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INTERVIEW

2017.08.25

TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDのPulse Craft Information 第9回

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フジムラトヲル、石川智久、松井洋平からなるテクノユニット、TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND。『ウィッチクラフトワークス』『トリニティセブン』『プリズマ☆イリヤ ドライ!!』『魔法陣グルグル』など、数々のアニメ作品に劇伴や主題歌、キャラソン等の楽曲を提供し、近年、アニソン・シーンにて大きな活躍を見せている。大ヒットを記録したTVアニメ『おそ松さん』のEDテーマ「SIX SAME FACES ~今夜は最高!!!!!!~」の作詞・作曲・編曲を手がけたことでも知られている。

そんな彼らの連載『TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDのPulse Craft Information』は、《お気に入り》《影響》など、彼らが受けた様々なインプットをアウトプット=《報告》するという内容だ。TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDはどのような活動をしているのか?メンバーは一体どんな人物なのか?……魅力的な楽曲を次々と生み出している彼らの実態が今明らかになる!?

アニソン・シーンの最先端で活躍している彼らの初となる連載。
第9回は、8月9日にリリースされたTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDの最新シングル「Round&Round&Round」の話から始まります!

■『TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDのPulse Craft Information』前回の連載はこちら
■『TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDのPulse Craft Information』これまでの連載はこちら

Craft Report / TECHNOBOYSの活動報告

夏なのに、あぁ夏なのに、東京は雨続きで涼しい日々が続いております。
この記事が公開される頃には、残暑が厳しいことになっているのか否か。
暑いのがそんなに好きなわけでもないのですが、それなりの夏だね感を味わいたい気持ちが無きにしもあらずな、フジムラトヲルです。

前回の連載から2ヶ月ほど空いてしまいましたが……。
最近のTECHNOBOYSはといいますと、今月9日、3rdシングルとなる「Round&Round&Round」がリリースされました!
ありがとうございますありがとうございます。

TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND feat.ボンジュール鈴木
「Round&Round&Round」
レビューはこちら

TVアニメ『魔法陣グルグル』ED主題歌にして、ボンジュール鈴木さんをフィーチャリングしたこの楽曲。皆さま、お聴きいただけましたでしょうか。

TVアニメ『魔法陣グルグル』ED主題歌 「Round&Round&Round」 TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND feat.ボンジュール鈴木 インタビューはこちら

インタビュアーさんの解説によりますと「甘いウィスパーボイスと全編アナログシンセによる躍動感いっぱいのサウンドがアニメの世界を華やかに彩る、お互いの音楽性が見事に合わさったポップ・チューンとなっている」とのこと。いやはや、うれしいお言葉です。

そして、3rdシングルにして初めてPVも撮りまして。
80年代の世界観を踏襲した映像は、TECHNOBOYSにもぴったりマッチして、とてもお気に入りです。
見ていただいた方にはおわかりでしょうが、もう一組の「TECHNOBOYS」にも注目です。

この曲、今までのTECHNOBOYS2枚のシングルと少し違う点は、メンバー3人のコーラスが入っているということでしょうか。ボンジュール鈴木さんの、まるで透き通った清流のような歌声と、40代男性3名による濁流のようなコーラスのコントラストもポイントのひとつですね。

あぁ、川辺でBBQして泳ぎたい。

そんなこんなで、今月のTECHNOBOYSハイレゾ情報は、もちろん「Round&Round&Round」。
リスレゾさんのインタビューでも語っているとおり、『魔法陣グルグル』の劇伴同様、ソフトシンセを排除し、すべてアナログシンセで構築しております(スラップベースは除く)。
使用したエフェクターも96kHz対応のものを使用しているので、完全ハイレゾ志向で制作されているのです。

昔の優れた楽器を、現在の優れた技術を用いてレコーディングする。
これは、ハイレゾの意義を示すひとつの方向性ではないかなと、個人的には思っております。
そして、それを実践した「Round&Round&Round」。これはもう、聴くしかないですよ。

井澤詩織さんをボーカルに迎えたカップリング曲「夏と猫のソネット」については、また次回に。

TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND feat.ボンジュール鈴木
Round&Round&Round

Lantis
2017.08.09

FLAC・WAV 96kHz/24bit、WAV 96kHz/32bit

ハイレゾの購入はこちら

e-onkyo music
groovers
mora

©衛藤ヒロユキ/SQUARE ENIX・「魔法陣グルグル」製作委員会

Favorite Pulse / TECHNOBOYSのお気に入り

TECHNOBOYSのメンバーが自分のお気に入りを紹介する「Favorite Pulse」、今月はフジムラトヲルが担当です。

私の大好きな「ホームセンター」について。
いやぁ、もうなんでしょう。「ホームセンター」という字面を目にしただけで、ワクワクしてきます。
あの独特の匂いや、何でも売ってる感じ。そして普段の生活にはほとんど必要のない業務用の世界。ホント、ちょっとした非日常感にグッときますよね。

