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INTERVIEW

2017.11.01

TVアニメ『アニメガタリズ』OPテーマ「アイコトバ」GARNiDELiAインタビュー

GARNiDELiAがニュー・シングル「アイコトバ」をリリースした。TVアニメ『アニメガタリズ』OPテーマとなるこの曲は、GARNiDELiAのシングル表題曲としては初となるポップなダンスナンバーに仕上がっている。アニメの世界観を反映した明るいテイストのサウンドは、リスナーにまた新鮮な感動を与えてくれるはずだ。カップリング曲も含め、〈ダンス〉をテーマに作られた今回のシングルについて、GARNiDELiAのメイリアとtokuに詳しく語ってもらった。

Interview By 澄川龍一(リスアニ!)
Text By 寺田龍太

GARNiDELiA「アイコトバ」のレビューはこちら

──TVアニメ『アニメガタリズ』OPテーマとなるニュー・シングル「アイコトバ」は、前作「Désir」とはガラッと雰囲気が異なる曲調です。

メイリア タイアップでこんなにポップなGARNiDELiAの楽曲って、今まで聴いたことがないですよね。ダークな世界観の『Fate/Apocrypha』の直後なので、「本当に同じ人たちなのかな?」という感じで(笑)。

toku 制作のスケジュール的には「Désir」のMV撮影と並行していて、気分を切り替えるのが大変でしたね。

メイリア 作品も楽曲も振り幅がすごいな、と。これまではバトルものの作品の楽曲を担当させていただくことが多く、こういうかわいらしい女の子が主人公のアニメで歌うこと自体が初めてなので、「本当に私たちでいいんですか!?」と驚きましたね。アニメの制作陣からの要望も汲み、ポップなダンス・ナンバーでいくことになりました。

「アイコトバ」初回生産限定盤(CD+DVD)のジャケット

──作品に合わせたポップなサウンド・アプローチはどのように作られていきましたか?

toku やっぱり「Désir」では使わなかった音を選びがちになりましたね。「Désir」のために作った音素材などをいったん捨て、全部やり直すようなかたちになりました。

メイリア 「Désir」の真逆を行きましたね。

toku 前作を振り切る感じを楽しんでいたというか。ダンス・ナンバーというオーダーも、僕らがタイアップ以外のカップリングやアルバム曲でやってきた楽曲を聴いていてくださっていたからでしょうし、意外であると同時にうれしくもある発注でした。僕らでしかできないものを作って期待に応えたいな、と思いましたね。

──その「アイコトバ」ですが、イントロからいきなり超ポップなサウンドですよね。

メイリア めっちゃかわいい音色を使ってますよね。「うちらだってかわいいのもできるんだぞ!」みたいな(笑)。

toku 最初の音で「あ、ガルニデだな」と思わせたくない、というのはありましたね。メイリアの声が出てくるまではGARNiDELiAだとわからないほうがインパクトがあるかな、と。実際どう聴いてもらえるかはわかりませんが、「これGARNiDELiAなの!?」と、クレジットを見て驚いてもらえればうれしいですね。

──レコーディングにも変化があったのでは?

メイリア 普段はかっこ良さやパワフルさを意識して歌っていますが、今回は明るいテイストに仕上げることが第一で。ハイテンションな楽曲に自分自身のテンションも追いつかないとダメだなと思い、とにかくテンションを高めに持っていくところからレコーディングを始めましたね。「よーし、いくぞ!」「めちゃくちゃかわいいメイリア出しますよ!」という感じで(笑)。

toku アニメ自体もハイテンションですから、自分たちもそれに寄り添えないといけない。

メイリア でも歌ってみると違和感がなくて、意外としっくりきたんですよね。「うちら、実はこういうのもいけるかも!」と思ったりして。元々自分も明るくてポジティブシンキングな性格ですし、実は素の私ってこういう楽曲のほうが出やすいのかもしれません。

──新機軸の一方で、ガルニデらしさも残しているんですね。

メイリア 私が作詞しているので、詞の世界観には一貫したものがあると思います。歌詞について言うと、『アニメガタリズ』のストーリーとも通底させたテーマとして、自分が好きなものを好きだと思いきり言える自信をみんなに持ってほしいな、というメッセージを込めたものになっています。作品のほうは、アニメを通じて仲間と出会っていろんな楽しい思い出を作っていくというお話で。作詞するにあたって脚本も読ませていただいたのですが、基本はギャグのようでいて、ところどころにグっとくる台詞が散りばめられているんですよね。観れば観るほど感動できるアニメだと思います!

