おばあちゃんになるまでやりたいな。「THE IDOLM@STER PRODUCER MEETING 2018 What is TOP!!!!!!!!!!!!!?」初日公演レポート

「アイドルマスター」のイベント「THE IDOLM@STER PRODUCER MEETING 2018 What is TOP!!!!!!!!!!!!!?」が2018年8月4日~5日、千葉・幕張メッセイベントホールで開催された。今回は4日の初日公演をレポートする。

同イベントには天海春香役の中村繪里子、如月千早役の今井麻美、萩原雪歩役の浅倉杏美、高槻やよい役の仁後真耶子、秋月律子役の若林直美、三浦あずさ役のたかはし智秋、水瀬伊織役の釘宮理恵、菊地 真役の平田宏美、双海亜美・真美役の下田麻美、四条貴音役の原 由実、我那覇 響役の沼倉愛美、詩花役の高橋李依、プロデューサー役の赤羽根健治らが出演した。「THE IDOLM@STER PRODUCER MEETING」は2017年1月に第1回が行なわれたイベントで、ライブだけでなくプロデューサー(ファン)のアンケートを元にしたテーマトークコーナーや朗読劇も織り交ぜた総合イベントだ。

初日には、昨年10月に開催されたライブ「THE IDOLM@STER 765 MILLIONSTARS HOTCHPOTCH FESTIV@L!!」のLIVE Blu-rayを2018年11月21日に発売することを発表。ライブ当日よりアソビストア特装版の予約がスタートしている。告知コーナーでは765プロダクションとSEIKOがコラボする「プロデューサーメカニカル腕時計」なども紹介され注目を集めていた。

765プロは実家の味噌汁?

オープニング、メンバーカラーのジャージ姿で765プロオールスターズが登場すると、アイドルたちが紅白に分かれて応援合戦を繰り広げる「紅白応援V」ライブでイベントはスタート。曲中の番号点呼のとき、今日は参加していない長谷川明子(美希)のカウントのたびにスクリーンに美希のシルエットを一瞬映すのが律儀で楽しい。客席の左右が紅白に色分けされる一糸乱れぬ様子に、今井も「皆さんも練習バッチリでしたね!」とうれしそうだ。冒頭の挨拶では仁後のツインテール、釘宮のポニーテール、久しぶりに短い髪でステージに立った平田宏美など、髪型の話でも盛り上がっていた。

「プロデューサーズボイス2018」は、全国のプロデューサーからの声を紹介しながら、「アイドルマスター」の魅力やこれまでの歴史を振り返るコーナー。このコーナーにはアニメ『アイドルマスター』プロデューサー役の赤羽根健治が登場し、クールビズ姿で司会を担当した。

「765プロオールスターズの良さとは?」のお題では、平田が「765プロは実家の味噌汁」と表現。メンバーそれぞれに好きな味噌汁の具の話をしたり、各メンバーを味噌汁の具に例えたりと話が広がる(散らかる)のだが、赤羽根がハイテンションでずばっと切って進行してくれるのが頼もしい。765プロの歴史についてのトークでは、劇場アニメ『アイドルマスター 輝きの向こう側へ』について浅倉が「劇場版に辿りついて、スクリーンで成長したみんなに会えるなんて想像もしてなかった」と感慨深く語ったり、ライブ“HOTCHPOTCH FESTIV@L!!”について沼倉が「私たちも予想がつかないセットリストで、どの曲にも意味があるのがすごいと思った」と振り返ったり。下田は台湾公演で初めて海外に行けた喜びや、また海外公演をやりたい希望を語っていた。今井はアーケード版「アイドルマスター」について、若林は最新のPS4「アイドルマスター ステラステージ」についてのプロデューサー視点での経験と深い愛情を熱弁。コーナー締めくくりでは赤羽根が「全員揃った765プロは無敵だなと思った」と語り、会場のプロデューサーたちの気持ちを代弁していた。

「765プロ朗読劇」はその名の通り、765プロの日常の一幕を描く朗読劇。物語世界はPS4「アイドルマスター ステラステージ」準拠で、内容は有望なアイドルが湾岸に集結する「レインボーサマーアイドルフェスティバル」に765プロアイドルたちが参加することに……というもの。劇中、スクリーンに961プロの黒井社長が“乱入”して喋りまくると、会場はざわめきと爆笑に包まれていた。

