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2018.04.29

『00』10周年記念イベント“機動戦士ガンダム00「機動戦士ガンダム00 Festival 10 “Re:vision”」”レポート

『00』10周年記念イベント“機動戦士ガンダム00「機動戦士ガンダム00 Festival 10 “Re:vision”」”レポート

テレビシリーズの放送が集結して10年。10周年のアニバーサリーイヤーを迎えた『機動戦士ガンダム00』が、10年の記念に楔を打つ。幕張メッセイベントホールで行われたイベント「機動戦士ガンダム00 Festival 10 “Re:vision”」の模様をお届けする。

2007年に放送を開始した『機動戦士ガンダム00』。刹那・F・セイエイらガンダムマイスターたちの戦いを見届けてから10年の時を経た今、ガンダムマイスター4人をはじめとしたキャストが集結してのスペシャルイベントが開催された。未だその人気は衰えることなく、多くのファンの心を掴み続けていることを知らしめるように会場は超満員。ネット配信でも届けられたこのイベント「機動戦士ガンダム00 Festival 10 “Re:vision”」。ガンダム00はまだまだ語れることがあるのではないか。そんな制作陣の想いの結晶となったこのイベントの模様をリポートする。

暗転し、厳かに響く音の中で古谷 徹のナレーションによるイベントへのプロローグが流れ、こう結ばれた。「今、再び、機動戦士ガンダム00の幕が上がる―――」と。そして大画面に映し出されたイオリア・シュヘンベルグ。彼は告げる。「私たちソレスタル・ビーイングは全ての戦争行為に対して武力による介入を開始します」。するとステージに明かりが灯り、生バンドを擁するオーケストラが姿を現す。川井健次氏による珠玉の劇伴が知られる同作の音楽を、生演奏で堪能できることが視覚から高らかに宣言されたのだ。シルエットで浮かび上がるのは刹那役・宮野真守、ロックオン。ストラトス役の三木眞一郎、アレルヤ、ハレルヤ・ハプティズム役の吉野裕行、ティエリア・アーデを演じる神谷浩史のガンダムマイスター。「劇場版 機動戦士ガンダム00-A wakening of the Trailblazer-」で地球外生命体のELSと対峙したソレスタル・ビーイングの戦いが躍動感漲る映像で蘇る。イオリア・シュヘンベルグが見定めていた「来たるべき対話」を迎えた彼らの、人類の存亡を欠けた熾烈なラストミッションが繰り広げられていく。公開から役8年を経たこの映像は……なんとイベントの導入だった!ここから沙慈・クロスロード役の入野自由、グラハム・エーカー役の中村悠一を加えてのリーディングライブが幕を開けた。

ELSとの戦いの後の物語。「第一章 生きている意味」から始まる全六章の物語は、ELSの内側へと飛び込んだ刹那やティエリア、そしてELS戦後の復興へと向かう地球を注視するソレスタル・ビーイングのロックオンとアレルヤ、そして復興に貢献しようと軌道エレベーターの支援作業をする沙慈が、地球の混沌、消えることのない人々の悪意と向き合うことに。そんな彼らの想いが、オーケストラライズされた劇伴の生演奏の調べの中で独白され、描かれた。兄を想うライルの心。心に棲むハレルヤという凶気をも包み込むアレルヤの強さ。変わらないマイスター。さらには今もルイスに寄り添う沙慈、ガンダムを追い続けELSへと飛び込む刹那の道を切り拓いたグラハムの想い。彼らの胸の奥で燻ぶる痛みや葛藤、そしてそれでも潰えぬ希望が胸に響く。10年を経ても色褪せないマイスターたちの想いにすすり泣くファンも。そして予想だにしなかった展開が続く。ティエリアの記憶を持ちながらも別人格として形成されてきた青年のレティシア・アーデの登場。加えて会場に歓喜の声があがったのは武士道精神の元に散ったと思われていたグラハムの生還!ファンを喜ばせたそんな新たな物語の最後には「新生ソレスタル・ビーイング」という章が待っていた。そこで湧き上がった会場を壊さんほどの大きさで響いた大歓声の結末は是非とも8月28日リリースの「ガンダム00 Festival 10 “Re:vision”」Blu-ray&DVDで括目して欲しい。

