6月23日、山野ホールにて“竹達彩奈 バースデーイベント 2018”が開催。声優・竹達彩奈の誕生日当日に開催された本イベントは、竹達のやりたいことをいっぱいに詰め込んだ、笑顔絶えないものだった。本稿では、そのうち夜の部の模様をお届けする。
まずは司会を務める、竹達との共演経験も豊富な吉田尚記(ニッポン放送アナウンサー)が登場。この日のイベントが「『29』(=ニク)に引っ掛けて、普通はやらないことをやる」ものであると説明されたところで、竹達がステージに登場。まずは「あやち、お誕生日おめでとー!」との声がファンから贈られ、竹達も右半身を乗り出して右耳に手を当てて、その声を受け止める。
さて、この日の本題は“竹達彩奈パーフェクト29(ニク)YEAR~みんなとしたい29のこと~”。29歳=ニクの年ということで、昼の部と合わせて計29個の“肉にちなんだ竹達のしたいこと”を発表。その一部はイベント中に実施しよう……というもの。ちなみに全29個は公式サイト内ですべて公開されているので、ぜひ内容を確認し、その達成を楽しみにしていてほしい。(リストはこちら!)
そんななかまず発表されたのが、“肉に続く、新食べ物ソングを制作したい!”これは、すでに竹達のアンセムと化している「ライスとぅミートゅー」への「竹達を知らなくてもこの曲は知ってる人がいる」といった反響もあり、「自分が知らない間に曲が大きくなってた」という感慨あってのもの。ちなみに今好きな食べ物を尋ねられた竹達は「毎日食べ続けるなら白米」と語り、「肉を好きになってから米の良さに気づいた」と続ける。はたしてこれから製作される“食べ物ソング”は、実際に白米にちなんだものになるのだろうか?その後にもぜひ、注目していてほしい。
また、“声にいいお肉を食べてみたい!”では、普段レコーディング前によくコンビニチキンの油で喉を潤していると事前に語っていたが、吉田から「誕生日らしく声にいいお肉をご用意したんですけど……」との言葉が出ると「食べましょう!」と食い気味に即答。ステージ上でお願いごとがかなう、という展開に。タンパク質が良質な筋肉づくりに役立ったり、喉を潤したり癒やす成分の多く含まれた料理が、計三品登場する。まず一品目・豚の生姜焼きからをひと口頬張ると、「白米が欲しい」との率直な感想。すると二品目・ササミとはちみつ醤油の照り焼きを食している最中に山盛りの白米が登場する。そしてもう一品・ミスジのシャリアピンステーキも食した竹達は、大満足の様子だった。
が、アメがあれば逆にムチもある……ということで続く“みんなにもっとお肉を好きになってほしい!”とのテーマでは「そう思ってもらうには、やっぱり声で伝えるのがいいのでは?」と提言した吉田が続けて“大好きなあやちにこんな事言われたら、僕らも肉好きになっちゃう大作戦!”とタイトルコール。そしてぽかーんとする竹達。用意された、肉に関連する用意されたシチュエーションとセリフを演じるというもので、「私が音響監督としてディレクションをしながら……」の吉田の言葉に、会場中から歓声と爆笑が沸き起こる。ここではふたつのセリフを披露したのだが、そのうち“ふたりのはじめてのデート中に……”と言ったシチュエーションでは、相変わらず細かい吉田のディレクションに加え、実演する瞬間に竹達へのピンスポットのみに切り替わるという照明のファインプレーも、観客を沸かせていた。
ちなみにその吉田にものちに“ムチ”が炸裂。ライブコーナー前の準備時間で“お肉の愛にあふれた番組を聴いてみたい!”との竹達の願いから『オールミートニッポン』なるその場限りのラジオをすることに。「BITTERSWEET SAMBA」の流れるなか「会社のメイン商品のパチモンを紹介している」とこぼしつつも、その“本家”のレギュラー担当の経験もある吉田が作家力作の嘘メールも交えつつ、肉に関する思い出を語って番組として成立させていた。
