3日間の締めくくりは3年ぶりに登場の水樹奈々!8月27日開催“Animelo Summer Live 2017-THE CARD-”3日目レポート!

世界最大級のアニメソングの祭典ライブイベント“Animelo Summer Live 2017”(以下、アニサマ)が、8月25日から27日までの3日間、さいたまスーパーアリーナにて開催された。13年目を迎えた今年のアニサマのテーマは「THE CARD」。ステージという盤面上で次々と切られるカードは、現在のアニソン・シーンを代表する豪華なアーティストたちだ。ここではその3日目の詳細レポートをお送りする。

2017年のアニサマ最終日は、アニソン好きであれば誰もが歓喜するであろうコラボで幕を開けた。それはLiSAとMay’n、現在のアニソン・シーンを代表する2人の歌姫による共演だ。『ソードアート・オンライン』のOPテーマでもあるLiSAの楽曲「crossing field」のイントロが鳴ると、LiSAはもちろんのことながら、この日のシークレット・ゲストとなるMay’nもステージに飛び出し、予想外のコラボに会場の興奮度は一気に沸点まで達する。まずはお互いに1フレーズずつ交代しながら歌っていき、サビでは共に歌唱。2人の特長であるハイトーン・ボイスが重なることによって、それが単純な足し算ではない何倍もの相乗効果を生む。

「レッツゴー!」と吼えて花道をダッシュするLiSAとMay’n。そこからメドレー形式でMay’nの楽曲「Chase the world」へと雪崩れ込む。この曲は『アクセル・ワールド』のOPテーマであり、その原作者の川原礫は『ソードアート・オンライン』の作者としても知られる。いわば川原礫作品が繋いだコラボでもあるわけだ。親友同士でもある2人は背中合わせになって、互いの歌を合わせながらさいたまスーパーアリーナのオーディエンスと対峙する。この2人の声が合体すれば、もっと大きな舞台を揺るがすこともできるはず――そう思わせるほどの熱気溢れるコラボだった。

続いてはスクリーンにソ連っぽいイメージをちりばめた映像が投影され、ロシア語による演説がスタートする。そう、「声優とソ連研究家のダブルスタンダード」を自任する上坂すみれの登場だ。さいたまスーパーアリーナにてぺロリスト革命なるものの樹立を宣言すると、看護婦のような格好をしたダンサーたちを伴ってステージに登場。『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』のEDテーマ「Inner Urge」で会場を享楽的なディスコ空間に塗り替える。「主にキングレコードから下ネタに関する曲を発表してます(笑)」と笑いを誘いつつ、ゴンドラに搭乗して最新シングル「踊れ!きゅーきょく哲学」も披露。客席の隅々にまで〈ウー!ハー!〉とジンギスカン「Dschinghis Khan」ばりのコールを行き渡らせて、最後はロシア語で「ダスビダーニャ!(また会いましょう)」と挨拶して嵐のように去っていった。

次にステージに上がったのは、この秋にTVアニメがスタートする『アイドルマスター SideM』より11人のキャストたち。まずは全員歌唱曲のひとつ「Beyond The Dream」を、出演メンバーの紹介PVと共に歌唱。そこから各キャストによるキャラの決め台詞入りの自己紹介を挿み、ユニット曲のメドレーに突入する。トリオ・ユニットのDRAMATIC STARSは、ディスコ歌謡といった趣きの「MOON NIGHTのせいにして」を披露。桜庭薫役の内田雄馬が服をはだけるようなポーズを取ったりして、動きでも魅了する。

5人組のHigh×Jokerはステージ上段に並んで「HIGH JUMP NO LIMIT」を元気いっぱいにパフォーマンス。伊瀬谷四季役の野上翔をセンターに据え、ジャンプなども交えた息の合ったダンスで黄色い歓声を引き出す。そして学校のチャイム音が鳴り、元教師グループであるS.E.Mの3人がポップアップで登場。コミカルな動きをたっぷりと採り入れた「Study Equal Magic!」で楽しいステージを展開していく。ラストは再び11人揃って作品を象徴するナンバー「DRIVE A LIVE」で締め。全員が横一列に並んで決めポーズである〈M〉のハンドサインを決めて最高のステージを終えた。

