6月24日、東京国際フォーラム ホールAにて“UCHIDA MAAYA「Magic Number」TOUR 2018”の東京公演が開催。内田真礼が2ndアルバム『Magic Hour』を引っさげて開催した全国ツアーの東京公演は、ハッピーかつアツく盛り上がったのはもちろん、ファンへの愛など内田が曲に込めた強い想いをが音楽を通して感じることのできるライブだった。
ステージ上には、ビルのような街並みをイメージしたセットが。開演を迎えると、「Hello, 1st contact!」や「+INTERSECT+」をリミックスしたBGMにのせてLEDスクリーンにOP映像が映し出され、“Magic Number”が5からカウントダウン。ゼロになった瞬間、ステージ奥の階段に内田が登場し、ツアータイトルをとシャウト。この春リリースのアルバム『Magic Hour』の1曲目でもある「My Star is Here!!」からスタートする。白のペンライトの輝きに染まる客席を前に内田は序盤から楽しそうで、1コーラスを歌い終わりメインステージへ降り立っても、その表情は変わらない。さらに立て続けに、ダンサー4人を従えて「+INTERSECT+」で、いきなりこの夏の想い出の更新に入る。サビではそのダンサーとフリを揃えてのキュートなパフォーマンスをみせつつ、2サビ後の間奏では振付を利用する形で自然に客席を見回してみせる。そして大サビでは気持ちよさそうにそのファンへ「スキだよー!」とシャウト。大歓声を浴びて最後まで笑顔全開で歌いきり、スタートダッシュを決めてみせた。
歌い終わって、まずは「国際フォーラムを揺らしまくって、楽しんでいきたい!」と意気込みを語ると、「aventure bleu」へ。ブルーに染まる客席に、いつしかステージに飛び始めたシャボン玉も相まって、どこか幻想的な美しい世界が完成。その景色の中で内田は、音を取るだけでも大変な難曲を、ただメロディをなぞるだけでなく緩急つけてボーカルの巧みさを見せていく。後奏で内田が、ダンサーのはためかせる青のベールに隠れステージから消えると、場内にはディストーションギターのつんざくような音色が響き渡る。それに続いて、階段上に内田が「創傷イノセンス」の冒頭フレーズとともに登場。メインステージに据えられたMV同様の檻の向こうで強く鋭く歌う内田は、2コーラス目に入るとその檻に腕を絡めたりと、強さの中にセクシーさも垣間見えるパフォーマンスを展開。2サビ明けにその檻が上がると、ラスサビ前のフレーズもキリッと決め、最後まで全力で走りきった。
曲明け、今度はピアノのinterludeが奏でられ、バレエ風のダンスをダンサーが踊るなか階段上へ上がり、「Resonant Heart」へ。曲間も途切れないストーリーを構築する、見ごたえあるステージが次々繰り広げられていく。この曲も凛とした披露となったが、同時にどこか気持ちよさのにじむ場面も。それでも2サビ明けには「フォーラム、行くぞー!」と場内を先導し、再び会場を熱く燃やす。さらに「North Child」の頭サビを歌唱しメインステージへ戻ると、一貫して凛とした表情で強さをより前面に出して歌唱。落ちサビから大サビにかけては絞り出すようにしながら最後のロングトーンまで出し切って、一旦ステージを降りた。
EDM調のサウンドに合わせたダンスがステージでしばし繰り広げられたのち、上がったLEDのスクリーンの裏から階段ステージに乗り、ホーンセクションに囲まれた80’sアイドル風衣装の内田が「クラフト スイート ハート」のイントロに合わせて登場。サビでの従えたダンサーとバッチリシンクさせた振付をはじめ、キュートさと切なさとを同居させたパフォーマンスを見事やりきる。続いて「からっぽカプセル」のイントロで「みんなで声出していくぞー!」の言葉に続けて、ダンサーを従えて行進するようにステージへ。Aメロからコールが起こりまくるこの曲で、場内一体となって、再びキュートに楽しく盛り上がる。すると再びガラリと曲調変わって「Agitato」へ。衣装も相まってここでも少し懐かしアイドル風味な見え方となったこの曲、情熱的に歌唱していく内田。2-Aメロの一瞬のブレイクの静寂直後のブレスも、色っぽく響いた。
ここまで3曲連続で登場した“Maaya Horns”は東京公演のスペシャルな仕掛け。そういった魅せ方によって高まった会場の興奮は内田にも届いていたようで、「国際フォーラムが揺れてた!みんなのパワーはすごいんだよ」と口にしていた。そしてセットに絡めて「2ndアルバム『Magic Hour』の世界に飛び込んできてほしい」とライブコンセプトにも触れると、客席ブロック別や男女別などのコール・アンド・レスポンスを挟んで「みんなで踊っていこうぜ!」との声から「ロマンティックダンサー」へ。