さらには竹達の願いが“29秒チャレンジ”として挑戦コーナーへと変化したものも。まず“29秒でみんなの迷いを即決してあげたい!”との願いにちなんで、来場した公国民からの事前アンケートで書かれた質問に、29秒の間即決で次々と答えていくものだったが、「顔に特徴がありません」へ「メイクする!」とサクッと答えるなど、計6つに回答。「これ楽しい!」と笑顔で口にしていた。また“肉の部位、全部噛まずに言ってドヤ顔したい!”では、29秒で29部位を早口で言うことに。直前に吉田も「僕でさえ入るかどうか」と語っていたこのチャレンジだが、なんと11秒で一発成功!からのドヤ顔&ダブルピース。かわって吉田にも挑戦するようお願いしたが、最終的にはふたりでリレー方式で挑戦し、合計29秒以内のクリアを目指すことに。しかしこちらも、トータルタイム21秒で見事クリア!ふたりでドヤ顔を決めていた。
また、VTRコーナーとして“肉体の限界に挑戦したい!”とのお願いに対応するボルダリング挑戦の模様が上映。最初級である9級のコースでギブアップしかける竹達に、簡単にそれを許さない先生のドSさが場内に笑いを生むなか、最終的にはその先生からのコーチングと竹達の根性もあって、無事登頂に成功していた。チャレンジ中はなかなかギブアップを許してくれない先生へのイライラもあったと正直に語っていたが、「登ったら『すごーい!』って達成感があった」と、体験したからこそ感じられた想いも明かしてくれた。ただ、「またやりたいですか?」の吉田の問いには「いや大丈夫です。」と、こちらも食い気味に即答。
そして“肉体改造!鍛えた上腕二頭筋を活かしたい!”と、早速ボルダリングで鍛えた筋肉を活かしてサインボールを投げ込む竹達。途中からは元テニス部の経験も活かして、ラケットを使って後方の公国民へもサインボールをプレゼント。狙いと違う方向に行ってしまったボールもあったものの、ラスト1球のオーバーハンドサーブはきれいに遠くまで到達。経験者の面目躍如たる姿を見せてくれたのだった。
そこから前述の“オールミートニッポン”を挟み、イベント後半・ライブコーナーへ。まずはイベントのテイストに合わせてか、「ライスとぅミートゅー」からのスタートとなったのだが、イントロのコールだけで山野ホールはクライマックスかのような盛り上がりをみせる。公国民は赤のペンライトを掲げ、ホームならではの細部にまで渡る大きなコールで竹達をもり立てれば、そのコール部での竹達の表情も実に楽しそう。こうしてまずは最高に楽しい滑り出しを決めた竹達は、ジャンプエンドと「せんきゅー!」の声でこの曲を締めくくったのだった。と、続く楽曲は一転ブルーの照明のなか、シリアスに歌われるロックチューン「Starline」。竹達の表情も一気にキリッとしたものに変わり、力強く歌っていく。Dメロの深みある引いた部分等幅を感じられるボーカルを響かせ、曲ラストのロングトーンも力強く伸ばしきっていた。
歌い終わり、その「Starline」の照明に合わせた客席の青のペンライトの美しさに感謝を述べた竹達。夜のセットリストについて「懐かしかったり、久々に歌いたい歌を選抜しました」と語り、ここからのナンバーを「歌えば歌うほどに好きになった曲」と紹介し、「永遠にキミのことを愛したいと言わせて」を歌い始める。歌詞と曲中のセリフが星空に次々と浮かぶ映像を背負いながら、ピンクのペンライトに包まれながらのミドルロックを、甘さを持ちながらも温かさを感じさせる歌声で披露。曲最後のシャウトからも、エモーショナルさを強く感じることができた。さらにそのままシームレスに「春がキミを綺麗にした」へ突入。頭サビを歌い切ったところで手に持ったマイクをスタンドにセットして、MVと同様のスタイルを取る竹達。その歌声は先ほどよりも少しキュートさ強めのもので、サビでは両手でマイクを抱えて精一杯さも感じさせつつ、ウィスパー気味で甘さを強めに出したDメロなどで表現のアクセントもつけて、最後はまた笑顔で締めくくった。
曲明けには、その「春がキミを綺麗にした」の解釈の変化や彼女のなかでの消化について「大人になったからか、それとも曲で情報が入ってきたからか、これからの生活や希望に向けて頑張るぞっていう顔はすごく素敵で綺麗なんだな、ってここ1~2年ぐらいで感じることが増えたんです」と、自身のなかでの変化を改めて言葉にし、もう1曲「クレンジングラブ」へ。この曲は1曲通してウィスパー気味に、その他の曲とはまた違った表現で、浮遊感とオシャレさとを兼ね備えた曲を歌っていく。その歌声の発され方もあってか、甘さに加えて透明感も感じられる歌声となっていたのだが、そこにどこかネコっぽさのようなものを感じたのは、筆者だけだろうか。