ここで突然『冴えない彼女の育てかた』のヒロイン・加藤恵の音声メッセージが流される。「るなちゃん、私をまた誰もがうらやむようなメインヒロインにしてね。そしてあなたもこのさいたまスーパーアリーナで、最高のメインヒロインになろうね!」――そのエールの言葉に導かれて、淡いピンクのドレスを纏った春奈るながステージに登場。『冴えない彼女の育てかた♭』のOPテーマ「ステラブリーズ」で熱気にまみれた会場に爽やかな青春の風を吹き込む。曲中の台詞パート〈いつかきっと〉でも胸のキュンとなるような声を聞かせ、続けて『〈物語〉シリーズ セカンドシーズン』のEDテーマ「アイヲウタエ」、そして〈冴えカノ〉1期EDテーマの「君色シグナル」と3曲を立て続けに歌唱。最後はダンサーも従えて細かいハンドダンスでステージを可愛らしく演出し、まさにメインヒロインと呼びたくなるキュートな振る舞いで観客をトリコにしてみせた。

そんな春奈からヒロインの座を引き継いだのが、水瀬いのり。2日目に『キラキラ☆プリキュアアラモード』の一員として参加していたが、ソロ・アーティストとしてはこの日がアニサマ初出演となる。彼女が1曲目に選んだのは、『ViVid Strike!』のEDテーマでもあったミディアム「Starry Wish」。胸元に大きなリボンの付いた青のドレス姿の彼女は、銀河をイメージした映像がスクリーンに映されるなか、どこか憂いを帯びた美声でドラマティックなメロディーを切々となぞっていく。「昨日は夢と希望を〈レッツ・ラ・まぜまぜ〉していたんですけど(笑)」と語る彼女は、少し緊張を見せながらもアニサマの舞台に立てたことが本当に嬉しい様子。大きなステージで歌うのは初めてだという2曲目の「アイマイモコ」では、後半のサビを歌いきった後、溢れ出る感情が抑えきれないかのように手をほっぺたに当て、にこやかな表情を浮かべる。歌い終わった後はマイクをギュッと握り、アニサマで歌えた喜びを噛み締めるようにしていたのが印象的だった。

水瀬のフレッシュなステージに続いては奥華子が登場。昨年にメジャー・デビュー10周年を迎えたベテランだが、アニサマのステージに立つのは今回が初だ。ジーパン姿のラフな格好でステージ袖から現れた奥は、『セイレン』のOPテーマ「キミの花」でライブをスタート。どこか懐かしさを感じさせる歌声と旋律が、スクリーンに映される夕焼けの映像と相まって心の琴線を刺激する。「こんなに広いところで歌うのは人生で初めてです、ありがとうございます!」と感謝の気持ちを伝える彼女は、いつの間にかステージに置かれていたキーボードの前にスタンバイ。「いちばんの代表曲を歌わせてください」と語って弾き語り始めたのは、なんと〈お部屋探しMAST♪〉のフレーズで知られる積和不動産のCMソング。お客さんは肩透かしを食らいながらも、耳馴染みの楽曲の生披露に大喜びだ。だが、やはり奥華子とアニサマという組み合わせで期待されるのは、映画『時をかける少女』の主題歌「ガーネット」だろう。その名曲をアニメ映像をバックに弾き語りで歌い、夏の終わりに相応しい思い出を残していった。

その余韻が残るなか、情感的なピアノの音が聞き覚えのあるメロディーを紡ぐ。ここで小倉唯がステージにポップアップで登場し、『ViVid Strike!』のOPテーマ「Future Strike」を凛とした表情でパフォーマンスする。小倉のこの日の衣装は、白をベースとした肩の部分の開いたドレスで、髪を結ぶ長いリボンを含め、彼女が『ViVid Strike!』で演じたリンネ・ベルリネッタをどことなく彷彿させるもの。その見た目の効果はもちろん、今回初めて小倉のバックを務めたアニサマバンドの演奏によって、楽曲のシリアスな世界観が一層引き出されていく。MCではいつも通りの可愛らしい声でお客さんを盛り上げ、2曲目にはラブリーなアップ「ハイタッチ☆メモリー 」、そこからさらに鉄板曲「Honey▼Come!!」へとメドレーで繋げ、空気を震わすほどの大合唱を巻き起こす。彼女らしいキュートな仕草と甘い歌声でオーディエンスを熱狂させた。

