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2017.09.26

氷川きよしもサプライズで登場!8月26日開催“Animelo Summer Live 2017 -THE CARD-”2日目レポート!

氷川きよしもサプライズで登場!8月26日開催“Animelo Summer Live 2017 -THE CARD-”2日目レポート!

世界最大級のアニメソングの祭典ライブイベント「Animelo Summer Live 2017」(以下、アニサマ)が、8月25日から27日までの3日間、さいたまスーパーアリーナにて開催された。今年で13年目を迎えたアニサマのテーマは「THE CARD」。ステージという盤面上で次々と切られるカードは、現在のアニソン・シーンを代表する豪華なアーティストたちだ。ここではその2日目の詳細レポートをお送りする。

1日目はSOS団という予想外のシークレット・ゲストで幕を開けたが、2日目のオープナーを担うアーティストについては、もしかしたらあらかじめ予測していた人が多いかもしれない。何といってもこの日のラインナップには、angelaとfripSideという2組の名前が並んでいたからだ。昨秋に『亜人』の第2クール主題歌でコラボした彼らならば、アニサマの開幕をド派手に決めてくれるに違いない。そんな期待に応えるかのごとくステージに現れた2組は、angela×fripSide名義の楽曲「僕は僕であって」でのっけから爆発的な盛り上がりを作る。曲の後半では南條愛乃とKATSU、atsukoと八木沼悟志と、お互いにパートナーを変えてオーディエンスを煽り合う場面もあり、熟練の4人によるパフォーマンスに会場のボルテージは早くも最高潮だ。

MCではatsukoが「fripsideの南條愛乃でーす!」と挨拶すると、南條も成り行き上angelaのatsukoと名乗ることに。八木沼は「宇宙世紀…」とKATSUの定番であるギレン・ザビの演説をモノマネするなど、息の合ったやり取りで笑いを取る。fripSideの2人がステージからはけた後も、あくまでも自分たちがfripSideだと言い張るatsuko。「sister’s noise」の一節をアカペラで歌うなど、相変わらずノリノリだ。「こんなangelaですがまだまだついてきてくださーい! Follow Me?」(atsuko)と煽り、そのまま『蒼穹のファフナー EXODUS』のOPテーマ「イグジスト」へと突入。続く「全力☆Summer!」ではアロハ姿のダンサーも登場してタオルをぶん回すバカ騒ぎ状態に。サンバドラムを抱えて暴れまわるKATSUは、終盤でいつの間にかバナナ型のマスクを着用。謎の祝祭ムードで妙な昂揚感を生み出して先発の役目を終えた。

そしてどこからか学校のチャイム音が鳴り、スクリーンには『KING OF PRISM』シリーズのメインキャラ、一条シン(CV:寺島惇太)が登場。会場に「応援していただけますか?」と呼びかけて黄色い歓声を引き出す。そして7人のメンバーがカウントすると、ステージ花道のリフトからエーデルローズの新入生7人が現れる。清涼感のある歌声で「ドラマチックLOVE」を歌い継いでいく姿に、女性を中心としたオーディエンスは熱狂状態に。さらに曲の終盤には如月ルヰ役の蒼井翔太がウィッグを着けたコスプレスタイルで参上。8人のプリズムスターたちが勢ぞろいする。次曲はシンとルヰが2人でデュエットするのかと思いきや、ここで突然TRFのDJ KOOがDJブースと共に出現! 映画『KING OF PRISM -PRIDE the HERO-』の挿入歌でもあったTRFの名曲メドレーで、会場をダンスフロアに様変わりさせる。シンとルヰが「CRAZY GONNA CRAZY」を歌った後は、メンバー全員集結して「EZ DO DANCE」でトップギアへ。最後はふたたび一条シンがスクリーンに登場し、「ありがとうの代わりに、好きって言わせてください!」とファンに甘い言葉を投げかけ、プリズムの輝きでファンの心を奪ってみせた。

