INTERVIEW
2018.06.20
「アイドルマスター ミリオンライブ！」高山紗代子役などで人気の駒形友梨が、自身も「真島さん」役で出演しているアニメ『踏切時間』の主題歌「トマレのススメ」でアーティスト・デビューを果たす。ここでは、デビュー作となる「トマレのススメ」の魅力を中心に、収録した3曲に込めた彼女の想いをお届けする。
――これまでも、「アイドルマスター ミリオンライブ！」関連曲を筆頭にさまざまなキャラクターソングや、駒形友梨名義でも『キラキラ☆プリキュアアラモード』のテーマ曲を歌ってきましたが、今回、アニメ『踏切時間』の主題歌「トマレのススメ」を歌ったことで、正式にアーティスト・デビューが決まりました。駒形さん自身、どんな気持ちでした？
駒形友梨 CDデビューは小さいときからの夢というか、自分でも大きな目標として掲げていたことだったので、これまで活動してきたことに対するご褒美みたいな出来事が起きたんだなと思いました。
――自分の名前を背負い歌うとなると、また気の持ちようも違ってきますか？
駒形 もちろん不安もありますが、それ以上にうれしい気持ちのほうが強いですね。
――「トマレのススメ」が流れているアニメ『踏切時間』は、どの物語にも、電車が通過し、遮断機が上がるまでに起きる踏切前でのいろんなエピソードが投影されていて。あの短い時間の中にも、こんな妄想広がるドラマがあるんだと爆笑しながらも、関心して観ています。
駒形 普通に生活していたら、踏切待ちの間の出来事なんて見落としそうですよね。普通、考えることなんて「早く開いて」くらいじゃないですか。だけど『踏切時間』では、「遮断機が開くまでの短い時間の中にも、こんな楽しいことがあるんだ」ということに気づかせてくれました。
――『踏切時間』って5分もないアニメじゃないですか。なのに、あの膨大な妄想(情報)量はすごいですよね。
駒形 「私の脳では全部処理しきれないかも」と思うくらい。あの数分の出来事の中に、よくぞこんなにもすごい情報量を詰め込んだなって言いたくなるほど、面白い出来事がたくさん起きてますよね。
――その『踏切時間』の主題歌として流れている「トマレのススメ」。この歌はもちろん、カップリングに収録した「Lonely Blueが終わる頃には」も「はじめからきっと」も、駒形さんの心情と近いところで想いを書き留めている印象がありました。
駒形 そのとおりです。今回「トマレのススメ」を作る際に、プロデューサーの方から「何かオーダーがありますか？」と聞かれたので、「心の距離が近い、大勢に向けたというよりは一対一のような歌詞がいいです」とお願いをしたところ、そういう歌詞にしていただけました。もちろん、ほかのアーティストの方によっては、大勢に向けて歌われる方もいらっしゃるし、そういう歌を聴いて元気になれることも多いんですけど。どちらかというと私は、一対一で直接話しかけてくれるような歌が好きなんです。実際に、私自身がそういう歌に励まされてきたように、今度は、私が歌う立場なので、一対一の距離感で歌いたいなと思いました。
――「トマレのススメ」の歌詞に、“踏み切るためには 足を止めなくちゃ”と記されています。何事もそうで、ただガムシャラに走るだけではなく、新しいステップを踏むためには、止まって冷静になったり客観視することも大切ですよね。
駒形 そのとおりだと思います。私、このお仕事を始めてから5、6年経つんですけど、「いつかデビューしたい」「歌の仕事をもっとやりたい」と思いながら、それが思うようにいかなかった時期や、先にデビューする方の背中を見て悔しい想いをしたこともありました。そういう時期って、「私は一体何をしているんだろう」「この時間は良くない」と勝手にネガティブなほうへ気持ちを巡らせてしまってたんですね。だけど、経験を重ねてゆくなかで、「次の一歩を踏み出すためには、その時間も必要なんだ」と思わされましたし、その経験を、「トマレのススメ」に肯定してもらえたなとも感じています。まさに、私自身の気持ちを反映できた歌になったと思います。
――“ストップとスタートで”じゃないけど、ただ走ればいいわけではなく、止まって自分を見据える時間や経験も必要ですもんね。
駒形 そうなんです。それがわからずに、昔の私のように自分を責めてしまう人もいると思います。そんな人にこそ、この歌を通して語りかけたいなとも思えるほど、「トマレのススメ」はとてもいい歌詞だなって。
――人の人生って、スタートとストップを繰り返しながら成長していくものですからね。
駒形 そうなんですよね。ずっと気持ちのアクセルを踏みっぱなしだと疲れちゃうし、挫折があるから、次にステップアップしていくためのきっかけになったり。そういう経験の積み重ねで人は成長していくもの。きっと「トマレのススメ」は、その人の経験や過ごした時間によって、いろんなふうに受け止め方も変わっていく歌だと思います。
――ほかにも、“スタートラインは やると決めた場所”という歌詞も印象的で。そういうスタートラインは、駒形さんのなかにもいろいろありました？
駒形 むしろ、スタートラインにすら立てないと思っていた時期もありました。だけど、「やってやる」という気持ちを持った時点で、そこがスタートラインなんですよね。本当にいろんな人の背中を推してくれる楽曲だと思います。
