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2017.09.25

SOS団「ハレ晴レユカイ」奇跡の復活も!8月25日開催“Animelo Summer Live 2017”1日目レポート!

SOS団「ハレ晴レユカイ」奇跡の復活も!8月25日開催“Animelo Summer Live 2017”1日目レポート!

世界最大のアニメソングの祭典ライブイベント「Animelo Summer Live 2017」(以下、アニサマ)が、8月25日から27日までの3日間、さいたまスーパーアリーナにて開催された。今年で13年目を迎えたアニサマのテーマは「THE CARD」。ステージという盤面上で次々と切られるカードは、現在のアニソン・シーンを代表する豪華なアーティストたちだ。ここではその1日目の詳細レポートをお送りする。

すでにご存知の方も多いだろうが、今年のアニサマは1日目のド頭にいきなり最大のサプライズが仕掛けられていた。それはTVアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』で声優を務めた涼宮ハルヒ役の平野綾、長門有希役の茅原実里、朝比奈みくる役の後藤邑子によるユニット、SOS団のシークレット出演だ。

この日の出演者を紹介するオープニング映像に続き、一瞬の間を置いて場内に流れ出したのは、『涼宮ハルヒの憂鬱』のEDテーマ「ハレ晴レユカイ」のイントロ。客席にいた誰もが〈まさか!?〉と驚くなか、SOS団のオリジナルメンバー3人がステージに登場。平野の「SOS団、参上ーっ!」という声が合図となって、会場は瞬く間に驚喜の声に包まれる。彼女たちがアニサマのステージに揃って立つのは実に11年ぶり。EDアニメの映像をバックに、かつて動画共有サイトなどで大人気を博したダンスをにこやかに踊り歌う。

しかもこの日の彼女たちの衣装は、ライブDVD『涼宮ハルヒの激奏』のパッケージでハルヒたち3人娘が着ている服を模したもの。平野は髪型こそ金髪のベリーショートではあるものの、ハルヒのトレードマークである黄色いリボンをしっかりと頭に巻いている。最初はあまりの出来事に戸惑い半分だったオーディエンスも、1番が終わったころには息の合ったコールや合いの手でSOS団を支援。奇跡のような復活劇を盛り立てる。曲が終わった後も怒号のような歓声は止まず、3人は感無量といった面持ちで言葉を詰まらす。

この後、茅原がソロ登場時のMCで説明していたが、今回SOS団がサプライズ出演することになったきっかけは、彼女が2013年のアニサマの記者会見に出席した際、〈コラボしてみたい人は?〉という質問に対して「また(平野と後藤と)3人で“ハレ晴レユカイ”を歌って踊れる日がきたらいいなと思います」と答えたことにあるという。その発言を覚えていたアニサマスタッフの提案により、今回の粋な計らいが実現したわけだ。「本当に感極まって…3人同じ思いです」(平野)と語り、肩を組んでステージを去っていく3人の嬉しそうな表情は、この復活を目撃できた人たちすべての心にしっかりと焼きついているはずだ。

さて、そんな驚きの開幕に続けて登場したのは、2017年のアニメ・シーン最大の話題作となっている『けものフレンズ』の面々だ。今回はどうぶつビスケッツ×PPPの8人に加え、ハシビロコウ役の小森未彩、コツメカワウソ役の近藤玲奈も参加。サーバル役の尾崎由香がひょっこり出現して「フレンズのみんな、盛り上がっていくよー!」と宣言すると、その他のフレンズたちも次々と姿を現し、全員揃ったところで「ようこそジャパリパークへ」を元気いっぱいに披露する。あっという間に緑のサイリウム一色に染まった会場は、さながら〈あにさまちほー〉といった趣き。後半からは同曲の作者であるオーイシマサヨシもコーラスで参戦し、最後は〈ララララー♪〉と会場が一体となっての大合唱で賑々しく締め括った。

続くClariSは『魔法少女まどか☆マギカ』のOPテーマ「コネクト」でライブをスタート。真っ白のドレスで合わせた2人は、顔の半分を覆うマスクによってミステリアスな雰囲気を醸し出しながらも、透明感のある歌声とバレエのようなステップも採り入れた動きで華麗なステージを展開していく。「今日は短い時間なんですけど、いっしょに楽しい思い出いっぱい作りましょー!」と挨拶し、2曲目には『エロマンガ先生』のOPテーマ「ヒトリゴト」をパフォーマンス。スカ調のウキウキするようなリズムに乗せてシンメトリーな動きで魅せるClariSの2人に、客席も満面の笑顔と声援で応えていた。