〈Are You Ready?〉という男性ボイスに続いてステージに現れたのは黒崎真音。『とある魔術の禁書目録II』のEDテーマ「Magic∞world」でさいたまスーパーアリーナを一気に劇的な世界へと変貌させる。真紅の衣装を身に纏った彼女は、手に巻いた赤いリボンをはためかせながらステージを左右に駆け巡り、力強い歌声でオーディエンスの熱い感情をコントロールしていく。2曲目に歌った『ドリフターズ』のEDテーマ「VERMILLION」では、今日だけのアニサマ・バージョンの舞台として、アニメの登場キャラである島津豊久と土方歳三に扮した演者が登場。黒崎が激情的な歌を響かせるなか、その後ろで頭巾を被った怪しげな集団と殺陣を繰り広げる。最後は島津と土方が黒崎の周囲で切り合い、その動きに合わせて黒崎も舞うように歌うという迫真のパフォーマンスを披露。今年初めてミュージカルに出演したという彼女が、その経験を活かした演出で息を呑むようなステージを見せてくれた。

お次は2年ぶり6回目のアニサマ出演となるミルキィホームズ。まずはマーチング風のアップ「ミルキィ100ワールド」で華やかにライブをスタートさせる。ヘッドマイクを使ったパフォーマンスのため、動きも自由かつ伸び伸びとしていて、時に肩を組んだりしながら楽しく歌う彼女たち。そこから間髪入れず「泣き虫TREASURES」へと繋げ、さらにメンバーが2手に分かれてステージ左右に移動し「カードゲームしよ!」へ。そしてモータウン・ビートの晴れやかな「Pleasure Stride」、ふたたび「泣き虫TREASURES」と5曲分を続けて披露。そのどれもが『カードファイト!! ヴァンガード』などのカード・ゲームに縁のある楽曲であり、今回のアニサマのテーマ「THE CARD」に合わせた〈カードゲーム・メドレー〉だ。MCでは各自のイメージカラーをあしらった、今回のアニサマが初披露となる衣装もアピール。最後はアニメ『探偵オペラ ミルキィホームズ』第1期のOPテーマにして代表曲「正解はひとつ!じゃない!!」で凄まじいまでのコールを発生させ、終始ミルキィらしい明るくハッピーなムードで駆け抜けていった。

その雰囲気を一変させたのが、ZAQによる空気を切り裂くような鋭い口笛の音。まるで風来坊がやってきたかのごとき導入から、激しいギター・カッティングとビートが入り、それらと口笛が激しくぶつかり合う。劇場版「トリニティセブン」の主題歌「Last Proof」だ。その劇画タッチな演出でオーディエンスに鮮烈な印象を与えると、彼女はMCで「今年のアニサマはヤバくないですか? オタクを殺しにきてるなと思って(笑)」と笑いを誘う。今年のアニサマにはステージへの出演のみならず、テーマソング「Playing the World」の提供という形でも関わっているZAQ。だが、今回のテーマソング制作には大きなプレッシャーがあったという。デビュー前からアニサマにお客さんの一人として毎年通っていた彼女だからこそわかる責任の重大さ、アニソンを誰よりも好きでいたいという気持ち、アニサマというイベントに対するリスペクト――そういったいろいろな感情を吐露し、「私、今日、夢がかなってるんですよ」と涙をこらえながら語るZAQに対し、客席は温かな拍手で応える。そして歌われたのは、『ささみさん@がんばらない』のOPテーマ「Alteration」。彼女のすべての不安を吹き飛ばす晴れやかな歌声に、きっと背中を押された人も多かったことだろう。

ZAQの出番はこれで終わり……かと思いきや、『中二病でも恋がしたい!』のキャラクター、凸守早苗(CV:上坂すみれ)と小鳥遊六花(CV:内田真礼)が登場。ZAQをふたたびステージに呼び戻すべく、「中二病でも?」「恋がしたーい!」とコールするよう客席に呼びかける。そのオーディエンス一丸のコールに応え、六花の「アニサマという舞台を、私たちが闇の色に染めてみせる!」という言葉を合図に、ZAQ、内田真礼、上坂すみれの3人がステージに登場! 3人で『中二病でも恋がしたい!』のOPテーマ「Sparkling Daydream」をパフォーマンスする。純白のドレスを着た内田、漆黒のゴシックドレスに身を包んだ上坂、対照的な中二病スタイルの2人が、OPアニメさながらの動きで指をクルクルと回したりする姿に客席は熱狂。ラストは3人でポーズを決め、凸守の「デース!」で3日目の前半戦は幕を下ろした。

