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INTERVIEW

2018.01.31

楽曲・アニメとも結びつく、彼女の持つ爽やかさを伴った向上心に迫る!Machico「コレカラ」リリースインタビュー

楽曲・アニメとも結びつく、彼女の持つ爽やかさを伴った向上心に迫る!Machico「コレカラ」リリースインタビュー

昨年はアルバムを引っさげてのツアーで初の故郷・広島でのライブを成功させ、さらに初めてソロアーティストとしてアニサマのステージに立つなど、デビューから5年を経てもまだまだ進化の止まらないMachico。そんな彼女の2018年第一弾リリースは、TVアニメ『りゅうおうのおしごと!』OPテーマ「コレカラ」だ。そのシングルの制作や前述のツアーにおいて、彼女から垣間見えたアーティストとしてさらに能動的に上をめざそうとする動きや想いは、アニメ本編や「コレカラ」という楽曲自体とも強くリンクするものだった。

――2018年1発目のリリースということで、まずは2017年を振り返ってのお話からお伺いしたいのですが。

Machico デビュー5周年という節目の年に、ずっと目標だったアニサマのステージにソロで立てたことは印象深かったですし、うれしい出来事でした。緊張よりも「楽しい!」という気持ちのほうが勝っていて、今思い返しても楽しい記憶しかないですね。

――プレッシャーは、あまり感じなかったんでしょうか?

Machico もちろん不安や緊張はあったんですけど、思ったよりもそれが小さかったんです。それはこの5年間で、いろんな作品を通じて立たせていただいたステージやワンマンライブがあったからこそだと思うんです。歌っている最中も客席にいる皆さんを笑顔で見ながらのびのびステージに立てたので、自分の成長もちょっと感じられました。

――客席の光景も、結構覚えていらっしゃるんですね。

Machico はい。私のイメージカラーの赤の電気棒を振ってくださる方や、作品にちなんで青い電気棒の方もいましたし……またたくさんの素敵な作品と出会って、その作品の曲と共にあのステージにソロとして立ちたいです。

――そのほか夏にはツアーも開催されましたが、ファイナルは地元・広島での初めての凱旋公演になりましたね。

Machico そうなんですよ!ホームでライブできることがとても嬉しかったです。今回のツアーでは初めて自分でセットリストのベースを作らせていただいたんですけど、ラストは絶対自分で作詞した「花音」にしたかったんです。5年という節目だからこそ、私自身のマイナスな部分も包み隠さず素直に出している曲で締めくくりたかったし、その曲を広島で歌えたというのは、自分の中でくるものがありました。

――広島のライブでの思い出は、どのようなものがありますか?

Machico 卒業以来、全然連絡を取っていなかった友達や高校の後輩の子が観に来てくれてびっくりしました。もちろん仲のいい友達が来てくれるのもうれしいんですけど、久しく会っていなかった友達がわざわざチケットを買って観に来てくれたのがすごくうれしかったので、もっと「広島といえば、Machicoっしょ!」って言ってもらえるようなアーティストや声優になりたいという気持ちがより強く芽生えましたし、だからこそ「今のままじゃダメだな」とも思いました。

――それはどんな部分で?

Machico 感情があふれすぎて、ツアーを通して「花音」をまともに歌えた記憶がないんですよ。感情はただあふれさせるだけじゃなくて、ちゃんと届くようにコントロールできるように改善しなきゃいけないな……っていうことに気付かされました。

――そういった形でMachicoさんがお持ちの向上心って、新曲「コレカラ」の持つ雰囲気に近いように思うのですが。

Machico そうですね。「コレカラ」は『りゅうおうのおしごと!』の明るい雰囲気を持っていますし、AメロやBメロに琴の音が入っていて少し和テイストの曲でもあるんですけど、歌詞には結構ネガディブな描写も含まれているんですよ。でもそのほうが、聴いている側が納得できると思うんです。もし自分が壁に直面したときに、ただ「頑張れ! 大丈夫大丈夫!」って言われると、その言葉自体はうれしくても「私の気持ちがわかるのか!」って思っちゃうときもあるじゃないですか?