そしてスクリーンには煌びやかな宝石の映像が投影され、豊田萌絵と伊藤美来による声優ユニットのPyxisが登場する。最初に聴かせてくれたのは『デュエル・マスターズ VSRF』のEDテーマ「FLAWLESS」。甘いなかにも切なさを忍ばせた歌声が、清涼感のあるポップ・サウンドに溶け込みながら爽やかな風を運んでくれる。色味をシルバーとホワイトで統一した衣装には、ところどころにフワフワした飾りがあしらわれており、その姿で柔らかに舞う2人はまるで白鳥のようだ。MCでは憧れだったというアニサマでのコール&レスポンスを満喫した彼女たち。最後はユニット名の由来である〈宝石箱〉と、今回のアニサマのテーマ〈カード〉にちなんだ楽曲として、『カードキャプターさくら』の主題歌である坂本真綾「プラチナ」をカバー。間奏でお互いに駆け寄って喜びを噛み締めるように抱き合う姿が印象的だった。

ここからは女性ソロ・シンガーが続く。まずは大橋彩香のターンだ。この8月には『アイドルマスター シンデレラガールズ』の5thツアーでさいたまスーパーアリーナの舞台に立ったばかりの彼女。アニサマではダンサー2人を従えて、この日がライブ初披露となる『ナイツ&マジック』のEDテーマ「ユー&アイ」からパフォーマンスを開始する。虹色に光る白のドレス姿で可愛らしい振り付けをこなしつつ、伸びやかな美声を響かせる大橋。「とても素敵な景色で、安心して歌うことができました」と満面の笑みでファンに感謝を伝える。MCでは「先ほどRoseliaさんをお見かけしまして。でも、うちの山吹紗綾さんはちょっとパン屋のお手伝いがありまして、今日はドラムを演奏することはないんですけど…」と自身が出演する『BanG Dream!』ネタで笑いを取りつつ、最後はアニサマバンドの生演奏をバックに「ワガママMIRROR HEART」を熱唱。赤いライトが扇情的に回転するなか、エモーショナルな輝きを放ってみせた。

その熱気を引き継ぐように情熱的なステージを繰り広げたのが、ソロとしてはアニサマ初参加となるMachicoだ。丈の短い青のトップスに黒のショートパンツ、黒のロングブーツというクールな出で立ちでステージに現れた彼女は、「fantastic dreamer」と「TOMORROW」という『この素晴らしい世界に祝福を!』のOPを彩った2曲を披露。ステージ上ではパンチの効いた歌を凛々しく聴かせる彼女だが、MCでは「たくさんの電気棒に囲まれて嬉しいですー!」と甘い声でキュートに語る。そのギャップも彼女の魅力だろう。「TOMORROW」では〈このすば〉カラーに身を包んだ4人のダンサーも登場。アクアのような髪型だったり、めぐみん風の帽子を被ったダンサーが賑やかに盛り上げるなか、サビの歌詞にある〈走り出せ〉というフレーズ通りの力強い歌唱で走り抜けていった。

続くTRUEのステージは、『響け!ユーフォニアム2』のOPテーマ「サウンドスケープ」で華々しく幕を開ける。大スクリーンに映し出される同アニメの映像と、ホーンのサウンドを交えた心の弾むようなサウンド、そしてTRUEの伸びやかな歌声が作り出すハッピーな光景に、客席も全力のコールや合唱で応える。曲の終わりにはグルグル回るように動いて、アニサマの舞台で歌える喜びを表現するTRUE。「おととしまでは客席で〈すごいかっこいいなー〉と思ってたんですけど、去年に初めてこのステージに立たせていただいて、今年はMCまでさせていただいて、本当にありがとうございます!」と感謝の気持ちをあらわにする。続く最新シングル「BUTTERFLY EFFECTOR」では、クラウチングの体勢から花道を一気に全力疾走。手を突き出したり座り込んだりと、さまざまなアクションを交えながら熱狂を生み出してみせた。

ここで「まだ歌ってもいいですか?」と訊くTRUEにオーディエンスは大歓喜。彼女とはランティスのレーベルメイトでもあるMinamiを呼び込んで、またしても豪華なコラボが実現する。2人がこのハレの場で歌った楽曲は、なんと『ガールズ&パンツァー』のOPテーマとして知られるChouChoの「DreamRiser」。TRUEが曲名を告げた瞬間に会場からは大きな喜びの声が上がる。〈ガルパン〉の映像を背にしながら、どこまでも突き抜けるような開放感いっぱいの歌声を広げる2人。曲の後半ではかけ合うようにお互いの歌をぶつけ、聴く者の高揚感を引き出すようなデュエットを聴かせてくれた。