サビでもコールの大きく上がるこの曲で、歌詞通り国際フォーラムはダンスホールに。内田もリズムに乗りつつコールを煽り、Dメロのコール部分は全体でのシンガロングに。ラストのシャウト後、腕を振り上げてさらに内田が場内を煽ると、そのまま「モラトリアムダンスフロア」がスタート。映像にも登場するコールが恒例となったこの曲で、更に艶っぽさが進化した内田のボーカルに乗せて、観客はさらに踊りまくる。また、落ちサビ中には階段ステージが組み変わりお立ち台状に。そこに立つ“本日の主役”は歓声と視線を一身に浴びて、気持ちよさそうに楽曲を締めくくった。
再びバンドタイムが繰り広げられると、階段ステージの隙間から内田が再登場。ライブの後半戦は、MVを背負いながらのアルバムのリード曲「セツナ Ring a Bell」からだ。その歌声は、曲が進むにつれてどんどんとエモーショナルなものになっていき、Dメロ後には、いっぱいになった胸の内を制御しようとしてか、幾度となく手を当てる姿も印象的なものだった。それでもラストの「信じさせて」のフレーズで、光と救いを感じさせて曲を締めくくると、そのまま「TickTack…Bomb」へ。セリフ部も交えられたこの曲を、甘めの歌声で披露していく。ベルが鳴って進み始めた彼女が、自らのカウントで歩を進め始めると、最後は拍ごとに進む秒針のような振付をダンサーとともに合わせて曲を閉じ、青空の映像をバックに「シンボリックビュー」で飛び立つ。内田自身も軽やかにステージ上を動き回り、力いっぱいの歌声を観客に届けていく。それもまるで、背負った映像の鳥の視線のように、荒野を飛び立って行くかのようなものだった。
歌い終わって、「すごい熱量なんだけど」と切り出しライブ中盤を振り返った内田は、MCへの歓声が大きくなると「今から好きなこと言っていいタイム、10秒!」といたずらっぽく呼びかけ、イヤモニを外して声を受け止める。さらに「これなら近くなるかな?」と上手・下手のお立ち台に登ってファンへと接近もしてみせた。
そうしてファンを感じたところで、内田は『Magic Hour』とそれを引っさげてのツアーについて、ピアノの音色をバックにゆっくり語り始める。そこに込められた大切な想い自体と、それを受け取る眼前のファンが彼女の胸を熱くさせたのか、涙で声を詰まらせる場面も。だが、精一杯「大好きなんだよ、この場所が……」と絞り出すと、ファンから贈られた拍手と声援が、彼女を温かく包む。その温かさの何より似合うナンバーが、続く楽曲「magic hour」だ。
アカペラから歌い始められたこの曲は、夕暮れの、マジックアワーの景色を背負いながら大事に歌われていった曲。そうしながら内田が観ていた景色こそが、この一瞬の、国際フォーラムのマジックアワーだったのだろう。その光景へ、大サビ前のロングトーン後の無音部では、想いをこぼさないようにそっとささやくように「ありがとう……」と感謝を告げた内田は、最後まで胸に詰まった想いをいっぱいに乗せて、最後までいたずらにあふれさせることなく伝えきり降壇。その後の長い長い後奏でゆっくりと夕暮れの景色が描かれ、日没とともに楽曲も締めくくられた。
そんな夜を迎えた世界にデジタルなinterludeが流れると、階段上ステージに内田が登場するのと同時に「c.o.s.m.o.s」がスタート。レーザーの演出や2サビ明けに降る銀の吹雪がサイバー気味に彼女のステージを彩る。大サビ後は「Go!」と軽いシャウトとともにファンを煽り、最後まで夜の世界で観客を踊らせる。
曲明け、「本当にキラキラな気持ちです。すごくすごく、胸がいっぱいなライブになっています」と今の想いについて語る。しかし「泣いてる場合じゃないんだよ!ここにいる私は、みんなと楽しい時間を作らなきゃいけないわけです。だから、一緒にやりたいことがあるんです」と直前の涙を振り払うと、Twitterで予習動画もUPされていた「Applause」へ。

曲に行く前の練習も一発目から見事に揃い、本番でもイントロからクラップが揃って大盛り上がり。内田のサビでの振付も、そのクラップも織り込んだキュートなものとなっており、ボーカルもそれと同様に再びキュートベクトルへ。2コーラス目に入ってからはKey.、Gt.と視線を合わせてにんまりすると、2サビ前も「みんな一緒にー!」の言葉から一斉に振付。これに気を良くしたか、「OK、もっともっといくぞー!」とのシャウトに続いて、「Smiling Spiral」からライブはラストスパートへ。クラップで一体になったところで、会場全体で始まる笑顔の連鎖。内田の笑顔でのパフォーマンスと、時にキュートでいたずらっぽいボーカルが引き続き観客を魅了し、大サビでは銀テープも発射されてさらに勢いを高めていくと、さらに天井知らずに会場を燃え上がらせたのが「take you take me BANDWAGON」、サビの「もっと楽しいことしませんか?」のフレーズ通り、ステージ上で内田がまっさきにこの時間をエンジョイ。2-Aのセリフ部ではBa.に絡んだりと、曲に沿った魅せ方で楽しんでいき、自らの想いを爆発させつつ会場全体を巻き込んでいく。その一方で、2サビ明けにバンドメンバー紹介を挟み込むなど序盤から一貫して崩れないスムーズな見せ方も健在だ。そしてラストのシンガロングも会場中で盛り上がると、イントロでの「今日ここからの、新しい一歩を!また明日から頑張ろうね!」との言葉に続けてラストナンバー「Step to Next Star!!」へ。この曲もまた、M1同様アルバムを締めくくるナンバーである。背景には、これまで内田が行ってきたライブの映像が流れ、ステージには順番にその時々の内田に扮したダンサーが登場する。そんな彼女たちと、ハイタッチを交わしながら歌い続ける内田。過去の自分から想いのリレーを受け取りながら、内田は最後まで全力で歌い続け、ジャンプエンドで楽曲を締めくくった。