新展開に興奮のるつぼと化した幕張メッセイベントホールのステージに改めてキャストが並ぶ。拍手の中でマイクを取る宮野が「本日はガンダム00 Festival 10 “Re:vision”にお越しいただき、誠にありがとうございます!」と告げると拍手の音はさらに大きくなって会場に響き渡る。『ガンダム00』の10周年での新たなストーリーのリーディングライブは、10年間作品を愛してきたファンにとっては大いなるサプライズだった。緊張しながらも懐かしさもあった、と言うリーディングに続いては、10周年を会場のすべての人たちと祝いたい、と10年の想いを語るキャストたち。水島精二監督のトークと共に『ガンダム00』の10年を振り返るVTR。第一話のアフレコでの姿など、10年前のキャストの姿にどよめきが起きたり、監督の制作過程での思い出話や思い入れの話は説得力と、時を経ても変わらず新鮮に響くのはこの作品が今も「生きている」からだと感じさせる。そのトークの最後に監督はファーストシーズンのエンディング曲を歌ったTHE BACK HORNに言及する。

THE BACK HORNはファーストシーズンED曲「罠」のほかに「劇場版 機動戦士ガンダム00 –A wakening of the Trailblazer-」のSupporter’s meeting 2010キャンペーンソング「警鐘」、そして「劇場版 機動戦士ガンダム00 –A wakening of the Trailblazer-」のオープニング曲「閉ざされた世界」の3曲でのコラボレーションをしている。そもそもは監督がTHE BACK HORNの音楽が好きだったことからエンディング曲を担うことになった彼ら。当時のインタビューでは、タイアップながらメンバーとアイディアを出し合いながら楽曲を制作しようという監督の熱意に驚きと感銘を受けていたTHE BACK HORNのメンバーの言葉が印象的だった。「主題歌のアーティストっていうのは僕にとってすごく思い入れが強い」と語る水島監督。「THE BACK HORNに“ガンダムの主題歌をお願いしたい”という話をしたのも僕ですし、それに応えてすごく作品に会った楽曲を提供してくれて、THE BACK HORNと00というのは切っても切れない、本当に大切な大切な僕の大好きな音楽、アーティストだなと思いました」。そんな言葉と盛大な拍手に迎えられ、ステージ上にTHE BACK HORNが登場。「ガンダム00、10周年おめでとう!」とボーカルの山田将司が告げ、ドラムがカウントを取ると「閉ざされた世界」のイントロが鳴り響き、低く轟きグルーヴするベースラインとヒリヒリと感情剥き出しのギターリフとで紡がれるエモーショナルなナンバーが会場を席捲する。

総立ちとなったフロアでは拳を突き上げて歌声を重ねるオーディエンスも。空間を裂くように切り込む鋭いギターの音と渦巻く感情が濃厚に立ち込めるように響く音が印象的な序盤から宇宙へと飛び出すように一気に開けていくサビのメロディが印象的な「警鐘」で会場を一気にライブハウスへと変貌させたTHE BACK HORN。「さきほどの言葉にもあるように水島監督との出会いから00に関わらせていただきました。『00』の10周年をお祝いすると共に、僕らのここで生まれた楽曲たちがこの先もずっとずっとみなさんの中で生き続けてくれることを願っております」とドラムの松田晋二が語り掛ければ、ラストはやはりこの曲。「罠」だ。『機動戦士ガンダム00』のはじまりを見届けたこの曲。轟き唸るバンドサウンドとアグレッシヴに跳ねるビートが幕張に襲い掛かる。応えるように会場からは拳があがり、ベースの岡峰光舟もギターの菅波栄純もステージを駆ける。魂の叫びのようなこの曲こそ、ソレスタル・ビーイングのメンバーたちの胸に湧いていた熱。そんな熱いパフォーマンスでイベントを彩ったTHE BACK HORNだった。