後半戦の一発目を飾ったのは、2016年にTVアニメ化もされたアイドル・プロジェクト、B-PROJECTの面々だ。今回は金城剛士(CV:豊永利行)、阿修悠太(CV:花江夏樹)、愛染健十(CV:加藤和樹)によるTHRIVEと、寺光唯月(CV:西山宏太朗)、寺光遙日(CV:八代拓)、殿弥勒(CV:江口拓也)、不動明謙(CV:千葉翔也)からなるKiLLER KiNGの計7人が登板。1曲目は「無敵*デンジャラス」をそれぞれのキャラの決め台詞を挿んだ特別版で歌唱する。その後の自己紹介でも、加藤和樹が「やっと会えたね、小鹿ちゃんたち。そして狼さんたち」と挨拶して男性を含む会場中のハートを掴み取ったら、江口拓也は担当キャラの趣味が筋トレということで、ステージ上で突然腹筋を始めたりと、各々のキャラの魅力を存分に発揮して黄色い声援を浴びる。

やはり先手を務めるのは後輩ということで、続いてはKiLLER KiNGの4人がステージに残ってパフォーマンス。ディスコティックな「Hungry Wolf」でダンサブルに迫り、サビ部分では客席もタオルを振り回して熱烈的な盛り上がりを見せる。続いてはTHRIVEの3人がハンドマイクを片手に「dreaming time」を歌唱。スクリーンにはアニメPVが映され、それとシンクロした振り付けでワイルドに魅せる。最後は、THRIVEとKiLLER KiNGがそれぞれ分かれてゴンドラに乗り、開放感に満ちたアップ・チューン「永久パラダイス」を会場中に届ける。歌詞の〈You can fly!〉というフレーズ通り、聴き手にどこまでも飛翔するような心地良い感覚をもたらしてステージを去っていった。

そしてイントロ音源にリードされて姿を現したのはWake Up, Girls!の7人。しかも横一列に並ぶ彼女たちに加えて、May’nがポップアップで登場し、コラボ・ユニットのWake Up, May’n!として『異世界食堂』のOPテーマ「One In A Billion」でのっけから会場を熱気の渦に叩き込む。その後に8人は「みなさま、こんばんわぐ~!」と仲良く挨拶。May’nは「アニサマという夢のステージを、大好きなWUGちゃんといっしょにWake Up, May’n!としてここに立てたこと、本当に幸せに思いまーす!」と心からの喜びを伝え、ゲストとしての任を終えた。

ここからはWake Up, Girls!のターン。青山吉能が「アニサマにお越しの皆さん、この曲で盛り上がらないと死にます!」と自身が演じたグリの声で前置きし、『恋愛暴君』のOPテーマ「恋?で愛?で暴君です!」を披露する。次々とフォーメーション・チェンジしていく賑やかで楽しい振り付けなど、WUGの新たな一面を感じさせるステージとなっていた。そしてこの日、特別な輝きを放っていたのが「Beyond the Bottom」だ。劇場作品『Wake Up, Girls! Beyond the Bottom』の主題歌でもあるこの曲、劇中では物語の終盤にI-1アリーナという場所で歌われるのだが、その場所は実はさいたまスーパーアリーナをモデルに描かれている。いわばそのアニメそのままの世界が、今回のアニサマにて再現されることになったのだ。アニメと同様の白い衣装を着た彼女たちが、まばゆい光に照らされて、透き通るような歌声を重ねる。田中美海の「WUG最高~!」という歓喜に溢れた叫び、そしてこの楽曲をリードする役回りにある吉岡茉祐が最後、空に向けた手をギュッと掴んだ瞬間。それらは楽曲自体の神々しい雰囲気も相まって、見た者の心に爪あとを残したはずだ。