――完成した「トマレのススメ」を聴いて、いかがでしたか？
駒形 本当に、今の等身大の自分の気持ちや、私が心の中に抱いてる心情と近い面もたくさん投影されていて、「トマレのススメ」を聴くことで、今の駒形友梨の気持ちを感じ取っていただける楽曲になりました。なので、この歌詞を私の心情と重ね合わせ聴いていただけたらうれしいです。
――そしてシングルのカップリングには、ちょっと切なさを持った「Lonely Blueが終わる頃には」を収録。
駒形 「トマレのススメ」から急にガラッと表情が変わって、ビックリですよね。きっとこの歌を聴いた方は、過去の恋愛経験を思い出すんじゃないでしょうか。ただし、それは「あんなつらい恋愛をした」ではなく、「あんな恋愛をしていた自分がかわいいな」と、どこか達観した感じで捉えていけるような。そんな心に余裕を持てる歌詞なんです。私は、恥ずかしい過去はすぐに忘れる派なので、より達観した視点で歌わせていただきました（笑）。しかもディレクターさんに「曲と歌詞は大人の雰囲気だけれどポップな表情へ持っていきたいから、ちょっとかわいい感じで歌ってください」と言われたので、ジャジーで大人な歌だけど、けっして重すぎずに聴きやすい表情を持った楽曲に仕上げがりました。
――通常盤にはもう1曲「はじめからきっと」も収録されますね。こちらも、恋に振りまわされる女性の心情が描かれています。
駒形 この曲は曲調が明るくてかわいいんですけど、歌詞がわりと切なめで。「歌詞は切ないけど、あえて明るく歌ってください」と言われたので、楽曲の表情に合わせ、明るく歌わせてもらいました。
――女性としては、「はじめからきっと」のような男性に振りまわされる恋愛、どんな気持ちで受け止めています？
駒形 きっと好きになってしまったら、その気持ちに抗えないんですよね。私自身は、学生時代にこんな甘酸っぱい経験がなかったので、「こうなったら良いなぁ」と想像を巡らせながら歌いました。それとですね、こういうもどかしい恋愛をしている気持ちって、じつは当人もちょっと楽しんでいるのかなぁと思って。それが、明るい曲調にも出ているんだと思います。
――3曲それぞれに異なる歌の表情を描き出しましたね。
駒形 私は元々バラードやスローな楽曲が好きで、そちらを自分の得意分野にしていました。だけど、いろんなキャラクター・ソングや、『キラキラ☆プリキュアアラモード』などの楽曲を歌わせていただいた経験から、苦手分野を磨かせていただけるどころか、そちらを魅力として評価していただくこともあって。苦手だった面をひとつの武器にできたのはすごくうれしいこと。そういった経験が、「トマレのススメ」を筆頭に収録した3曲に反映されたなと受け止めています。
――シングル盤に収録した3曲とも、すべて駒形さんならどう捉えるかという意識で歌ったわけですもんね。
駒形 そうなんです。今回収録した曲たちを歌うことで、聴いた人たちにどのように楽曲に込めた私の想いを受け止めていただけるのか。そういう面での、気持ちの試行錯誤はどの歌にもありました。だからと言って、「駒形友梨はこうなんです」と提示するわけではなく、今回は「今の駒形友梨が表現できる想いはこれなんです」という気持ちで歌っています。これからもきっと、作品や楽曲との出会いごとに、そのときの私を精一杯詰め込んでいく、その姿勢は変わらないと思います。
Interview & Text By 長澤智典
●リリース情報
駒形友梨 デビュー・ジングル
「トマレのススメ」
6月20日発売
【初回限定盤(CD＋DVD)】
品番：TECI-623
価格：￥1,800＋税
＜CD＞
1. トマレのススメ
2. Lonely Blueが終わる頃には
＜DVD＞
「トマレのススメ」Music Video
「トマレのススメ」Music Video Making
「トマレのススメ」CM SPOT ver.
【通常盤(CD)】
品番：TECI-624
価格：￥1,200＋税
＜CD＞
1. トマレのススメ
2. Lonely Blueが終わる頃には
3. はじめからきっと
●イベント情報
リリースイベント
6月20日(水) 東京・アニメイト新宿 B2F animate hall SHINJUKU 19:00～
6月21日(木) 東京・とらのあな秋葉原店C 4F イベントスペース 19:00～
6月23日(土) 東京・タワーレコード新宿店 7F イベントスペース 12:00～
6月23日(土) 東京・Space emo 池袋 17:00～
6月24日(日) 東京・アニメイト秋葉原 B1F イベントフロア 12:30～
6月24日(日) 東京・AKIHABARA ゲーマーズ本店 6F 16:30～
6月30日(土) 東京・HMV&BOOKS SHIBUYA 6階イベントスペース（渋谷MODI内） 14:00～
6月30日(土) 東京・ソフマップAKIBA④号店 アミューズメント館 8F イベントスペース 18:30～
7月1日(日) 神奈川・アニメイト横浜 15:00～
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