3rdシングルでより際立った、ピンクとブルーの2色のきらめき。 Pyxis「LONELY ALICE」リリースインタビュー

昨年はシングル2枚にアルバム1枚をリリースし、ワンマンライブと結成2周年記念イベントもそれぞれ大成功を収めるなど、その活発な活動を通してさらに飛躍を果たしたPyxis。そんな彼女たちの3rdシングル「LONELY ALICE」は、持ち味のキュートさを、より個性の際立ったそれぞれの歌声をもって魅力的に彩るナンバーとなっている。そんな本作への想いと、4年目に突入したユニット活動への今後の目標について、ふたりに聞いた。

――この度結成3周年を迎えられましたが、改めてこの3年間を振り返って、結成の頃からの変化を感じたことはありますか?

伊藤美来 よりいっそう仲良くなったと思います(笑)。

豊田萌絵 そうだね。元々仲良かったんですけど、「ホント仲いいね」ってまわりから言われるようになりましたね。同業者の方にもすごく言われますもん。「2人組でこんなに仲いいって、奇跡だよ」って(笑)。

伊藤 奇跡起こしてたんだ(笑)。

――パフォーマンス的でも、そういうポイントはありますか?

伊藤 どんどん挑戦していこうっていうことが、増えたと思います。今までやったことないステップも取り入れて頑張ってみたり、歌も普通に練習していたものにプラスアルファして細かいところまで見れるようになりまして。「より良くしよう」っていう気持ちが大きくなったような気がしています。

豊田 ライブのたびに、新しい挑戦はありますね。私たちの中では“ここは大丈夫リスト”“ちょっとここは頑張ろうねリスト”みたいなのがあるんですよ。だからいつも「“頑張ろうね”のあとは、“大丈夫”入れときたいね」みたいなのもあったんですけど、今年2月のワンマンライブでは“頑張らなきゃいけないリスト”を前半に詰め込む、という挑戦もしていました。

伊藤 その2月のワンマンライブでは、よりいっそうファンの方が喜んでくださるような演出にしようって思って客席に降りて歌うシーンを作ったんですけど、それでも何の事故もなく。そこに、ファンの方との絆が強まっているのを感じました。

豊田 でも、普段ライブですごくはしゃいでる人たちって、実は近寄ると引くんですよ(笑)。ステージ上に立ってるのを観てるときは「わー!」ってなってくれるんですけど、いざ目の前に行くと「おぅ……」ってなるのが、かわいくてしょうがなくて(笑)。そういう新しい発見もできて、「行ってよかったな」って思いました。

――さて、今回のシングル「LONELY ALICE」は、TVアニメ『ありすorありす』のEDテーマになっています。楽曲を受け取ったときに、最初どのように感じられましたか?

伊藤 歌詞にもアリスを連想させる言葉が出てきたりと、アリス好き的にも、原作を読んだいちファンからしてもすごく楽しいなぁって思えるような歌詞とメロディになっているのが印象的でした。それにとにかくかわいくて、その中にもちょっとした遊び心も入っていたので、歌うのがすごく楽しみでしたね。

――本当に、イントロからすごくかわいらしい曲で。

豊田 かわいい。すごいイントロ好き。山口(朗彦)さんの曲、大好き。……ふふふ(笑)。

伊藤 急な告白が(笑)。

豊田 でも私、最初「なんで双子で妹なのに『LONELY ALICE』なんだろう?」って疑問に思ったんですよ。でも歌詞を読んでいくうちに「会いたいけど会えない」とか「寂しい」っていうロンリーさを感じましたし、私的には鏡の向こうのもうひとりの自分と対峙して「会いたいけど会えない」、みたいなアリスっぽいファンタジーな解釈もできましたし。もちろん作品にも寄り添ってるし、普通に恋愛の歌としてもイメージできる、面白い歌詞になってるなぁって思います。

――おふたりとも、この曲のお気に入りのポイントはありますか?

