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INTERVIEW

2018.06.06

THE SIXTH LIE TVアニメ『ゴールデンカムイ』EDテーマ「Hibana」インタビュー

THE SIXTH LIE TVアニメ『ゴールデンカムイ』EDテーマ「Hibana」インタビュー

TVアニメ『ゴールデンカムイ』のEDテーマ「Hibana」を歌っているのが、エレクトロ/ラウドなサウンドが海外でも高い評価を得ているバンド、THE SIXTH LIE。彼らが『ゴールデンカムイ』の魅力をどう受け止め、EDテーマの「Hibana」へ投影したのか、3人の言葉へじっくり耳を傾けてほしい。

――『ゴールデンカムイ』のEDテーマとして放送中の「Hibana」。アニメのエンディング映像も印象的ですが、驚きだったのが、真冬に薄手の衣裳姿のまま「Hibana」のMVの撮影を行ったことでした。

Arata あの撮影は、本当に寒かったです。3月半ば頃に撮ったんですけど、雪山での撮影はまだまだ極寒で。それでも、日中は陽が出ていて寒さをごまかせていたんですけど、暗くなるにつれてむちゃくちゃ寒くなり、人が通らないような場所にまで足を踏み入れ、腰あたりまで埋まるくらいの雪の中での撮影も行ないました。しかもすべて、この(アー写の)格好でしたからね。

Reiji 僕はまだ、3人の中では暖ったかい格好のほうでしたけど、けっして厚手なジャケットなわけじゃないから、すごく寒かった。そのために、いろんな工夫もね。

Arata 外からは見えない部分にカイロを仕込んだりと、いろいろと工夫をしてました。

Reiji 靴の先にも。

Ray 外からは見えないところへいろいろカイロを仕込んで撮ってました。ただ、僕はもうごまかしようのない格好なので、撮影の直前までコートを着ていて。直前に脱いでドラムを叩いてたんです。でもドラムを叩いてるときはまだ良かったんですが、叩き終わったとたんに寒さが……。

――かなり身体を張っての撮影だったんですね。

Ray そもそも僕が監督なので、撮影場所も自分で決めたんですけど。この衣裳で撮ることを完全に忘れてて、「そうだ、この衣裳で雪山へ行くんだった」と思いながらも、「まぁ、なんとかなるでしょ」という気持ちでいたんですけど、思ってた以上の寒さでした。

――雪山で撮影を行ったのは、『ゴールデンカムイ』の世界観とリンクしてのことですか?

Ray その通りです。楽曲自体がアニメ作品へ寄り添った以上、MVでもそこは寄り添おうと思ってのことでした。

――THE SIXTH LIEは、スケール感あふれる楽曲が多いですよね。

Reiji そうですね。普段は壮大でエレクトロな音楽性を打ちだしているのですが、今回は「ロックな表情を持った楽曲を作ろう」ということから、普通のロックバンドじゃ出来ないスケール感のある楽曲を作りました。

――今回は、よりソリッドな感じでも攻めていますね。

Reiji 普段は電子音が多めなんですけど、今回はギターサウンドをがっつり前へ出してソリッドな感じに仕上げました。やはりアニメソングと言えばギターロックというイメージが自分の中にあったので、ここぞとばかりに意気込んでギターロックナンバーを作りました。

――Reijiさんの中には、アニソン=ギターロックという印象があったんですね。

Reiji そうなんです。僕の中でのアニソンと言ったら、川田まみさんやナノさんのような音楽性という印象。その辺の音楽が普段から好きだったので、自然とそういうイメージを持って作りました。

――Arataさんは、どんなふうにふたりの作り上げた楽曲を受け止めました?

Arata 作品の良さを最大限に出している歌詞と楽曲なので、歌い方をまとめあげるのは大変でしたが、僕自身「これは主人公目線の歌」という解釈だったので、主人公の杉元(佐一)へ感情移入し、男くさく、かっこよく歌いあげました。

Ray 名字も一緒だしね。

Arata そうなんですよ。僕も本名がスギモトなんです。なので、自分を同化させて歌ってました。

――自分自身と杉元に共通項を感じる面もいろいろありました?

