最新アルバムを引っ提げ開催した“新田恵海 Live Tour 2018「EMUSIC 32 -meets you-」”のツアー・ファイナルをレポート!

新田恵海のライブ・ツアー“新田恵海 Live Tour 2018「EMUSIC 32 -meets you-」”の最終公演が、6月30日に東京・NHKホールで行われた。NHKホールといえば、新田の音楽的ルーツのひとつであるクラシック音楽のコンサート会場として親しまれ、何より毎年大晦日には「NHK紅白歌合戦」の収録会場として使用されている由緒正しき場所。“6月30日”という彼女にとって特別な意味を持つ日に、特別な意味を持つステージで行われたこの日の公演は、新田と彼女を支えるファン(=恵海人(えみんちゅ))にとって本当に特別なものとなった。

今年5月にリリースされたばかりの2ndアルバム『EMUSIC 32 -meets you-』を引っ提げた今回のツアー。まずは同作の1曲目にも配されていた導入的なナンバー「32 -meets you-」が流れ、彼女の「meets you」とささやく声が会場中を満たすなか、ステージ背面の白い幕に、色のついてない蝶がひらひらと羽ばたく映像が投影される。やがてバラが咲き、蝶が黄色く色づいて花弁に止まると、黄色いドレス姿の新田がゆったりと膨らんだスカートの裾を揺らしながらステージに登場。そしてニュー・アルバムのリード曲「君に咲く愛のうた」でライブをスタートさせる。

ステージ背面には森のような風景が投影され、新田も優しいタッチの高音ボイスを響かせて、自然光のように柔らかな眩しさを歌で作り出していく。この日のステージには、ギター、ベース、ドラムス、キーボード、グランドピアノ、マニピュレーターが演奏でサポート。メンバーの衣装は白で統一されており、ステージも白地がベースの飾り気を抑えたシンプルな舞台となっていたので、黄色い衣装の新田が余計に輝いて見える。

続いて近年のライブの鉄板でもあるシングル曲「ROCKET HEART」で客席にマイクを向けるなどして盛大に盛り上げると、この日最初のMCに。「(NHKホールに)立たせていただいたことがあるんですけど、緊張してたり、いま何が起こっているのか理解できない時期だったので(笑)、改めてこの景色をちゃんと見られている気がします。ありがとうございます!」と感謝の気持ちを述べる。

そしてライブは2ndアルバム収録曲「コイスルマチカド」へ。ラウンジ・ミュージック的な華やかさを持ったこのナンバーで、新田は華麗なダンスを披露。彼女がクルリとターンすると、スカートの裾がフワリと浮かび上がり、サビで見せた軽快なステップもウキウキ感が全開で、ステージ背面に投影されたヨーロッパの街並み風の絵も込みで、ミュージカル映画の世界に迷い込んでしまったかのような光景が繰り広げられる。間奏でのメイクやイヤリングをつけるような仕草を取り入れた振り付けも含め、恋やおしゃれを楽しむ女の子の気持ちを描いた曲の世界が楽しく表現されていた。ラストは後ろ向きになって振り返り、背中を見せて色っぽくポーズをつけると、そのまま「Rainy*flower」へ。花柄の傘を右手に持ちながら、それを時にクルクルと回したりして、雨の日を楽しむかのように明るい歌声を届ける。締めくくりは、空を見上げて晴れた様子をジェスチャーで示し、たたんだ傘を手に映画「雨に唄えば」の名シーンさながらのダンスを披露。そこからライブ直前の生配信番組で新田自ら振り付けをレクチャーしていた「Colorful Parade」へと続き、彼女は「知らない人もマネして踊ってくださーい!」と呼びかける。フェスをイメージして作ってもらったというこの楽曲では、客席もみんなでサムズアップやハンズアップのポーズを取ってノリノリで盛り上がった。

