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REPORT

2018.04.14

LiSA初のアコースティック・ワンマンライブ!“LiVE is Smile Always~FUN&FANFARE~[Acoustic Time]”レポート

LiSA初のアコースティック・ワンマンライブ!“LiVE is Smile Always~FUN&FANFARE~[Acoustic Time]”レポート

LiSAワンマン史上、初めてのアコースティックライブを東京・TOYOSU PITで開催する。そのニュースを聞いたときのワクワクとした心持ちは、4月7日(土)、地下鉄豊洲駅から会場まで続くLiSAッ子たちの軽やかな足取りを見て、再びじわじわと湧き上がってきた。ふだんはスタンディングのオーディエンスで埋め尽くされているTOYOSU PITのフロアが、この日だけはパイプ椅子が並べられているのも新鮮だが、ステージセットを目にするとさらにテンションが上がる。幾重にもフリル状のドレープが重ねられた赤のカーテンの前には華やかなシャンデリアが吊り下げられ、紫のスポットライトを浴びてほのかな光を放っている。ビッグバンドが奏でるジャジーなBGM。静かな面持ちでバンドメンバーがステージに揃い、演奏を始める。「LiVE is Smile Always~FUN&FANFARE~[Acoustic Time]」の幕開けだ。

今日のバンドは、ドラム、ベース、アコースティック&エレキギター、ピアノ、女性パーカッション&コーラスの5人編成。バンドメンバーもシックなモノトーンの衣装を着込んでいる。演奏が途切れたところで、真っ白なロングドレス姿のLiSAが、静かにステージ中央へと歩み寄る。一斉に湧き上がる歓声と大きな拍手。スッとブレスして「TODAY」のサビの一節を朗々と歌い上げ、「ようこそ、LiVE is Smile Always~FUN&FANFARE~[Acoustic Time]へ!」とおなじみの挨拶を放つと、全員が「ピース!」の声で応える。そこから始まった1曲目は、軽やかなアコースティックサウンドと美しいハーモニーが、春らしさを演出する「No More Time Machine」。伸びやかな歌声が、いつものワンマン以上に心に響く。LiSAのキラキラした笑顔も眩しい。

「無音でメンバーが出てきて、どうした?って感じだと思うんですよね。いつもとは違う装いで」とLiSAが話出す。「豊洲、座ってるの初めて見たけどすごいね!」と感心しながら、会場の隅々に手を振って「ここにいる全員がアコースティックライブ初めて。なので、今日はみんなと“初めて”をたくさん作っていきたいなと思います」と語りかけるLiSA。今回のライブは、「私の大好きな曲たちの、音楽とメロディーと空気と隣の人との温度感を、このまま全部受け取ってほしいと思って」作ったもの。みんなと一緒に作り上げたいと言葉を紡ぐ。そして大きく「ふぅーーー!」と声を挙げ、「なんか、足、隠れてるのキンチョーするぅ!」と笑いながらも、「中身はいつもと同じLiSAでございます!」と宣言。「アコガレ望遠鏡」~「シルシ」までを一気に掛けていく。

アコースティックでアレンジされた楽曲たちは、原曲のテイストを活かしながらも新鮮な響きを放つ。「アコガレ望遠鏡」や「Little Braver」のようなポップ色の強い曲はより艶やかさを増し、「Catch the Moment」はよりドラマティックに。そして「シルシ」はより感動的に耳を襲う。ふだんは、濃密に構成されたトラックがLiSAのパワフルな歌唱をサポートしているが、音数が少ないはずのアコースティックアレンジなのに一層エモく感じるのは、彼女自身が深い熱情に満ちているからだ。「おしとやかに」と言っていたLiSAも、身体全体でリズムを刻み、エモーショナルな歌声で空気を揺らす。

「いつもとは違うけど、みんなからすごく……」と言うべき言葉に悩んだLiSAは、「あー、すごくクサいこと言っていい?……愛情を感じてます!」と照れくさそう。4月ということで、客席には入学式を終えてここに駆けつけたファンもいて、みんなから「おめでとう!」の声が飛ぶ。そんな温かさも、LiSAとファンの絆があってこそだ。そんな新しいスタートの時期に似合う曲を、と曲に込めた想いを語り、セレクトされた6曲目は新曲の「ハローグッデイ」。美しいピアノとアコースティックギターの爽やかな音色に乗る、柔らかなLiSAの声。みんなで合唱した♪ラララの歌声が、胸に染みた。

