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REPORT

2018.05.15

『ハイキュー!!』『銀魂』の主題歌を彩ったアーティストの競演!“ANI-ROCK FES. 2018”大盛況の2日間をレポート!

『ハイキュー!!』で繋がったオーディエンスとバンドとが、同じコートで一緒に楽しむような、コートのこっち側はもれなく味方な空気の中での“頂のLIVE”の翌日には万事屋がプロデュースする“銀魂 LIVE CARNIVAL 2018”が開催。総合プロデューサーである坂田銀時がテンション高く奮闘し、志村新八と神楽がそれをサポートするなか、「喫煙は所定の位置で」「周囲に迷惑をかけない」「館内でのマヨネーズの過剰摂取の禁止」など館内法度の紹介を土方十四郎や沖田総悟ら真選組が任されたり、コール&レスポンス修行として徳川喜々と桂小太郎、坂本辰馬もやってくるなど、アーティストとアーティストのパフォーマンスの間の時間のさいたまスーパーアリーナを大混乱に陥れる……!?

“銀魂 LIVE CARNIVAL 2018”のトップバッターは3頭の熊(!?)によるあゆみくりかまき。歌うたい+DJ+盛り上げ役という編成の彼女たちが、このステージはバンドセットで登場。アグレッシブかつヘビーな音でアゲていく「ジェットクマスター」を歌い出すと会場のペンライトは青一色に染まる。続いてタオルを回しながら勢いをつける「鮭鮭鮭」で全身全霊のパフォーマンスを披露し会場のド肝を抜いた彼女たちは、「今日は特別にカバー曲を披露します!一緒に歌ってください!」と高橋 瞳 × BEAT CRUSADERSが2009年に歌ったTVアニメ『銀魂』のEDテーマ「ウォーアイニー」をカバー。

軽妙なギターのカッティングや跳ねるビートが印象的な名曲をかわいらしい歌声のユニゾンで聴かせる。スクリーンに映し出される『銀魂』の映像もどこか懐かしさがあり、アニメ足掛け十数年の歴史を感じさせた。さらに続いたのは『銀魂』ポロリ篇のEDテーマ「反抗声明」。艶ある声で歌い上げるあゆみに、透明感あるくりかの声、そして煽るまきの3色の声に会場は祭りのように盛り上がる。軽やかなビートに合せてくるくると表情を変えるスクリーンの万事屋やかぶき町の面々まで祭りのような騒ぎ。そんな彼女たちはガーリーで爽やかに歌う「未来トレイル」、フロアユースなダンス・チューン「自分革命」で会場を熱気に包んだ。

 

2番目に登場したのはガールズバンド・ЯeaL 。骨太な音をラウドに轟かせる彼女たちがこのステージの1曲目で鳴らしたのはなんとカバー。ギターのカッティングのリフと刻まれたビートにそれが『劇場版 銀魂 新訳紅桜篇』の主題歌になったDOESの「バクチ・ダンサー」だと一瞬で気づいたオーディエンスから大歓声が湧くなか、Ryoko(Vo.&Gt.)のハイトーンでの「バクチ・ダンサー」が会場を熱狂させていく。エモーショナルなロックンロールが熱を帯びる「Shooting Star」を歌ったあとには「皆さん、盛り上がってますかー!?」と3人は笑顔を見せる。「私たちのことを知らない人もいっぱいいると思うのですごく簡潔に自己紹介をすると、『烙陽決戦篇』の「カゲロウ」の人です」とRyoko。今日はそれだけ覚えてくれたらいい、と言うも「今日は魂込めてガンガンにブチアゲていこうと思うのでよろしくお願いします」とロックな声も上げる彼女たちに拍手が湧く。新曲「未来コネクション」を歌ったあとに、こと“銀魂LIVE CARNIVAL”会場で有効な自己紹介ソングでもある「カゲロウ」へ。

スピード感とインパクトのあるアッパーで鋭いボーカルが魅力のこの曲では、スクリーンで流れる白熱の戦闘シーンと相まってペンライトが大きく揺れるほどテンションを上げていく。彼女たちの嘘のないメッセージが宿る「光になれない」をラストに歌い、ЯeaL はオーディエンスの胸に熱い想いを刻み付けた。