熱狂のライブステージに続いて再びメッセージVTRへ。登場したのはアニメ本編ではナレーションを担い、セカンドシーズンに登場したイノベイダー・リボンズの演じた蒼月昇と瓜二つ(!?)な古谷 徹だ。「自分が最初のガンダムで主人公をやらせてもらって、あれからほぼ30年経ったときに00で、今回はナレーションということでひとつ世代が交代するんだな、というちょっと感慨深いものがありました」という古谷。その古谷から「10年経って改めてガンダムパイロットになってどうでしたか?」という質問が投げかけられたガンダムマイスターの4人が再びステージに登場する。

「僕は逆に10年を経てやっとガンダムパイロットというものが実感できてきているかもしれない」という宮野。当時はがむしゃらにやっていたが、放送後もゲームを録るなど刹那としてしゃべる機会があったこともあり、ずっと続いていくんだ、と実感できたとか。「自分が乗っていた(MSの)プラモデルが発売されていたりもするのが嬉しい」という三木、「ガンダムであり、00が今回のこういうの(イベント)が本当に嬉しい」と吉野。さらに神谷が「古谷先輩が“ガンダムに乗ると人生が変わる”みたいなことを始まる前におっしゃっていて、“そんなバカな”と思っていたんですけど、変わった気がします」と言葉を続ける。四者四様にガンダムパイロットとしての想いが深まった10年だった様子だ。「これからも続いていくと思います」と宮野が締めくくるとそこに入野と中村が参加。ここから入野を司会に「ソレスタルステーション00 エクストラ」と銘打ったトークコーナーへ。ファーストシーズンから今回のイベントに至るまでのグラハム・エーカーの絵に出演者でツッコミを入れたり、新キャラのレティシタ・アーデについてなど今回のイベントで感じたことから放送時の思い出などを披露するキャスト陣。軽快な言葉のやりとりに会場は笑いに包まれた。各自、思い入れも深いという同作の「続編がやりたい」と口を揃えるキャストに会場からも拍手が湧く。そんな盛り上がりの中、イベントは閉幕へ。各キャストが最後の挨拶を送る。

「はじまりは19歳で、ガンダム00の収録があって成人式へ行けなかった思い出があります(笑)。今、30歳になっていろいろと経験もして、00のおかげで、イベントで各地も回って色々と失敗もしながら成長出来た、僕にとっても大切な作品です」(入野)
「グラハム・エーカーという人物を演じてもう10年がたったということですが、あっという間でした。この10年間、いろんな場所で、いろんな媒体でグラハムを演じることもあったので、そんなに経ったんだ?と改めて感じる日々になりました。10年間を一緒に歩んできた人たちがいることがとても心強いです。ここから先、10年、20年と引き続き歩んでいきたいと思います」(中村)
「たしかにこの10年、いろいろあったな、と語ることはいっぱいあるんですけど、過去のことを話していてもしょうがないし、この先へと未来は進んでいくわけですから、「ガンダム00」は少なくとも10年忘れられることなくこんなにたくさんの方々に期待の目を向けていただけるのは本当に作品の力だと思っています。この先何が起きるかわかりませんが、まだ未来を話せるコンテンツなんだなと今日改めて実感してすごく感動しています」(神谷)
「年を重ねることは悪いことじゃなくて、当時学生だった子たちがこのイベントに来られる、というのが、10年捨てたもんじゃないし、ここから未来へと続くかもしれないと思ったら、皆さんにとってこの『ガンダム00』が“青春のガンダム”として選んでいただけたらすごくうれしいなっていうくらい、いい作品に携わることができて本当にラッキーだなと思います。これからも年を重ねる中で『00』をいつまでも憶えていてくださったらうれしく思います」(吉野)
「10周年ということで、10年経ってイベントをやるときにこんなにたくさんのお客様に来ていただけたり、ここには来られないけどどこかで気持ちを飛ばしてくださっているお客様も大勢いらっしゃいると思います。そういった皆様の愛情や熱意に支えられて10周年を迎えられたと思っていますし、何より番組を作りはじめたときに声優陣も監督をはじめ様々なスタッフがものすごい熱量を持って、想いを持って作り上げたからこそここまで皆さんに支持して頂けたんじゃないかと思っています。まだまだ『ガンダム00』は終わりではないような気配がしておりますので、今後とも愛し続けて頂ければうれしいです」(三木)
「すごくうれしかった。いちばん感じたのは、愛されているなぁって。それが何よりうれしかったです。この作品がこんなにたくさんの人に愛されているんだなってそれを感じられたのが幸せでした。(それを感じられたのは)何より僕らがこの作品を愛しているからなんです。正直、緊張しました。久しぶりにみなさんの前で刹那としてお芝居をすることは緊張したんですが、だんだん近くなってきて、自分が声を出せば刹那になるんだって思えるキャラクターと過ごしてこられているんだなとも感じられたんです。それくらいキャラクターのことを想って、ずっと寄り添ってきた。なかなかそんなことが出来る作品ってないと思うんです。この『00』が始まったのはファーストガンダムが始まって30周年を迎えるころだったということで、僕らもそこに近づいてきているんですよね。これから10周年、20周年、30周年と皆さんと一緒に過ごしていけたらすごく幸せだなって思います」(宮野)