こうして、ここまでの経験からくる多彩な魅力を見せたところで、最後は最新シングル「OH MY シュガーフィーリング!!」で再びアッパーに盛り上げる。Dメロでは歌詞に合わせて指にハートを描くなどといったキュートな振り付けも交えつつ、変拍子も織り込んだメロディも乗りこなしながらラストまで盛り上げきってジャンプエンド。歓声のなか、竹達はステージを降りた。
そしてホールに響くアンコールを求める「あーやーち!」の声に応えて竹達がステージに戻ると、イベントを振り返って「本当に幸せ」と総括。初回バースデーイベント等に想いを馳せつつ、「ステージに楽しく立てているのは、皆さんの応援やバンドメンバーやスタッフ、その他いろんな方に支えていただいているおかげなので……ずっと頭を下げて歩いて、ぐらい感謝しています」と続ける。そして「昔はイベントでは歌うのが怖くて夜も眠れなかったし何も喉を通らなかったけど、今日は朝からカレーも食べられて(笑)、『安心して挑めるようになったんだ』って実感しています」と自身で感じた成長について語ると、「みんなの優しさに恩返しできるように、いろんなかたちで声をお届けできたら!」と宣言。そして「この幸せな気持ちを、国の曲に込めて……」とラストナンバーを歌い始めようとする……がここで竹達へのサプライズが炸裂!
バンドメンバーが演奏し始めたのは「HAPPY BIRTHDAY」で、それに合わせて公国民からも大合唱が起こる。さらに恒例の“肉ケーキ”も運び込まれ……という光景に「いや、聞いてないし!」と竹達も本気で驚く。
しかも今年の肉ケーキは、牛・豚・鶏計29種の部位を使ったもの。ケーキを携えて登場した吉田に薦められて竹達がからあげにかぶりつくと、さらに小林俊太郎(Key.)から「ドリンクテーブルの裏も見てみて」と声をかけられると、そこにはバンドメンバーからのメッセージと、プレゼントとしていきなりステーキの肉マネーカードが!この肉ケーキと、メッセージによる“チーム竹達の絆を深めたい!(塊肉のように団結したい)”をもって、やりたいこと29個の表明と実行が達成された。
そして、「幸せパワーをいただけたので、また元気に!」との笑顔での言葉から、ラストナンバー「apple*colorful*princess」を披露する。FC「あやな公国」の国歌でもあるこの曲を、キャッスルの映像を背に今日の主役のプリンセスが気持ちよさそうに歌う。その光景もあって、公国民の振る赤のペンライトはどこか赤絨毯のよう。また、これまでを振り返るMCに続けて、想い出のフレーズを散りばめたこの曲をラストに持ってきてくれることに、喜びを感じた公国民も少なくなかったことだろう。
ラストナンバーも笑顔でジャンプエンドで締めくくると、「29歳は最高の歳になるよー!ありがとー!」との予告とともに降壇。ちょっとおてんばなお姫様のお誕生日パーティーは、こうして幕を下ろしたのだった。
この日掲げられた“やりたいこと”では、前述の食べ物ソングの製作以外にも“ニクグッズを作りたい!”など、今後の展開についての意欲の見える項目が多々発表。そこからは、言葉だけでなく実際に行動に移していこうという意志が強く感じられた。公国民を巻き込んでのPerfectな1年は、果たしてどのようなものとなるのか?29歳の1年も、竹達彩奈から目が離せない!
Text By 須永兼次
“竹達彩奈 バースデーイベント 2018”
2018.06.23@山野ホール
【夜の部 ライブパートSET LIST】
M1.ライスとぅミートゅー
M2.Starline
M3.永遠にキミのことを愛したいと言わせて
M4.春がキミを綺麗にした
M5.クレンジングラブ
M6.OH MY シュガーフィーリング!!
EN1.apple*colorful*princess
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