そして新田自身が作詞した楽曲「In the Ring」へ。青空にリング状の虹が浮かぶ映像が投影されるなか、ピアノの流麗な調べをバックに“やさしい青に抱かれながら”と歌い始めると、客席もペンライトを青にして応える。“誰かのために歌っていたいと そう望んでるの”というフレーズは、彼女から恵海人に向けられた心からの言葉だろう。その後のMCで衣装のフワフワに盛られたスカートについて触れ、「大阪(公演)よりもボリュームアップしてます! 自分のおしりがめっちゃ遠いですもん」と笑わせて、彼女らしい和やかなムードを作ると、今度は「ここからはしっとりと聴いていただきたいと思います」とスロー~ミディアム・テンポの楽曲を続けて披露する。
まずは切ない大人の失恋ソング「勿忘草」を切々と歌い上げ、深みを増した表現力でしっとり聴かせると、続く「スピカ」では別れの先にある未来を一番星に願うように美しく響き渡らせる。さらに「きらめきを夢みて」で“目を閉じれば君の笑顔がある だからもう迷わない”と力強く歌い、これからも歌を届けていくという強い意志を改めて示し、ステージから退場。再び「32 -meets you-」のSEが流れ出し、今度は青い蝶が桜色の花びらに止まる映像が映し出される。

ここでベースの激しいインプロビゼーションを皮切りに、バンド・メンバーによるアグレッシブなソロ回しが展開されて高まりを生むと、ブルーを基調にしたクールな衣装に着替えた新田が「後半戦、いくよー!」と再登場。そのまま新作のなかでも飛び抜けてロックなナンバー「マスカレイド」を披露する。台に片足をついて高らかと声を張り上げる彼女は、まさにロック・スターそのものと言えそうなカッコよさ。観客も総立ちになって赤いペンライトを振る。そこからシングル曲「盟約の彼方」へと繋げ、堂々とした立ち居振る舞いでドラマチックな歌声を届けていく。さらに「まだまだいきますよ!」とドライブ感溢れる「Shine」で一気に畳み掛け、“ロックなえみつん”をアピールした。

MCでは「ちょっと前にラジオの公開収録でJK風のセーラー服を着て物議を醸し出しましたけど(笑)、今回はカッコいい目のセーラーでございます!」と衣装を紹介し、暑いからとみんなでお水タイムをとって「えみーゴ?」「アミーゴ!」と乾杯する新田。「皆さん喉も潤ったと思いますが、まだまだ声を出せますか?」と煽り、ここからはライブの定番曲を連発。恵海人による大合唱が巻き起こった「Believe in (E)MUSIC」、会場中が“CHA-CHA-CHA, CHA-CHA-CHA マエニマエニ 進メ”と声を一体にした「NEXT PHASE」、新田もお客さんも手を高らかに掲げて絆を確かめ合った「OURS POWERS」と、終盤に向けて怒涛の盛り上がりをみせる。

ここで自分の歌手活動について、今までもこれからも“頑張る人を応援したい”というテーマのもと歌を届けていきたいと語った新田。聴く人の背中をそっと押してあげるような曲を歌いたいと考えていたところ、最新作『EMUSIC 32 -meets you-』で、そういう楽曲に出会うことができたのだと言う。そして歌われたのが、アコースティック・ギターの響きが爽やかなポップ・チューン「Baby Call My Name」。聴き手の気持ちに寄り添うような歌声と歌詞が、耳に優しく染み込んでいく。「次で最後の曲になります、聴いてください!」と語った彼女は、同じくニュー・アルバムより「Bon Voyage!」を披露。大海原を行く船の映像をバックに、それぞれの道を走るファンに向けて“同じ空見上げて もっと遠くへ行こう”と歌いかける新田。伸びやかな声と力強くも華麗な振り付けで客席にエールを送り、最後は「また会いましょう!」とにこやかに手を振ってライブ本編を締めくくった。

その後、盛大なアンコールを受けてステージに戻ってきた彼女は、あらたなスタートと未来への希望に満ちたナンバー「つなぐメロディー」でライブを再開。続くMCでピアノの伴奏をバックに、次に歌う自身作詞の楽曲「my youth」に込めた想いについて語る。