──続いてはカップリング曲の「Hysteric Bullet」についてですが、こちらは、中国のWEBアニメ『銃娘』のテーマソングとなっています。中国でのガルニデ人気を受けたオファーだそうですね。

メイリア 私たちの楽曲でいうと、「極楽浄土」が好きな中国のファンの方々がたくさんいらっしゃるんです。海外アニメの主題歌を歌うなんて思ってもみなかったことで、すごくうれしかったですね。

──あと、テンポがものすごく速い(笑)。

メイリア めっちゃ速いです。すごく攻めちゃった(笑)。『銃娘』という銃を擬人化したアニメなので、この曲もテンション高めでテンポが速い、激しいテイストが合いそうだな、と。一方で「踊ってみた」動画の撮影も依頼されたので、アニメ主題歌であると同時にダンス曲でもあるんです。

──たしかにガルニデが作るOPテーマらしいアッパーさがしっかりとある一方で、ダンス・ミュージックの要素がすごく強いですよね。

toku たくさんのアニソンがある中で埋もれないよう、インパクトを狙ったところはありますね。「今まであったような感じだけどなかったよね」感を出せたらいいな、と。唯一ガルニデがやっているタイプの楽曲、というものになったらいいなと思って作りました。

メイリア これも「アイコトバ」と同じく、アニメの主題歌になるダンス・チューンってどんな曲だろう、ということを考えましたね。いつもの「踊ってみた」曲のテイストとは違うものになったと思います。ただ、実際に踊るのは超大変な曲になっちゃいました(笑)。

──もうひとつのカップリング曲「Lonely Girl」も、テンポは抑えてある一方で、これまたダンサブルな楽曲ですね。

メイリア 実は今回のシングルは、ダンス・シングルと決めていたんです。今までは表題曲とカップリング2曲で3パターンの楽曲を作っていましたが、今回はダンスで統一していますね。といっても、それぞれニュアンスは変えていて。「Hysteric Bullet」は速すぎるので(笑)、このぐらいのテンポがいちばんダンスの振りを付けやすいですね。

toku イントロからビリビリっとくるシンセサイザーの音を主役にして、終始シンセとメイリアの歌が絡んでいく楽曲ですね。デジデジしたR&Bみたいなテイストに仕上がったと思います。また、私のほうでチャレンジした部分としては、実は今回のシングルで初めて、3曲すべての楽曲を自分でミックスしているんです。少しずつ楽曲の幅を広げていけたらと思って、挑戦したシングルですね。

──今年も精力的に活動され、本作のような新機軸もあった充実の一年だったかと思いますが、2018年のツアーを前にして1月は“リスアニ!LIVE 2018”にもご出演いただきます。

メイリア とにかく楽曲の幅がものすごく広がったので、それをどう見せていくか。また緩急のつけ方をどうセットリストに組み込んでいこうか、とすごく考えています。とにかくアゲアゲという感じのセトリでも面白くないですし。ダンサブルなナンバーも私たちの代表曲として持てるようになったので、そこも見せていきたいです。限られた時間の中にガルニデの全部を集約できるように、いかにガルニデだぞってライブができるかですね。

「アイコトバ」期間生産限定盤(CD+DVD)のジャケット

──そうした状態で迎えられる2018年かと思いますが、ライブだけではなく新作も期待したいですね。

メイリア 今いろいろと動いてます!

toku ちょうどその作業中なので、その話がしたくてたまらないという(笑)。

──それはまた別の機会に(笑)。ここからはリスレゾということで、ハイレゾについてお伺いします。普段の制作現場で、あるいはほかのアーティストの音源など、おふたりはハイレゾにはどれだけ触れているのかなと。

toku そうですね。ほかのアーティストも含めて聴くことが多いかもしれないですね。ハイレゾもいろんなフォーマットがあるので、このアーティストさんはなぜこっちのフォーマットしたのかな、と考えながら聴くこともありますね。またCDと比べてどこが変わったかという点も気になります。逆にCDのほうが圧があっていいよね、という場合もありますし。リスナー側が使う機材や環境によって、聴こえ方も変わってきますし、いろいろと気になって聴いています。