生演奏でイベントを盛り上げた「00オーケストラ」を紹介し、彼らへの惜しみない拍手が湧けば、最後は会場のファンとステージとで「機動戦士ガンダム00――!」と声をあげてイベントは幕を閉じた―――はずだった。

テーマソングの演奏が終わると会場が静かに暗くなると、暗闇の中にひとりの男の姿が。嘆きの声をあげるその人物は、なんとニール・ディランディ。あの日、サーシェスを撃破しながら刹那の目の前で壮絶な最期を遂げたはずの彼は、深く暗い闇の中で家族に会えないことが多くの命を奪ってきた自分への咎なのかと嘆いていたのだ。そこに光に包まれた刹那が現れる。驚くニール。そして刹那は告げる。「生きてくれ。生き抜いてくれ。俺が生きられないこの世界で。俺の代わりに……」。そして光が飛んでいくと、浮かび上がったのは「continued to next 00 story」の文字。歓喜の大歓声が湧き、イベントは終演したのだった。

10年を経てもなお色褪せない物語。現在の世界情勢とも重なり、どこかリアリティを持ってファンの傍らで息づき続ける「機動戦士ガンダム00」の世界はまだまだ続いて行く。

Text By えびさわなち

「ガンダム00 Festival 10 “Re:vision”」
2018年4月14日(土)幕張メッセイベントホール

出演
宮野真守(刹那・F・セイエイ役)
三木眞一郎(ロックオン・ストラトス役)
吉野裕行(アレルヤ・ハプティズム/ハレルヤ役)
神谷浩史(ティエリア・アーデ役)
中村悠一(グラハム・エーカー役)
入野自由(沙慈・クロスロード役)
THE BACK HORN


●リリース情報
「ガンダム00 Festival 10 “Re:vision”」Blu-ray&DVD発売決定!
8月28日発売

【Blu-ray】
品番:BCXA-1387
価格:¥8,000+税

【DVD】
品番:BCBE-4922
価格:¥7,000+税

【出演者】
刹那・F・セイエイ:宮野真守/ロックオン・ストラトス:三木眞一郎/アレルヤ・ハプティズム:吉野裕行/ティエリア・アーデ:神谷浩史/グラハム・エーカー:中村悠一/沙慈・クロスロード:入野自由

発売・販売元:バンダイナムコアーツ

【法人共通特典】
対象店舗で「ガンダム00 Festival 10 “Re:vision”」Blu-rayまたはDVDをご購入の方にプレゼント!

・高河ゆん描き下ろしイラストカード

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