そこから一転、今度はアニサマ初出演となるLuce Twinkle Wink☆が登場し、『うらら迷路帖』のEDテーマ「go to Romance>>>>>」で女性アイドルらしいキュートなステージを繰り広げていく。普段から数々のライブやイベントに出演している彼女たちだけあって、ダンス・パフォーマンスのスキルは相当なもの。メイドっぽい衣装の5人が、輪になって回ったり、伸びやかに動いたりする姿には煌きがいっぱいだ。リーダーの宇佐美幸乃は「結成当初の夢であるアニメロサマーライブに出演できて、本っ当に嬉しいです!」と喜びを溢れさせる。2曲目の最新シングル「Fight on!」ではダンスの切れのみならず、歌唱面でも深沢紗希がロングトーンを聴かせるなど、実力の高さをアピールしていた。

続いても実力派のガールズ・グループ、声優とアイドルの両輪で活躍するi☆Risの出番だ。デビュー曲「Color」のイントロ部分を用いた導入に続き、気合い充分といった面持ちの6人がステージに登場。彼女たちの活動初期を支えた名匠・永井ルイによる「§Rainbow」でライブをスタートさせる。この曲、実はi☆Risがアニサマ初出演時に披露したナンバー。今回の演出はその2013年の出演時をなぞらえたものになっており、両方の場に居合わせたファンならばその4年という年月で彼女たちが積み上げてきたものの重みに、思わずグッときてしまったはずだ。初出演のときは1曲のみのパフォーマンスだったが、この日は全部で3曲を披露。茜屋日海夏の凛々しい歌声が特に耳を惹いた「Shining Star」、花道で四方から照明に照らされるなか、メンバーそれぞれが前を見据えてじっくりと歌を聴かせた「イチズ」と、デビュー5周年を迎えてますますスケールアップしたステージを展開した。

ここで『ユーリ!!! on ICE』のアニメ映像が流され、会場が黄色い歓声に沸くなか、羽多野渉がYURI!!! on ICE feat. w.hatano名義で歌ったEDテーマ「You Only Live Once」をパフォーマンス。スラッとしたスタイルの男性ダンサー2人がフィギュアスケートのように優雅なダンスで目を楽しませるなか、羽多野も「みんないっしょに歌ってください!」と盛り上げる。MCでは「すげえ景色だな! ビックリした!」と、初めてアニサマに出演した感動を素直に表現する羽多野。続く「ハートシグナル」では『ひとりじめマイヒーロー』のアニメ映像をバックに涼やかな美声を響かせ、ダンスビートに乗せて爽快な光景を広げていく。歌詞の最後のフレーズ〈伝えたくて ホン.き.に.な.る.〉の部分では客席に向けて指をさし、ハンサムな仕草でオーディエンスのハートを撃ち抜いた。

続いて登場したのは、今年待望のソロ歌手デビューを果たした東山奈央。1曲目「イマココ」では穏やかなアコギの調べから一転、エモーショナルなバンド・サウンドに乗せて、しなやかで力強い歌声を会場全体に届け、『月がきれい』の清廉とした世界観を表現する。大人っぽい白のロングドレスに白いハイヒール姿で柔らかい表情を見せる彼女。MCでは初解禁情報として、ファースト・アルバムのリリースと、初のワンマンライブを日本武道館で行うことを発表。ビッグなサプライズに客席も驚きと喜びの歓声で応える。2曲目は、同じく『月がきれい』のテーマ曲に起用されていた「月がきれい」。月の映像が大スクリーンに投影されるなか、東山は包容力のある声でしっとりと青春のバラードを歌い上げる。落ちサビでは一条の光が彼女を照らし、神秘的な光景が曲にさらなる深みを与えていく。生バンドの力強い演奏と優美なストリングスに包まれて、彼女の声はまるで夜空にほどけていくように会場に浸透していった。