 

エレクトロのSEでステージに姿を現したのはDISH//。近未来感のあるスピーディーなロック「Newフェイス」を轟かせライブの開始を高らかに宣言すると、続く曲は「FLAME」だ。元気が弾けるパワフルでポップな一曲を歌いフロアをオレンジに染めたあと、ステージにエリザベスが登場。「おい!DISH// 例のアレやれんの?」とのメッセージボードに橘 柊生(Fling Dish&RAP&DJ&Key)が不敵な笑みを浮かべる。そして楽屋で桂に師事して教わったという「カツラップ」を披露したのだ。会場は歓喜!橘、北村匠海(Vo.&Gt.)と共に会場一体でラップをし、盛り上がる。

さらに彼らの楽曲を手がける新井弘毅のかつてのバンド・serial TV dramaの「桃源郷エイリアン」のカバーも聴かせた。和の色彩も滲むアッパーなロックンロールを軽快に鳴らすと、表情豊かで生命力あるメロディが印象的な「僕たちがやりました」で会場をダンスフロアへと変貌させたDISH//。「この『銀魂』に関わらせていただいたおかげで、今日、本当に楽しい時間を過ごすことができました。ありがとうございました!」と北村。そして響いたのは、「桃源郷エイリアン」のカラーを踏襲したロックンロール・ナンバー「勝手にMY SOUL」。矢部昌暉(Cho.&Gt.)も泉大智(Dr.)も一緒に歌えば、オーディエンスも共に声を上げる。さいたまスーパーアリーナ全体で生み出す歌声がフロア全体を席捲するパフォーマンスだった。

 

続いては、お気に入りのキャラクターは月詠、そして真選組の山崎 退、というCHiCOを擁するCHiCO with HoneyWorksが登場。1曲目から会場を桃色に染める「今日もサクラ舞う暁に」は、軽快なドラムの音と色彩感豊かに爪弾かれるギターの旋律、そして軽やかに広がっていくボーカルが心地いい。TVアニメ『銀魂~よりぬけ!銀魂さん~』OP主題歌のアッパーで爽やかなこの曲をバンドメンバーと一緒にセンター・ステージまで出てきて歌うCHiCOの姿に、会場は笑顔の花が咲いた。2曲目は、シリアスなまでの硬質な音と鋭く響く高音ボーカルで聴かせる「アイのシナリオ」。ハートフルな雰囲気を一変させるセットリストだ。ライブユースでアグレッシブなナンバーに続くのはCHiCO with HoneyWorksのデビュー曲である爽快でキュートな「世界は恋に落ちている」。大きな拍手に迎えられたナンバーのあとにはカバー曲。前回の“ANI-ROCK FES.”の“銀魂 LIVE CARNIVAL 2016”に出演した際にはTommy heavenly⁶の「Pray」をカバーしたのだが、今回は高橋 瞳の「キャンディ・ライン」!歌いながらセンター・ステージへと移動してくると、フロアのペンライトが中央にせり出すそのステージに向かって振られる。まるで光の花の咲く真ん中にCHiCOが立っているようだった。「ここで重大なお知らせをしようと思います。7月から放送の『銀魂』のエンディングを担当させていただくことになりました!」と笑顔の報告。歓喜の会場に大きく手を振って応えると、ラストはかつてTVアニメ『銀魂』のオープニングを飾った「プライド革命」。展開の多いこのナンバーが会場を灼熱の空間へと変えたのだった。

 

一面を青い光に染められたさいたまスーパーアリーナのステージに登場したのはBLUE ENCOUNT。「次のバンドのボーカルは眼鏡をかけている」「新八だ」「新八だ」という万事屋によるバンド紹介を受けて「新八じゃありません。大したことはできないけれど、なんとか音楽であなたの心を動かしにきました」とギターを爪弾きながら告げた田邊駿一(Vo. Gt.)の弾いていた音がイントロへと繋がっていき疾走すると、「Survivor」が会場を熱くする。畳みかけるビートとリズミカルに刻まれるギターとベースの音がダンサブルに響く「LAST HERO」ではフロアが巨大なライブハウスと化した。