Arata ありますね。自分も杉元と同じように、死にそうになった体験がけっこうあって。走馬灯を3回くらい見てるんで。

――それ、凄すぎです……。

Arata 熊に遭遇したこともあって。杉元と同じような経験はいろいろとあります。でも、さすがに熊は殺せないですけどね(笑)。

――熊に遭遇する経験って、なかなかないですよね。

Arata 僕は大学時代に陸上をやってまして、合宿で長野の山奥へ行ったんですね。そこで走ってる最中に熊に出くわして、「怖っ」となり、逃げました(笑)。

――ところで、今回のタイアップ話が出て来たときは、どんなお気持ちでした?

Ray THE SIXTH LIEは海外でライブを行う経験もいろいろとあるバンドです。なかでも、日本の文化が好きな人やコスプレ好きな人たちか集るフェスティバル系に出演することが多いんですけど、そういう会場でアニメソングを演奏すると盛り上がるのは体験上わかっていたことなので、いつかはTHE SIXTH LIEとしてもアニソンも歌ってみたいなとは思っていました。今回、そのきっかけを得ることができたわけですけど、『ゴールデンカムイ』は海外でも観ている人たちも多いようで、反響の声は海外からも届いています。それもあって、今回、海外でアニソンを披露できる武器を手にできて良かったなと思いました。

――チャンスがあったら、またアニソンには関わりたい気持ちも……。

Ray そうですね。むしろ今回経験したことで、作品に寄り添った楽曲を作るのはTHE SIXTH LIE自体得意な分野だとわかったので、どんどんやっていけたらなと思っています。

――具体的なモチーフがあることで、歌詞の表現の仕方も変わりました?

Ray 作品に寄り添うことで、歌詞の書き方は自然と変わりますね。僕は、比喩的に書いたり想起させる言葉を用いたりするのが好きだし、そのほうが歌詞の意味も深くなると思っているんですが、そのスタイル自体に変化は感じてないです。ただ、アニメ作品だと物語の中にいろんなモチーフが出てくるじゃないですか。『ゴールデンカムイ』に関しても、満月のシーンが出てきたり、狼が吠えるシーンがあったりなど、それぞれが歌詞のテーマに反映させやすいように、原作やアニメがあると、より表現が深くなるのはたしかです。

――すでに「Hibana」に対するいろんなリアクションも返ってきていますか?

Ray 歌詞や曲調はもちろん、エンディングの映像についてもすごくリアクションが良くて。アニメのエンディングには、物語が終わってイントロが流れるパターンと、アニメのクライマックスにギターだけ重なり、そこからエンディンに入るパターンがあるんですけど、クライマックスにギターのイントロが入ったときほど、すごく評判が良いですね。そこは、僕らではなく制作者さん側の意図なんですけど(笑)。

――物語が終わり、初めてエンディングで「Hibana」が流れてきた瞬間、どんな気持でした?

Reiji 素直に感動しました。自分もアニメが好きでいろいろ観てたんで、自分もアニソンアーティストをやってるといううれしい気持ちになります。

――ぜひ、好きなアニメも教えてください。

Reiji 僕は『STEINS;GATE』など科学アドベンチャーシリーズが大好きです。このバンドもSFチックな面もありますしね。

――Rayさん、エンディングで楽曲が流れたとき、どんな気持ちでした?

Ray サビでいちばん盛り上がるところで、自分の名前とバンド名が出るじゃないですか。それがうれしいですね。僕はゲームはやっても、アニメはぜんぜん観ない人だったので、今回をきっかけにアニメを毎週リアルタイムで観る経験を楽しんでいます。

――Arataさんは、どうでした?

Arata 「テレビから自分の歌声が聴こえる!」みたいな(笑)。でも、すごい感動しましたね。アニソンに影響を受けてバンドを始めた自分が、まさか、そのアニソンを歌えていることが素直にうれしくって……。

――どの辺のアニメに影響を受けたのかも教えてください。

Arata 『鋼の錬金術師』を観ていて、L’Arc~en~Cielの「READY STEADY GO」がメチャクチャ好きになり、小学生の頃に影響を受け、そこからバンド活動を始めました。でも、途中から陸上に目覚め、大学でも陸上を続けていたので、その頃は音楽をやっていなかったんですけど、陸上に限界を感じ、そこからミュージシャンをめざして、今に至っています。

――今回をきっかけに、バンドを取り巻く環境にもいろんな変化が出ています?

