときには毎回「湊さんが神のようだ」というお話をしてくださっていましたが、制作を重ねてきた現在ではどのようなご心境ですか?

暁月 今でも神です(笑)。でも神々しさはあるものの、ちょっとは親近感も湧いてきています。今は、妖精さんに近いかな?

――妖精さん(笑)。

暁月 制作をご一緒しているとき、森にいる妖精さんみたいな感じで癒やしの時間をくださるんですよ。闇を思わせる楽曲をあれだけ作られる方なのに。ご本人の、妖精っぽさが最近はすごく出ています(笑)。

――そんな湊さんをはじめ、様々なクリエイターの方の楽曲を歌われると、それぞれの歌詞から感じることもあったかと思います。ご自身の作詞曲「夜のとばりの中で」もありますが、こちらで反映されたことなどはありましたか?

暁月 それはあったと思います。今回、初めての作詞でしたから。それでもすごく未熟なところもあったりするんですが。

――今回、作詞はどのようにされていったんですか?

暁月 私は、「文学少女」というライトノベル(野村美月著「文学少女」シリーズ)が大好きで、今回はそのライトノベルに登場するキャラクターの関係性をイメージするところから自分の描きたいものを広げて書いていったんです。なので、書いたものに対して、ちょっと現実味がないかな、と思われる方もいるかもしれないなとは思っているんですが、そこは小説からのインスパイアだったことも加味して聴いていただきたいなと思いますし、この曲を聴いて、「文学少女」を読んでみてもらうのも面白いかもしれません。

――暁月さんがこの小説に刺激されて、こんなことを感じたのか、と体感できそうですね。読んでみたくなります。

暁月 ぜひ!

――その「夜のとばりの中で」ですが、本当に初めての作詞なのかと思うほど、言葉がきれいで、しかも美しい形でメロディにはまっているな、というのを感じます。

暁月 純粋な感情ってなんだろう、と思って追求していったら、こういった言葉が出てきました。

――日本語としての響きはもちろん、フォルムもきれいですよね、暁月さんの歌詞は。

暁月 そう言っていただけるとうれしいです。私自身、日本語のどういうところが好きかと尋ねられれば、日本語にしかできない特有の美しい表現なんです。だから自分が作詞をするにあたっても、やっぱり美しい言葉を選びたい、という想いはありましたね。

――ご自身で初挑戦した歌詞を、実際に歌われていかがでしたか?

暁月 もちろん、ほかの方に書いていただいた歌詞も気持ちが入るんですが、より強く思い入れが注がれるなと思いました。今回自分で歌詞を書いた楽曲を歌ってみて初めて知る感情がありましたね。本当に、「これが自分の言葉を、自分の声で歌うということなんだ」というのが、わかりますね。気持ちが本当にグッと入ります。

――その作詞曲も含めて、今回は新録曲が6曲。ボーナストラックも含めるとタイアップ以外の楽曲が7曲収録されていますが、シングルのタイトル曲と遜色ない個性ある楽曲が揃っている印象ですね。

暁月 自分が表現をしたい楽曲となると、どの曲もアニソンのような個性を放ってしまうからだと思います。本当に自分の音楽性というものがほぼアニソンでできていますので、自分もそうですし、自分が歌いたい曲もその方向になってしまいますよね。

――特に印象に残っている曲というと?

暁月 歌うのにとても苦戦した曲になるんですが「in the night」です。Last Note.さんが作ってくださって、本当にかっこいい曲なんですけど、とにかく速くて。BPMが200なんです。本当に速くて。なんとか乗り切れましたが、速くて細かいリズムが巧みに使われていることもあって、すごく難しかったです。すごく練習して歌えるようになったんですが、あんなに苦労して、ようやく歌えた曲ながら完成すると本当にカッコよくて、ライブで歌いたくなりますし、自信にも繋がりました。頑張ってよかった!って今は心から思います。

――改めてここまで出してきたシングルを振り返っていただくと、ご自身の中で転機になるような楽曲との出会いはありましたか?

