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REPORT

2017.12.29

6人からのちょっと早いクリスマスプレゼントは、楽しさと意外性! “Holy Party Night!”レポート

6人からのちょっと早いクリスマスプレゼントは、楽しさと意外性! “Holy Party Night!”レポート

12月9日、豊洲PITにて“Holy Night Party!”が開催。petit milady(悠木碧・竹達彩奈)、Pyxis(豊田萌絵・伊藤美来)、山崎エリイ、村川梨衣の4組が、クリスマスを前にレーベルを超えた一夜限りのパーティーのようなライブを繰り広げた。

この日はなんと、生バンドを背負っての豪華なライブ。そのバンドメンバーの登場に続いてグロッケンをベースとしたinterludeが場内に流れると、まずはpetit miladyが登場。ふたりがきゃりーぱみゅぱみゅの「Crazy Party Night~ぱんぷきんの逆襲~」をキュートにカバーするなか、ステージ後方の段上には残りの4人が登場。2コーラス目以降は、「豊洲のみんなと“Holy Party Night!”」などと歌詞をクリスマス仕様にアレンジして全員で披露した。

曲明けのトークは、「普段なかなか会わないチーム(悠木)」との言葉に沿う形で自己紹介からスタート。レーベル横断イベントらしく(?)所属レーベルと事務所を名乗ってからコメントが続くなか、豊田からは「本当に好みなんです竹達さんが」との告白もいきなり飛び出した。

自己紹介後、トップバッターを務めたのはpetit milady。続く曲の歌詞もクリスマスVer.に、とのアナウンスに期待に沸く会場。「聖なる夜にピッタリだと思います(竹達)」「そうだよね! みんなこの気持ちなんじゃないかな?(悠木)」との前フリからふたりがコールしたタイトルは「#彼氏いません」。巧妙な釣り方でフロアを食いつかせつつ、楽曲自体もライブ序盤にふさわしい爆上げナンバーで、そのフロアからはすさまじいコールが起こる。ステージ上のふたりも、サビ前の早口パートなどで楽曲の持つきゃいきゃい感をさらに増幅させていた。続く最新アルバムのリード曲「ぼくのティンカーベル」では、フロアの光は楽曲に合わせてグリーンに。高いうえに速いこの曲のサビや、三連符が続く難関のBメロをふたりともしっかりと歌いこなしつつ、歌声や振付でかわいらしさを出していた。

曲明けのMCでも、コンビ歴の長さもあってテンポよくトークを展開していくふたりだが、そんななか悠木が次の曲を「プチミレには意外とかっこいい曲もあるんですよ」と紹介。竹達の「しっとりと聴いてください」との言葉に続けて、ピアノVer.での「azrute」へ。今度は青に染まるフロアを前に、このサウンド感と少し遅めのテンポだからこそ入れられる強い想いを乗せ、情感たっぷりに歌っていく。特にサビでファルセットを響かせるときの竹達の歌声からは、強い切なさを感じさせられた。
その竹達が曲明けには一旦ステージを降り、悠木のソロ曲タイムに。ここで、移籍後初シングル「永遠ラビリンス」を披露する。細かいビブラートなどのテクニックと、子猫のような天性のかわいらしさを持ち合わせた彼女の歌声は、この日はミュージカルをほうふつとさせる伸びの良さを発揮。加えて落ちサビの歌声に表れた感情の波も非常に大きく、表面的なかわいらしさの裏に底知れなさを感じさせ、そこには期待感も付随していた。

曲明け、再登場した竹達が「『永遠ラビリンス』すごく好きです」と告げると、「私も肉のアレ歌いたい!」とこぼす悠木。だが「まずは本物を聴かないとね!」と続け、ひとりステージに立つ竹達がその「ライスとぅミートゅー」を披露! 生バンドならではの迫力あるサウンドが、この曲の持ち味をさらに引き出す。赤に染まったフロアからの楽曲随所でのコールもバッチリで、それらを全身に受けながら歌う竹達は実に気持ちよさそう。最後の最後まで楽しく歌いきり、ジャンプエンドで楽曲を締めくくった。
そのままクリスマス曲メドレーの歌唱に移ると、「赤鼻のトナカイ」の序盤では悠木が再登場し、山崎も続けてステージに。観客のペンライトの光は、いつしか示し合わせたかのように赤と緑のクリスマスカラーに。また、「ママがサンタにキスをした」の「寄り添いながら」の部分では山崎に悠木が寄り添い、それに続いた竹達とで山崎をサンド。またも観客を沸かせていた。