そこから起こった、大会場の割に一体感の強い「ま・あ・や!」のアンコールを求めるコール。しばしその名が呼び続けられたところで、階段上ステージに内田が登場し、タオル曲「クロスファイア」で再始動。国際フォーラムはまたも大揺れで、本当に通算21曲目なのかが疑わしいレベルの、どえらい盛り上がりを見せる。また2サビ明けには、三三七拍子とコールをバックにトスバッティングでサインボールをプレゼント。ライナー性の当たりがカメラへ飛ぶハプニングもありつつも、終わってみればその打率は良好。後方までボールの届く、ナイスバッティングを見せてくれた。
歌唱後には内田から告知がふたつ。まずは、秋放送のTVアニメ『SSSS.GRIDMAN』のEDテーマの担当が発表に。その曲「youthful beautiful」は10月17日に発売されることも合わせて発表された。また、ファンクラブ会員限定ライブイベントが10月27日に開催されることも発表。場内は、歓喜の声に包まれた。
さて、ライブは本当にラストの時間へ。内田からはやはり“楽しい”という想いが隠すことなく次々とあふれてくる。そして「私はこの場所が本当に好きで、一人ひとりいないと困るんです。私がさくらんぼだとしたら、みんなは私の片方なんだよ?」と、自分の言葉でファンがかけがえのない存在であることを改めて発信すると、「これからもCDも出すしライブもする。いろんな事があるけど、私をいっぱいいっぱい、レスキューしてください!」と続けラストナンバー「ギミー!レボリューション」へ。MC中から高まり始めた場内は、歌い出しとともにボルテージの最高潮をまたも更新。その客席に向けて、内田はステージを動きながら笑顔で手を振りながらのパフォーマンスを展開していく。“Maaya Horns”も登場しての、今日のフルメンバーでの披露となったラストナンバーを、コールを大きく響き返してくるファンと一緒にこの曲を楽しく楽しく歌い切ると、内田は後奏でその大歓声と笑顔を受け止めようと両腕を広げてぴょんぴょん跳ね、笑顔でステージ上をはしゃぎ回ってジャンプエンド。その表情は、達成感・満足感で満たされていた。
最後に会場中へ挨拶を済ませると、「スキだよ!」と観客へ改めてシャウト。去り際に大きな大きな投げキッスを残して内田はステージを降り、ライブは大団円を迎えたのだった。
本編中は、MCパートを除いて流れを極力止めずに進行していた点が印象に残ったのがこの日のライブ。当日生まれるエモーショナルさや、偶然が生む興奮や熱気だけに頼ることなく、確固たる意志を持ってある種の計算もしながら見せたいものをきっちり見せてくれたライブの構成自体を、まずは高く評価したい。そこにさらにポジティブな感情をプラスするのが、内田のパフォーマンスと、彼女のファンとの絆である。中盤の「magic hour」はもちろんだが、オーラスの「ギミー!レボリューション」なんて楽しくて仕方がないはずなのに、あのMCの流れから聴いたこの曲は、不思議と泣けてもきてしまう。それはきっと、実際に互いが互いのヒーローでレスキューし合う関係であるから、そう聴こえさせたのかもしれない。そんなふたつでひとつの“さくらんぼ”は、きっとこれからも一緒に歩み続けていくことだろう。
Text By 須永兼次
“UCHIDA MAAYA「Magic Number」TOUR 2018 Magic Number 2 TOKYO”
2018.06.24@東京国際フォーラム ホールA
【SET LIST】
M1.My Star is Here!!
M2.+INTERSECT+
M3.aventure bleu
M4.創傷イノセンス
M5.Resonant Heart
M6.North Child
M7.クラフト スイート ハート
M8.からっぽカプセル
M9.Agitato
M10.ロマンティックダンサー
M11.モラトリアムダンスフロア
M12.セツナ Ring a Bell
M13.TickTack…Bomb
M14.シンボリックビュー
M15.magic hour
M16.c.o.s.m.o.s
M17.Applause
M18.Smiling Spiral
M19.take you take me BANDWAGON
M20.Step to Next Star!!
EN1.クロスファイア
EN2.ギミー!レボリューション
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