そしてここで、LiSAがサプライズゲストのカヨコを呼び、カヨコ作曲による人気ナンバー「DOCTOR」をブルージーでリズミカルなドラムレス・アレンジでデュエット。ソウルフルなカヨコの声が、いつもの「DOCTOR」にはない一面を照らし出した。歌い終わって、「めっちゃ重い」「情念がすごい」と笑う2人。「DOCTOR」は「シルシ」や「Thrill, Risk, Heartless」など多くの楽曲を提供しているカヨコから一番最初にもらった曲。カヨコは大阪で何度もLiSAのライブを観ていたそうで、LiSAもカヨコの大ファン。仮歌を聴いて驚いた「本物の〈DOCTOR〉をみんなに聴かせたかった!」と、2人の思い出を語り合っていた。

カヨコが置いていった“濃い情念”を引き継ぎ、ハイチェアに座って次に披露されたのは「罪人」。シリアスな熱唱に、客席はじっと聴き入る。そして先ほど登場したカヨコ提供の最新曲「Thrill, Risk, Heartless」へ。ミドルテンポながらアタックの効いたアレンジとLiSAのアクティブなアクションが、楽曲の大きなスケール感をあぶり出す。

「カッコいい曲をアコースティックバージョンで聴いてもらっていますが、カッコいい曲、まだあるじゃん? 」せっかくなら、一緒に歌いたいじゃん?」と招き入れた2人目のサプライズゲストは……シドのマオ! 驚きの声に迎えられたマオは、黒のジャケットとパンツをクールに着こなし、「あの曲……〈ASH〉ですよね?」とニッコリ。4月4日にリリースされた『SID Anime Best 2008-2017』に、シドのマオ&明希がLiSAに楽曲提供した「ASH」のシドバージョンが収録されたタイミングを記念して、一緒に歌おうという企画のようだ。妖艶なマオの歌声と、マオに合わせて低音を響かせるLiSA。ラストのサビでは、2人がハーモニーを響かせ、LiSAバージョンにもシドバージョンにもない新たな魅力を見せつけた。「ありがとう!」と言ってステージから颯爽と去ったマオの後ろ姿に、LiSAは身体をねじりながら「カッコいいー!」と絶叫。「〈ASH〉でこんなハーモニーが作れるんだと、初めて歌ったときに興奮しました」と感想を述べていた。

ここまでは、LiSAナンバーの作詞・作曲に関わった人物が登場したが、次のゲストはどうやら様子が違うよう。LiSAがいたずらっ子のような顔で、「大好きなので呼んじゃいました!May’n!!」と3人目のサプライズゲストをコールすると、割れんばかりの大歓声が。白のミニドレスを着て登場したMay’nMay’nに、「一緒に歌う人を声を重ねたくて作家さんがいいなとお呼びしてたんですけど……May’nちゃんは、呼ばないと始まらないからね!」とLiSAが言うと、May’nも「うれしい!」と弾けるような笑顔になる。そして披露されたのは、May’nもよくカラオケで歌っているという「oath sign」。ゆったりとした曲調にアレンジされたこの曲を、力強く歌い上げる2人のパフォーマンスは、楽曲を一層ドラマティックに彩る。歌い終えて「イエーイ!」とハイタッチを交わしたLiSAとMay’nのオチャメな仕草に、ほっこりさせられた。

「すごいことがいろいろ起きましたね! ここからはみなさんの力を借りる番ですよ、いいですか?」とLiSA が手拍子を煽り、「ハートを作るヤツです」と言って「say my nameの片想い」がスタート。座ったままながら、みんなの手から、たくさんの愛がLiSAに飛ばされる。オープニングで“今日はおしとやかに”と言っていたLiSAはどこへやら。スカートの長い裾をつまんでステップを踏み、続く「そしてパレードは続く」では、「いいや、もう立っちゃおうぜ!」とオーディエンスを煽って、コール&レスポンス。メンバー紹介を交え、ブルースハープを吹いて、ステージの上手、下手を楽しそうに行き来する。オーディエンスも、笑顔いっぱいにLiSAと一緒に大声で歌い、歓声を挙げる。そのまま、元気な手拍子は「Rally Go Round」へ。みんながくるくると指を回し、LiSAがドレスのままでぴょんぴょんと飛び跳ねて、全員で大合唱。LiSAがジャンプして叫んだ「サイコー!」の声が、本当に楽しそうだ。

