INTERVIEW
2018.04.22
2018年、大橋彩香はまたひとつ新しい扉を開く。アーティストとしての今年第一弾リリースとなるニュー・シングル「NOISY LOVE POWER☆」には、彼女の挑戦がふんだんに詰め込まれている。TVアニメ『魔法少女 俺』のOP主題歌となっている表題曲は大橋彩香らしい明るく元気なナンバーだが、カップリング2曲はかたや電波曲でかたやR&B調の失恋ソングと、その表現の幅をグググッと広げた。そのシングルに込めた、彼女の想いに迫る。
――大橋さんは今回のシングル、どんな1枚になったとお思いですか？
大橋彩香 これまででいちばん個性の強い1枚になったと思います。それぞれの曲がこんなに毛色が違ったのは初めてですね。最近のシングルと同じように2曲目が盛り上がれる曲で3曲目がカッコいい、っていうものでありながら、そのなかでも振り幅がいちばん大きいように思います。同じ“盛り上がる”にしても「イカはイカすぜ☆クラーケン子ちゃん」ぐらい電波的なのはなかったですし、「I knew the end of love」みたいな失恋曲も今まで歌ったことがなかったので。なので、結構新しいタイプのことが詰まった1枚になっているとも思いますね。
――表題曲「NOISY LOVE POWER☆」は『魔法少女 俺』のOP主題歌となっていますが、この作品にはどのような印象をお持ちですか？
大橋 いやぁ、「ぶっ飛んでんなぁ」っていう感じですね。男子が女子になっちゃう作品は聞いたことがあるんですけど、女子が男子に変身して、かつムキムキになるっていうのはあんまり聞いたことがなかったので、こんなに面白い作品をアニメ化するっていうのはすごく楽しみだなぁって思いました。
――大橋さんは卯野さき役としても出演されていますが、演じていくなかで作品と「NOISY LOVE POWER☆」との繋がりを感じた部分はありますか？
大橋 基本的には全部さきちゃんだったり、それぞれのキャラクターの愛の気持ちみたいなものがしっかり表現されていると思うんです。「愛のパゥワ～で 君を守るのさ」っていう部分からもさきちゃんが（御翔）桃拾ちゃんを守りたいっていう強い気持ちを感じられて、本当に作品に寄り添った歌詞になってるんですよね。
――では今度は、楽曲自体の最初の第一印象をお教えいただきたいのですが。
大橋 すごい好きなタイプだな、って思いました。ロックでギターがすごいじゃかじゃか言っるし、あとキーも高かったりと自分の好きな要素がいっぱい詰まってる曲なんですよ。高いからライブで歌うのは大変そうだなとは思いましたけど、メロディラインがエモーショナルな感じなので、すごくいいなって思いましたね。
――少し「ENERGY☆SMILE」も連想するようなサウンド感で。
大橋 たしかに。お互いブラスが入ってますし、ロックで、両方生で音も録っているので似てると思います。でも向こうが笑顔だったらこっちは歌詞通り“愛のパゥワ～”っていう感じで、また違う力を感じました。
――となると、そこに乗る感情もまたちょっと変わってくる。
大橋 はい。「NOISY LOVE POWER☆」のほうが、ちょっとかっこいい要素が強いかな？という感じはします。やっぱりちょっと戦っている感じの歌詞なので、より感情の高ぶりも含まれてるんじゃないかなって思うんですよね。
――歌っているときも、ご自身でそういった感情の波は感じましたか？
大橋 そうですね。A・Bメロは基本かわいく普通の女の子みたいな感じで歌ったんですけど、サビでは変身をイメージして、ちょっと強い感じにしまして。で、落ちサビはとにかくめちゃめちゃエモく歌おう……みたいな流れは作っていました。
――そのなかで、ボーカルで印象的だったのがDメロの部分でして。
大橋 Dメロは難しかったです。「SOSアリガトね！」っていう部分のピッチが上手く録れなくて、めっちゃ録り直しました（笑）。
――そこから後半にかけての歌声が、いたずらっぽい感じがして特にいいなと思ったポイントでした。
大橋 あー……それは自然にやってたかもしれないです。「ピッチ合わせよう」って頑張ったところだったので（笑）、自然に気持ちが乗ってきたのかもしれないですね。
――また、この曲は追っかけの部分も多いので、ライブで歌ったときのお客さんの反応も楽しみなところだと思います。
大橋 そうですね。先日“ANIMAX MUSIX 2018 OSAKA”で初披露したんですけど、そのときは最初は、歌詞でカッコになってる部分はMVを観てくださった方だけが対応してくださっていた感じだったんです。でもだんだん皆さん慣れてきたのかその部分も歌ってくださるようになっていって、「やっぱ皆さん訓練されてるなぁ」って思いました。