そしてMinamiが「ここからは私のパートなの」とステージにひとり残る。今回が12回目のアニサマ出演だという彼女は、それを上回る皆勤賞の2人、ベーシストの瀧田イサムと〈ミスターアニサマ〉ことGRANRODEOの飯塚昌明をステージに招聘。彼らの演奏をバックに『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』のOPテーマ「illuminate」を気迫のこもった声で歌い上げる。飯塚の熱いギター・ソロとストリングスの劇的な響きに縁取られた壮大な歌世界が、さいたまスーパーアリーナに深い色を落とす。一方でイントロのシンセ・フレーズから大きな歓声が起こった『はたらく魔王さま!』のOPテーマ「ZERO!!」では、スクリーンに映る青空の景色そのままの爽快な歌で走り抜け、貫禄あるパフォーマンスを見せ付けた。

続いてスクリーンに表示されたカードは、オーイシマサヨシとTom-H@ckの2枚。この2人によるユニット、OxTの出番だ。オーイシはアコギ、Tom-H@ckはエレキ・ギターを手に現れ、ここで突然両者のギターバトルが勃発する。ギターのボディを叩くスラム奏法を交えたリズミカルなプレイの前者に対し、メタルやハードロック系の情熱的な早弾きで煽る後者。甲乙つけがたい内容に勝負は持ちこされ、そのまま『月刊少女野崎くん』のOPテーマで知られるオーイシのソロ曲「君じゃなきゃダメみたい」へと雪崩れ込む。横ノリのファンキーなグルーヴ感に乗せられて大揺れする会場。さらに「バトルしてる場合じゃなかったわ。俺たち、甲子園めざさな!」というオーイシの宣言を合図に『ダイヤのA』のOPテーマ「Go EXCEED!!」へ。いつの間にか野球帽を被ってユニフォーム姿でタオルを振り回すオーイシに加え、Pyxisの2人もバットとボールを手に登場し、客席に向けてバッティングしたりボールを投げ入れたりと、ステージ上はお祭り騒ぎになる。

それが祭りの頂点になるのかと思いきや、そこからさらにアゲていくのがOxTのすごいところ。オーイシの「次の曲、やらないか?」という言葉に合わせて、なんと田村ゆかりが突然ステージに降臨! SOS団「ハレ晴レユカイ」と同様にかつて動画サイトで大人気を博した『きらりん☆レボリューション』のOPテーマ「バラライカ」をコラボでパフォーマンスする。さすが対応力の高いアニサマのオーディエンスだけあって、会場は瞬く間に〈ウリャオイ〉コールで一致団結。ピンクのドレスに身を包んだゆかりんはもちろん、オーイシも可愛らしい仕草の振り付けを完璧にこなしながら共に歌い、意外性バツグンのサプライズ共演を見事に成功させた。

そして、前半戦のトリを飾ったのが鈴木このみだ。登場するなり「いくぞーっ!」と威勢よく檄を飛ばした彼女は、まず『CHAOS;CHILD』のEDテーマ「カオスシンドローム」で熱量の高いステージを組み上げていく。サイリウムが一面赤色に染まるなか、会場を揺らすような声援を受けながら、それを上回るエネルギーの歌声を届ける鈴木。MCでは前半戦の怒涛の盛り上がりに興奮しつつ、「でも、私は外から見てるアニサマよりも、このステージに立ってのアニサマのほうがずっと好きです!」と、表現者としての喜びをアピールする。ステージ上に舞い上がる炎よりも熱い歌声を聴かせた「Blow out」、流麗なピアノの導入部から怒涛の歌で駆ける「This game」とハードな楽曲を畳み掛け、その生命力みなぎる圧倒的な歌声でさいたまスーパーアリーナを熱狂させた。

後半戦の口火を切ったのは、『BanG Dream!』から生まれたガールズ・バンドのRoselia。先日に日本武道館公演を成功させたPoppin’Party(大橋彩香もメンバーとして所属)と同じく、キャラのキャストを務める声優がそのままバンドとして演奏もやってしまう、いわば〈2.5次元バンド〉に位置づけられる存在だ。1曲目は彼女たちのファースト・シングル「BLACK SHOUT」。ダークなイメージを促進するメタル・サウンドを生演奏でガッツリ披露して、バンドとしての実力を示す。MCでは白金燐子役の明坂聡美が「私、山吹(紗綾)さんによく似た大橋彩香さんに先ほどお会いしたんですけど…」と前置きして大橋のモノマネをしたり、先ほどイワトビペンギン役で『けものフレンズ』のライブに参加した相羽あいなが他のメンバーにいじられたりと、中の人ネタでひと盛り上がり。続く「LOUDER」では炎が上がるなか激しい歌唱と演奏で、独特のクールなゴシック世界を届けた。