朗読劇中にはスクリーンに「選択肢」が登場し、会場のサイリウムの意志表示(ざっくりした多数決)によってストーリーが分岐するインタラクティブな仕掛け。「フェスで歌う楽曲にどんなアレンジを加えるか」という選択肢に、会場でサイリウムを振る人が多ければ「かわいい曲をかっこよく」、少なければ「かっこいい曲をかわいく」が選ばれるといった具合だ。ステージ上では平田や中村が「かっこいい曲をかわいく」歌ったり、沼倉や原が「盆踊りをセクシーに」踊ったりと無茶振りコーナーの色合いもあった。「プロミは不思議な汗をかく瞬間がある(沼倉)」。亜美率いるバラエティー班のパートではお芝居の練習で何を演じるかで「特撮ものVS悪の大幹部」と「女の子の禁断の恋愛」という選択肢が出現。会場のレスポンスで「特撮ものVS悪の大幹部」が選ばれるやいなや、悪の女幹部をいきなりトップテンションで演じた浅倉の熱演が光った。

朗読劇中、黒井社長や星井美希はスクリーンへの映像出演だったこともあり、961プロアイドル・詩花の登場シーンでステージ上段に高橋李依が現れ、朗読を始めると会場からはざわめきが起こった。詩花とやよいがハイタッチをかわしたりと仲良く会話しながら、961プロの詩花と765プロの面々がお互いに刺激を与えあい、高めあう姿が描かれていた。

劇後のMCでは「(選ばれなかった選択肢の)スタイリッシュな盆踊りをやってみよう」といった無茶振りの応酬が繰り広げられたのだが、ゲストの高橋李依もこの流れに積極的に参加。若林考案のスタイリッシュ盆踊りを見よう見まねで完璧にこなす高橋の姿に「流石961プロ!」の声が飛び交っていた。

ここでライブコーナーの準備のため、アイドルたちは一旦撤収。ステージには「アイドルマスター」総合プロデューサーの坂上陽三氏をはじめとした主要スタッフがズラリと並んで、「これが本当のプロデューサーミーティング! 緊急スタッフ会議!!」を繰り広げた。司会を担当した赤羽根は「ステラステージで個人的に気に入っているポイントは?」「今まででいちばんフェチを感じた楽曲は?」といったトークテーマを提示。楽曲質問でほぼ名指しされた感じのあるサウンドプロデューサーの中川浩二氏(通称フェチ川さん)はキャストごとの歌の個性について、「やよいには特有のリズムと雰囲気がある。伊織の歌唱の語尾がきゅっと上がるときにかわいさがこぼれる感じがいい!」といったポイントを熱弁。サウンドチームの佐藤貴文氏は「各作家が初めてアイマスに提供する楽曲には想いが詰めこまれていてグッとくる」と語っていた。

「いちばん心に残るCDシリーズは?」という設問には日本コロムビアの柏谷智浩プロデューサーが解答。柏谷氏はレコード大賞企画賞を受賞した「生っすか」シリーズのタイトルを挙げつつ、「一個一個のCDにテーマがあって、キャストも作家も作業ではなく本気で作っている」とアイマスCDの良さを語っていた。そして大トリ、「13年間でいちばん忘れられない出来事は?」を聞かれた坂上氏は、アイマスにとって初めての単独イベント・2006年1月の雪の赤羽会館シークレットイベントをチョイス。「雪がすごく降って電車も止まる中、多くのプロデューサーが待っていてくれたことにうるっときた。これからもアイマスをやっていこう、育てていこうと決意しました」と熱く誠実に語っていた。

ライブパートは「ToP!!!!!!!!!!!!!」でスタート。すごく新鮮だったのは、歌い出しで原、下田、沼倉がステージ上段のセンターに立ち、赤、黄、青の信号機めいたスポットライトを浴びていたこと。三人が階段を下りて全員が一列になってからもセンターは下田で、今井と中村が下手の端に陣取っているのはすごく新鮮な光景だ。間奏のポジション移動で中村、今井が下田と共にセンターに入ったのだが、ここで面白かったのは入れ替わりの際に若林が全力ダッシュで下手の端まですっ飛んでいったこと。以前、若林が端っこはサイドのお客さんにいちばん近いからこそ、サイドのお客さんにも楽しんでもらえるように各個撃破したいと、その場所へのこだわりを語っていたことを思い出した。