――その他、初披露のときのお客さんの反応はいかがでした？
大橋 コールもすごくしていただきましたし、ペンライトがピンクになってて「さきちゃんっぽい色だなぁ」と思いました。5月のライブでも絶対に歌うので、皆さんには楽しみにしていただきたいです。
――そのときは、どういうふうに見せたいですか？
大橋 魔法少女って高いところから現れるイメージがあるので、ステージの二階とかちょっと高いところで歌ってみたいです。ただ、最初のほうに歌うか最後のほうに歌うかは悩みますね。やっぱり盛り上がる曲なので、セトリの配置には悩みますね。
――そして“彩香盤”には「NOISY LOVE POWER☆」のMVも収録されますが、吹き出しなどがでてくるところはデビューシングル「YES!!」を彷彿とさせるものがありました。
大橋 あの吹き出しは、スタッフさんが頑張ってタイミングよく出してくださっているんですよ。今回のMVはスタッフさんとの共同作業がすごく多くて、ぬいぐるみとか物を投げたりするシーンとかもほとんど人力なんです。だからみんなのタイミングが合わないと撮り直し、みたいなのが結構多くて、チームの絆がより深まった感じがしました（笑）。
――MV中ではインドアな姿とボクシングをする格好と、ふたりの大橋さんが登場しますね。
大橋 「鏡の前じゃ冴えないわたし」っていう歌詞通りに鏡の前にいる冴えない女の子が、飴を舐めると強い女の子に変身して戦う……っていうコンセプトなんです。なので序盤に変身したあとは、ずっとボクシングの格好です。
――そのとき着ているビブスが23番なのは、やっぱり年齢と同じ番号だからなんですか？
大橋 あ、なんか偶然だったらしいんですよね。
――えっ、そうなんですか!?
大橋 そう。スタイリストさんがちょうど見つけてきたビブスが、あれだったらしいんですよ。
――その他衣装も、ブルーとイエローが特に印象に残るポップな色合いで。
大橋 そうですね。MV自体の色合いも結構ビビッドな感じだったので、衣装も割とスポーティーで、かつかわいいという衣装にしていただきました。
――そしてカップリングなのですが、まず電波曲のような「イカはイカすぜ☆クラーケン子ちゃん」には驚きました。
大橋 この曲はイカスミパスタの曲なんですけど、元々「パスタの曲を作りたい」とは思っていまして。それを今回カップリングに入れられることになったので、「どうせだったらIOSYSさんに作ってほしい」と思ってお願いしたらOKをいただいて、「やったー！」ってなりました。
――IOSYSさんの曲は、元々お好きだったんですか？
大橋 ニコ動とかにハマッてた頃に、東方の曲とかを聴いたりしてました。『アイドルマスター シンデレラガールズ』で書かれた「メルヘンデビュー！」も聴いて「やっぱりすごいなぁ」って思っていたので、いつかお願いしたかったんですよ。「電波っぽい感じ」というのも私のリクエストだったんですけど、本当に電波で面白い、今までの大橋彩香にはない曲をいただけたのでうれしかったです。
――一方サウンドに目を向けると、結構トロピカルな感じもして。
大橋 そうですね。オケはすごく豪華だしすごくしっかりしてるんですよ。歌詞はやっぱりすごくぶっ飛んでるんですけど、ちゃんと「シーフード苦手なんです！」っていうセリフで、私との矛盾もないようにしてくださっています。
――そしてもう1曲のカップリング「I knew the end of love」ではまたガラリと雰囲気の変わって、切ないオトナな曲です。
大橋 そうですね。今までバッドな想いの曲はなかったのですごく新鮮ですし、これからさらに年齢を重ねていくなかで、こういう曲があるのは今後の音楽活動に対してもすごくいいんじゃないかな、って思います。
――曲を聴いて、歌うときのビジョンとしてはどのようなものが浮かびましたか？
大橋 仮歌を聴いたときに、この曲はちゃんと発声して歌うというよりは、普段会話してるときに近い感じで歌うとすごくしっくりくるかなというイメージがありました。そういうミックスやファルセットを使った歌い方はもうちょっと極めていきたいですし、フェイクの部分もあるのでそういう歌い方を練習できる曲じゃないかな、って思っています。
――ライブでも、見せ方の工夫のできそうな曲ですよね。
大橋 そうですね。またバンドでやると思うので……照明もちょっと暗めな、オトナな感じにしてほしいですね。それであまり表情を見せない感じにしたら面白いんじゃないかな？って思います。
――ライブといえば、5月27日にはパシフィコ横浜でのライブを開催されます。
大橋 まだ、セトリも何も決まってないんですよ（笑）。とりあえず新しく加わるアルバムとシングルの曲はやって、あとは皆さんの大好きな既存曲をやって……という感じになるのかな、とは思っています。
