INTERVIEW
2018.02.23
フジムラトヲル、石川智久、松井洋平からなるテクノユニット、TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND。『ウィッチクラフトワークス』『トリニティセブン』『プリズマ☆イリヤ ドライ!!』『魔法陣グルグル』など、数々のアニメ作品に劇伴や主題歌、キャラソン等の楽曲を提供し、近年、アニソン・シーンにて大きな活躍を見せている。大ヒットを記録したTVアニメ『おそ松さん』のEDテーマ「SIX SAME FACES 〜今夜は最高!!!!!!〜」の作詞・作曲・編曲を手がけたことでも知られている。
そんな彼らの連載『TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDのPulse Craft Information』は、《お気に入り》《影響》など、彼らが受けた様々なインプットをアウトプット=《報告》するという内容だ。TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDはどのような活動をしているのか?メンバーは一体どんな人物なのか?……魅力的な楽曲を次々と生み出している彼らの実態が今明らかになる!?
アニソン・シーンの最先端で活躍している彼らの初となる連載。
第15回は、2月も全力疾走なTECHNOBOYSの近況と、アニメ『トリニティセブン』のFULL ALBUM「MAGUS MUSIC LIBRARY」のお話をどうぞ!
■『TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDのPulse Craft Information』前回の連載はこちら
■『TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDのPulse Craft Information』これまでの連載はこちら
立春を過ぎて、暦の上では春になってしまいましたが、まだまだ寒い日が続いておりますね。
節分用の豆を買っていたのに撒くのを忘れ、歳の数を食べるのも億劫になってきたフジムラトヲルでございます。
今年もTECHNOBOYSは、寒さに震えながら、せっせと曲を作り続けております。
なぜなら、2/23(金)から大阪を皮切りに「おそ松さん on STAGE ~SIX MEN’S SHOW TIME2~」が始まるからダス!
前回に引き続き、劇中歌プロデュースをTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDが担当しているんだじょー!
●舞台「おそ松さん on STAGE ~SIX MEN’S SHOW TIME 2~」公式サイト
前回より会場も広く、開催期間も長くなり、大規模な展開となっております。
それなのに、プレミアムシート・一般席は完売だからすごいザンス!
前回同様、いやそれ以上に真面目にふざけたカッコいい曲がたくさん出来たので、ぜひご覧いただけたらうれしいんだよ〜ん!
3/11(日)の千秋楽は、日本各地にわたりライブ・ビューイングを行うとのことですよ。
※劇中歌用にパーカッション・レコーディングを行うよしうらけんじ氏
そんなこんなで、今月のTECHNOBOYSハイレゾ情報は、アニメ『トリニティセブン』FULL ALBUM「MAGUS MUSIC LIBRARY」でございます。
V.A. / TRINITY SEVEN FULL ALBUM「MAGUS MUSIC LIBRARY」
同作の劇伴・OP・EDを網羅した、まさにフルアルバムの名に恥じない内容。
しかも77曲入りと、あくまで「7」にこだわったというか、ここまで来たら執念さえも感じさせるような姿勢、ワタクシ好きですよ。
収録前半部、TVシリーズの楽曲と、後半部の劇場版の楽曲では、制作時期が2年以上離れているので、その間に得たハイレゾ知識の差が表れているように感じます。
特に劇場版は、石川氏がレンジの広さをより深く意識して作り上げていたので、ぜひともハイレゾ版で堪能していただきたい逸品でございます。
V.A.
