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INTERVIEW

2017.08.30

「ハレルヤ」「ego-izm」も収録された1stアルバム『Culture Vulture』が完成!la la larksインタビュー

「ハレルヤ」「ego-izm」も収録された1stアルバム『Culture Vulture』が完成!la la larksインタビュー

元School Food Punishmentのボーカル・内村友美と、いきものがかりやLiSAの楽曲制作を手掛ける江口 亮を中心に結成されたバンド・la la larks。TVアニメ『M3~ソノ黑キ鋼~』EDテーマ「ego-izm」や『空戦魔導士候補生の教官』EDテーマ「ハレルヤ」を担当し、坂本真綾への「色彩」の提供でも話題になった彼らが、ついに1stアルバム『Culture Vulture』をリリースする。今回は過去にリリースされたシングル曲についての話を中心に、結成5年にして初のアルバム制作に至った経緯について内村友美と江口 亮のふたりに聞いた。

なお、『リスレゾ』ではアルバムの収録曲の解説や各メンバーが担う役割など、制作面についてさらに深く掘り下げた記事を掲載。本インタビューとの連動記事となっているので、ぜひ併せてご一読いただきたい。

――結成から5年、1stシングルから3年を経て1stアルバム『Culture Vulture』がリリースされます。こちらが制作されるに至る経緯はどのようなものだったのでしょうか?

内村友美 2016年末にワンマンライブがあったんですけど、そのときにMCで「来年結成5周年なんです」なんて話をしていたんですよ。そこにFlyingDogのディレクターや宣伝担当の方が来てくれていて、「じゃあ何かしないとなあ」と思ってくれたみたいで(笑)。そのあとに江口さんがディレクターに呼ばれて、「5周年のお祝いにアルバムを作りませんか」と言われたそうです。

――バンドのモード的な話ではなく、レーベル側から5歳の誕生日プレゼントとしてのアルバムなんですね。

江口 亮 2ndシングル「ハレルヤ」のリリース(2015年7月)から時間も経っていたし、何かしなきゃいけないなとは思っていたんですよ。なので、ありがたくそのプレゼントを受け取ることにしました。

――『Culture Vulture』というタイトルには、どういった意味があるのでしょうか?

内村 これはまず「タイトルは響きがいいものにしたい」という話をしていて、言葉を探しているときに「Culture Vulture」という文字が身の回りにあったんです。語感が気持ちよかったので詳しく調べてみたら、「教養マニア」「エセ知識人」という意味があるみたいで。自分たちってたまに頭が良さそうに見られることがあるので(笑)。それを皮肉っているようでちょうどいいかなと思ったんです。

――ジャケットもかなり先鋭的ですが、これはさすがにご本人ではないですよね?

内村 マネキンにアルミホイルを巻いたものですね。ジャケットやMVについての打ち合わせがあったときに、とにかくパッと見てかっこいいものにしたいという話になったんです。

江口 そのままTシャツにしてもいいようなね。Led ZeppelinにしてもPink Floydにしても、ジャケットをそのままTシャツにするだけでかっこいいじゃないですか。そういうものがいいとデザイナーに伝えたら、こうなっちゃいました。

内村 アルバムにはいろいろなジャンルの曲が入っていて、自分たちとしても「○○系」みたいなものに属していないバンドだと思うんです。そういう意味も含めて、ジャンル感がどこかに寄らないようなものにしたかったんですよ。ジャケットのデザイナーさんと、初回限定盤に付いてくる「Massive Passive」のMVの監督は別の方なんですけど、伝えたイメージからどちらも「匿名性とインパクト」を重視したものを作ってくれました。

江口 「自分たちは出たくない」とも言ったけどね。いい歳したバンドの顔がドーンと載っててもお客さんも欲しくないだろうし、まず自分がそのCDジャケットを部屋に飾りたくない(笑)。

――確かに言われてみればヒプノシス(Led ZeppelinやPink Floydのジャケットデザインを務める、イギリスのデザイン・グループ)を彷彿とさせるデザインになっていますね。

江口 いいように解釈していただいてありがとうございます(笑)。

内村 本来名刺代わりになる1stアルバムですし、普通はそれを許してもらえないと思うんですよ。しかもアーティスト写真もジャケットに準じたもので、このマネキンに自分たちのポラロイドが貼ってあるっていう。そういうアイデアって、普通は出しても通らないと思うんです。許してもらえているのは1stシングルの「ego-izm」から始まって、リリースのない期間も含めて今に至るまでレコード会社と良い関係性を築いてこれたからだと思います。