「カインズホーム」「ケーヨーデイツー」「島忠」「コメリ」「DOIT(ドイト)」「ビバホーム」などなど、有名なお店は数あれど、やはり大阪出身の私は「コーナン」に行き着いてしまうのですよ。
忘れもしない、上京当日。当時はまだ東京に少なかった「コーナン」を探し求めて、大田区まで友人に車を飛ばしてもらったな。
コーナン・ブランドの物が家にあると、ちょっとホッとした気分になれたのかもしれません。

あ、あと別格では「ジョイフル本田」がありますね。あの広さと品揃え。どんなテーマパークよりも、夢の国です。
初めてジョイフル本田に行った時は、一日中店内を歩きまわって、あまりの品数の多さに混乱し、結局ラチェットとゴミ袋しか買わなかったのはご愛敬。

昨年車の運転免許を取り、ホームセンターに行きやすくなってしまったので、以前より明らかに行く回数が増えた、今日この頃です。

Influence Information / TECHNOBOYSへの影響

TECHNOBOYSのメンバーが影響を受けた音楽からハイレゾリリースされている作品をご紹介。
今回、石川智久がオススメするのは 芥川也寸志「赤穂浪士のテーマ」

日本フィルハーモニー交響楽団『蜘蛛の糸 芥川也寸志の芸術1 管弦楽作品集』
(「赤穂浪士のテーマ」を収録)

毎年大マスコミを巻き込み毀誉褒貶する「芥川賞」に冠された文豪、芥川龍之介の三男にして昭和の伊達男、芥川也寸志は1950、60年代に最も活躍した作曲家である。
純音楽の分野では「交響管弦楽のための音楽」「弦楽のための三楽章」が代表作とされる。

父龍之介の遺品のSPレコードコレクションにあったストラビンスキーをはじめ、プロコフィエフ、ショスタコヴィッチなどの旧ソ連作曲家の影響が大きく、重厚で濃厚なオーケストレーションが特徴だ。
また驚くべきことに、まだ国交のなかった1954年、ソ連に密入国し自作品を出版している。当時29歳である。

また、若い時期には映画にも出演。最盛期には映画音楽、放送音楽を多数残し、ラジオ、テレビ番組でも司会を務めるなどタレントとしても著名であった。現代では坂本龍一がもっとも似ている存在かもしれない。

さて、「赤穂浪士のテーマ」は、1964年のNHK大河ドラマ『赤穂浪士』の主題曲で現在我々がもっとも“聴いたことのある”彼の作品だ。弦楽の静かな不連続の連続的反復メロディーに鞭の“ピシッ!”という厳しい音が良い。
雪を一歩一歩踏みしめ吉良邸に打ち入る忠臣蔵といえばこの曲!という程の圧倒的イメージだが実はコレ、五所平之助監督の1955年の映画『たけくらべ』(美空ひばり主演)主題曲と同曲とのこと。観てみたいものです。

演奏は彼の没後10周年の1999年、本名徹次指揮、日本フィルハーモニー交響楽団。DSD2.8Mhz/1bit (SACD)。なかなか良い音で残っていない作品なので演奏はどうあれ日本人作曲家の貴重な音源だと思う。この他にも父龍之介の小説をバレエ曲にした『蜘蛛の糸』、傑作『交響管弦楽のための音楽』が収録。

彼の死後、父と同じくその名を冠した「芥川作曲賞」が設立され、先と同じく毀誉褒貶するも大マスコミの扱いは矮小であるのは何故だろうか。純音楽の衰退は著しい。

では次回の『TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDのPulse Craft Information』もお楽しみに!

日本フィルハーモニー交響楽団
蜘蛛の糸 芥川也寸志の芸術1 管弦楽作品集

キングレコード
2013.03.13

DSF 2.8MHz/1bit

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e-onkyo music
groovers
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2016TPG_MAIN

TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
トラックメーカー・フジムラトヲル(Ba/Syn/Vo)、作曲家・石川智久(Pf./Syn/Vo)、作詞家・松井洋平(Gt./Syn/Vo)からなるテクノユニット。現在まで2枚のオリジナル・アルバムをリリースしており、その活動範囲は海外にまで及ぶ。細野晴臣氏が音楽監修を務めた2007年の映画『EX MACHINA -APPLESEED SAGA-』を始めとして、『ウィッチクラフトワークス』『トリニティセブン』『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』『紅殻のパンドラ』『プリズマ☆イリヤ ドライ!!』『賭ケグルイ』『魔法陣グルグル』など、数々のアニメ作品に劇伴や主題歌、キャラソン等の楽曲を提供。ユニットだけでなく、個人として作品に携わることも多い。宇都宮隆氏、松岡英明氏、浅岡雄也氏ら、時代を創ったボーカリストとのコラボレーション・ナンバーや、TVアニメ『おそ松さん』のエンディングテーマ「SIX SAME FACES ~今夜は最高!!!!!!~」など、制作したそれらの楽曲は大きな話題を呼んでいる。

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TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND公式サイト
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