「なんか激しくなっちゃいましたね。こんなアコースティックライブで汗をかくはずじゃなかったのに」と汗をぬぐう。ここで改めて、5月9日リリースの『LiSA BEST -Day-』『LiSA BEST -Way-』について「何度も読みたい本のような、何度も観たい映画のような、ずっと大事にしたい宝物のようなアルバムにしたいと作りました」と語るLiSA。このアコースティックライブも、大好きな音楽を違う形でみんなと楽しみたいと企画されたという。「大好きな曲を育ててくれたみんながいたから、作れた今日だと思います」と気持ちを伝えて、本編最後を飾ったのは、オープニングでも歌われていた「TODAY」。LiSAが音楽を志した頃からの想いと、遠かったはずの夢を叶えた自分を自叙伝のように紡いだこの曲。かけがえのない思い出に満ちた“今日”この日を、忘れられないものにしてくれた。

アンコールの大きな声に応えて、LiSAとバンドはもう一度ステージへ。「アコースティックタイム、どうでしたか? 新しく好きになった曲があったらいいなと思うんですけど、どうですか?」と語りかけるLiSAに、「あった!」「ありがとう!」と声が寄せられる。そしてマイクスタンドを自分の前に立て、「ギターを頑張った曲があるので、歌ってもいいですか?」と、スタッフが持ってきた鮮やかな深紅のアコースティックギターを持つ。「これ、(LiSAの地元の)岐阜県から持ってきたんやで?」と紹介したオリジナルギターは、岐阜県のギターメーカー・ヤイリギターに作ってもらったもの。「どうしてもこの曲はアコースティックギターを弾きたくて、みんなと一緒に歌いたくて作った曲です。わー緊張する!」と、力強くストロークを刻み出した曲は「ONLY≠LONELY」だ。そして、ワンコーラスを歌い終わったところで、大きな声で最後のサプライズゲストを呼び、ステージに姿を見せたのは、この曲の作曲者・小南泰葉。現在はシンガーソングライターとしてのソロ活動を休止中の彼女を「おかえりー!」とLiSAが迎え、2人がデュエット。マイクを外したLiSAが「もっと!」とオーディエンスに声を求め、大合唱が続いた。

最後はゲストがステージに揃い、みんなが「楽しかった」と感想を述べる。全員で記念写真を撮ってゲストを送り出した後、最後に届けられたのは「best day, best way」。希望に満ちたLiSAの歌声とファンの掛け声が溶け合った、幸せとサプライズいっぱいの「LiVE is Smile Always~FUN&FANFARE~[Acoustic Time]」。「2回目もやりたいなぁ!」と、曲のラストでつぶやいたLiSAの想いは、この日集まったみんなの気持ちと、しっかりと重なった――。

Text By 阿部美香
Photography By 上飯坂一

LiVE is Smile Always~FUN&FANFARE~[Acoustic Time]
2018年4月7日(土)【東京】豊洲PIT
<セットリスト>
M1:No More Time Machine
M2:アコガレ望遠鏡
M3:Catch the Moment
M4:Little Braver
M5:シルシ
M6:ハローグッデイ
M7:DOCTOR(ゲストVo:カヨコ)
M8:罪人
M9:Thrill, Risk, Heartless
M10:ASH(ゲストVo:マオ(シド))
M11:oath sign(ゲストVo:May’n)
M12:say my nameの片想い
M13:そしてパレードは続く
M14:Rally Go Round
M15:TODAY
(アンコール)
M16(En1):ONLY≠LONELY(ゲストVo:小南泰葉)
M17(En2):best day, best way


●リリース情報
『LiSA BEST -Day-』

5月9日発売

【初回生産限定盤(CD+BD)】
品番:VVCL-1218~1219
価格:¥4,500+税

【初回生産限定盤(CD+DVD)】
品番:VVCL-1220~1221
価格:¥4,000+税

【通常盤(CD)】
品番:VVCL-1222
価格:¥3,000+税

<CD>
1.Rising Hope(「魔法科高校の劣等生」OP)
2.crossing field(「ソードアート・オンライン《アインクラッド》編」OP)
3.だってアタシのヒーロー。(「僕のヒーローアカデミア」ED)
4.シルシ(「ソードアート・オンライン《マザーズ・ロザリオ》編」ED)
5.AxxxiS(「クオリディア・コード」2nd OP)
6.Empty MERMAiD
7.ジェットロケット
8.BRiGHT FLiGHT
9.traumerei(「幻影ヲ駆ケル太陽」OP)
10.L.Miranic
11.ID(ゲーム「電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION」主題歌)
12.LiTTLE DEViL PARADE
13.WiLL~無色透明~
14.Believe in myself

<BD/DVD>
2017年6月24日、さいたまスーパーアリーナにて開催された「LiVE is Smile Always~LiTTLE DEViL PARADE~」ライブ映像本編前半から11曲を収録!

