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REPORT

2018.08.07

“伝説”を残しても、まだまだはっしーの進化は止まらない! “大橋彩香 Special Live 2018 ~PROGRESS~”レポート

“伝説”を残しても、まだまだはっしーの進化は止まらない! “大橋彩香 Special Live 2018 ~PROGRESS~”レポート

5月27日、パシフィコ横浜 国立大ホールにて“大橋彩香 Special Live 2018 ~PROGRESS~”が開催。大橋彩香にとって自身初となるホールライブで、歌・パフォーマンスの両面、そしてあらたな挑戦といった様々な側面から、自身の進化を提示してみせた。

ホール内は、3階席までいっぱい。ステージには、ライブロゴが大きく映し出された紗幕がかかる。そしてOP映像後にその紗幕は落ちる……が、大橋の姿はメインステージ上ではなく、ステージに組まれた高い矢倉に据えられたドラムセットのもとに!自らバスドラを鳴らしてクラップを要求し、彼女のソロドラムプレイでSpecial Liveは幕を開ける。正面からではなく真上からの視点の映像も彼女の激しいプレイを映し出す。高く高く、しかも揺れもするドラムだけのステージ。のちのMCで、「怖かったらやめてもいい」とスタッフに言われても「いや、私は伝説を作りたいです」と実行を決断したと裏話が明かされたのだが、その“伝説”の二文字をのっけから体現するようなインパクトある幕開けだ。
黄色と白のペンライトの輝く客席を前に、3分間にもわたるスペシャルなOPをまっとうしきった大橋は、最後にスティックを掲げてプレイを締めくくると、「NOISY LOVE POWER☆」のイントロ中に階段上ステージへ。ダンサーを従え、階段上ステージで自らも片手にポンポンを持って歌い出す。「みんなー、楽しむ準備はOKー!?」とひと煽りしてメインステージへ降りる。1-Bメロ以降のコール部分では客席から大きな声が上がる。とにかく1曲目から、ファンの熱量も、すごいのだ。大橋の歌声は実に伸びやかで、それでいてみずみずしくエネルギーに満ちあふれたもの。2サビ前の煽りに呼応した大きなコールを受けて、「サイコー!」とシャウトしてみせる。そんなファンと大橋のみなぎるパワーで最高の滑り出しを決めたら、続いてはいきなりのタオル曲「ハッピーメリーゴーランド!」へ。サビでは彼女のフリに合わせてタオルが揺れて回り、2サビ明けには大橋の「せーの!」の声に合わせて一斉にタオルが美しく宙を舞う。その光景にパワーをもらったのか、ダンスパフォーマンスもよりキレが増していく。また、ここでは大橋は実際の表情もボーカルのそれもコロコロ変化させて楽曲を表現。この序盤だけでも、視覚聴覚の両面に訴える彼女のトータルパフォーマーぶりを感じ取ることができた。最後は太陽のような笑顔で締めくくると、その輝きを引き継ぎ「ENERGY☆SMILE」へ。最初に高く飛び上がって「横浜のみんなのENERGY、私に分けてください!」と声を掛けると、明るく明るくファンのボルテージを引き上げていく。掛け合いも多い彼女の象徴のひとつのようなこの曲を、シャウトっぽいコールも交えて楽しみ尽くす大橋。引き続き会場を思い切り盛り上げつつ、後奏でも「スマーイルー!」のシャウトとともに最高の笑顔を振りまいていた。

曲明けのMCパートでは「まだ実感がわかない」と語りつつも、「PROGRESSした姿をお見せできるよう頑張ります!」と意気込みを改めて表明。そしておもむろにヘッドセットに切り替え両手をフリーにし、カメラを手にしながら「希望フォトグラム」をスタート。さらにダンスパフォーマンスへの注力度合いを増していくが、そのうえで崩れないボーカルの能力の高さには脱帽だ。また、この曲では頭サビ明けに客席を乱写。基本的な高いパフォーマンス能力の上に積み上げられた魅せる・引き込む力を“楽しい!”という形で発露していく。さらに曲中に大橋のフリーダムさは増し、2サビ明けには「フー!」と声を上げながらダンサーチームをノリノリで撮影。活力にあふれたボーカルで最後まで歌い切り、後奏ではダンサーに囲まれながら自撮りをすると、曲がしまった直後には早速メインスクリーンにそのショットがUPされ、会場の歓声をよんでいた。さらに続けたダンスの映えるデジタルチューン「ユー&アイ」では、みずみずしいボーカルにキュートさとあどけなさが乗り、少女感をより増させる形に。変わらずしなやかなダンスはサビでダンサーときっちり振り付けを揃えつつも、ここでもボーカルに乱れはなく、逆に歌い上げる大サビではその歌声は気持ちよく突き抜けていった。