そして「TRY UNITE!」の浮遊感に満ちたイントロが流れるなか、花道前方のステージに登場したのは、昨年末に歌手活動を再開した中島愛だ。たっぷりとしたイントロが流れている間に、まめぐは花道をゆっくりと歩いてメインステージに到着。「アニサマ、盛り上がっていきましょー!」という声を合図に、エレガントなダンス・サウンドに乗せて潤いを帯びた歌声を会場いっぱいに届ける。MCでは客席から「お帰りー」という言葉も飛び、中島も「こんなに早くまたアニサマのステージに立てるなんて思ってなかったので、本当にみなさんのおかげです」と感謝の気持ちを伝える。そして次の曲、「私の原点と言えばひとつしかありません」「もし知ってたらいっしょにキラッ☆てしてくれますか?」との言葉に続いて披露されたのは、もちろん彼女のデビュー作である『マクロスF』の挿入歌、ランカ・リーの「星間飛行」だ。こういった名曲を新鮮な気持ちで楽しめるのもアニサマの魅力のひとつ。彼女は溢れんばかりの笑顔と共に光の矢を放ち、観客の表情を笑顔に変えてみせた。

続いて英語のナレーションがみもりんのショウタイムの始まりを告げると会場の熱は一気に上昇。ハート模様を散りばめたショートドレス姿の三森すずこがステージに登場すると、大歓声が巻き起こる。まずは「ドキドキトキドキトキメキス▽」でキュートに振り切ったパフォーマンスを展開。ヘッドマイクで歌いながら細かな手のフリを可愛らしく披露していき、左右に投げキッス&決めのウインクでさらにダメ押し。「夏と言えばアニサマ! 夏と言えばみもりん!」とソロライブの宣伝もして、チャーミングかつ抜け目のないところを見せる。青と白のドレスに早着替えしたみもりんは、続いて映画『結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-』の主題歌「サキワフハナ」を歌唱。スモークが足元を覆うなか、先ほどとは真逆の雰囲気の祈るような歌声で幻想的な光景を生み出し、表現者としての凄みと幅広さをアピールしてライブを終えた。

そして2日目前半戦のトリを務めたのはスフィア。ロマンチックなピアノの調べに導かれてステージ上段に現れた4人は、『装神少女まとい』のEDテーマ「My Only Place」の1フレーズを柔らかなハーモニーと共に聴かせる。そこから寿美菜子の「アニサマ行くよー!」の声に続けてライブの定番曲「Super Noisy Nova」へと突入。黒ベースの艶やかなドレスに身を包んだ彼女たちは、左右に分かれて客席を煽りながら元気いっぱいな歌声を届ける。高垣彩陽がもはや恒例となっているオヤジギャグで滑り散らかしたり、戸松遥と寿美菜子がふざけあっているのを豊崎愛生がたしなめたりと、MCでのやり取りも絶好調(?)だ。そこから今日イチとも思えるほどの盛大なコールが発生した「MOON SIGNAL」、コブシを突き出しエネルギー全開でぶっ飛ばしていった「HIGH POWERED」と、鉄板曲を立て続けにパフォーマンス。充電期間を前にした最後のアニサマという舞台で、スフィアという存在の大きさをしっかりと見せつけた。

後半戦はガラリと趣向を変えて、『キラキラ☆プリキュアアラモード』のキャスト&主題歌アーティスト勢によるサマーセッションで楽しくスタート。まずはふわふわ付きの白い衣装を着た駒形友梨が、OPテーマ「SHINE!! キラキラ☆プリキュアアラモード」で眩しい歌声を届ける。続いてはプリキュア好きにはお馴染みの声優/シンガー、宮本佳那子が登場。ダンサーを従えた彼女は、チャールストン・ポップといった趣きの「シュビドゥビ☆スイーツタイム」で会場を笑顔いっぱいのダンスホールに変えていく。さらにプリキュア6人の変身バンクがスクリーンに流され、それに合わせる形でキャスト勢が登場。それぞれのキャラクターそのままの溌剌としたパフォーマンスで「レッツ・ラ・クッキン☆ショータイム」を歌う。「プリキュア、アニサマ初体験だよー!」(美山加恋)、「アニサマ、トレビア~ン」(水瀬いのり)といった台詞も交えつつ、最後は駒形と宮本も加わった8人で大合唱。最初から最後まで文字通りキラキラのステージだった。

