共感・感情移入する楽曲で、彼女が表現したものとは? 下地紫野「そんなの僕じゃない。」リリースインタビュー

気持ちを込めて歌われたバラードは、いずれ表題曲にも?

――そして今回もカップリング曲が2曲収録されますが、まず「いつか」はバラードで。

下地 この曲は、編曲してくださった川田瑠夏さんのピアノと一緒にせーので録らせていただきました。しかも、部屋の電気をかなり暗くして、ダウンライトをピアノとボーカルブースだけで照らして……っていう雰囲気作りからさせていただいて、川田さんの素敵なピアノに引っ張っていただいて、すごく感情を込めて歌えました。

――この曲のヒロイン像を、下地さんはどのように想像されたのでしょうか?

下地 この曲を聴いたときに、高校時代の友達の女の子と、相合い傘してバス停まで帰ったことを思い出したんですよ。それって何も特別なことじゃないのに、「そういえば冬服だったな」っていうことまで覚えていて。何気ない日常のなかのすごく残ってる出来事って皆さんにもあるかもしれないと思ったんです。そういう優しい時間のイメージも大事にして歌わせていただきました。だから私の中では、歌詞に出てくる日付は特別な日ではないし、1番の“5月7日”から2番の“9月20日”まで何も大きな事件もなく、ただ日常が流れていってるっていうイメージなんです。でも私は、「そういうなんともない日も特別になりうる」と思うんですよね。

――Dメロの歌声から感じた気持ちの高まりに、聴く側としても持っていかれたところがありました。

下地 そのDメロに行く前の間奏で、川田さんのピアノが凄いんです。そのピアノに導かれてより曲に入って愛を込めて歌えたのではないかと思います。

――一転して声をきゅっと絞られていた、直後の落ちサビの歌声も同様に強く印象に残りました。

下地 昂ぶった気持ちを壊さないよう言葉に気持ちを大切にこめさせて頂きました。ピアノの音も消え、私の声だけが残るような印象的なシーンになりました。特にピアノと一緒にレコーディングをさせて頂いたので、「このテイクは1回きりしかないぞ」っていう感覚はより強く感じましたね。

――ピアノの音がそのとき1回しかない、というところからそういうお気持ちが強く生まれた。

下地 そうですね。その“1回きり”っていうのもまた、曲や歌詞にもリンクしているのかなって思います。

――そしてもう1曲収録されている「Dear Time」は、ポップなミドルテンポのナンバーです。

下地 この曲は、『ひとりで見知らぬ土地に行って、いろいろあるけどこれからも精一杯頑張っていきたい』っていう自分の気持ちを表現したいというイメージをお伝えしたんです。特に歌詞は、岩里さんからのエールのように感じました。

――全体的に下地さんが投影された曲になっているようなイメージを受けました。

下地 ……ちょっと恥ずかしいですね(笑)。この曲は「時間は過ぎても置いてけぼりにはしないよ」というか、「食らいついてこいよ」みたいなところがある印象も持ちました。ただ突き放すでもなく背中も押してくれるみたいな、結構不思議な印象があるんです。だから自分自身も悩んだときに聴きたいなって歌いながら思いましたし、私の歌でみんなが悩んだときに背中を押せたらいいな、っていう気持ちはありますね。

――それこそ今おっしゃられたような部分って、ちょっとリリースが空いたというのも含めて岩里さんからのエールのような部分になるのかもしれませんね。

下地 そうかもしれないですね。今回は3曲とも岩里さんに歌詞をお願いさせていただいたんです。歌詞を最初に読むときや歌うとき、出来上がってから聴く時などその時々に受ける印象や心に引っかかる言葉が変化するんです。

――テクニック的な部分では、すごく独特な譜割りの曲だなという印象もありまして。

下地 言葉を盛りだくさんに詰め込んでいる感じがして、「そこで迫ってくる時間みたいなものが表現されているのかしら」と思ったんです。それで歌っていくうちにハマり方がわかってきてからは、「この曲のキラキラしたところに身を任せればいいのかな?」と思って、歌っていきました。

――こうして今回もそれぞれ個性の異なる3曲を歌われましたが、今後ソロアーティストとして挑戦したい曲や歌ってみたい曲はありますか?

下地 シングルとしてはテンポの早い楽曲が続いているので、今回の「いつか」みたいなスローバラード曲のシングルにも挑戦してみたいですね。今回ちょっとだけ余裕ができて、少し引いて全体を見れたと思ったので、もう一段階上がった下地紫野が、また全然違うものを作るときに何ができるか、どういう景色を見たいか、というところは自分でも楽しみですし、ワクワクするところですね。

Interview & Text By 須永兼次


●リリース情報
下地紫野 2ndシングル
TVアニメ『すのはら荘の管理人さん』EDテーマ
「そんなの僕じゃない。」
8月1日発売

【DVD付限定盤】

品番:VTZL-150
価格:¥2,200+税

【通常盤】

品番:VTCL-35280
価格:¥1,300+税

※初回生産分のみ 本人直筆サインカードをランダムで封入(計500枚)!/限定・通常盤共通

<CD>
1. そんなの僕じゃない。(TVアニメ「すのはら荘の管理人さん」エンディングテーマ)
作詞:岩里祐穂 作曲・編曲:白戸佑輔
2. いつか
作詞:岩里祐穂 作曲:白戸佑輔 編曲:川田瑠夏
3. Dear Time
作詞:岩里祐穂 作曲:鈴木裕明 編曲:白戸佑輔
4. そんなの僕じゃない。(instrumental)
5. いつか(instrumental)
6. Dear Time(instrumental)

<DVD>※プレイパス対応。
そんなの僕じゃない。 Music Video
Acoustic Live @Victor Studio 1.God Save The Girls 2.プ・レ・ゼ・ン・ト
シングルができるまで。
おまけ。

●作品情報
TVアニメ『すのはら荘の管理人さん』
TOKYO MX、AT-X、BS11にて放送中

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