暁月 特にデビュー・シングルを聴くと「あのときは未熟だったな」と思いますね。歌唱の部分もそうですし。デビューしたときに、周囲の友人たちからもアドバイスを受けたりもしたんですが、そのときの自分はいっぱいいっぱいで、余裕もなかったんです。もっと感謝を伝えればよかった、とか、アドバイスを聞いておけば良かった、と今になって感じたりします。でもそこでの成長が、今回のアルバムに繋がっていると信じています。それと「コノ手デ」です。この曲を歌った時期は私がいちばん悩んでいたときで。闇モードに入っていたんですね。この曲の歌詞は自分の闇や世界を浸食する闇と戦っていく内容なんですけど、私自身の心の中の世界観もまさに同じ感じだったんです。しかも「͡コノ手デ」がEDテーマになっている『青の祓魔師』も本当に子供の頃から大好きな作品でしたし。自分の大好きな作品に関われた喜びと自分の負の感情と戦っていかないといけないことや物語で雪男が闇と戦っていく姿を歌っている、という自負とがあって大変な時期だった。でもそれを乗り越えられたことでまた自信をつけられましたし、強くなれた。そんな転機をくれた一曲になりましたね。

――そんなアルバム『Time Capsule』にはボーナストラックとして流星Pの「朧月」が収録されています。ボカロ曲として有名なこの曲を歌われたのはどうしてだったんですか?

暁月 この曲はもう、本当に、本当に大好きなんです。記憶のBGMって言ってしまえるくらい。中学の頃にすごく流行っていて。その当時の私は本当に厨二病で。片想いこそ至上の恋って思っていたんです。オタク的な感性で。ちょっと悲しくて切ない片想いがカッコいいって思ったきっかけになったのがこの曲だったんですよ。届かない相手を想って泣くような、そんな恋って素敵だなって。

――その一曲を歌っていかがでしたか?

暁月 何万回も聴いていた曲なのに、歌うとなると難しいんですよ。ミクの曲はキーが高めに作られている曲が多いんですが、私は普段はそんなにファルセットは使わない傾向があって。いつも叫んでいるような感じなんですけど、この「朧月」は非常に繊細な歌唱表現が求められるので、ファルセットも使いながら感情的に歌わないといけなくて。この曲も本当に頑張りました。大好きな曲だからこそ、きれいにファルセットを出したい、と思ったことで、レコーディングは苦戦をしましたね。完璧に歌いたい、と思えば思うほど、悩みました。

――その一枚に『Time Capsule』とつけたのはどうしてですか?

暁月 自分で考えたんです。「タイトルを何にしよう」って話になったときに、出した言葉で。「Time Capsule」って、私の中ではふたつの意味を持っているんです。ひとつは自分自身のここまでの道のりの集大成である、ということ。もうひとつはアニメという存在自体が、流行に左右されるものではなく、時間の幅も広いし、時空を超えて影響を与えたり、感動を与えることが素敵だと思っていて、同じようにここに詰め込んだ時間が時空を超えても聴いた人に感動を与えられるものになって欲しい、という意味。そのふたつの意味を込めました。

――待望のアルバム『Time Capsule』が完成した今、ここから先の未来についてはどのようなことを考えていらっしゃいますか?

暁月 このアルバムは過去を詰め込みながらも同時に未来の自分へ向けて、未来の誰かに感動を与えたい、という想いを込めて作ったので、このアルバムを10年後、15年後に振り返ってみるとどんなことを自分が思うのか、楽しみです。それと、今回のアルバムでエモーショナルな楽曲に覚醒したと思うんです。今まではバトル系などで激しい曲も歌ってきたんですが、今後は「夜のとばりの中で」のようなエモーショナルな表現をもっとできるようになりたいと思っています。

Interview & Text By えびさわなち


●リリース情報
暁月凛 1st FULL ALBUM
『Time Capsule』
8月8日発売

【初回生産限定盤(CD+DVD)】

品番:SRCL-9830~31
価格:¥3,700(税込)

【初回仕様限定盤(通常盤、CD)】

品番:SRCL-9832
価格:¥3,000(税込)

<CD>
M1. Far from home
M2. 夜のとばりの中で
M3. 砂時計
M4. 決意の翼 (1st Single、読売テレビ・日本テレビ系アニメ「金田一少年の事件簿R(リターンズ)」EDテーマ)
M5. Early Days (4th Single、TOKYO MX1アニメ「実験品家族 ~クリーチャーズ・ファミリー・デイズ」OPテーマ)
M6. Million Memories (4th Single、2018年ローンチ予定 スマホアプリ「WILD ARMS Million Memories」主題歌)
M7. マモリツナグ (2nd Single、TOKYO MX「銀の墓守り(ガーディアン)」OPテーマ)
M8. CHOICE
M9. コノ手デ (3rd Single、MBSほか“アニメイズム”枠「青の祓魔師 京都不浄王篇」EDテーマ)
M10. Let Me Freak
M11. in the night
-Bonus Track-
M12. 朧月(※初回生産限定盤のみ収録)

<DVD>
M1. 決意の翼 -Music Video-
M2. コノ手デ -Music Video-
M3. マモリツナグ -Music Video-
M4. Early Days -Music Video-
M5. Million Memories -Music Video-

関連リンク

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP