INTERVIEW
2018.02.28
声優およびシンガーとして活躍する村川梨衣が、2ndアルバム『RiESiNFONiA』を2月28日にリリースする。「Tiny Tiny」「水色のFantasy」「Night terror」などのシングル曲を含む全12曲を収めた本作。1stアルバム『RiEMUSiC』で多く聴かれたスウィートなポップソングから、よりロック色を強めたカッコイイ系の楽曲まで、幅広いサウンドと多彩な表情の歌声が楽しめる一枚となっている。100パーセントの形をめざしてどこまでも進化を続ける〈RiEMUSiC〉の魅力に迫るべく、本人に話を聞いた。
――ついに2ndアルバムが完成しましたね。タイトルの『RiESiNFONiA』にはどんな思いが込められてるのでしょうか？
村川梨衣 このタイトルには実はまったく意味がないんですよ（笑）。自分でタイトルを付けたんですけど、……『RiESiNFONiA』だな」という感じでインスピレーションで決めました。
――サウンド的には前作の『RiEMUSiC』よりもロック色の強い曲が増えた印象ですが、
どんなアルバムにしようと思って作られたのですか？
村川 我々としては前作から方向性を変えたつもりはなくて、今まで通りに作っていったらこうなった感じで、特にアルバム全体のコンセプトとかも設けてないんです。なので、自分からやりたいことをリクエストさせていただいた曲だったり、ディレクターさんからご提案いただいた楽曲を、1曲ずつ考えて作っていったものという感じですね。
――――華やかで開放感のある「帰れない場所へ」がアルバムのリード・トラックに
なっています。
村川 そこはディレクターさんの提案で決まったことなんですけど、デモの段階から「めっちゃ最高な曲じゃん！」ってわかるぐらいには最強の曲だったので、リード曲にふさわしいと思いました。この曲はもともと今よりもポップな雰囲気でギターもアコギがメインだったんですけど、私からリクエストして今の形にしてもらったんです。（作曲・編曲を手掛けた）持田（裕輔）さんも本当に素敵な方で、私の意図を汲んでくださって、そこからブラッシュアップしていただきました。
――「過ぎ去った時間」を「帰れない場所」と称して思い返す感情が表現されていて、甘酸っぱくも切ない雰囲気のある楽曲になっていますね。
村川 本当に素敵な曲なんです！これはなかなか言葉にできない感情だと思いますね。もちろん懐かしい気持ちになったり、ちょっと切ない気持ちになったりというのはあると思うんですけど、そこを抜きにしても「何なんだろうこの感情は？」というような……やっぱりすごいんですよねえ。持田さんも（作詞を担当した）大西（洋平）さんも本当にすごい方々だと改めて思います。
――例えば歌うときに自分の感情や思い出を重ねたりはしましたか？
村川 いいえ、ありません（キリッ）。
――そんなドヤ顔で言われても困りますが（笑）。では、この曲を歌うにあたってどう表現するように心がけたのでしょうか？
村川 私の場合はどの曲でもそうなんですけど、インスピレーションを大切に歌ってるので、曲の雰囲気を受けてそのまま歌う感じでした。
――この楽曲はMVも撮影されてますけど、実際の学校で撮影されてますよね。久しぶりに学校に足を踏み入れて懐かしい感覚を覚えたのでは？
村川 その辺は私に年齢の概念がないので何とも言えないんですけど（笑）、「帰れない場所へ」という曲のイメージがより見えやすくなるMVになったと思います。素敵な映像にしていただいて、映像チームの皆さんにも感謝です。
――自然光を使った映像や清楚な衣装の効果もあってか、村川さんの美少女感が際立っているように思います。
村川 ええっ！本当ですか！？うれしいー！そういうふうに言っていただけるなんて、あの……映像チームの皆さんに感謝です。
――大事なことなので二度言われましたね（笑）。さて、アルバムにはそのほかにも様々なタイプの新曲が収録されてますが、すでにライブでも披露されてる「レクイエム –
Requiem-」は、これまでになくハードなロック・チューンになっています。