そしてここでムードは一変。再びハンドマイクを手にした大橋は、「バカだなぁ」から“聴かせる”セクションへ。この並びならではの失恋の重みのあるこの曲を、サビでは体を折り曲げるほどに力いっぱいに力を込めて、歌声からもその想いの深さ・強さを感じさせる。その想いを詰め込みながらもきっちりと制御して打ち出す、Dメロや落ちサビでのボーカルワークも、実に見事だ。その雰囲気を「Sentimen-Truth」で引き継ぐと、青の照明のなかスポットライトに照らされて、ポツリと歌い出す。序盤はきれいめにスーッと歌声を出しながらサビへ向かってどんどんクレッシェンドしていき、それをサビで爆発させ……というように、「バカだなぁ」とも違う想いのストーリーを歌声で描いていく。ライブの滑り出しとここ2曲の、心の中の光と影の対比を表したような構成は、大橋自身の多面性をも感じさせていく。そして2サビ明けでも不意に頭を垂れてより深く楽曲世界に入ると、大サビでその想いを全力で開放。最後のフェイクまで、心の叫びを届けきっていた。

歌い終わった大橋は、前半戦の振り返りへ。もちろん女性声優初となるドラムソロで飾ったOPについても語りつつ、その直後の「希望フォトグラム」でのヘッドセットにも言及。これは「両手で踊りたい!」との彼女の希望を反映したものとのことで、「アイドル感が出てかわいい」とも続けていた。
そのトーク中に、大橋のライブ恒例のアコースティックコーナーのセッティングが完了。まずは「初披露だけど、アコースティックで聴いていただきたい」と語ってから「うたたねのラブソング」を歌唱する。温かく、それでいて活力も失われていないボーカルで、特に締めの部分に優しさの宿るような歌声で、微笑みながら披露する大橋。そのなかでも細く歌われた落ちサビ部分も、歌詞の一節と実にマッチしてリスナーをキュンとさせる。そして今度は、逆に普段よく歌ってはるものの初のアコースティック披露となる「勇気のツバサ」へ。この日はリズム感が原曲と少々異なり、ちょっと情熱的な聴こえ方のするアレンジに。サビで空へと舞い上がるようなサウンド感も、またこのバージョンならではのものとなっていた。
曲ラストの「BE MY SELF」をファンとの大合唱で締めくくると、アコースティックアレンジが増えてきたことに触れ「フルアコースティックのライブもちょっと夢で。アコースティックって生感があって、大好きなんです」とさらに今後への意欲も語る。そして再びフルバンド曲に戻って失恋曲「I knew the end of love」を披露。バイオレットの照明のなか、楽曲に沿ったオトナなボーカルを響かせる。1-Aメロの歌唱後に焚かれたスモークもよりムードを増幅させるなか、Bメロのファルセットの使い方でさらなるオトナ感を漂わせる大橋。サビも地声とファルセットとの組み合わせで、想いの強さと失った哀しみとの両方を表現していった。

視線を外して楽曲を締めくくると、大橋は降壇。彼女のナレーションによるバンドメンバーやダンサーの紹介をのせたバンドタイムを挟み、そのまま「Break a Liar」のイントロに突入。ステージセットに炎が灯るなか、ダンサー4人の中央に大橋が登場して後半戦がスタートする。再びキレッキレのダンスをこなし、サビでのダンサーとの同調ポイントでのダイナミックさやキレもダンサーに引けを取らない。その一方で、ボーカルは終始迫力が増したものに。これも間違いなく彼女のPROGRESSポイントのひとつであり、「Break a Liar」が後半戦のスタートにしてライブ中の見どころのひとつに数えられる、そう主張する根拠になる点だったように思う。さらに“Break”繋がりで続いた「Break My Jail」は、曲前の檻の音に続けてスタート。激しく歌い踊ったあとにもかかわらず歌声にヘタリはまったくなく、力強く聴きごたえある太いボーカルを放ってくる。そして大サビでは背景映像がBreakすると、そのままシンフォニック感のある「Maiden Innocence」へ。Breakしたあとは光ある世界へと飛び立っていく、というストーリーを感じられる構成のなか、シリアスながらも気持ちよさの感じられる表情で歌唱する大橋。ラストまでビシッと決めて、このゾーンを締めくくった。