「さいたまスーパーアリーナ、元気にしてますか?今日、すごい楽しみで、楽しみすぎて、いろいろと話すことを考えていました。一曲、一曲、ひとバンド、ひとバンド観ていて、あなたの本当に笑っている顔、歌ったり踊ったりしている顔を見たら安心して、考えていたことどうでもよくなりました。そんなもんでいいと思います、今日は。言葉じゃないと思います。今日は」と思うままに語りかける田邊。音楽が大好きな、『銀魂』が大好きな想いで繋がれる、と言うとTVアニメ『銀魂』OPテーマ「DAY×DAY」のドラマチックなイントロが鳴り出し、疾風怒濤のメロディが軽やかに歌い上げられると、スクリーンの銀時たちも躍動していく。祭りさながらのビート感で躍らせる「LIVER」を歌うと、「腹から声出せるかー!? さいたま、いけるかー!」と煽り、「VS」へ。『銀魂』ポロリ篇のオープニングの一曲に会場はヒートアップ。スピーディーに、目まぐるしく変化していく映像と共にくるくると展開していくドラマチックな一曲に会場が大きく揺れるほどに応えるオーディエンス。激しく振り回されるペンライトの光も音と同じく跳ねまわる。「何もなかった俺たちを、本当に何もなかった俺たちを、『銀魂』という仲間に入れてくれてありがとうございます」という田邊の言葉に温かな拍手が湧く。最後に「灯せ」を歌い上げ、BLUE ENCOUNTと『銀魂』との間に生まれた熱を伝えきったライブとなった。

 

初日のSPYAIRで始まった“ANI-ROCK FES. 2018”はSPYAIRで幕を閉じる。大トリでの登場となった彼らは、登場SEがライブの1曲目となっていた。そう、その曲は「サムライハート(Some Like It Hot!!)」。この曲がアニメ『銀魂』のEDテーマだったのは2011年のこと。あれから7年の時を経てもやはりこの曲は『銀魂』を象徴しているような一曲だと感じさせる。長い時間をかけて、この曲と『銀魂』ファンとが育んできた絆からだろうか。大合唱となったこの曲から、空中戦が繰り広げられるように飛び交う怒涛の音が轟く「RAGE OF DUST」へ。「“ANI-ROCK”楽しんでる?『銀魂』楽しんでる?俺らは今日という日を楽しみにきました」と言うIKEだったが「『サムライハート(Some Like It Hot!!)』で結構声を出してくれていたけど、昨日のほうが出てた気がするな?」と会場を見つめ笑みを浮かべると「WENDY ~It’s You~」はバンドとオーディエンスが一体となって歌声を上げた。繊細にギターが紡がれて『銀魂』のオープニングを飾った「サクラミツツキ」へ。叙情的でエモーショナルな一曲の鳴り響く間、スクリーンに映し出される『銀魂』の名シーン。メロディアスかつ唸りをあげる楽器の音が渦を巻くようにグルーヴする「ROCKIN’ OUT」にラウドに轟く「ジャパニケーション」とSPYAIRのライブの本質を感じさせるセットリスト。『銀魂』ファンと共に“SPYAIRのライブ”を楽しもう、という彼らの想いが伝わってくる。大きく拳を上げて応えるキッズ、ペンライトを振って伝える『銀魂』ファン。彼らの曲に出会った方法は違えど、今、こうして共に声を上げる瞬間は誰もが同じ気持ちのはず。音楽に熱狂する。それだけだ。歓声に包まれたステージからIKEがマイクを握って語りかける。