「そして僕らは旅に出る」はたかはし、浅倉、仁後、中村の四人が披露。浮遊感に満ちた楽曲に合わせた、四人四様の歌声と表現が耳に楽しい。印象的だったのは2人ずつ向かい合わせになるパートで、たかはしと浅倉が向かい合っての歌唱を見せたこと。今日の浅倉は優しい微笑みの後に残る歌声の余韻と間がとても魅力的で、765プロ随一といってもいいたかはしのボーカル力、表現力とスイングするステージングを見せていた。2010年に浅倉が震えながら立った初舞台と同じ幕張のステージで、確かな成長を刻んでいることがとても嬉しい。浅倉は、たかはしの信頼の眼差しに支えられていたことを語っていた。

「星彩ステッパー」は下田、釘宮の組み合わせ。ステージ上をコミカルに行き来しながらハイタッチしたり、「手を叩こう」のフレーズでトントントンとスカートを叩く仕草などがとても楽しい。間奏では2人揃って、楽しそうに指揮をする姿が見られた。「ずいぶん遠くまで来てしまったね」のフレーズは優しく語りかけるような響きで、その緩急でラストの盛り上がりのハッピーさがより際立っていた。「星彩ステッパー」は本来星井美希(長谷川明子)も参加する曲ということで、「あっきーがいなくて心細かったね」「今度は3人でやりたいね」と語り合う2人だった。

「Vertex Meister」は沼倉、若林、原、今井、平田が披露。ジャケット絵の響同様、センター(リーダー・主人公)ポジションは沼倉!沼倉の鮮烈なかっこよさを軸に置きながら、色とりどりの個性が押し寄せるようなステージング。特に原の超攻撃的な歌唱はかなり新鮮で新しい魅力を感じさせた。ソロを歌い継ぐパートでも今井、原の力強くかっこいい表現のあとに来る沼倉の優しさをたたえたしなやかな表現がすごく印象的だった。「Vertex Meister」の歌い出しの戦隊っぽい決めポーズは若林たちの強い希望で実現したとのことだ。

そしてこの日のひとつのクライマックスとも言えたのが詩花役・高橋李依による「Blooming Star」の初ステージだ。緑系の淡い光を幾重にも重ねた中に高橋の真っ白な存在が浮かび上がるようで、詩花と高橋の春風のような存在をビジュアルでも表現していた。客席に手を差し伸べ、抱きしめるような仕草のあとの優しい微笑み。間奏で階段を降りる彼女を13色の光条が照らし出していたのは、765プロに出会って変化した詩花の心情を表現しているようだった。

訴えかけ、特にささやくような高橋の歌唱はとても特別な感じがする。壮大な歌声を幾重にも重ねるごとに、その歌声はさらに厚みと輝かしさを増していく。765プロメンバーに絶賛された高橋は「リハーサルでは緊張してたんですが、楽しかったです!!詩花に背中を押してもらったような感覚でした」と語っていた。

ライブの中で「プロデューサーミーティング」らしさがあったのが「みんなで選ぶ!ユニットソング!!」のコーナーだ。ライブに先立って抽選で選ばれたメンバーのユニット名と、何を歌うかをプロデューサーたちのアイデアで決定するという企画だ。

初日の1ユニットめは「貴音、伊織、響」(原、釘宮、沼倉)で、ユニット名は「プロジェクト・イオリー」。PSP「アイドルマスターSP」で、貴音と響が初登場したときのユニット名“プロジェクト・フェアリー”と、伊織の名前を合わせたネーミングだ。歌うは「きゅんっ!ヴァンパイアガール」!妖艶さに全振りした表現の原、元気にいたずらっぽく見せる沼倉。その真ん中で歌う釘宮の小悪魔的な表現はまさにヴァンパイアプリンセスだ。歌い終えた3人が挑みかかるような決めポーズを見せると、会場にはざわめきが広がった。

