TVアニメ『ラーメン大好き小泉さん』ED主題歌「LOVE MEN HOLIC」で様々な新境地を開拓!西沢幸奏インタビュー

西沢幸奏ニューシングル「LOVE MEN HOLIC」はTVアニメ『ラーメン大好き小泉さん』のエンディング主題歌。ED映像に歌詞が表示され、注目していただければわかるように、ラーメン用語が歌詞の随所に盛り込まれている。しかしそれだけではなく、本筋のテーマとしては恋に恋する大人の女性の様子を歌った内容。この両面は西沢の妄想力と言葉遊びによって産まれたという。歌い方も含め彼女にとって新境地とも言える、様々なチャレンジが詰め込まれたこのシングルの制作の様子を聞いた。

「ラーメン×西沢幸奏」新境地となる楽曲の誕生秘話

――今回のニューシングル「LOVE MEN HOLIC」は『ラーメン大好き小泉さん』の主題歌で、西沢さんにとってまた新境地と言えそうな1曲です。この作品はどのように作られていったのでしょうか?

西沢幸奏 いつもは歌詞を書くときはテーマも含め、全てお任せいただくのですが、今回は「ラーメン×西沢幸奏」というお題をいただきました。せっかくの機会ですから面白い形にしたいと思っていて、その段階でラーメンの歌詞を書くことはぼんやりと考えていました。いただいた曲はとてもポップで、これは私にとって新境地になるなと思いました。原作の「ラーメン大好き小泉さん」も全部読ませていただいて、世界観としてもポップなものが合うなと思いましたし、いろいろな部分からインスパイアを受けました。

――アニメの方はご覧になってどのような印象を抱かれましたか?

西沢 「ラーメン×美少女」って、斬新ですよね。作画もすごくきれいですし、小泉さん達もより可愛く見えて、ラーメンを思いっきりすする女の子達が妙にセクシーだったり(笑)。女の子だけれどもグッときちゃう場面がたくさんあります。個人的には(大澤)悠ちゃんが一番好きですね。 小泉さんに一途すぎて、ちょっと空回りしているところが良い感じに引き立っていて、すごく応援したくなっちゃいます(笑)。

――歌詞の内容は恋模様にラーメンの用語が隠されているというユニークな内容です。このアイディアはどのようにして生まれたのでしょうか?

西沢 いつも私はタイトルを決めてから歌詞を書いていくのですが、今回はラーメン用語でありながらダブルミーニングになるような言葉を探していて、「ラーメン、ラーメン……LOVE…MEN……、ラーメン≒LOVE MENでイケるかも」と思って。それに「HOLIC」(中毒)と付けると、小泉さんのラーメン中毒と、恋愛中毒の女性を重ねた話にできるなと思って、そこからアイデアを出していきました。

――小泉さんくらいの年代の高校生は恋心に燃えていますし。

西沢 私の中ではこの歌詞に出てくる人って、高校生よりも少し大人で私よりも年上の方をイメージしています。恋に恋してしまって、自分でダメダメだと思っているけれども、それでも恋愛がしたいと思っている女性を思い浮かべながら書いていました。高校生くらいだとそれでも可愛いと思えるけれども、大人でそれというのは若干笑えないなと。周りにそういう人がいるというわけではないのですが(笑)。想像して書きました。

――西沢さんは歌詞を書くにあたって、何かを観察して言葉を紡いでいくか、妄想して紡いでいくかでいうと?

西沢 完全に妄想タイプだと思います!(笑)。今までは自分のことでいっぱいいっぱいだったので。ただそのぶん、妄想とか想像をするのが好きで、自分の中にひとり主人公を置いて、その子が繰り広げる物語を歌詞にしたりしていました。

――そういったストーリーをベースにしつつ歌詞の中にラーメンの言葉を盛り込んでいく作業はいかがでしたか?

西沢 すっごく楽しかったです!普段から即興ソングを作ることが得意で、今回はその延長線上の感覚です。楽しく書いていたらできあがっていたという産物です。ラーメンの用語もいろいろ調べてメモして、「豆板醤」と「こんなんじゃ」をかけてみたりと、パズルみたいな感覚の作業で楽しかったですね。

――2番ではラーメンのワードよりも、より恋愛の内容にシフトをしています。

西沢 大サビ後のDメロのところで“右手上げ手を振って~夢の中にどうか居させて”のところはラーメンから離れて恋愛の方に入っているので、恋愛中毒の女の子の気持ちを想像しつつ歌いました。この子の気持ちって複雑なんですよね。恋愛に溺れてダメダメな自分が嫌いなんだけれども、それでも恋愛が悪いものだと思いたくなくて、ポジティブでいることを演じている。「みんなそうでしょう?」と強がっていたい部分があって、そこを“Everyone hey, say yeah”という英語詞で表現しているのですが、その手前では“寂しいなんて No way!”と言って悩んでいる。“I’m crazy about you & I’m addicted to him Crisis けどなんだかんだこの状況は最高です”という部分もその気持ちを表していて、「あなたしか見えないはずなのに、彼にも夢中なの」と、Crisis=危機を最高だと言っている。自画自賛ですがここの歌詞は自分でも好きな部分です。こういう一風変わった感じのキャラクターを創造するのは面白い経験でした。

――ラーメンの言葉遊びから始まり、いろんなストーリーとキャラクター像が生まれましたね。

西沢 歌詞って、偶然の産物だなと思うんです。「思いつきを言葉にする」ということに対して、最近はネガティブな感情を抱かないようになりました。パッと思いついたことの方が意外と自分で愛せたりするんですよね。苦しんで生み出したものが全てではないなと思いました。

――そういうことを肯定できるというのはアーティストとしての成長?

西沢 そう捉えていただけると嬉しいのですが。これって、できなかったらわからなかったことだったと思います。今こうして、自分から「良かった」と思えるのも、そもそも他の方が褒めてくれたからなんです。もともと自信がないタイプなので、他の人が良いと言ってくれたことではじめて自信というものが構成される。もっといろんな経験をしてそれを増やしていきたいですね。

――歌入れはいかがでしたか?

西沢 すごくグルーヴ感のある曲なのでそれを殺してはいけないという思いがありましたし、リズムが立っているのでせっかくだからそれを活かしたくて、冒頭のところはラップっぽく歌ってみました。先ほどの妄想話ではありませんが、ラッパーを想像しながら自分なりのラップをしてみました。普段はそれほどラップを聴かないので、やってみようと決めた時には今までで聴いたことがあるラップを採り入れた曲を聴き直してみました。Base Ball BearさんがRHYMESTERさんとコラボをした「THE CUT」が好きでカラオケでよく歌っていたので。レコーディングも楽しかったです。

――先ほども少しお話に出ましたミュージックビデオはいかがでしたか?

西沢 とにかく制作陣がみんなチャレンジングで、ラーメン屋さんで撮影するMVって、普通ありませんよね(笑)。今までだったらガレージっぽい暗いところで、デジタルの曲に合わせてレーザーを飛ばして、その中でピクリとも笑わず歌うというのが自分のスタイルみたいな感じだったのですが、今回は真っ白な空間でバンドでにこやかに歌うという。そこはチャレンジではあったのですが、元々の自分は結構笑顔が多い人間なので、こういう肩の力が抜けたMVもいいなと思いましたね。

この記事を書いた人