そしてサイレン音が不穏な空気を生む会場に、トレードマークの黒いギターを抱えて現れたのが西沢幸奏だ。「アニサマかかってこいやあ!」と声を荒げつつ、自身のファースト・アルバム『Break Your Fate』のリード曲「Break your fate」でワイルドにライブをスタートする。ギターを激しく掻き鳴らしながら、熱を帯びた声でシャウトする彼女につられて、会場からは雄雄しいコールが沸き起こる。そこから雰囲気をガラリと変え、2曲目は静謐なムードのなか『劇場版 艦これ』の主題歌「帰還」を歌唱。最初はアカペラでしっとりと入り、サビでは朗々とした歌声を会場いっぱいに響き渡らせる。どこまでも青く染まったサイリウムは大海原を思わせ、スクリーンに映されたアニメ映像も相まって感動を呼び起こした。

さらに西沢は「3年目のアニサマなので、ここでもう1曲歌いたいと思いまーす!」と語り、彼女とは同い年でもある鈴木このみをステージに迎える。「今日はせっかくなのでスペシャルなことをやりたいと思います!」ということで、なんと西沢と鈴木がふたりしてギターを弾く特別なコラボが行われることに。黒いギターの西沢、赤いギターの鈴木が、イントロのギターリフを弾いた瞬間に客席からは一際大きな歓声が上がる。そう、2人が披露したのはアニソンの定番となっている中川翔子の名曲「空色デイズ」だ。弧を描きながら絡み合う2人の力強い歌声と共鳴し合うギターが、この日にしか体験しえない空間を生み出していた。

そのエネルギッシュなコラボから一転、さいたまスーパーアリーナに穏やかで深みのある世界を広げたのが早見沙織だ。静かに登場した早見は、ピアノ一本をバックに「Installation」を歌い始める。『赤髪の白雪姫』のOPテーマだったこの楽曲、もともとはストリングスを大々的に入れたドラマティックな曲調だが、今回はアコースティック・アレンジにて披露。ピンライトに照らされた早見は、ベージュのロングドレスが醸す神秘的な雰囲気も相まって、まるで宇宙空間にひとり浮かぶ天女のよう。スパニッシュなギターや力強いドラムが入った後半からは、複雑なニュアンスを湛えた歌声にスケール感が加わり、情熱的な間奏明けの沈黙と漏れる吐息、そこからの切々とした熱唱と、息を呑むような歌唱表現で聴衆を魅了した。続けて披露された竹内まりや提供の新曲「夢の果てまで」も、レトロな曲調とロマンスの香りが彼女の優雅な声質にマッチしており、まるで昭和の歌姫のようなオーラを発していたように思う。

その後、メルヘンチックなイントロが壮大に奏でられ、ステージに颯爽と姿を現したのは、実に3年ぶりのアニサマ出演となる田村ゆかり。今年6月にファンクラブイベントでライブを行ったとはいえ、しばらくステージから遠ざかっていたゆかり姫がふたたびアニサマに戻ってきたということで、会場は熱烈的な歓声に包まれる。1曲目に歌われたのは『のうりん』のOPテーマ「秘密の扉から会いにきて」。彼女らしいカラフルかつアップテンポな楽曲に、ずらりと並んだダンサーとの華やかなパフォーマンス。王国民も待ってましたとばかりに練度の高いコールで応戦する。次曲「You & Me」ではもちろんmotsuもゲストとして馳せ参じ、お客さんも〈おまいら〉としてその場の全員でステージを作り上げるスタイルに。大合唱に沸くなか、最後はゆかり姫の「せーの!」で多幸感いっぱいに締め括り。あっという間の2曲で嵐のように去っていった。