原は「きゅんっ!ヴァンパイアガール」の曲の振り付けについて「ミリオンのメンバーが歌っているのを見ると私が歌っていた頃にはなかった動きが増えていて、いいなと思っていた」とのこと。「ミリオンライブ!」からのメンバーが元祖765プロ楽曲をリスペクトを込めて歌って、その表現がオリジナルの原たちに刺激を与えるという、アイマスならではのサイクルが感じられた。

初日の2ユニット名は「春香、亜美・真美」(中村、下田)のユニット「あみまみあまみ」で、歌うは「サニー」!!「メリー」「サニー」「チェリー」といえば、765プロライブで歌ってほしい曲として常に名前が上がりながらも、披露の機会が限られてきた季節楽曲シリーズだ。幕張メッセイベントホールで「サニー」といえば、古株のプロデューサーなら8年前の「THE IDOLM@STER 5th ANNIVERSARY The world is all one !!」を思い出したことだろう。下田が「さー、なんだっけ?」と客席のコールを呼びこんでいくのだが、そこから歌詞とコールするポイントをスクリーンでていねいに表示していたのは新しいファンも一緒にライブを楽しむための良い工夫だったと思う。

「サニー」の盛り上がりをそのまま引き継ぐように始まった「MUSIC♪」を、客席の手拍子が支える。ここで2012年の「アイドルマスター シャイニーフェスタ」テーマソングを持ってきてピタリとハマることに、アイマスの音楽が13年積み重ねてきた一貫したテーマと普遍性を感じた。

「ToP!!!!!!!!!!!!!」で始まったライブの流れを締めくくるのは、「ステラステージ」のED的楽曲である「shy→shining」初披露だ。中村が「私たち、プロデューサーさんとかなえたい夢がまだまだいっぱいあるんです!」と宣言すると、ステージの全員が「これからも、よろしくお願いします!」と未来への言葉で声を揃えたのだった。

ここで赤羽根と高橋も登場して最後の挨拶MCへ。それぞれに会場の温かさと今日のライブの楽しさを語っていった。仁後がやよいの誕生日を祝ってくれたプロデューサーたちの優しさと温かさ、マナーの良さを紹介しながら「そういうプロデューサーさんがいてくれる作品に関われて本当にうれしい。みんなと一緒におばあちゃんになるまでやりたいなと改めて感じました」と語っていたのは特に印象的だった。

イベントを締めくくったのは、高橋も含めた全員での「THE IDOLM@STER 2nd-mix」。高橋は右手を掲げて指先をひらひらさせる立ち姿がびっくりするほど絵になることや、歌詞の流れに合わせてめまぐるしく変わる表情の豊かさがとても印象的だ。面白かったのが若林と高橋の並びで、若林がダンスにメリハリをつけてキレを前面に出すと、高橋がそれにぴったりついていく感じに、不思議なセッション感があった。若林は高橋を「詩花ちゃんが(ゲームからステージに)出てきたみたいな感じじゃない?」と評していたが、ステージで誰よりも律子そのものであり続けてきた彼女がそう表現したことに意味を感じた。

最後は中村が音頭を取っての「アイマスですよ、アイマス」!この言葉がすべてのアイマスをつなぐフレーズになった今だからこそ、オリジナルの正調な叫びが改めて特別に響いたのだった。

Text by 中里キリ

「THE IDOLM@STER PRODUCER MEETING 2018 What is TOP!!!!!!!!!!!!!?」初日公演
2018.08.04 千葉・幕張メッセイベントホール
<セットリスト>
M01:紅白応援V(765PRO ALLSTARS…and you!)
(VTR:ふるふるフューチャー(星井美希))
M02:ToP!!!!!!!!!!!!!(765PRO ALLSTARS)
M03:そしてぼくらは旅にでる(中村繪里子、浅倉杏美、仁後真耶子、たかはし智秋)
M04:星彩ステッパー(釘宮理恵、下田麻美)
M05:Vertex Meister(今井麻美、若林直美、平田宏美、原 由実、沼倉愛美)
M06:Blooming Star(高橋李依)
M07:きゅんっ!ヴァンパイアガール(プロジェクト・イオリー/釘宮理恵、原 由実、沼倉愛美)
M08:サニー(中村繪里子、下田麻美)
M09:MUSIC♪(765PRO ALLSTARS)
M10:shy→shining(765PRO ALLSTARS)
M11:THE IDOLM@STER 2nd-mix(765PRO ALLSTARS+高橋李依)

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