これだけかっこよくキメたのにもかかわらず、彼女がMCで口にしたのは「まだ不格好ではありますが、頑張らせていただきました」との言葉。ストイックな彼女にとっては、これでもまだ“これからへの意欲を見せる第一段階”なのか……と驚かされつつ、ナポレオン風のアウターを身にまとってラストスパートへと突入していく。

その一発目は、イントロ一音だけで場内に大歓声が響き渡った「ワガママMIRROR HEART」
。引き続き芯あるボーカルの活きるアッパーチューンで水準高いパフォーマンスを見せながら、この曲ではファンとの盛り上がり度合いもさらにUP。Bメロやサビでの大きなコールを受けて楽しげな表情をみせ、ラスサビ最後の5音はシャウト気味に発し感情を思いっきり発すると、今度はそこにかわいさが少し強まった「ABSOLUTE YELL」を畳み掛ける。完全に「Maiden Innocence」から続く上昇気流に乗って、ファンと一緒にさらに明るいほうへと向かっていく巧みなセットリストにのせて、大橋自身この曲も明るく楽しく披露。エールとエネルギーを、笑顔で届ける。そうして場内をエネルギーで満たしたあとは、場内みんなで一緒に楽しみまくる「流星タンバリン」へ。ダンサーも大橋も星型のタンバリンを手にし、楽しむ準備は完了だ。沸き上がる客席に向けて、1-Aメロの「覚悟して」のフレーズもいたずらっぽくセリフのように飛ばしてファンを魅了しつつ、コールにジャンプに盛り上がりまくり。改めて4300人と、Musicの最高さを再確認する。また、2サビ明けの間奏ではバズーカを発射。2階席にまで到達したそれはさらにファンの喜びを呼び、大サビでは銀テープも飛び出し視覚面でも引き続き楽しませる。それでいて落ちサビなど、減速するところでは歌声にきっちり清らかさを出し、楽しさの中にもメリハリを忘れない。
そしてステージ階段上でジャンプエンドで曲を締めくくったところで、最高潮のパシフィコに投入されたラストナンバーは、アルバム『PROGRESS』のリード曲「シンガロン進化論」だ。表情豊かにそれでいてキュートにこの曲を披露し続ける大橋。2サビ明け間奏ではMVになぞらえてか宇宙遊泳風の振り付けをみせ、落ちサビ前の「チクタク」は時計の長針と短針を体と腕で表現したりと最後まで視覚的な魅力も兼ね備えたステージングを見せていく。そんな彼女に向けて、大観衆からも最後まで大きなコールが。サビ前の「チクタクチクタク」はもちろん、気づけば「シンガロン」のフレーズでも声の上がる盛り上がりぶりだった。
そして1F・2F……などとブロック分けをして、後奏コール部を用いた男女別のシンガロン合戦”が開催。女子への大橋からの「がんばれー」とのエールも送られるなか、それぞれのブロックが最大音量でのシンガロンを聴かせたら、最後はみんなで揃ってシンガロン。その声をバックに大橋がラストフレーズを歌いきり、笑顔で本編を締めくくってステージを降りた。