そこからまたも怒号のような大歓声が上がったのは、『ラブライブ!サンシャイン!!』のスクールアイドル、Aqoursが登場したからだ。まずはアニメのOPテーマ「青空Jumping Heart」でライブを始め、OPアニメの映像とシンクロしたダンスでファンを一気に惹き込む。9人並んでジャンプを決めたりと、ステージの楽しさを強調するようなフォーメーションと動きはまさにアイドル的。「HAPPY PARTY TRAIN」のアニメPVと同じ衣装を着た彼女たちは、2曲目にその曲を披露。同曲のPVを大スクリーンで流しながら、左右の小さめのスクリーンではそれと同じ動きをするメンバーを同じ構図で映すことによって、キャラとキャストを同期させる演出は見事だった。さらに夏にピッタリのダンス・チューン「恋になりたいAQUARIUM」ではメンバー全員がポンポンを持って踊り、そこから繋げる形でTVアニメのEDテーマ「ユメ語るよりユメ歌おう」を89秒バージョンで歌唱。まるでアニメ1話分を楽しんだような余韻を残して、Aqoursのアニサマ初ステージは幕を閉じた。

いよいよ佳境に差し掛かったアニサマ1日目。そこでまたも驚くべきサプライズを届けてくれたのが、今度はソロで登場した茅原実里だった。彼女が1曲目に選んだのは、なんと『涼宮ハルヒの憂鬱』の長門有希役で歌ったキャラソン「雪、無音、窓辺にて。」。彼女がランティスで歌手活動を再開するきっかけにもなった名曲だ。雪のごとく純白の衣装に身を包んだ茅原は、長門を意識するかのように表情を変えることなく、マイクの前に直立した姿勢のまま難曲を歌いこなしていく。これはきっと〈ハルヒ〉という作品への感謝の気持ちをこめたステージでもあるのだろう。そこから間髪入れず肩の空いた健康的なドレスに早着替えし、ダンサーを従えて「SELF PRODUCER」でアッパーに急旋回。最後はゴンドラに乗り、代表曲である『喰霊-零-』のOPテーマ「Paradise Lost」で大合唱を巻き起こし、「アニサマ最高~!」という言葉を残してライブを終えた。

そして会場には『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』のEDテーマ「INNOSENSE」の勇猛なイントロが流れ出す。いまやアニソン・シーンに欠かせないバンドとなったFLOWの出番だ。時に暴力的なまでに躍動するギター、タイトに疾走するリズム隊、そしてKOHSHIとKEIGOの伸びやかなツイン・ボーカルが、さいたまスーパーアリーナの熱気を先導していく。「みなさんと熱くなりにきました!」(KEIGO)と煽り、2曲目には『コードギアス 反逆のルルーシュR2』のOPテーマ「WORLD END」という人気曲を披露。そこから縦ノリのパンキッシュなナンバー「GO!!!」へと一気に畳み掛け、鉄板のセットリストで会場を天井知らずに盛り上げていく。恒例のウェーブで一体感も生み出して、デビュー15周年ならではのライブ巧者ぶりを発揮してみせた。

FLOWはそこからさらにGRANRODEOの2人をステージに呼び入れ、『七つの大罪』のEDテーマだったコラボ曲「7 -seven-」へと突入! KOHSHIに合わせてかサングラスをかけたKISHOWとのトリプル・ボーカルによって、炎の舞うステージに狂騒の熱を注ぎ込む。e-ZUKAとFLOWのTAKEによるソロ・ギターの応酬も火花の散るような熱さで、まさにこの2組の融合だからこそのロック魂溢れる共演となった。

ついにアニサマ1日目の出演者も残すところあと1組。10年連続10回目のアニサマ出演となるGRANRODEOが、しんがりとしてステージに立つ。1曲目は『劇場版 黒子のバスケ LAST GAME』の主題歌「Glorious days」。サングラスを外してスタンドマイクの前に陣取ったKISHOWが、CD音源よりもさらに重く歪んだギター・サウンドに乗せて、聴く者の心を震わせるような歌声を届ける。MCでは「Aqoursに入りたいです」(e-ZUKA)、「その夢はかなわないよ(笑)」(KISHOW)など相変わらずの軽口を叩き合いながらも、アニソンに対する熱い思いをオーディエンスに伝えて喝采を浴びる2人。この日は最新シングルとなる『最遊記RELOAD BLAST』のOPテーマ「move on! イバラミチ」、そして意外にもアニサマ初披露だという『黒子のバスケ』のOPテーマ「The Other self」というアニソンオンリーのセットで、アニサマに集った人たちに感謝の気持ちを込めながら情熱的に駆け抜けていった。

今年のアニサマ1日目は何と言ってもSOS団の復活という話題性に尽きるかもしれないが、もちろんその他のアクトも、いずれもが素晴らしいステージを見せてくれた。というか、この1日だけでも声優アーティストやバンド、アニメから派生したさまざまなユニットが並んでおり、近年のアニソンの多様性を縮図化したようなステージが楽しめたのではないだろうか。

(C)Animelo Summer Live 2017/MAGES.

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