曲明けには竹達がプチミレとのコラボを喜ぶ山崎をナンパ。それにふくれっ面で嫉妬する嫁こと悠木……という痴話喧嘩の茶番も挟みつつ、その悠木が赤と緑のペンライトへ感謝の言葉を述べたところで山崎にステージをバトンタッチ。「ホワイトクリスマスのような曲」とのフリから「My First Love」を披露。サウンドだけでも清らかな曲に、その歌声でピュアさを上乗せ。ステージをゆるりと歩きながら笑顔で幸せそうに歌い上げつつ、滑らかかつ清楚なパフォーマンスを曲に合わせて見せてくれた。
次の曲では、タンバリンに合わせての手拍子を観客にお願い。かわいらしい曲が続く……と思いきや、流れ始めたのはクールな1曲「Lunatic Romance」。曲に入るまでの一瞬でスイッチを切り替えた山崎の目線や歌声には、一気にSっ気が。スタンドマイクに相対する際の頭の角度も、色っぽさがより出るように計算され尽くしているかのよう。ちなみにMCで触れたタンバリンは、サビでリズムに合わせて体に当てて鳴らしていた。そして続く「星の数じゃたりない」のイントロで再びスイッチを切り替えて、「いくよっ」とキュートに、明るいストレートなロックチューンで盛り上げていく。今度は笑顔とともに爽快感をもって飛んでくる歌声で、フロアのボルテージをさらにUP。3曲とも違う、でもそのどれでも確かに“山崎エリイ”として立っていたステージは、こうして締めくくられた。

ここでステージ上には出演者全員が集合。前半戦のステージの振り返りや各々の衣装を話題にしたトークがしばし繰り広げられたところで、ゲームコーナーに移る。ライブ後自分達だけで開催するクリスマスパーティーの費用獲得のため、様々な課題にくじ引き順に挑戦し、全員で一発成功を繋げていく……というコーナーだ。
まず最初の「ソプラノリコーダーの低い『ド』の音一発勝負」ではトップバッターを引いた伊藤が一度失敗……するも「今何もなかったよね?」との悠木の呼びかけに応じ泣きの1回。ここでみごと成功を果たす。しかし、吹く前に「ヤバいかも」とエアで申告した2番手村川はあえなく失敗。チャレンジ自体も失敗となったが、せっかくなので全員順に挑戦していくと、悠木以外は全員失敗。その見事さに「あおちゃんリコーダー習ってたの?(村川)」「全員習うわ!(悠木)」との名掛け合いも飛び出した。
続いては「Siriに英語で今の時間を聞いてみる1発勝負」。この対決を聞き「お腹痛くなってきた」と拒否反応を示していた竹達だったが、くじ引きで見事1番を引き当てる。思い切って挑戦するも、結果は×。悠木からアドバイスを受けて泣きの1回に挑戦するが、「What time is it now?」との竹達の問いかけを、Siriは「We need eat tuna.」と判別。なぜか“豊洲でマグロを食べられるお店”を教えてもらってしまっていた。
最後のお題は「パターゴルフ1発勝負」。肩幅強の距離のパットを全員決められれば成功……というものだったが、打ち直しや追加の押し込みなどが横行。5番手・竹達がミスするとさすがにメインモニターには「自腹」と大きく書かれたスタッフからのカンペが映し出される。そこで悠木が「エリイちゃんが端から決めたらOKに」と提案し、ラストチャンスとして挑戦することに。その注目のパットも、高難易度にも関わらず近くに引っかかる惜しいパットに。これを悠木が手で入れるが、これはNG。ライブ後のクリスマスパーティーは、自腹での開催が決定したのだった。

その山崎の曲振りからの、タンポポのカバー「王子様と雪の夜」からライブの後半戦がスタート。Bメロではピンクの照明のなか豊田も登場し、サビではふたりが歌声と振付を同期させてキュートに披露。さらに、間奏では顔も急接近! ドキリとさせるような場面も見せつつ、最後には背中合わせでこの曲を締めくくった。
そこに伊藤が登場し、続いてはPyxisのターンに。水色とピンクに染まるフロアを前に、「ご挨拶がてら新曲を!」との伊藤のフリから、リリース直前の2ndアルバムのリード曲「Pop-up Dream」を初披露。頭サビでは左右対称の振付を見せながら、キレとキュートさの同居したナイスコンビなパフォーマンスを展開。そのほか、歌詞に沿ったサビの小指と小指をつなぐフリなどでも魅せ、フレッシュさと姉妹感はそのままに、初披露とは思えない練度のパフォーマンスを見せてくれた。
続く最新シングル「ダイスキ×じゃない」では、パフォーマンスしながらの煽りで頭サビからさらに場内のボルテージを上げにかかり、曲前に観客に委ねたサビ前の「言えないけどー!」のコール部ではフロアから大きな声が。また、ボクシングをモチーフにした攻防のシーンやBメロでの向き合って1拍ずつ押し引きするパートなど、何から何まで息の合う姿を見せた1曲となった。

ここからは伊藤のソロでの出番。まず1曲目「No Color」では、キュートさはそのままにメロウな雰囲気のラブソングを、ゆったりと歌っていく。サビの「Ding ding don」の部分での指差しはピッと美しいもので、彼女の魅力を十分に提示する1曲だった。
歌唱後には、翌年2月にリリースとなるニュー・シングルに話が及ぶと、その曲「守りたいもののために」を全世界初フル披露。こちらの曲もサウンド感は少しメロウめの、穏やかなナンバーで、それに温かさと清らかさをもって歌いゆく。そ伊藤の今のソロ活動の“らしさ”が十二分に活かされているようだった。また、2サビ明けにはメインモニターに映し出されたこの曲のMVに結びつくように、階段上で取り出したビー玉を下から覗き込むようなパフォーマンスも。MVの全貌にも、期待高まるところだ。