――la la larks自体が個々に活躍するメンバーの集合体にも関わらず、結果行き着いた先が「匿名性」というのが面白いですね。

江口 MVの方は同じ匿名でもまた違った世界観で、ダンサーの方が気が狂ったように4分半ひたすら踊り続けています(笑)。僕らは影のみの出演になっていますね。

内村 これもたまたまなんですけど、MVのほうは幾何学模様の全身タイツで顔を隠しているんですよ。偶然どちらも「顔が映らない」という形で出来上がっています。

――アルバムにはタイアップ曲も数曲収録されていますが、1stシングルでありTVアニメ『M3~ソノ黒キ鋼~』EDテーマ「ego-izm」を収録にあたって改めて聴いてみていかがでしたか?

江口 すごく良く出来てました。改めて聴いてびっくりしました。

内村 とにかく音が良かったんですよ。

江口 本当に、3年前に作ったとは思えなかったですね。

――過去音源が今聴いてもよかった理由は何故だと思われますか?

江口 本気だったからじゃないですかね。あのときは終わった瞬間に熱が出るくらい頑張りましたから。アルバムを作りながらずっと考えていたことがあって、自分を育ててくれた90年代の音楽って湯水のようにお金を使って音楽を作っていたと思うんです。やっぱり「お金をかけてしっかり作ったものは、時代を感じさせない」ということは間違いないと思います。この3年というタームでもいろいろな技術進化があって、その結果むしろ今の方が劣化してきている部分もあったりするんです。その中でこの「ego-izm」は、ちゃんとお金と労力をかけて作らせてもらえたんだなと改めて実感しました。稚拙だなとか、妥協しているなとか、まったく思わなかったです。3年前の自分たちに、がんばってくれてありがとうと思いましたね。

――内村さんはボーカルの面で3年前の自分を振り返ってみていかがですか?

内村 歌えていないなと思う部分もいっぱいあります。「ego-izm」や「色彩」のような難しい曲は、昔に遡れば遡れるほど歌えていないことが多くて。歌えていない状態をエンジニアさんに直してもらっている)曲と、歌えている上で直している曲とでは全然聴こえ方が違うんです。そういう意味で「ego-izm」と、アルバム用の新曲「Massive Passive」の違いはすごく感じますね。1曲目の「Massive Passive」と終盤の「ego-izm」を聴き比べて、成長を感じてもらえればうれしいです。

――「ハレルヤ」はTVアニメ『空戦魔導士候補生の教官』EDテーマで、ハードなイメージのla la larksのもうひとつの側面であるクラブサウンドの楽曲でしたね。

内村 これは監督にお会いしに行って、いろいろとお話して作った曲ですね。

江口 楽曲自体の方向性のオーダーはあまりなかったので、素直にla la larksがかっこいいと思うものを作りました。実は「Massive Passive」の原型になった曲も合わせてコンペに提出していたんですけど、このときは作品の世界観に楽曲をそこまで寄せなくてよさそうだったんですよね。内村が以前にやっていたSchool Food Punishmentにもクラブサウンドの楽曲はあったし、こういうシンセサイザー系の曲もあっていいかなと。「ego-izm」のカップリングだった「end of refrain」も同じ方向性で、それもla la larksのひとつの側面になっていると思います。

――アルバムには坂本真綾さんへの提供曲であり「ハレルヤ」のカップリングでもあった「色彩」が、「色彩 -Album Ver.-」として収録されています。こちらはどのような変更点があるのでしょうか?

内村 これは「Fate/Grand Order」というゲームの主題歌として、真綾さんに歌ってもらった曲です。昨年末にゲームのシナリオが最終章になったことで、楽曲の認知度がすごく高まったんですよ。それも含めて今回のアルバムにも入れようということになって。ただそうすると「ハレルヤ」の収録曲が全てアルバムに入ることになってしまうので、何か別のものにしないと「ハレルヤ」を買ってくれたお客さんに対して申し訳ないなと。そこで
真綾さんにコーラスをお願いできないかと思って打診してみたんです。そうしたら、ご本人が快諾してくださって。それでアルバムバージョンでは、新しく録音された真綾さんのコーラスが使われています。
――コーラス収録の様子はいかがでしたか?

江口 上手っすよね。さすがプロだと思いました。歌の人ってハモリが苦手だったりすることも多いんですけど、坂本さんはサクサクっと録って帰られていきました。

内村 「うーん、難しいー」とか言いながら、あっという間に修正してしまうんですよ。

江口 瞬発力がすごかったですね。修正が早い。

――そもそも楽曲としては、「Fate/Grand Order」側からの発注があって作られたのでしょうか?