――ありますね。

Machico でも「わかるよ。そういうこともあるよね」っていう話を聞いてから「だからこそ、頑張ろう!」って言われるほうが、より共感できると思うんです。そういう面で「自分から動き出さなきゃ!」という気持ちになれるような想いが詰まっている曲になっていると思います。聴いてくださる方の気持ちに寄り添いながらも「おい、頑張れ!」ってバンと背中を押されて、自然と足が前に出ちゃって踏み出していく……みたいな勢いのある応援歌だとも思っているので、そういうところも伝わったらいいなぁって思います。

――そういう印象は、最初にこの曲を聴いたときから強かったんでしょうか?

Machico 強かったです! それに歌詞も力強い感じで……『りゅうおうのおしごと!』ってかわいい女の子が出てくる日常系の作品という面もあると思うので「もっとかわいく聴こえるほうがいいんですかね?」という話をしたんですけど、そのときディレクターさんから「『コレカラ』は『りゅうおうのおしごと!』のOPテーマでもあるけどMachicoの曲でもあるから、歌い方はMachicoらしくていいんじゃない?」という言葉もいただいたので、明るく聴こえるように気をつけつつ結構力強く歌わせてはいただきました。

――そう聴こえるように気をつけたポイントは、具体的にありますか?

Machico ときに入るおちゃめな無邪気さを表現できるように歌いました。そのおかげで出来上がったものを聴いたときに、私的には(雛鶴)あいちゃんのかわいい身なりと、その中に秘めている将棋への熱い想いのふたつがそれぞれ確立されて、曲の中でリンクしたのがうれしくて。あいちゃんのひたむきなまっすぐな気持ちが、歌で伝わればうれしいですね。

――歌詞の面では、それは特にBメロに強く出ているように思いました。

Machico そのBメロは、私のイメージではサビの「コレカラさ」でパッと目を見開くためのパワーを溜める部分というか、心を落ち着かせる感じがして。それが対局するときの気持ちを整理するときの感覚に似てるのかな?って思いながら歌いました。

――それで、サビに入った瞬間にパーン!と駒を指すというか。

Machico そう! それぐらい「コレカラさ」っていうサビの言葉が飛び込んでくる構成になってると思うんですよ。それにこのタイトル自体も、カタカナで表記されているのはしっかり歌詞の中で立つようにあえてとのことだったので、その部分も含めて「自分から何かを掴み取る!」っていう曲になっていると思うんです。なので、自分の意志の強さみたいなものを意識しながら歌ったのがポイントになっているかなと思いますね。

――その今回のレコーディングで、印象に残っている出来事は何かありましたか?

Machico 本レコーディングの前の時間に、楽器隊の方がちょうどレコーディングされているとお聞きして、はじめから見させていただいたんですよ。そこで皆さんが作り上げてくださった音を聴いて「この素敵なバトンを落とすわけにはいかない!」と思って、レコーディングを終えられた皆さんにご挨拶させていただいて、「今聴かせていただいた素敵な演奏に負けないよう、引っ張れるぐらいのボーカルを録ります!」と宣言してからレコーディングに臨んだんです。

――立ち会うという部分も含めて、Machicoさんも今回より能動的に動かれたんですね。

Machico そうかもしれないです。それに素敵な演奏からバトンを受け取ったとはいえ、やっぱり演奏に引っ張られるボーカルにはなりたくないので、そういうところで「私も意志が強かったんだなぁ」とも思いました(笑)。あと、ラスサビのメロディだけ少し違うので「そこでみんな、迷うがよい」とかちょっと思っていて(笑)。私の曲はずーっと「そんな簡単にマスターさせないぞ?」というのが裏テーマでもあるので、今回もそういう私のアーティストとしてのプライドを込めてます。

――そういえば「TOMORROW」も、ラスサビだけ少しメロディが違いましたね。

Machico そうです! 「1回歌ってみ?ちょっと難しいけん!」っていう感じなんです(笑)。しかもTVサイズはサビの最後のフレーズがラスサビのフレーズに差し替わっているので、そこでも戸惑うかもしれませんね。

――そしてこの曲のMVですが、タイトルに結びついて“はじまり”がテーマのように思ったのですが。

Machico そうなんです。新しい街に引っ越してきた私があらたなことに挑戦していくっていうところをMVで表現していただいて。そのひとつとしてお花の蕾を咲かせよう、と挑戦する姿を撮っていただいたんです。念を送ったりメガホンを使って応援したりもして、結構素の表情の多いMVになっていると思います。

――しかもメイキングで、より素も観れますし。

Machico はい。……あ、ヤバい(笑)。

――何か思い出されました?

Machico そこに私が撮影のときに作った曲が入ると思うんですよ(笑)。きっとライブでも歌うことがないであろう、そのときの感情を歌にした、真のミュージシャンの心を表現したちょっと哲学的なものが……。

――都合、初回盤は3曲入りじゃないですか(笑)。

Machico そうなんですよ!シークレットトラック(笑)。だからみんな、初回盤を買うしかないですよ?

――そして、先ほどおっしゃったようなMachicoさんの挑戦を経て、最後には見事花が咲くという。

Machico そうですね。しかも最後に曲名が出るっていうのが、また「コレカラ」っぽいんです。「さぁ、君のコレカラが開ける……!」みたいな、メッセージ性の強いMVになりました。

――そしてカップリングとして収録されている「ギミー・ラブ」ですが、この曲は今までよりも若干荒めの歌声で歌われている印象があります。

Machico あ、この曲が荒っぽく聴こえてるっていうのはうれしいです!これは「歌」を擬人化した曲で、「歌」に対しての気持ちを歌っている曲なんです。切っても切れないほど大好きだからこそ、歌のことをもっと知りたいし、悲しみながらじゃなくて楽しみながら愛したい……っていう歌に対しての愛が、すごくこめられている曲でもあるんですよね。

――そう聴こえるように、歌うときに意識されたことも多かったですか?

Machico そうですね。変にこなれた感じは出さずに、歌に対してまっすぐに向き合っている部分を表現したいということだったので、歌声を巻いちゃう自分のクセが出ないようまっすぐに、力強くソウルフルに歌うというのは意識しました。それと、最初から抑えずに力を使うので、エネルギーもすごく使う曲なんですよね。

――そのほか、歌っていて難しいポイントはありましたか?

Machico レコーディングの前段階の話なんですけど、今回は当日譜割りを確認しながらレコーディングという形だったんです。でも私は譜面が読めないので……それでも自分なりに譜割りを想像して、読み解こうと譜面を見つめていきまして。

――楽譜と歌詞とを照らし合わせて。

Machico そうです。「ギミー・ラブ」は歌に対する曲なので、そういう面でも、譜面からその曲を感じると言いますか……結局正解してるところはすごく少なかったんですけど、その予習の中で持った「歌を、知りたい!」っていう気持ちとか音楽への愛もこの曲とリンクしていたように思うんです。3-Bメロの「幾つもハードルを乗り越えた先で経験値上昇中」っていう歌詞じゃないですけど、私もこの曲でいろいろと乗り越えさせていただいた部分はたくさんあると思います。

――また、コールになる部分もあるので、これはライブ映えしそうな曲だなとも思いました。

Machico そうですよね。この曲って、披露するごとに変化していい曲だと思うんですよ。何度か歌わせていただくなかで、歌詞にある掛け声以外の部分でも「ここみんなと歌ったほうが楽しいかも?」っていう発見を、私自身もできる曲になっていると思うんです。だから「みんな歌って!」っていう言葉がすごく似合う曲になりそうだと思いますし、ライブで披露するのが楽しみですね。

――では最後に、2018年にMachicoさんが、MVのように新しく挑戦してみたいことをお教えください。

Machico ずっと楽器を弾きたいとはいろんなところで言っているんですけど……そのほかだと私、大人っぽくなりたいです。同い年の地元の友達はみんなしっかりしてるのに、私はファンの方に「Machicoは知識が足りない」と思われているぐらいで。前もイベントで“失踪”っていう漢字を書いたら「失踪、書けるんだ」みたいな感じになって……(笑)。あ!漢検取りたいです。“漢検”ってかっこいいですよね。しかも私、一時期麒麟っていう字を「書けたらかっこいいかも」って練習してた時期があって……。

――そういう時期ありますよね。“薔薇”とか。

Machico そうそう(笑)。なので漢検2級とかバシッと取って、みんなをギャフンと言わせてみたいなって思います。

――漢検だと語彙も増えると思うので、作詞にいい影響を与えそうですね。

Machico そう!ちゃんと仕事にも繋がるんですよ。なので楽器と一緒に“やりたいこと”として、これから頑張っていきたいです!

Interview&Text By 須永兼次


●リリース情報
TVアニメ『りゅうおうのおしごと!』OPテーマ
「コレカラ」Machico
1月31日発売

【初回限定盤(CD+DVD)】

品番:COZC-1396~7
価格:¥1,800+税

【通常盤(CD)】

品番:COCC-17396
価格:¥1,200+税

<CD>
1. コレカラ
作詞:森 由里子 作曲・編曲:馬渕直純
2. ギミー・ラブ
作詞:eNu 作曲・編曲:馬渕直純
3. コレカラ(off vocal ver.)
4. ギミー・ラブ(off vocal ver.)

<DVD>
1. コレカラ MV
2. コレカラ メイキング映像

●作品情報
TVアニメ『りゅうおうのおしごと!』

TOKYO MX 毎週月曜日 深夜0時30分~
サンテレビ 毎週月曜日 深夜0時30分~
KBS京都 毎週月曜日 深夜0時30分~
BSフジ 毎週月曜日 深夜0時30分~
三重テレビ 毎週月曜日 深夜0時35分~
AT-X 毎週月曜日 夜10時00分~
(リピート放送)
1月10日より毎週水曜日 昼2時~
1月13日より毎週土曜日 朝6時~
1月14日より毎週日曜日 深夜1時30分~

AbemaTV 毎週月曜日 深夜0時30分~
※放送・配信日時は予告無く変更になる可能性がございます。

<あらすじ>
玄関を開けるとJSがいた―――
「やくそくどおり、弟子にしてもらいにきました!」
16歳にして将棋界の最強タイトル保持者『竜王』となった九頭竜八一の自宅に押しかけてきたのは、小学三年生の雛鶴あい。九歳
「え?、・・・弟子?え?」
「・・・おぼえてません?」
覚えてなかったが始まってしまったJSとの同居生活。
ストレートなあいの情熱に、八一も失いかけていた熱いモノを取り戻していくのだった

【スタッフ】
原作:白鳥士郎(GA文庫/SB クリエイティブ刊)
キャラクター原案:しらび
監督:柳 伸亮
シリーズ構成:志茂文彦
キャラクターデザイン:矢野 茜
美術監督:里見 篤
撮影監督:川田哲也
音響監督:本山 哲
音響制作:マジックカプセル
音楽:川井憲次
音楽制作:日本コロムビア
OPテーマ:Machico「コレカラ」
EDテーマ:伊藤美来「守りたいもののために」
プロデュース:ドリームシフト
アニメーション制作:project No.9

【キャスト】
九頭竜八一:内田雄馬
雛鶴あい:日高里菜
夜叉神天衣:佐倉綾音
空 銀子:金元寿子
清滝桂香:茅野愛衣
水越 澪:久保ユリカ
貞任綾乃:橋本ちなみ
シャルロット・イゾアール:小倉 唯
神鍋歩夢:岡本信彦
雛鶴隆:水木一郎
雛鶴亜希奈:堀江美都子
ほか

©白鳥士郎・SBクリエイティブ/りゅうおうのおしごと!製作委員会

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