TRINITY SEVEN FULL ALBUM 「MAGUS MUSIC LIBRARY」
avex pictures
2017.09.27FLAC・WAV 96kHz/24bit
ハイレゾの購入はこちら
© サイトウケンジ・奈央晃徳/KADOKAWA/トリニティセブンE.A.製作委員会
TECHNOBOYSのメンバーが自分のお気に入りを紹介する〈Favorite Pulse〉。
今月はフジムラトヲルが担当です。
私の大好きな「ベルギービール」について。
あれは、20年前。まだ日本のラガービールしか知らないフジムラ青年に友人O君は「こんなんもあるで」と、とあるビールを差し出しました。
それが、当時は小西酒造が輸入していた「ヒューガルデン・ホワイト」。スパイシーかつフルーティな味わい、ふわっと鼻から抜けるコリアンダーの香り。
そのすべてが初体験で、世界にはこんなビールもあるのかと衝撃を受けました。
それからというもの、いろいろなベルギービールを飲み漁り、遂にはベルギーまで行ってしまいました。中でも好きだったのが「Mort Subite」という銘柄(和訳すると「突然死」という意味。すごい名前ですね……)。
ブリュッセルには、そのメーカーが経営するビア・カフェ「A la Mort Subite」があり、いの一番に訪れました。
日本では飲むことができなかった樽出しビールを端から端まで飲んでいき、ベロベロ&お腹パンパン状態で宿に帰った記憶が朧げにございます。
また、行きたいなぁ。
TECHNOBOYSのメンバーが影響を受けた音楽からハイレゾリリースされている作品をご紹介。
今回、石川智久がオススメするのはブルース・スプリングスティーン『ネブラスカ』(1982)。
Bruce Springsteen『Nebraska』
「スプリングスティーンはダサいよ!」と多くのミュージシャンが口を揃えたように言う。
職業柄、様々な演奏家や作編曲家に遭うと当然に音楽談義になる。
そこで私が「ブルース・スプリングスティーンのファンだ」というと皆一様に先の言葉が返ってくるのだ。
売れているアーティストが“嫌い”という音楽人は多い。
私自身もいくらかそういう覚えがあるにはある。
しかし全米No.1を叩き出したアーティストにダサイはなかろう。
全米を敵に回す気なのか?!
名前は出さないが日本人にも“そっくり”なほど影響されたアーティストも数名いる。
そういったアーティストたちも彼らにとって”ダサイ”のだろう
さて愚痴はこれくらいにして、1973年に“第二のディラン”としてデビューしたブルース・スプリングスティーン、1stアルバムは振るわなかったものの地道なライブ活動が実を結び、1980年ついに全米No.1となった5枚目のアルバム『ザ・リバー』を発表する。
件のアルバム『ネブラスカ』はその後に日本でも有名になったこれまた全米No.1アルバム『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』の間に位置する、ある意味で挑戦的な作品だ。
アルバム全体を通して、ストーリーテラー(ブルース・スプリングスティーン)が犯罪者の想いを語り、アメリカの社会的な闇を歌っている。
若者の理由なき10人の殺人、「スタークウェザー/フューゲート事件」という本当にネブラスカ州で起こった事件(「Nebraska」)、懲役99年の判決が下った犯罪者ジョニーの話、喜劇(「Johnny 99」)等、まるで小説を読んでいるような感覚になる。
ほとんどの曲がアコースティック・ギターの弾き語りで、9曲目以外はTEAC社製の4トラック・カセットテープMTR「TEAC 144 」とシュアー社製マイク「SM57」を2本という低コストな機材(レコードジャケットの裏に書いてある)を使って自宅の寝室で録音され、ピアノ、オルガン、鉄琴、ブルースハープのダビングを経て、エンジニアのトビー・スコットがミックスしている。
デモテープをそのままマスターテープとして使っているので吹きノイズや音割れがそのまま収録、音楽ができた瞬間の雰囲気が味わえるシブいアルバムだ。
こんな芸術性の高いアルバムをダサいとは……。
ハイレゾではFLAC 192kHz/24bitで堪能できる。
では次回の『TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDのPulse Craft Information』もお楽しみに!
Bruce Springsteen
Nebraska
Columbia
2015.12.25FLAC 192kHz/24bit
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TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
トラックメーカー・フジムラトヲル(Ba/Syn/Vo)、
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