──CDの音圧がいいって人もいるし、ハイレゾでこだわりや細部を集中して聴きたい人もいる。人それぞれ、いろんな音楽の楽しみ方がありますよね。

toku 発展過渡期な部分があるのも面白いなと思いつつ、間違って伝わらないといいな、というのはあります。

──ハイレゾを聴く行為というのは非常に能動的というか、聴く環境も限られてくるし、気持ちが集中するのもあるので普段の聴き方とも違ってきますよね。

toku 正座して聴くみたいな、昔のレコードみたいな感覚なのかなと思いますね。CDの音源との違いがわからないと今後も買っていこうという気にはなれないかもしれないし。入り口にいる人はそういう感じなのかなと。

メイリア ハイレゾは歌がとても見えるようになるので、ボーカル推しみたいな曲を聴くには向いているかなと。どうやって息を吸ってるのか、あと顔の向きとかまで感じられたりするんですよ。マイクに向かっている位置とか距離感みたいなものを感じられる、ハイレゾはそこまで見えるなと。ボーカリスト的には恥ずかしいですけど、毛穴まで見えるみたいな感じの(笑)。例えるなら4Kの映像みたいなんですよ。喉の鳴り方とかまで見えるので、歌い方や口の開け方は気をつけて歌うようになったかもしれない。ハイレゾを聴いている方の感想で、メイリアの息の吸い方が好きというのがあって、そうか、そんな聴き方もできるのかと。

──それこそ、そういう観点でのプロモーションはあってもいいかもしれないですね。

メイリア 「息遣いまで見える」みたいな(笑)。でも私たちのお客さんは結構ハイレゾ・ユーザーが多くて。

toku サイン会とかでファンの方がハイレゾプレイヤーを持ってきて「これにサインしてください」って。で、見ると「これ高いやつじゃん!」と(笑)。

メイリア 「本当にいいの?」って聞くと、「いいんです! ガルニデの曲これで聴くんで!」みたいな(笑)。いつもリリースするたび、ハイレゾはチャートの1位をいただいたりするし、音について興味ある人が多いんだなと感じます。だからもっとハイレゾを研究しなきゃと思いますね。〈END〉

GARNiDELiA
女性ボーカリスト・メイリアとコンポーザーtokuの二人によるユニット。
ユニット名のGARNiDELiAは「Le Palais Garnier de Maria(『メイリアの歌う場所』の意)」と、tokuの生まれた年に発見された同名の小惑星「コーデリア (Cordelia)」からのアナグラム(単語の文字を入れ替えて全く別の意味にさせる言葉遊び)で名付けられた。
様々なファッションブランドのモデルも務め、同世代の女性から支持を集めるメイリアはGARNiDELiAのアートワークや歌詞を担当。GARNiDELiAのサウンドプロデュースを担当しているtokuは、数々のアーティストに楽曲提供・プロデュースをおこなっている。
2014年3月に「ambiguous」でメジャーデビューを果たし、iTunes Music Storeをはじめ、各音楽配信サイトの総合ランキングで軒並み首位を獲得。デビュー以来7枚のシングル、1作の配信シングル、3枚のアルバムをリリース。
11月1日にはTVアニメ「アニメガタリズ」OPテーマとなる8thシングル「アイコトバ」のリリースが決定。
2018年春には中野サンプラザ公演を含む、全国3ヶ所でのワンマンライブツアーの開催が決定し、GARNiDELiAの音楽性と、メイリアの歌い上げるバラードからダンスまで披露する圧倒的なパフォーマンス力が話題となっている。

GARNiDELiA OFFiCiAL SiTE
TVアニメ「アニメガタリズ」公式サイト

©DMM.futureworks/JY Animation・咲鐘湖学園アニメ研究部
「アニメガタリ」©アニメガタリ

GARNiDELiA
アイコトバ

Sony Music Labels Inc.
2017.11.01

FLAC 96kHz/24bit

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e-onkyo music
mora

 収録曲

 1.アイコトバ (TVアニメ「アニメガタリズ」オープニングテーマ)
   作詞:メイリア 作曲:toku 編曲:GARNiDELiA

 2.Hysteric Bullet (騰訊ビデオ オリジナルアニメ「銃娘」主題歌)
   作詞:メイリア 作曲:toku 編曲:GARNiDELiA

 3.Lonely Girl
   作詞:メイリア 作曲:toku 編曲:GARNiDELiA

 4.アイコトバ- instrumental-

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