その段上に、替わってリフトアップで村川が登場。「恋人がサンタクロース」のカバーの歌唱に移るが、Aメロ後半ではステージ両サイドからPyxisが再登場し、“りえしょん with Pyxis”でのコラボ曲として披露する。間奏で豊田が村川とじゃれあいつつ、伊藤との間に村川を入れ“Pyxisのセンター”に。1サビ中盤のソロを気持ちよさそうに村川が歌えば、2サビではそのパートをPyxisがかわいさ全開で歌唱していく。
そしていよいよ村川のソロの出番。歌唱前のMCでは普段通り明るく陽気にトークしていた村川は、1曲目「Night terror」の曲振りをした瞬間にスイッチをバチッと切り替わる。村川の生のライブを初めて目にした観客の中には、その変貌に驚いた者も少なくなかったのではないだろうか。その伸びやかかつ圧力のある歌声で、会場を巻き込んでいく。また、間奏では楽曲に没入した彼女は、凛々しい表情でフロアを煽ると、MVのコンセプト通りにキレのあるダンスも合わせて披露していた。

それに続いたのは、荒々しいロックチューン「レクイエム」。力強い煽りから発進したこの曲は、歌唱後に「ライブでここぞとばかりに聴いてもらう曲」と自ら評したもので、村川が背負った生バンドから発せられる厚みのあるサウンドと、彼女の力いっぱいの歌声とが合わさりフロアにパワフルに到達する。それをぶつけられた観客はまたも熱く盛り上がる一方で、ステージ上の村川はその気持ちよさからか、落ちサビ前にうれしそうな表情もほのかにのぞかせていた。
そして彼女のソロステージのラストには、この季節にぴったりな曲「Snow Christmas」を披露。温かなミドルナンバーを、「レクイエム」とは同一人物のものとは思えない、少し甘さの乗った少女性のあるボーカルが彩る。サビの「でしょ」「だもん」と言葉の語尾の部分にさらにかわいらしさも出しつつ、そのサビの終盤はまっすぐに歌い上げ、アーティストとしてのさらなるレベルアップも感じさせてくれた。

そしてこの日の出演者全員がステージに再登壇。ひと言ずつ感想が述べられる。レーベルの垣根を超えたイベントへの感慨や、今日しか見られないコラボを振り返ったりとその言葉は様々だったが、コメントでも最後を飾った村川の「またいつの日か、ご一緒できる素敵な機会が訪れたらいいなと思っております」との言葉は、全員に共通する想いだったのではないだろうか。
最後に、出演者全員でももいろクローバーZの「サンタさん」のカバーを披露。頭サビ後に豊田がダンスを美しく決めれば、ほか5人は拳を突き上げてフロアを煽りに入る。1サビでは山崎と伊藤が向き合って楽しく掛け合いをすれば、村川も終始はしゃぎ続け、Dメロはpetit miladyの二人が歌い上げる。全員が楽しみつつもそれぞれの輝きを見せたところで、最後は6人の「メリークリスマス!」の声でイベントは幕を下ろしたのだった。

レーベルを超えての合同イベントは近年増加しているが、このイベントには“各々の必殺ナンバー以外で攻める”という裏コンセプトがあったようにも感じられた。フェス形式のイベントでは、細部まで楽しみたい観客は歌唱曲を予想し、予習してくるもの。だからその裏をかくことで、その他の楽曲で彼女たちが持つ別側面の魅力を伝え、体感させられたイベントになったように思うのだ。だからこそ思う。このライブで1曲でも気になった出演者がいた方には、ぜひ音源を深く聴き込んで、次はそれぞれのワンマン・ライブにも足を運んでほしい、と。

Text by 須永兼次

Holy Party Night!
2017.12.09@豊洲PIT
【SET LIST】
M1.Crazy Party Night~ぱんぷきんの逆襲~/全員
M2.#彼氏いません(クリスマスVer.)/petit milady
M3.僕のティンカーベル/petit milady
M4.azurite(ピアノVer.)/petit milady
M5.永遠ラビリンス/悠木 碧
M6.ライスとぅーミートゅー/竹達彩奈
M7.赤鼻のトナカイ~サンタが街にやってくる~ママがサンタにキスをした/悠木 碧、竹達彩奈、山崎エリイ(コラボ)
M8.My First Love/山崎エリイ
M9.Lunatic Romance/山崎エリイ
M10.星の数じゃたりない/山崎エリイ
M11.王子様と雪の夜/豊田萌絵、山崎エリイ
M12.Pop-up Dream/Pyxis(※初披露)
M13.ダイスキ×じゃない/Pyxis
M14.No Color/伊藤美来
M15.守りたいもののために/伊藤美来(※初披露)
M16.恋人がサンタクロース/豊田萌絵、伊藤美来、村川梨衣(コラボ)
M17.Night terror/村川梨衣
M18.レクイエム/村川梨衣
M19.Snow Christmas/村川梨衣
M20.サンタさん/全員

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