Reiji ネットを中心に、かつてないほど自分たちの名前を見聞きしていると、『ゴールデンカムイ』の影響力の強さをとても感じています。

Ray 今回の「Hibana」が1stシングルなので、今のTHE SIXTH LIEがやれることを、ここへ全部詰め込みました。むしろ、ここからがあらたなスタートだと感じています。

Reiji 結果「Hibana」は、THE SIXTH LIEの音楽性のあらたな起点にもなりました。なので、「Hibana」でチヤホヤされたなら、ずっと「Hibana」のような曲ばかり書いてしまいそうです(笑)。

――皆さんから、改めて、完成した「Hibana」についてひと言ずつお願いします。

Reiji 今までも趣味仕事に関係なく聴いてきたいろんな音楽、それらを集約した1枚になったなと思います。自分たちの中にあるエレクトロ要素、自分が好きで聴いてきたアニソンの要素、すべてを含めて作れた楽曲になりました。

Arata このシングルには「Hibana」と「Flash of a Spear」の2曲を収録していますけど、2曲とも、これまでのTHE SIXTH LIEの楽曲にはなかった男くささやかっこよさが滲みでた作品になっています。そのあたり、他のTHE SIXTH LIEの曲との違いを踏まえて聴いてもらえたら、すごく面白いんじゃないかと思います。

――歌の表情もとても力強いですよね。

Arata 今後は、もっとエグい歌い方にも挑戦したいなと思ってます。

Reiji 「Hibana」も「Flash of  a Spear」も、ソフトに歌っては曲負けするので、「そこは歌で曲に勝ってくれ」と言って、Arataには激しく歌ってもらいました。

Arata 結果、いろんな歌い方の方向性が見えたなと思っています。なので、今後はもっと違うベクトルでも攻めてみたいですね。

Ray ジャケットに映し出されているのが杉元だし、中にいろんな入れ墨の模様が盤面に入っているCDがあったり、中身の2曲とも『ゴールデンカムイ』のために書き下ろした曲のように、『ゴールデンカムイ』ファンの方は、手にしたら絶対にうれしいと思う。アニメだと1コーラスしか流れませんが、ぜひフルコーラスで「Hibana」を聴いてほしいなと思っています。

――6月24日には、渋谷REXを舞台にワンマン公演「LIVE SINGularity ver.2.0」が行われます。

Reiji シングルを発売してのライブなので、「Hibana」がいちばん活きる形のセットリストを組もうと思っています。『ゴールデンカムイ』を聴いて興味を持った方は、「Hibana」と「Flash of  a Spear」を聴き込んでライブに来てくれると思いますので、この2曲を武器にしたうえで、THE SIXTH LIEの世界を楽しめるライブにしたいですね。とくに「Flash of  a Spear」は、「Hibana」からTHE SIXTH LIEの世界観へ入っていくうえでの架け橋となる楽曲としても作っていますので。ぜひライブにも遊びに来てください!

Interview&Text By 長澤智典


●リリース情報
THE SIXTH LIE 1stシングル
「Hibana」
6月6日発売

品番:GNCA-0532
価格:¥1,200+税

<CD>
1.Hibana (TVアニメ『ゴールデンカムイ』エンディングテーマ)
2.Flash of a Spear
3.Hibana<Instrumental>
4.Flash of a Spear<Instrumental>

●ライブ情報
ワンマンライブ
“LIVE SINGularity ver.2.0”
6月24日(日)@Shibuya REX
open 17:30/start 18:00
all standing 前売¥2,500/当日 ¥3,000 (税込・入場時別途ドリンク代)

(問)H.I.P. 03-3475-9999

●作品情報
TVアニメ『ゴールデンカムイ』

毎週月曜TOKYO MX他にて放送中

<放送局>
TOKYO MX 毎週月曜23:00~
読売テレビ 毎週月曜25:59~
札幌テレビ 毎週月曜25:44~
BS11 毎週月曜25:00~
時代劇専門チャンネル 毎週金曜25:00~
FOD 毎週月曜23:30配信

©野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会

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