伊藤 はい。私は曲調で言うとサビがすごい好きで。ふたりで追いかけっこしてるように掛け合って歌うところとか、「寂しがり屋じゃないはずなんだ」っていうところもちょっと面白みがあって好きですね。うさぎみたいに跳ねる感じがして、この曲のポイントになっている部分じゃないかな、と思います。

豊田 私、曲も好きなところはいっぱいあって……まずイントロが「昔むかし、あるところに……」って始まりそうで引き込まれるような感じがして、Bメロのメロディラインもめちゃくちゃかわいくて、コード進行も鉄板で好きなんです。それに、後半何ヶ所かブレイクするところが出てきたりするんですけど、そういうオケの遊び方がアリスっぽい無邪気な少女感として、曲に出ているのかなって思いました。

――では、実際レコーディングをされてみていかがでしたか?

伊藤 これは私が先に録ったんですけど、作品のことも思い描きながら、「ここはちょっと跳ねてくるかな?」とか「ここで息継ぎすると歌いやすいよね」みたいに萌絵さんの歌声も想像しながら歌ったんですよ。それはすごく楽しかったですし、それこそ双子感じゃないですけど、そこにユニット感みたいなものを感じられてうれしかったです。

――豊田さんの声の入ったバージョンを聴いて、改めて好きになったところも?

伊藤 そうですね。萌絵さんのパートで言うと……萌絵さんがすごくこだわって録ってたっていう1番のBメロはすごく萌絵さん節が入っていて、「かわいい!」ってなりました。「ここで区切ると、ぴょんと跳ねてる感じに聴こえる」っていうのがすごく上手で、聴いていて楽しかったです。

豊田 私は、この曲をふたりの声のいいところをちゃんと出した“Pyxisの曲”にしたいなと思っていたんですよ。特に初期の曲って、ふたりとも同じテンション感だったから初めて聴いた人は声の聴き分けができないんじゃないか、って個人的には思っていて。だからディレクターさんに「わかりやすく分けたいんです」と相談しまして。それでA・Bメロのソロは、美来がすごいパワフルで元気で力のある歌声だったらそれを包み込むような優しくてふんわりとしたニュアンスとか、ハスキーめな自分の声質を生かすことを目指して、録らせてもらいました。

――そしてこの曲のMVは、一昔前の映画のような面白い作りになっています。

豊田 ストーリー的には、現代の我々が“WONDER CAFE”っていうカフェに遊びに行って、そこに置いてある本を開いたところから始まって。そのカフェの創設ストーリーが繰り広げられるんですよ。時代的には150年ぐらい前の設定なんですけど。

――結構前なんですね。

豊田 原作のアリスが発売になったのが150年ぐらい前だから……っていう、ちょっとした裏設定なんですけどね。で、今回はストーリーシーンの中にダンスが入っているのがいつもと違うところで、今回のMVの推しポイントになっています。

――ダンスでは、サビでぴょんとうさぎみたいなポーズを取るところも、かわいいですよね。

豊田 そこのポーズは、実は自分たちで考えたんです。1サビの「寂しがり屋じゃないはずなんだ――」で、メロディが追いかけっこするのに合わせて、振付も追いかけっこしていて。私が最初にうさぎのポーズをしたら美来がまねっこでうさぎのポーズをして、次に私がうさぎのしっぽを表すポーズをしたらまた美来がそれをまねする……っていう追いかけっこを、実はしてるんですよ。それが2番では逆になっていて。

伊藤 初回限定盤Bに入っている“踊る宝石箱篇”ではダンスが全部観られるので、ぜひそちらも手にとっていただけたらうれしいです。Aメロ・Bメロとかいちばん最後のフリとかも、女の子らしいふたりならではの掛け合いもあったりするので。