01.LOSER ~希望と未来に無縁のカタルシス~
02.L.Miranic
03.crossing field
04.Merry Hurry Berry
05.ミライカゼ
06.say my nameの片想い
07.Peace Beat Beast
08.オレンジサイダー
09.the end of my world
10.Empty MERMAiD
11.Psychedelic Drive

『LiSA BEST -Way-』

5月9日発売

【初回生産限定盤(CD+BD)】
品番:VVCL-1223~1224
価格:¥4,500+税

【初回生産限定盤(CD+DVD)】
品番:VVCL-1225~1226
価格:¥4,000+税

【通常盤(CD)】
品番:VVCL-1227
価格:¥3,000+税

<CD>
1.Catch the Moment(「劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-」主題歌)
2.Thrill, Risk, Heartless(ゲーム「ソードアート・オンライン フェイタル・バレット」主題歌)
3.oath sign(「Fate/Zeto」1stシーズンOP)
4.ASH(「Fate/Apocrypha」2ndクール OP)
5.Rally Go Round…「ニセコイ:」OP
6.ハローグッデイ(丸井グループ 「マルコとマルオの7日間」アニメーションCM「猫がくれたまぁるいしあわせ」タイアップ)
7.No More Time Machine(「ソードアート・オンライン《キャリバー》編」ED)
8.Hi FiVE!
9.コズミックジェットコースター
10.Brave Freak Out(「クオリディア・コード」1st OP)
11.ROCK-mode’18
12.Mr.Launcher
13.Believe in ourselves
14.best day, best way

<BD/DVD>
2017年6月24日、さいたまスーパーアリーナにて開催された「LiVE is Smile Always~LiTTLE DEViL PARADE~」ライブ映像本編後半から10曲を収録!

01.キモチファクトリー
02.そしてパレードは続く
03.Believe in myself
04.シルシ
05.LiTTLE DEViL PARADE
06.コズミックジェットコースター
07.ROCK-mode
08.Rising Hope
09.Catch the Moment
10.TODAY

LiSA、初のベスト盤2タイトルを合体させた、超豪華パッケージも同時リリース!!
『LiSA BEST -Day- & LiSA BEST -Way-』
【完全数量生産限定盤(2CD+BD+T-shirt)】
品番:VVCL-1228~1231
価格:¥11,111+税

「LiSA BEST-Day-」通常盤CD(VVCL-1222)+ 「LiSA BEST-Way-」通常盤CD(VVCL-1227)+ライブ映像Blu-ray+LiSAのロック性とファッションアイコン性を象徴するアイテム、「LiSA BEST -Day- & LiSA BEST -Way-」特製の限定ビッグTシャツ同梱!

<CD>
「LiSA BEST -Day-」「LiSA BEST -Way-」通常盤CDを1つのパッケージに同梱!

<BD>
2017年6月24日、さいたまスーパーアリーナにて開催された「LiVE is Smile Always~LiTTLE DEViL PARADE~」ライブ映像全編21曲に加え、アンコールで演奏された「だってアタシのヒーロー。」「best day, best way」の2曲も収録した、完全版ライブBlu-ray!

●ライブ情報
日本国内ライブハウスツアー
「LiVE is Smile Always~FUN & FANFARE~」
4月14日(土)Zepp Nagoya(愛知)
4月15日(日)Zepp Osaka Bayside(大阪)

アジアツアー「LiVE is Smile Always~ASiA TOUR 2018~[eN]」
日本国内公演
6月14日(木)・15日(金) 日本武道館(東京)
6月30日(土)・7月1日(日) 大阪城ホール(大阪)

海外公演
7月21日(土)シンガポール・8月11日(土)・香港 8月18日(土)台北(台湾) AND MORE!

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