村川 この曲は昔々に「りえしょんオーディション（曲選び）」で出会った曲なんです。なのでどんなテーマで選んだのかはもう忘れてしまったんですけど、カッコ良くて皆さんにもいち早く聴いてほしい曲だったので、ライブでもやらせていただいてるんです。
――疾走感のあるアレンジで、ライブでの盛り上がりもすごいですよね。
村川 大人気でむちゃくちゃすごいんですよ！ありがたいことに、歌ったら歌った分だけ感想がブワッと届きます。ただ、まだライブでしか歌ったことがないので、曲の存在自体は知っててもまだ聴いたことのない方がたくさんいらっしゃるんですよ。なので、このアルバムを聴いて「やっと聴けた！」と思われる方も多いんじゃないかと思います。とにかく大人気の曲ですね。
――自分もライブで初めて拝見したときは、いつもの村川さんとは一味違うカッコイイ雰囲気に痺れた記憶があります。今回のアルバムにはそういった〈カッコイイりえしょん〉の魅力を味わえる曲がたくさんあるように思いまして。バイオリン入りの耽美なロック「月のlx（ルクス）」もそんな楽曲のひとつだと思いますが、いかがですか？
村川 これも曲がカッコイイですものね。私の中でイメージがあった曲なんですけど、天才の坂部（剛）さんがほぼそのイメージ通りのめちゃくちゃカッコイイ曲を書いてくださって。そこからもう少しリクエストさせていただいて今の形になったんですけど、イメージ共有率が95パーセントで「ほぼほぼ共有できてる！天才！」ってなりました
（笑）。
――この曲は歌詞の世界観も少し幻想的というか詩的な内容ですね。
村川 そうなんですね。皆さんからいただいた感想を見てもそうおっしゃる方もいました。私がやってるラジオ番組（『村川梨衣の a りえしょんぷり～ず』）で、番組の作家さんが私の曲に架空のアニメタイアップをつけるのが流行ってるんですけど、この「月のl x」も『月面のガングニール』という架空のアニメのタイアップに決まったんですよ。今年の秋に放送予定です（笑）。
――ハハハ（笑）。そのアニメにはもちろん村川さんも出演されるんですよね？
村川 私が主人公です。もしかしたら登場人物すべて私なのかもしれませんけど（笑）。
――ちなみに、その「月のlx」から「Bright」「辿り着く物語は」と続く3曲には〈RiE〉という名前が作詞・作曲でクレジットされてますけど、これは村川さんご本人なのでしょうか？
村川 これが実は私ではありません。まったく別の方でRiEさんという方がいて、今回、作詞と作曲で参加していただいたんです。でも非常にすごい方で、ちょっと天才かなっていう感じはありますね（笑）。
――そうだったんですね。「Bright」はオーケストラとクワイアをフィーチャーした厳かな楽曲で、これまた今までにない感じだったのでビックリしました。
村川 この曲は私もめちゃくちゃいいなあと思いました。壮大さもそうですし、世界観がすごくて。私から曲のイメージをお伝えしてたんですけど、私が思い描いてた着地点とは少し違う部分もありつつ、でもこれはこれとして「めちゃくちゃいい！」という曲にしていただきました。
――おふたりにはどんなイメージを伝えたのでしょうか？
村川 それは秘密です（笑）。
――ガードが堅いですね（笑）。個人的にこの曲は厳粛なサウンドに浮かぶ村川さんの儚くも力強い歌声が素晴らしくて、苦難に立ち向かう聖女のような印象を受けました。
村川 カッコイイですねー、うれしい！ 私としてはそのイメージはなかったですけど、そう言っていただけるのはうれしいです。みなさんにもそういうふうに見えていてほしいですね。
――続く「辿り着く物語は」も勇ましい曲調で、歌詞の内容も中世風のファンタジー世
界っぽい内容ですね。
村川 この曲は私からイメージを伝えさせていただいて出来た曲なんですけど、最終的な終着点は最初のものとは違っていて、そこからインスピレーションを繋げていったときに「これは曲が主役だな」と思って歌ったんです。自分はあくまでも曲の一部でしかないという気持ちで、楽曲自体を大々的にプッシュしてる曲ですね。
――そういう感覚は曲によって変わってくるのですか？
村川 そうですね。曲によりけりです。