続いては勇-YOU-こと林勇と雅友こと太田雅友によるユニット、SCREEN modeが登場。『文豪ストレイドッグス』のOPテーマ「Reason Living」の鋭いロック・サウンドで、会場を一気に情熱的なムードに切り替える。アニサマには3年連続の出演となる彼らだが、今回のライブには作曲家・編曲家として活躍するEFFYがサポート・キーボーディストとして参加。いつも以上に厚みのあるサウンドで、楽曲の世界観を表現する。「これからもアニサマの切り札となれるように頑張っていくので、応援よろしくお願いします!」と熱い気持ちを迸らせる勇-YOU-。最新曲となる『バチカン奇跡調査官』のOPテーマ「MYSTERIUM」では、黒装束の合唱団もステージに登場。黒ミサ風の物々しい雰囲気のなか、荘厳極まりないゴシック・メタル・サウンドと勇-YOU-の伸びやかに走る歌声が合わさって、オーディエンスに圧倒的な視聴体験を与えていた。

歌い終わった後、勇-YOU-が楽曲について説明していると、何故か居残っていた黒装束のうち4人が「暑い~!」と騒ぎ出す。そして装束を脱いで姿を現したのは、なんとミルキィホームズの4人。「今日はローマ法王の直々の命で、バカチン調査官の潜入捜査をしにきたんです~」と語る三森すずこ。そして徳井青空が謎の箱を発見し、開けてみるとそこには魔女風のとんがり帽子が6つ入っている。2日目でも見たような光景だが、それらをミルキィとSCREEN modeの6人が被って並ぶと、ここでコラボ・ユニットのMILKY modeが誕生! 『も~っと!おジャ魔女どれみ』のOPテーマ「おジャ魔女でBAN2」をみんなでパフォーマンスする。いつも通りにワイワイ騒がしいミルキィと、いつも以上のハイトーンを聴かせる勇-YOU-、ガッツリとギターソロを弾く雅友。レアな初コラボは「それではみなさん、お邪魔しました~」の声でお騒がせのまま幕を引いた。

そしてステージでは怒涛のドラムソロから白熱のインスト・プレイが始まる。それに気を引かれていると、いつの間にかアリーナ後方にゴンドラが現れて、その上には内田真礼が。「私のことをレスキューしてー!」と煽り、『俺、ツインテールになります。』のOPテーマ「ギミー!レボリューション」からライブを開始する。白をベースにアイスクリーム柄を散らせた可愛らしいドレス姿の彼女。喜色満面で歌っているところを見ていると、こちらまで思わず笑顔になってしまう。ステージ中央に到着した内田は、お客さんにどんな衣装かよくわかってもらえるように、クルッと回ってアピール。そして「もう1曲、愛を確かめ合ってもらえますか?」と歌い始めたのは「+INTERSECT+」だ。ダンサーを迎えた華やぎいっぱいの空間で、時に胸元に手をあてて、ファンへの感謝の気持ちをしっかりと込めるように歌う。「大好きだよっ!」と気持ちを溢れさせた彼女のステージには、幸せムードが充満していたように思う。

そこから多幸感に満ちたイントロに乗せて、まぶしいばかりに輝く3声を響かせたのが、麻倉もも、雨宮天、夏川椎菜によるTrySailだ。『亜人ちゃんは語りたい』のOPテーマ「オリジナル。」が描き出す清らかな光景に、熱狂しながらも心癒されていくオーディエンスたち。衣装は爽やかなストライプ柄をあしらったお揃いのものとなっており、その美声だけでなく見た目からも涼しさを感じさせる。花道を前進して客席のほうへ近寄り、お客さんと交流し合う3人。この夏はアルバムの制作を行って充実していたことを報告するが、麻倉は「やっぱりアニサマがないと夏は終われない!」と宣言。「アドレナリン出ますかー!」(夏川)と煽れば、当然次に歌われるのは『エロマンガ先生』のEDテーマ「adrenaline!!!」だ。ポップに弾むホーンと軽快に刻まれるスカ調のリズム、3人の元気いっぱいな歌声が高揚感を生む。間奏では会場一体となってわちゃわちゃと盛り上がり、最後まで全力疾走で走り抜けていった。

