人や作品との出会いを重ねてゆくアニソンシンガー

───今回、アニメ盤は表題曲とカップリングの2曲ですが、アーティスト盤には5曲収録されています。

YURiKA　共通して2曲目に入る「Dive into the colors」は、「鏡面の波」と同じく照井さんに作っていただきました。「鏡面の波」のカップリングということも意識して、〈「鏡面の波」を歌っているYURiKAがストレートなロックを歌うとこうなるよ〉といったイメージですね。歌詞にも宝石を連想させるようなところがあったりします。

───次の「薄明パラレル」からはアーティスト盤のみの収録となります。こちらの作詞はYURiKAさんご自身ですが、タイトルから印象的ですね。

YURiKA　歌詞にある“雲に隠れて日が落ちる”のように、雲間から射してくる光のことを「薄明光線」っていうんです。その「見えるか見えないか」みたいな様子を片想いしてるときの男の子の感じに重ねてみました。けれど「光線」だと言葉が強すぎて……「ビーム」っぽいですよね（笑）。それで「縮めたい距離が縮まらない」「平行線のもどかしさ」をイメージして「パラレル」という言葉にしました。

───思わず胸キュンな青春のイメージがたっぷり詰まっていますね。誰もどれかひとつは思い当たることがありそうなエピソード満載というか。

YURiKA　白戸佑輔さんに書いていただいた曲を聴いて、中学生の男の子の片想いみたいなイメージが浮かんだんです。淡く切ない、でも爽やかな。そのテーマでみんなに共感してもらえる歌詞にしたくて、LINEで友達何十人かに「淡い恋の思い出教えてください！」とエピソードを募集しまして（笑）。それも参考にさせてもらいました。

───続いて「Song That Never Ends ～夢の続き～」ですが、曲や歌い方に聴き入ってしまいました。ライブならば静まり返った客席でみんな歌に集中して聴いている、そんな様子が目に浮かびます。

YURiKA　作詞・作曲をしてくださったコミネリサさんは、私が高校生のときのボイストレーニング教室の先生なんです。コミネさんもアニメの主題歌を歌っていらっしゃいますが、私、TVアニメ『心霊探偵八雲』のEDテーマ「Missing You」が大好きなんです！

───コミネさんがいらっしゃるということでその教室に通われたんですか？

YURiKA　実はぜんぜん知らなくて本当に偶然で。そのときから「私がデビューしたら歌を書いてください」ってお願いしていました。それで今回「誰に曲を書いてほしい？」と私の希望を聞いていただけたので、「コミネリサさん！」って。コミネさんからも快諾をいただいて、高校生の頃からの夢がかないました。歌詞にもそのときの私を知っているからこその、「夢のつづき」のような言葉を入れてくださっていて……。またこの曲をコミネさんと一緒にレコーディングしたのが、ちょうど私の誕生日だったりもして、思い出深い曲になりました。

───そんな雰囲気から一転してポップに弾ける「Snowy Daydream」がラストナンバーです。デビュー曲「Shiny Ray」と同じく作詞・作曲はuzさん、編曲は吉田穣さんです。曲自体は短めなのですが歌詞カードを見ると……。

YURiKA　文字数が多くて黒いですよね（笑）。歌詞の詰め込み方もそうなんですけど、この曲はボカロっぽいイメージで作っています。物語調の曲で、曲に合わせたミュージックビデオも作りました。

───なるほど、納得です！　さて今回の表題曲「鏡面の波」やカップリング曲もそうですが、デビューから一年に満たない間に振り幅も広い様々な曲に出会ってきました。次はどんな曲を歌ってみたいですか？

YURiKA　「Shiny Ray」でデビューしたのが今年の2月でまだ一年も経っていないのに、本当にいろんな曲を歌わせていただいてきました。次は……う～ん、何だろう？（笑）。でも私は子供の頃からずっとアニソンシンガーになりたくて、今でもアニソンへの愛は誰よりも深いと思っています。だから、どういう曲を歌いたいという欲求よりも、次はどんなアニメ作品に出会えるんだろう？という期待の方が大きいですね。これからもアニメに寄り添って歌い続けていきたいと思っています！〈END〉

●YURiKA「鏡面の波」のレビューはこちら
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YURiKA
10月29日、埼玉県蓮田市生まれ。４歳でピアノをはじめるも幼少期から興味の中心は歌。松浦亜弥やモーニング娘。、浜崎あゆみなどを、田んぼの真ん中で日々歌唱していた。小学6年の時、アニソンのメッセージ性の豊かなワンフレーズに衝撃を受け、アニソンシンガーになることを固く決意、親や友人にも公言する。中学高校時代は合唱部と田んぼで歌唱力を磨き、高校三年で『アニソングランプリ』に初挑戦、初出場を果たす。短大に進学後は学業と並行してライブ活動を行う。