続いて「こんにちは、おじさんでーす!」と現れたのが鈴村健一だ。『はんだくん』のEDアニメ映像に合わせて「HIDE-AND-SEEK」を伸びやかに届けていく。ストライプ柄のジャケットでカジュアルにキメた鈴村は、ステージの左右を行き交いながら客席に視線を送り、あたたかい雰囲気を作り上げながらオーディエンスとコーラスで交歓し合う。「プリキュアすごいもんな。あれの後に出てくるのはしんどいわ」と笑いを取りつつ、次は「アニソンではありませんけど、最後に1曲やらせてください!」とエクスキューズして自身のアンセムと言える楽曲「SHIPS」を歌唱。音楽活動10周年を迎えた彼の万感の思いが乗った、すべての冒険者たちの背中を後押しするような歌詞が胸を熱くさせる。巧みなコール&レスポンスで一体感を作り上げ、最後は右手を突き上げてからのジャンプで情熱的に締め括った。

……と思いきやステージに残る鈴村。「アニサマと言えばコラボ」と前置きし、羽多野渉をステージに呼び入れる。ここで特撮好きとして知られる鈴村は、またもアニソンではなく、今度は特撮ソングを歌うことを宣言。羽多野に「もう目の光がすごい、少年のよう!」といじられつつ、彼が選んだ楽曲は『ウルトラマンネクサス』のOPテーマ「英雄」。タフにぶつかり合う2人の歌声、凄まじい熱量を放つバンドの演奏、〈男なら 誰かのために強くなれ〉という熱いメッセージが、赤いサイリウムで覆われた会場に強い気持ちを伝えていく。特撮好きの彼らしい熱さがみなぎる名演だった。

ここでラウドなバンド演奏が始まり、前半戦に登場した三森すずこがふたたびステージに。「私のコラボの相手はー? この人だー!」との言葉に続いて登場したのは、なんと1日目に出演していた茅原実里! まさかの〈みのりん×みもりん〉コラボで『けいおん!』のEDテーマ「Don’t say “lazy”」をクールに熱唱する。共に黒の皮ベストを着用しつつ、茅原は青、三森は赤を基調としたロックな衣装で揃えており、見た目的にもユニット感はバツグン。ワイルドかつ艶味を帯びたパフォーマンスですさまじい熱狂感を生み出し、ラストは2人で腕を突き上げてカッコよく決めてみせた。

そんな豪華コラボ2連発を受けて登場したのは、多数のベルトが巻きつくパンキッシュな出で立ちに身を包んだ蒼井翔太だ。彼が一発目に持ってきた曲は『初恋モンスター』のEDテーマ「キミに捧げる鎮魂歌」。この曲は蒼井が劇中に登場するレンレン役として歌ったキャラソンで、かなり意外性のある選曲。序盤の2ビートで疾走するハードコアなパートでは子供っぽく可愛らしい歌唱、そこからサビではV系バンド顔負けの朗々と響く男前ボイスで絶唱し、サビ終わりにはふたたび子供っぽい歌声に戻る、という凄まじい展開の楽曲で、歌声と表情を次々とスイッチしながら見事に表現してみせるのはやはり声優ならでは。そんな切り札と言うべきレアカードを切った蒼井は、続いて「僕には〈THE CARD〉に相応しい曲がまだあります」と語って「とっておきのルミナイズとして盛り上げていきたいと思います!」と『フューチャーカードバディファイトDDD』のOPテーマ「DDD」を歌う。へヴィーなサウンドとレーザーが飛び交う会場に艶かしい視線を送りながら、一気に駆け抜けていった。