江口 そうですね。何曲かコンペに提出したんですけど、その中から「この曲のサビと、この曲のAメロBメロをくっつけられないか」という依頼があったんですよ。それで合体させた曲なんです。なので、そう思って聴いてみると面白いかもしれません。

――タイアップ系の楽曲を制作するにあたっては、どういったものが発想の起点になっているのでしょうか?

江口 基本的に発注側から何かしら明確なオーダーがあるんですよ。『Fate』は特に作者の奈須きのこさんのイメージが明確なので、それがオーダー表として届くんです。それをディレクターと一緒に読み取って、la la larksならどんな曲を作れるかを考えました。何曲か方向性のサンプルとして真綾さんの楽曲を提示していただいたので、それも参考にしつつla la larksらしく曲を作ったつもりです。

――最後に、読者の皆さんへのメッセージをお願いします。

内村 私はアニメやゲームはもちろん、映画などのストーリーがあるものが全般的に好きなんです。そういうものって、絵が曲と一緒になってリンクしたときにもっと好きになれると思うので、知っている曲があれば映像を思い出しながら聴いてみていただければと思います。そこから興味を持ってもらえたら、アルバム全体を楽しんでいただけたら嬉しいです!

江口 最近LiSAやさユり、分島花音ちゃんなど、自分のワークスにアニメとの接点がより濃く出ておりまして、そういったものの匂いも感じながら聴いてもらえる作品になっていると思います。それでいてSchool Food Punishmentのファンにも聴きやすいと思いますし、時間の中で出来た音楽性の幅を楽しんでもらいたいですね。内村友美という物語が伝わりやすい作品になったと思いますので、ぜひ聴いてみてください!

●リスレゾのインタビューはこちら

Interview & Text by 青木佑磨(クリエンタ/学園祭学園)


●リリース情報
『Culture Vulture』la la larks
8月30日発売

【初回限定盤(CD+DVD)】

品番:VTZL-132
価格:¥3,500+税

【通常盤】

品番:VTCL-60454
価格:¥2,900+税

<CD>
1.Massive Passive(新曲)
2.色彩 -Album Ver.-
3.ハレルヤ(TVアニメ『空戦魔導士候補生の教官』EDテーマ)
4.end of refrain
5.loop(新曲)
6.たりない(新曲)
7.さよならワルツ(新曲)
8.Q And A -Album Ver.-
9.失う(新曲)
10.ego-izm(TVアニメ『M3~ソノ黑キ鋼~』EDテーマ)
11.Reset(新曲)
12.Self(新曲)

※初回限定盤には、新曲「Massive Passive」Music Video、「ハレルヤ」Music Video、「ハレルヤ」Studio Live映像を収録。

●ライブ情報
la la larks 1st ALBUM「Culture Vulture」リリースツアー
『 C.V.C 』

11月3日(金・祝)渋谷 WWW
Open/start 17:00/18:00
・チケットぴあ 0570-02-9999 Pコード 338-611
・ローソンチケット 0570-084-003 Lコード 74802
・イープラス
・SOGO TOKYO オンラインチケット
問: SOGO TOKYO 03-3405-9999

11月5日(日)名古屋 ell.FITS ALL
Open/start 17:00/17:30
・チケットぴあ 0570-02-9999 Pコード
・ローソンチケット 0570-084-004 Lコード
・イープラス
問: ell.FITS ALL 052-211-3123

11月7日(火)大阪 Zeela
Open/start 18:30/19:00
チケットぴあ 0570-02-9999 Pコード 338-348
・ローソンチケット 0570-084-005 Lコード 54736
・イープラス
・CNプレイガイド 0570-08-9999
・モバイルサイトGREENS!チケット
・セブンチケット
・Zeela 会場販売 06-6316-1199
問: GREENS 06-6882-1224

11月10日(金)福岡 the voodoo lounge
Open/start 18:30/19:00
チケットぴあ 0570-02-9999 Pコード 338-644
・the voodoo lounge 会場販売 092-732-4662
・the voodoo lounge メール予約 hakata_voodoo@yahoo.co.jp
問: the voodoo lounge 092-732-4662

チケット発売中
前売:¥3,700(税込・ドリンク代別)

la la larks are:
Vo.内村友美
(ex. School Food Punishment)
Key./Gt./ Cho.江口亮
(Stereo Fabrication of Youth , MIM)
Gt.三井律郎
(THE YOUTH , LOST IN TIME)
Ba.クボタケイスケ (ex.Sads)
Dr.ターキー(ex. GO!GO!7188)

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