――逆にこのアルバムの中で自分が前面に出てる曲は？
村川 うーん……そう思ったり考えたことがそもそもないですね。
――先ほど〈どの曲もインスピレーションを大切に歌ってる〉とおっしゃってましたけど、歌い方も楽曲のテイストに合わせて変化してるように感じます。そこは例えば、声優としてキャラを演じるのと近しい感覚があるのでしょうか？
村川 そうですね。声優のお仕事に置き換えて言うと、キャラによって声が違うのと近い感覚だと思います。例えば同じ黒髪でロングという特徴の女の子がいたとしても、性格とか雰囲気は違うじゃないですか。もし多少性格が似通ってたとしても、その子はその子でしかないから、絶対同じ人にはならないんですよ。感情もしゃべり方も違うはずなので。だからその子の声というのと同じイメージってことですかね。
――声優としてキャラクターを第一に考えることと、歌手として音楽を第一に考えるということが共通してあるんですね。それが村川さん自身の表現者としてのスタンスというか。
村川 表現がしたいので、だからその表現の先にある〈表現すべきもの〉に重きを置くというか、重視したいんでしょうね。
――今回のアルバムでは、ご自身の納得のいく表現ができましたか？
村川 そうですね。まだサウンド面において100パーセントだとは思ってないんですけど、でも1stアルバムのときよりもだいぶ私の意見を反映していただいたり、こだわらせていただいたところが増えたので、より純度の高いものになったと思います。それを支えてくれたチームのみなさんには本当に感謝ですね。
――まだ100パーセントではないということは、今後も新しい〈RiEMUSIC〉を期待しても大丈夫ですか？
村川 もちろんです！まずは絶対にこのアルバムを聴いてください！
Interview＆Texy By 北野創
●リリース情報
村川梨衣 2nd アルバム
『RiESiNFONiA』
2018年2月28日発売
【初回限定盤A（CD＋Blu-ray）】
品番：COZX-1414/5
価格：￥5,000＋税
【初回限定盤B（CD＋DVD）】
品番：COZX-1416/7
価格：￥4,000＋税
【通常盤（CD）】
品番：COCX-40277
価格：￥3,000＋税
＜CD＞※全Type共通
1.Graceful
作詞：金子麻友美 作曲：羽岡佳 編曲：佐藤清喜
2.水色のFantasy
作詞：只野菜摘 作曲・編曲：横関公太
3.レクイエム -Requiem-
作詞：大西洋平 作曲・編曲：金崎真士
4.Re:Emotion
作詞・作曲・編曲：鈴木裕明
5.Night terror
作詞・作曲・編曲：馬渕直純
6.硝子の扉
作詞：高瀬愛虹 作曲・編曲：坂部剛
7.光のイグジット
作詞：坂井竜二 作曲・編曲：横関公太
8.月の㏓
作詞：RiE 作曲・編曲：坂部剛
9.Bright
作詞：RiE 作曲：RiE、横関公太 編曲：横関公太
10.辿り着く物語は
作詞：RiE、坂井竜二 作曲：RiE、横関公太 編曲：横関公太
11.Tiny Tiny
作詞：坂井竜二 作曲・編曲：神前暁
12.帰れない場所へ
作詞：大西洋平 作曲・編曲：持田裕輔
＜Blu-ray＞
・「帰れない場所へ」Music Video
・「恋するパレード」Music Video
・週刊RiEMUSiC ～帰れない場所へ 編 SPECIAL EDITION～
・「村川梨衣のa りえしょんぷり～ず」りえしょんの綴りは～！？ダイジェスト
村川梨衣の a りえしょんぷり～ず♡「rietion」のつ・づ・りは～～～？「rietion」です！
はいよく見えたー！ダイジェスト
＜DVD＞
「帰れない場所へ」Music Video
・SECRET of RiESHiNPHONiA( 村川梨衣本人によるアルバム全曲解説映像）
●ライブ情報
“村川梨衣 2ndRiELiVE ～梨の季節～”
2018年5月26日(土)
パシフィコ横浜国立大ホール
※チケット発売情報等の詳細は後日発表いたします。
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