ざわめき収まらぬなか、ステージ上のスクリーンにはVTRが上映。ライブの見どころやコンセプトなどを語る大橋へのインタビュー映像が流れ、さらにダンサー4人を交えての体力測定企画も開催。反復横跳びや立ち幅跳びなどの計4種目で奮闘するも、総合成績は5位。そして、VTR越しに「まだまだ盛り上がり足りないんじゃないですかー?」と自らアンコールを煽り始めるという斬新なスタイルのアンコールがスタート。
そして、その声が再び高まりきったところで、階段上に大橋が登場。最新シングル収録の「イカはイカすぜ☆クラーケン子ちゃん」で、歌詞通り「大☆復☆活」を果たす。大橋の立つ場所はさらにリフトUPしていき、真後ろに海のVJを背負いながらすさまじすぎるコールを浴びて、気持ちよさそうに歌っていく。アンコール1曲目、会場を蓋体盛り上げるための、ナイス選曲だ。そして2サビ明けの早口セリフもしっかりと乗り切り、ラストのブレイクに乗せた「シーフード苦手なんです!」のセリフも力をより込めてコメディチックに叫び切り、またも大歓声を浴びていた。
こうして地中海の風を感じたあとは、今度は「明日の風よ」で未来を向く。アカペラ独唱でまずは未来に向けての想いを吐き出してからは、笑顔で1-Aメロへ。スタンドマイクを使って振り付けもなく、初期からの名曲に歌声一本で今の想いを託す。2サビ明けの間奏では、イヤモニを外して反応を受け止めながら、「最もPROGRESSした『明日の風よ』が歌えたと思います!」と断言。その言葉に疑いの持ちようのないほどラスサビの歌いきりは気持ちのいいもので、彼女自身も歌いきってからは、充実感に満ちた表情で客席を見回していた。

曲明けには、恒例となったバースデーイベントの開催や、ファンクラブ“BIG BRIDGE FAMILY”の開設などを発表。その名は単に大橋の名を模しただけでなく、「FCがみんなとの架け橋になればいいな」との想いも込められたものだ。
その架け橋で繋がりたいファンに向けて、初のホールライブを終えようとしている今の想いを語り始める大橋。「未だにステージに立ってるのが夢のようなんですけど、皆さんがいるから夢じゃないんだなって実感します。すごく、いい景色です!みんなありがとう!」とファンへ感謝すると、初挑戦の多かった公演全体を振り返り「たくさんのスタッフさんやバンドさん、ダンサーさん……とにかくいろんな皆さん、そしてファンの皆さんに囲まれて、“PROGRESS”を迎え成功に終わろうとしています」と成功を宣言。続けて「本当に、皆さんがここまで連れてきてくださったと思っています。皆さんが頼もしいし、本当にうれしいです!」と語り一礼すると、その“頼もしい皆さん”をバックに記念撮影を行う。
そして本当のラストナンバーとなるデビュー曲「YES!!」を、サインボールをプレゼントしながら披露していく。そう、最後にデビュー曲を歌うことで、大橋彩香の“PROGRESS”の証明は完了するのだ。最大級といったコールの大きさ・盛り上がり具合からは、ここまでファンと一緒に大橋が、そしてこの曲がぐんぐんPROGRESSしてきたからこそなし得たものに違いない。

そしてジャンプエンドで曲を締めくくり、出演陣と揃ってファンへと挨拶をした大橋は階段上ステージに登り、「大橋彩香のことは、好きかー!?」とシャウト。そこに返る大きな「YES!!」の歓声を受け、「私もみんなのことが大好きでーす!!」とシャウトし、ステージを降りたのだった。

ひとくちに“成長”と言うと、読者の皆さんは何を思い浮かべるだろう?とにかく凄くなる、能力を高める、と考える方も多いかもしれない。しかしこの日の大橋彩香は、単にその凄さを押し付けるわけではなかった。あくまでもファンと一緒に楽しみながら、互いが生み出し合うエネルギーでさらに歩を前へと進めていく――そんなアーティストとしての理想のPROGRESSを、この日のステージに立つ大橋彩香からは、感じ取ることができたのだった。

“大橋彩香 Special Live 2018 ~PROGRESS~”
2018.05.27@パシフィコ横浜 国立大ホール
【SET LIST】
M1.NOISY LOVE POWER☆
M2.ハッピーメリーゴーランド!
M3.ENERGY☆SMILE
M4.希望フォトグラム
M5.ユー&アイ
M6.バカだなぁ
M7.Sentimen-Truth

~アコースティックコーナー~
M8.うたたねのラブソング
M9.勇気のツバサ

M10.I knew the end of love
M11.Break a Liar
M12.Break My Jail
M13.Maiden Innocence
M14.ワガママMIRROR HEART
M15.ABSOLUTE YELL
M16.流星タンバリン
M17.シンガロン進化論

EN1.イカはイカすぜ☆クラーケン子ちゃん
EN2.明日の風よ
EN3.YES!!

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