――あとドラマパートで印象的だったのが、終盤伊藤さんが豊田さんに強めに怒られているようなシーンで……。

豊田 あはは(笑)。あそこですね。

伊藤 「店長とバイト」みたいな感じの立ち位置で(笑)。

豊田 そういう設定ではなかったんですけど……。

伊藤 MV撮影中に、いつの間にか「っぽいね」ってなっていったんです。

豊田 だから本当は、門のプレートをCLOSEDのままにしてたのはどっち、とか台本には書いてなかったんですよ。でも特に打ち合わせも無く。結果美来が失敗した、みたいな見え方になって(笑)。

伊藤 でも驚いて気づいてるのは私だから、私が失敗した分には間違いないと思います(笑)。

――なかなかにこってり絞られてるなぁって(笑)。

豊田 私も、映像観たら思ったよりもキツめな顔してて、面白かったです(笑)。

――そしてカップリング曲「流れ星ハーモニー」は、ミドルテンポのデジタルチューンです。

伊藤 最初に聴いたときには、すごくかわいらしくってキラキラしていてちょっと落ち着いた感じがして今までのPyxisとはまたちょっと違うような、新しい挑戦の曲だなぁっていうふうに思いました。本当にふたりで夜空を見上げているようで、歌うの楽しみだな、って最初思ってたんです……けど、いざ練習してみたらすーごい難しくて(笑)。でも、「だからこそ、面白い!」っていう曲になっていると思います。

豊田 私、この曲めちゃくちゃ好きで。私はいつも、オケで使ってる楽器の音とか曲の雰囲気を掴みたくてインストから聴くんですけど、本当に頭のキラキラした感じの雰囲気から始まったかと思ったら、いきなり2拍子になって4拍子に戻ってBメロの途中からは7分の3拍子になる……みたいな突拍子もない感じの雰囲気に、ジャズっぽさを感じまして。だから「面白い曲だな」っていうのが、最初聴いたときの印象でしたね。でも私も、いざレコーディングとなったときには最初譜面がないと歌えなくて。

――なるほど。とても難しい曲なんですね。

豊田 聴いてるぶんにはわりと自然に聴ける曲なんですけど、急に2拍子になったり4拍子に戻ったりするから、頭が数えられなくなって。それに戻り方もすごくスムーズだから、拍頭が数えられなくて入れなかったりしたんです。

伊藤 本当に、1番のAメロとかってどうやって入るんだろう?って思いました(笑)。だからファンの人にも、1回歌ってみてほしいよね。インスト聴きながら歌ってみたら、たぶんどこから入るか絶対わかんない。

豊田 そうだね。カラオケじゃなくて、インストで歌ってほしいよね。

――そういう苦戦されたポイントもありつつ、楽しかったポイントもありましたか?

伊藤 はい。頭サビは私から始まると決まっていたので、そこはすごくこだわってレコーディングしました。始まるっていうキラキラ感みたいなものがすごく好きで、そこは壊したくなかったので、全部録ったあとにもう1回録り直させてもらったりもしましたね。歌詞もPyxisのふたりらしいなっていうところがいくつも出てきていて全体的に共感できるので、萌絵さんと夜空を見上げているところを想像しながら歌いました。

豊田 私は、「キラキラと歌っ“てる”」とか「あの夏の日のよう“に”」みたいに、1回下がって戻るっていう音程のところが楽しかったです。この曲にはそれがいっぱい出てくるんですけど、すごいポイントになっているところと思うんですよね。

伊藤 あと、こっちは「LONELY ALICE」とは逆に私が後から歌ったので、最初は萌絵さんの歌声を聴いて「かわいらしくふんわりとした雰囲気で歌っていこうかな」って思っていたんですよ。でもディレクターさんと録る前にお話させていただいたとき、「今回は萌絵さんに合わせるより、美来ちゃんらしくこの歌をうたってみてほしい」と言われて、私らしく個性を出すように歌っていきましたね。

――では最後に、結成4年目のPyxisでやってみたいことや、目標を教えてください。

伊藤 新しい挑戦は4年目もしていきたいです。それこそハモリとかもどんどんやっていきたいですし、作詞にも挑戦したいですし……Pyxisの音楽に、どんどん寄り添っていけたらなって思いますね。