「『銀魂』どうもありがとう。昨日と今日、“ANI-ROCK”という素敵なステージで、歌をうたわせてもらって、演奏させてもらって本当に最高。ありがとね。銀さんにもツッコまれちゃったんだけど、いろんなアニメが好きで、いろんなアニメーションと関わって、今日この場に立たせてもらっています。いろんな関わりがなかったらきっと、みんなに出会えていなかったよね。アニメは人を繋いでくれます。僕らが届けられなかったところまで僕らの楽曲を届けてくれました。いろんなアーティストが『銀魂』と関われたことを深く感謝していると思います。僕らもそう。『銀魂』大好き」。そして彼らのパフォーマンスの時間は佳境へ。ゲーム「銀魂乱舞」のテーマソング「スクランブル」で解放感ある爽快なロックを響かせ会場の心をひとつにすると、ラストは『劇場版 銀魂完結篇 万事屋よ永遠なれ』の主題歌「現状ディストラクション」。劇場版に触れたときの高揚感はこの曲と直結しているのだ、と改めて感じさせるアッパー・チューンが一万人を超える観客を余すことなくヒートアップさせる。“ANI-ROCK FES. 2018”の“最高潮”はきっとこの瞬間。全員の心をひとつにしてSPYAIRは見事にイベントを大団円へと導いた。最後に告げられたのは7月から始まる『銀魂』のオープニングをSPYAIRの曲が担うということ。彼らの歌と『銀魂』の絆はここからまだまだ深まりそうだ。

アニメが繋いだアーティストとファン。曲を聴けば“あの日の自分”に出会えるほどの鮮烈な思い出となる楽曲。その音に、試合を見守っていたときのこと、戦う姿に胸打たれた日のことがありありと蘇る。そんな時間に浸れた“ANI-ROCK FES.”。またいつか、こんな夜に出会いたい。


Text By えびさわなち
Photography By 能美潤一郎、松本健彦

ANI-ROCK FES. 2018
ハイキュー!! 頂のLIVE 2018
2018年5月12日(土)さいたまスーパーアリーナ

<セットリスト>
SPYAIR
M1-1 イマジネーション
M1-2 Last Moment
M1-3 WENDY ~It’s You~
M1-4 ROCKIN’ OUT
M1-5 RAGE OF DUST
M1-6 アイム・ア・ビリーバー

tacica
M2-1 HERO
M2-2 発熱
M2-3 HALO
M2-4 LEO
M2-5 アースコード

Bird Bear Hare and Fish
M3-1 クライマー
M3-2 青い栞
M3-3 ページ
M3-4 次の火

石崎ひゅーい
M4-1 星をつかまえて
M4-2 ピーナッツバター
M4-3 ピノとアメリ
M4-4 Ah Yeah!!
M4-5 夜間飛行

BURNOUT SYNDROMES
M5-1 文學少女
M5-2 花一匁
M5-3 PIANOTUNE
M5-4 FLY HIGH!!
M5-5 ヒカリアレ

NICO Touches the Walls
M6-1 マシ・マシ
M6-2 Funny Side Up!
M6-3 THE BUNGY
M6-4 Diver
M6-5 TOKYO Dreamer
M6-6 ニワカ雨ニモ負ケズ
M6-7 天地ガエシ

銀魂 LIVE CARNIVAL 2018
2018年5月13日(日)さいたまスーパーアリーナ

<セットリスト>
あゆみくりかまき
M1-1 ジェットクマスター
M1-2 鮭鮭鮭
M1-3 ウォーアイニー
M1-4 反抗声明
M1-5 未来トレイル
M1-6 自分革命

ЯeaL
M2-1 バクチ・ダンサー
M2-2 Shooting Star
M2-3 未来コネクション
M2-4 カゲロウ
M2-5 光になれない

DISH//
M3-1 Newフェイス
M3-2 FLAME
M3-3 桃源郷エイリアン
M3-4 僕たちがやりました
M3-5 勝手にMY SOUL

CHiCO with HoneyWorks
M4-1 今日もサクラ舞う暁に
M4-2 アイのシナリオ
M4-3 世界は恋に落ちている
M4-4 キャンディ・ライン
M4-5 プライド革命

BLUE ENCOUNT
M5-1 Survivor
M5-2 LAST HERO
M5-3 DAY×DAY
M5-4 LIVER
M5-5 VS
M5-6 灯せ

SPYAIR
M6-1 サムライハート(Some Like It Hot!!)
M6-2 RAGE OF DUST
M6-3 WENDY ~It’s You~
M6-4 サクラミツツキ
M6-5 ROCKIN’ OUT
M6-6 ジャパニケーション
M6-7 スクランブル
M6-8 現状ディストラクション

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