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INTERVIEW

2018.05.30

デビュー20周年記念ベスト・アルバム『永遠のSEED』をリリース!松澤由美インタビュー

1996年に『機動戦艦ナデシコ』のOPテーマ「YOU GET TO BURNING」で鮮烈にデビューした松澤由美が、20周年記念アルバム『永遠のSEED』をリリースする。『ナデシコ』や『聖闘士星矢』関連の持ち歌のオリジナル音源やカバー、CD化されていなかったゲーム曲、そして新曲と、紆余曲折を経た20年のエッセンスが濃縮されて詰め込まれている。

――“20周年”を実感するのは、どんなときですか?

松澤由美 この前もラジオに呼んでいただいて、スタッフの方が「中学生のときに見てました!」と目をキラキラさせて言ってくださると、「大きくなったね」と思わずにいられません(笑)。当時は中学生や小学生だった方と今お仕事させてもらっているのが不思議でもあり、とてもうれしいことでもあります。

――逆に、今も20年前も変わらないと思う部分もありますか?

松澤 歌うときはいつも新しい気持ちになれるとは思います。「YOU GET TO BURNING」も今でも新鮮に感じて歌っています。

――それはある意味、キャリアを重ねるなかでいちばん難しいことでは?

松澤 まっすぐ歌うのって難しいですよね。つい余計なことをしたくなっちゃう。でも、最近JAM Projectの福山(芳樹)さんとイベントでご一緒したとき、「松澤はヘンにこねくり回さず、まっすぐ歌っているね」と言っていただきました。自分ではあまりわかりませんけど、私は素直に歌うスタイルなんですかね。

――今回のアルバムのタイトル曲でもある新曲の「永遠のSEED」にも、“あの頃と変わらない瞳のまま”といったフレーズがあります。

松澤 これは「YOU GET TO BURNING」の20年経ったアンサーソング的な感じで、同じ大森(俊之)先生に曲をお願いしたとき、“永遠のSEED”とかキーワードを入れた仮の詞を書いてお渡ししたんです。

――作詞クレジットに入ってないけど、原案は松澤さん?

松澤 そうですね。最初は自分の詞で行くつもりでした。でも、ここは熱い想いを第三者に表現してもらって、『ナデシコ』を観ていた世代の方に届けることにしました。

――歌っていて、松澤さん自身が思い出すこともありますか?

松澤 やっぱり「YOU GET TO BURNING」のことを思い出しました。何もわからないままレコーディングした当時から22年経って、またこうした機会に恵まれて初心を忘れず、でも、いろいろな経験を表現で形にできればと。「YOU GET TO BURNING」の歌詞を受けた“君らしく笑い続けてよ”とか“翼が折れてもまた”とか、「そうだよね」と思いながら歌ってました。

――「YOU GET TO BURNING」を初めて聴いたときのインパクトは、今も覚えてます?

松澤 曲があって誰が歌うか決めるオーディションを受けたので、必死で感想どころじゃなかったです(笑)。メロディを♪ラララ~で歌ってカセットテープで録る声だけのオーディションで、私は滑舌が悪くて“ラララ”だと歌えないから、勝手に歌詞を付けて歌ったんですね。あとで聞いた話だと、その時点で「生意気だ」って落とされたらしいです(笑)。

――(笑)。まあ、たくさんテープが届いていたでしょうから。

松澤 私に決まってから、打ち上げの席でプロデューサーの隣りに座ったとき、「生意気なヤツがいてさ、歌詞を書いてきたんだよ」と言われて、「それ私」と思ったけど、言えないじゃないですか(笑)。なかなか主題歌を歌う人が決まらず、落とした中からもう一度聴いてみることになって、私が選ばれた経緯があったみたいです。

――結果デビュー曲となり、今回オリジナル音源が収録されました。改めて当時の自分の歌声を聴くと、どう感じます?

松澤 めちゃくちゃピュアだなと思います。そのピュアさに勢いがあるなと。レコーディングのとき、プロデューサーに「うまく歌えません」と言ったら、「もともとヘタで合格したんだから、うまく歌えなくていい」と言われて、心が軽くなったのを覚えています。

――『聖闘士聖矢』のTVアニメのテーマ曲「聖闘士神話~ソルジャー・ドリーム~」と「永遠ブルー」が、オリジナルの影山ヒロノブさん、NoBさんとのデュエットによるリアレンジカバーで収録されました。おふたりはシャウト系で松澤さんのクールなヴォーカルと、スタイルが正反対ですが、うまく調和しましたね。

松澤 前からライブで「ソルジャー・ドリーム」をカバーしたとき、影山さんに動画を送ると「随分さわやかな『ソルジャー・ドリーム』だな」と言われたりしてました(笑)。でも、原曲と同じようにやったら越えられないので、アレンジとか全然違う方向性で行くことは決めていて。原曲より見劣りするアレンジだと、大御所の大先輩に歌ってもらえない可能性もあるから、「これなら」と納得してもらえるように取り組みました。

――「ソルジャー・ドリーム」はピアノをフィーチャーして、シャレたアレンジに。

松澤 アシッドジャズのテイストでテンポ感があるようにして、影山さんも「カッコイイな」と言ってくださいました。

――歌入れの順番はどうだったんですか?

松澤 私の仮歌を入れつつ、影山さんとNoBさんが先に録って、その熱いパッションを感じながら私が歌って、だいぶ引き上げてもらいました。ライブで歌うときは雰囲気で盛り上がりますけど「もうちょっと熱く行ける」と、新しい発見があって。たぶん私が熱く歌っても、おふたりの半分くらいですけど(笑)、その調和がちょうど良いテイストになったと思います。

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