――それぞれの歌詞も、合作も。

伊藤 はい。楽しそうだなって思います。個性が強いので、それぞれの色も出せそうですからね。

豊田 曲作りでいうと、全然違った曲調の曲もやってみたいなと思ってるんですよ。アニメのタイアップ曲だと作品に寄り添った曲になるけど、アルバムとかにある、知る人ぞ知る名曲、みたいなのあるじゃないですか?カップリングとかアルバムの最後の方に入ってる、隠れた名曲。私自身そういう曲を好きになりがちなので、そう言われるような曲を生み出して、表題曲以外のところからの広がり方もしたいな、っていうのがちょっとした目標ですね。

――で、それにおふたりで歌詞を。

伊藤 いいですね。ひとつの曲をふたりで作るっていうのは。

豊田 あと、今ある曲には光を感じる曲が多いので、闇の部分を写した曲も歌っていけたらなぁって。人も魅力が増すじゃないですか?闇を知ると(笑)。

伊藤 Pyxisだけどね?“宝石箱”だけどね?(笑)

豊田 そうそう。でもそういうダークな宝石もあっていいんじゃないかな?って。

伊藤 真っ黒みたいな、色味の濃い宝石?

豊田 うん。そういう禍々しい宝石も……。

伊藤 禍々しいって(笑)。

豊田 出していけたらなって(笑)。

――輝きながら。

豊田 はい。違う色できらめいているような歌も、うたいたいなって思ってます。

Interview & Text By 須永兼次


●リリース情報
Pyxis 3rd シングル
「LONELY ALICE」
5月23日発売

【初回限定盤A(CD+DVD)】

品番:TECI−617
価格:¥1,800+税

<CD>
1.LONELY ALICE(TVアニメ『ありすorありす』EDテーマ)
作詞 中村彼方 作曲・編曲 山口朗彦
2.流れ星ハーモニー
作詞 yozuca* 作曲・編曲 Motokiyo

<DVD>
「LONELY ALICE」ミュージックビデオ
「LONELY ALICE」ミュージックビデオ メイクング映像

【初回限定盤B(CD+DVD)】

品番:TECI−618
価格:¥1,800+税

<CD>
1.LONELY ALICE(TVアニメ『ありすorありす』EDテーマ)
2.流れ星ハーモニー

<DVD>
「LONELY ALICE」ミュージックビデオ(踊る宝石箱 篇)
「LONELY ALICE」ミュージックビデオ オーディオコメンタリー

【通常盤(CD)】

品番:TECI−619
価格:¥1,300+税

<CD>
1.LONELY ALICE(TVアニメ『ありすorありす』EDテーマ)
2.流れ星ハーモニー
3.LONELY ALICE(Instrumental)
4.流れ星ハーモニー(Instrumental)

●イベント情報
リリースイベント
7月1日(日) 東京・タワーレコード新宿店 7F イベントスペース 15:00~
7月1日(日) 東京・TSUTAYA IKEBUKURO AKビル店 1階 イベントホール 19:00~
7月7日(土) 東京・ソフマップAKIBA4号店 アミューズメント館 8F イベントスペース 12:00~
7月7日(土) 東京・とらのあな秋葉原店C 4F イベントスペース 16:00~
7月8日(日) 東京・AKIHABARA ゲーマーズ本店 6F 16:30~
7月14日(土) 大阪・ゲーマーズなんば店 16:00~
7月14日(土) 大阪・アニメイト大阪日本橋店 animate O.N.SQUARE HALL 3F 19:00~
7月15日(日) 愛知・名古屋 第3太閤ビル 12:00~
7月15日(日) 愛知・名古屋第一アメ横ビル 15:00~
7月15日(日) 愛知・とらのあな名古屋店 18:00~

●作品情報
『ありすorありす』
放送中

TOKYO MX 毎週水曜22:25〜
サンテレビ 毎週土曜22:25〜
AT-X 毎週金曜22:55~

関連リンク

この記事に関するキーワード

この記事を書いた人