「(次の曲は)私の青春のことを歌った曲です。何のことかは言うと野暮になると思うので言わないんですけど(笑)」「なんか人生ってわからないなって思いますね。今日、6月30日にこの場に立ってるのがすごく不思議な気持ちで」「なんて伝えたらいいのか、なんて表現したらいいのか、その言葉を綴れるようになるまで2年近くかかってしまったんですけど、思いの丈をやっと書くことができました。大切な仲間、大好きなみんなを思いながら歌いたいと思います」。

そして冒頭、サビの一節“ああ ずっと忘れない あたたかなあの日々を my pleasure, my youth, my friends”とアカペラで清らかに歌い上げ、8年前の“6月30日”に始まった特別な“青春”への想いを歌に昇華させる。バンドの演奏が加わり、どこかホーリーで光の降り注ぐようなサウンドに乗せて、一つひとつの言葉を大切に歌い紡いでいく。ただ単純に振り返ったり懐かしむのではなく、その日々が今の自分を作り、いつまでも変わらず自分の中にあるということを、歌いながら改めて噛み締めているかのようだ。歌い終えて深々とお辞儀をしたあと、「ありがとう」と語った彼女の笑顔は本当に清々しく見えた。

その後のMCで「今日この日にここに立ってるなんて、8年前にはかけらも想像してなかったですけど、こうして今を迎えられてるのは、応援してくれた皆さんと、一緒に夢を追ってくれた仲間がいるからで、本当に幸せなことだと思います。来てくれてありがとう」と語った新田に、客席からは惜しみない拍手と歓声が送られる。そしてこの日の最後の楽曲「UNITED」へ。ニュー・アルバムでもラストに置かれていたこの楽曲は、新田本人が作詞を担当。この曲を聴いたときに「みんなへの思いを伝えねばならぬ!」という衝動を掻き立てられ、“みんなの笑顔”を思い浮かべたら何の苦労もなくスルスルと歌詞が出てきたのだと言う。

新田の「本当にありがとー!」という大きな大きな感謝の声と共に幕を開けた「UNITED」。新田はステージを上手へ下手へと移動しながらお客さんとの結束を確かめる。彼女が台上に上がってタオルを振れば、それに呼応するように客席の恵海人も腕を上げてタオルを振り回す。そしてラストのサビの直前にバンドの演奏が突然ストップ。新田が「今日は本当に本当にありがとうございました。これからもみんなの笑顔のために、精いっぱい、心のままに歌っていきます!United by EMUSIC!」と思いの丈をぶつけると、発破音と共に銀テープが客席に向けて発射される。オーディエンスも熱狂的な盛り上がりをみせ、最後は新田とお客さん全員がタオルを力強く掲げ、まさにユナイテッドな締めくくりで、2018年6月30日、“EMUSIC 32 -meets you-”のファイナルは幕を下ろした。

PHOTOGRAPHY BY TSUKASA MURAKI
TEXT BY 北野 創

新田恵海 Live Tour 2018「EMUSIC 32 -meets you-」
2018年6月30日(土)NHKホール
<セットリスト>
OP. 32 -meets you-
M1. 君に咲く愛のうた
M2. ROCKET HEART
M3. コイスルマチカド
M4. Rainy*flower
M5. Colorful Parade
M6. In the Ring
M7. 勿忘草
M8. スピカ
M9. きらめきを夢みて
M10. マスカレイド
M11. 盟約の彼方
M12. Shine
M13. Believe in (E)MUSIC
M14. NEXT PHASE
M15. OURS POWERS
M16. Baby Call My Name
M17. Bon Voyage!
―ENCORE―
EN01. つなぐメロディー
EN02. my youth
EN03. UNITED


●最新情報
新田恵海 Live Tour 2018「EMUSIC 32 -meets you-」 @NHKホール収録音源、配信決定!
2018年9月、iTunesほか各配信サイトにて配信開始予定!詳細は後日発表予定!!

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