続いてメルヘンチックな打ち込みサウンドに伴われてステージに姿を現したfhanaが、『有頂天家族2』のEDテーマ「ムーンリバー」からライブをスタートさせる。京都の月景色がスクリーンに映し出されるなか、ピンクのドレス姿のtowanaが感情を丁寧に編み込むように歌い上げていく。そのように神妙なムードを作り上げた後は、『ナイツ&マジック』のOPテーマでもある最新シングル「Hello!My World!!」でアッパーに飛ばす彼ら。MCではバンドがメイド喫茶にて結成されたエピソードを紹介し、「ということは、次の曲は…メイドさんの格好にならないと歌えないんじゃないかな?」(佐藤順一)と期待を煽る。そうするとどこからともなくメイドがやってきて、towanaにメイドエプロンを授与。彼女は照れまくりながらエプロンを着用して準備万端、この日誰もが期待していたであろう『小林さんちのメイドラゴン』のOPテーマ「青空のラプソディ」でダンスタイムの開始だ。声優ユニットのピュアリーモンスターもメイド服のダンサーとして登場し、曲の終盤では男性メンバー3人も楽器を置いてレッツダンス! さらにスフィアとi☆Risまでもが参加して、最後はみんなで楽しく踊って大団円となった。

fhanaが去った後も「楽しくて出てきちゃった!」と騒ぐスフィアとi☆Risのメンバーたち。ここで芹澤優が箱を発見し、みんなで開けて中を確かめてみると、fhanaからのプレゼントとして魔女っぽい帽子が10人分出てくる。一文字ずつ文字の書かれた帽子をそれぞれ被って並んでみると、ここで夢のユニット〈アイリスフィア〉の誕生だ。メンバーをシャッフルしつつ二手に分かれてゴンドラに搭乗した彼女たち、『おジャ魔女どれみ』のOPテーマ「おジャ魔女カーニバル!!」を明るくハッピーにパフォーマンス。お客さんの目の前まで近づき、手を振ったりにこやかな笑顔を届けていく。プリキュアの初参戦に続いて、おジャ魔女のカバーまで飛び出すなんて、やはり今年のアニサマは一味違う。

そんな夢のコラボに続いては、衝撃的なシークレット・ゲストが登場。タイトな赤のレザージャケットとピチピチの赤パンツに身を包んだその人は、なんと演歌歌手の氷川きよしだ。彼は『ドラゴンボール超』のOPテーマに起用された新曲「限界突破×サバイバー」を、いつもと違うロックスター然とした身のこなしでたくましく歌っていく。歌唱力の素晴らしさは当然のことながら、シースルーのトップスに包まれた胸板のセクシーさでもオーディエンスを魅了。「せっかくだからみんなできよしコールやってもらえます?」と「きよしのズンドコ節」も少しだけ披露して、この日最大ボリュームのコールを巻き起こす。もともとポップス好きだったという氷川、「音楽はやっぱりジャンルを超えていいものはいいですね」と語り、ここで昔から大好きだという『ドラゴンボールZ』のOPテーマ「CHA-LA HEAD-CHA-LA」をカバー。アリーナの揺れるような大合唱と共に気持ち良い歌声を響かせて、白い歯の光る爽やかな笑顔で「ありがとうございました、最高!」と挨拶して、初出演となるアニサマのステージを後にした。

続いては『アイドルマスター ミリオンライブ!』のアイドルたちから選抜されたアイドルマスターミリオンスターズの出番だ。この日さいたまスーパーアリーナのステージに立ったのは15名。まずはテーマソングのひとつである「Dreaming!」を全員で歌唱。青と赤を配色したお揃いの衣装で15名が並び歌う姿は壮観のひと言だ。そしてメンバー全員の簡単な自己紹介を挿み、アニサマのために用意したというスペシャル・メドレーへと移行。まずはステージ中央で、横山奈緒役の渡部優衣、春日未来役の山崎はるか、望月杏奈役の夏川椎菜で元気いっぱいのアップ「PRETTY DREAMER」を歌い、甘い声と可愛い手振りでキュートさを強調する。そこからステージ下手に明かりが移り、徳川まつり役の諏訪彩花が和風のダンス・ポップ「カーニヴァル・ジャパネスク」を披露。続けてステージ上手がフィーチャーされ、松田亜利沙役の村川梨衣が転調だらけの電波ポップス「Up!10sion♪Pleeeeeeeeease!」でハイテンションに盛り上げる。