終盤戦をさらに熱く盛り上げるべく登場したのはLiSA。彼女のライブはいつも途方もないエネルギーを生むが、この日もやはり例外ではなかった。1曲目「oath sign」から細い腕を精一杯に伸ばして、この曲が内包する希望への決意をエモーショナルに表現。そこから「まだまだ行くよー!」と煽って、間髪入れずに「だってアタシのヒーロー。」へと突入。今回は自身のサポートバンドであるにゅーメンズがアニサマでは初めてバックを務めており、その意味でも例年以上に迫力のあるライブを見せてくれる。ドライヴ感を持続しながら緩急もしっかりつけた鬼ヤバい演奏によって、サビ部分では観客をピークにまで持っていく。LiSAの「もっともっとー!」という声に、合唱の声もどんどんと大きくなっていき、最終的にその熱量はとんでもないものに。

MCでガンガンに煽りまくったかと思えば、そこから突如「Catch the Moment」のサビ部分をアカペラで歌唱。〈試してるんだ 僕を〉の部分を〈試してるんだ アニサマを〉に置き換えて歌い、オーディエンスをますます熱狂させる。そのままバンドの演奏が加わって1曲を歌いきると、その余韻が残るなか「私たちはいままで見たことのない最高峰のアニサマを、大先輩にこの後引き継がなきゃいけないんですよ!」と会場に向けて熱く言い放ち、「Rising Hope」の一節を高らかと歌い上げる。それに反応するようにバンドも瞬時に演奏をチェンジし、そのまま4曲目「Rising Hope」へ。このLiSAの奔放な動きに付いていけるのは、数々のライブを共にしてきたにゅーメンズだからこそ。その演奏を信頼して身を任せ、歌に全力を注ぐLiSAの鬼気迫るパフォーマンスは、この日のMVPと言ってよかったと思う。

そんな後輩の奮闘を受けて、この日の最後の出演アーティストにして、アニサマ3日間のトリを務めたのが水樹奈々だ。壮大な雰囲気のイントロが流れ出し、水樹がステージにポップアップで現れると、会場はその日最高の熱気に包まれる。青と白をベースにしたドレスに身を包んだ彼女は、「行くぞアニサマー!」と檄を飛ばして『戦姫絶唱シンフォギアAXZ』のOPテーマ「TESTAMENT」でライブをスタート。水樹の天を突くような歌声は、チェリーボーイズによる重厚な演奏に乗って会場中に朗々と響き渡り、その怒涛のように押し寄せてくる歌世界に、観客は半ば圧倒されつつも興奮状態に陥る。

「3年ぶりにアニサマ帰ってきたぜ!」と客席の全方向に向かってたっぷりと手を振る水樹。アニサマ本番の2日前までミュージカルに出演していたため、スタッフにスケジュール面で心配されていたことを明かすが、「私、キングレコードの筋肉担当です! なので体力には自信があります」と自身のタフぶりを示して観客を喜ばせる。そしてバンド・メンバーの紹介を挿み、2曲目に歌ったのは映画『魔法少女リリカルなのは Reflection』の主題歌「Destiny’s Prelude」。その情熱的な歌唱に続けては、同映画の挿入歌「Invisible Heat」を披露し、最後は「私といっしょに絶唱してくれますかー!?」と客席のボルテージをさらに高めて、スマホ・ゲーム『戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED』の主題歌「UNLIMITED BEAT」をぶちかます。ステージ左右の端までダッシュして、文字通り最後まで疲れ知らずに走り抜けた水樹。アニソン界の女王たる貫禄と、太陽のように周囲を明るく照らす笑顔、エネルギッシュなステージで2017年のアニサマの大トリを飾った。

そしてラストは、毎公演恒例の出演者全員参加によるテーマソングの歌唱で締め。内田真礼と内田雄馬の姉弟が肩を組んで歌う場面で一際大きな歓声が沸いたりもしていたが、個人的には今年のテーマ曲「Playing The World」を提供したZAQが、歌詞の〈次は君の出番だよ〉という部分を歌っていたのにはグッときた。かつてお客さんとしてアニサマを楽しんでいた彼女が、アニソン・アーティストになる夢をかなえ、アニサマのテーマソングを手掛けるようになり、そして同じ夢を抱くまだ見ぬ誰かに向けてエールを贈る。アーティスト、スタッフ、観客などそれぞれ立場は違えど、アニソンという共通項をきっかけに新しい繋がりを生むのがアニサマであり、きっとそこからまた新しい感動が創造されていくのだろう。2018年のアニサマもいまから楽しみでならない。

(C)Animelo Summer Live 2017/MAGES.

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