――ワンマンとしては最大規模のライブですね。
大橋 しかもソロだとホールライブ自体が初めてなんですよ。だから今まではずっと「オールスタンディングが苦手だから行けなかった」っていう方も来れると思うので、そういう意味でも初めてライブを観てくださる方も多くなるライブになるのかなと思っています。そういう方に、「またライブ、行きたいな」と思ってもらえるようなものにしたいですね。
――ちなみに、ライブ前に発売されるアルバムには、新曲は何曲入るんでしょう？
大橋 7曲入ります。みんなで会議をして曲ごとにざっくりしたテーマを決めて、そこから「誰にお願いしよう？」っていうところまで相談して決めました。それと、ずっとお世話になりたいなと思っていたオーイシマサヨシさんに、リード曲を作っていただいたんですよ！ずっとファンだったので、めちゃめちゃ嬉しかったですね。
――昨年の“はっしーバースデー”でも、とても楽しそうに「君じゃなきゃダメみたい」を歌われていましたし。
大橋 そうなんです！なんなら大阪でのANIMAX MUSIXでもPoppin’Partyでコラボをさせていただいて、その曲のドラムも叩かせていただいたんですけど。
――そのリード曲は、どのような曲になりそうですか？
大橋 『PROGRESS』っていうアルバム名に合わせて、自分がこれから進化していく感じとかを歌詞にしていただきました。まだ1サビだけの仮歌をいただいた段階なんですけど、時計の針が時を刻んでいくようなイメージがある曲なので、シングルはもちろんアルバムも楽しみにしていていただけたらうれしいです！
Interview & Text by 須永兼次
●リリース情報
「NOISY LOVE POWER☆」
4月18日発売
【彩香盤（CD＋DVD）】
品番：LACM-14738
価格：￥2,000＋税
【さき盤（CDのみ）】
品番：LACM-14739
価格：￥1,300＋税
＜CD＞
1. NOISY LOVE POWER☆ (TVアニメ『魔法少女 俺』OP主題歌)
作詞：こだまさおり 作曲・編曲：本多友紀 (Arte Refact)
2. イカはイカすぜ☆クラーケン子ちゃん
作詞：狐夢想 (COOL&CREATE) 作曲・編曲：ARM (IOSYS)
3. I knew the end of love
作詞・作曲：川崎里実 編曲：佐々木裕
4. NOISY LOVE POWER☆ (Off Vocal)
5. イカはイカすぜ☆クラーケン子ちゃん (Off Vocal)
6. I knew the end of love (Off Vocal)
＜DVD＞
「NOISY LOVE POWER☆」MV＋メイキング映像
大橋彩香 2ndアルバム
『PROGRESS』
5月23日発売
【初回限定盤(CD+BD+40Pフォトブック)】
品番：LACA-35719
価格：￥4,500＋税
※初回限定盤のみ三方背ケース付き
【通常盤(CDのみ)】
品番：LACA-15719
価格：￥3,000＋税
＜CD＞
1.シンガロン進化論
作詞・作曲・編曲:大石昌良
2.Maiden Innocence
作詞:磯谷佳江 作曲:山田高弘 編曲:齋藤真也
3.Break a Liar
作詞:Yu-ki Kokubo 作曲:Kohei Yokono,Yu-ki Kokubo 編曲:Kohei Yokono
4.ユー&アイ
作詞:中村彼方 作曲・編曲:秋浦智裕(onetrap)
5.希望フォトグラム
作詞:真崎エリカ 作曲・編曲:板垣祐介
6.ハッピーメリーゴーランド!
作詞:真崎エリカ 作曲・編曲:本多友紀(Arte Refact)
7.うたたねのラブソング
作詞:濱名 琴(onetrap) 作曲:秋浦智裕(onetrap) 編曲:伊藤 立(onetrap)
8.彩りPlace
作詞:rino 作曲:廣澤優也 編曲:藤井亮太、廣澤優也
9.バカだなぁ
作詞・作曲・編曲:秋浦智裕(onetrap)
10.ワガママMIRROR HEART
作詞:真崎エリカ 作曲:加藤裕介 編曲:酒井拓也(Arte Refact)
11.Sentimen-Truth
作詞:田淵智也 作曲・編曲:佐藤純一(fhána)
＜BD＞
1.シンガロン進化論 Music Video
2.シンガロン進化論 Music Video Making
3.ジャケット撮影 Making
4.フォトブック撮影 Making
●ライブ情報
「大橋彩香 Special Live 2018 ～PROGRESS～」
5月27日(日)16:00開場/17:00開演
会場:パシフィコ横浜 国立大ホール
SHARE