そして高坂海美役の上田麗奈、七尾百合子役の伊藤美来、矢吹可奈役の木戸衣吹が登板。弾けるようなポップ・チューン「Eternal Harmony」で幸せな笑顔を会場いっぱいに広げていく。ここで馬場このみ役の高橋未奈美が艶めいた美麗な声で「dear…」を切々と歌唱。さらにジュリア役の愛美がギターを持って登場し、どこか哀切感を持ったロック曲「プラリネ」を思いきりよく歌う。続けて伊吹翼役のMachicoも姿を現し、愛美のギターをバックに「アイル」をエモく歌い上げ、途中からはMachicoと愛美でデュエット状態に。メドレーの最後は、箱崎星梨花役の麻倉もも、最上静香役の田所あずさ、北沢志保役の雨宮天、高山紗代子役の駒形友梨による「Shooting Stars」。花道のステージに現れた4人が力強い歌で星の瞬くその先を指し示す。メンバー各自の見せ場を作った後は、ふたたび15人集結して新たなテーマ曲「Brand New Theater!」で締め括り。アニサマという大舞台にて、彼女たちのシアターを再現してみせた。

ここまで4時間半を駆け抜けたアニサマ2日目も次でラストアクト。fripSideが再度ステージに立ち、satの「アニサマ行くぞー!」の声を合図に『ブラック・ブレット』のOPテーマ「black bullet」で迫力のパフォーマンスの幕を開ける。ステージ上段にはLuce Twinkle Wink☆の5人も現れ、天誅ガールズとして切れ味鋭いダンスでfripsideを応援する。大人っぽい低音からキレイな高音へと声を自在に操る南條。ステージには炎が上がり、客席の熱も一気に上昇する。続いてはオープニングのお返しとばかりにangelaの2人が登場し、fripSide×angela名義のコラボ曲「The end of escape」をパフォーマンス。南條とatsukoは手と目を合わせながら歌い、会場を熱狂の渦に落とし込む。「ステージ上の平均年齢を上げてやりましたー!」と語るatsuko、結局ギレン風の演説を始めてしまうKATSUと、angelaらしいひょうきんな一面も見せて、トリを務めるfripSideにエールを送った。

「次の曲はまだライブで1回しか歌ったことがないです。しかも現状、さいたまスーパーアリーナ専用曲になってます(笑)」(南條)との言葉に続けて歌われたのは、『クロックワーク・プラネット』のOPテーマ「clockwork planet」。煌びやかなシンセ・サウンドと南條のハイトーンボイスが絡み合い、美しくも儚いデジタル・ポップが紡がれていく。fripSideの15周年という節目の年、ユニットに加入して8年が経つ南條は、MCで改めてアニサマに初出場したときの思い出を語る。当時はイヤモニをつけたこともなく、すべてが初めてで新鮮な気持ちだったという。そんな思いを込めて、この日の最後に彼女たちが届ける曲は、初めてのアニサマのステージに立ったときと同じナンバー「only my railgun」。もちろん『とある科学の超電磁砲』の御坂美琴の格好をしたダンサーも登場し、最後のサビでは大合唱で最大級の熱狂を生み出して、見事に2日目トリの大任を務めきった。

みずからの周年とアニサマへの思いを重ねて、最後には初心に返るようなステージを見せたfripSide。やはりアーティストにとっても、オーディエンスにとっても、アニサマというイベントは特別の場なのだろう。同じく初出演時の演出を意識したi☆Risや、ひさびさにアニサマに戻ってきてデビュー曲を歌った中島愛もそれを感じていただろうし、今回初出場を果たしたアーティストもまた、この一体感溢れるスペースに愛情とリスペクトの気持ちを抱いたはず。きっとこのようにして、アニサマの歴史は今後も連綿と続いていくことだろう。

Text By 北野 創

(C)Animelo Summer Live 2017/MAGES.

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