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REPORT

2017.07.13

全方位からの、アツいアツい超接近戦! “さーくるふぁいあー!! vol.2”レポート

全方位からの、アツいアツい超接近戦! “さーくるふぁいあー!! vol.2”レポート

6月25日、CLUB CITTA’川崎にて“さーくるふぁいあー!! Vol.2”が開催。声優アーティスト・アニソンシンガー計7組が出演し、オーディエンスと超近距離でアツいパフォーマンスを展開していた。

今回が2回目の開催となった“さーくるふぁいあー!!”。その特色は、メインステージから向かって左右の壁にもスクリーンが設置されていること。そこにメインステージと同一のVJが上映されることにより、演者が花道越しのセンターステージに足を運べばそのたもとのオーディエンスも“最前”となる。それにより、“全方位型360°ライブ”と提唱されたステージが実現していたのだった。

そんなこのライブの幕開けを飾ったのは、A応P。interludeをバックにメインステージに入場し、ポーズを決めてから「希望TRAVELER」で笑顔でパフォーマンスをスタートさせる。落ちサビ前のダンスタイムでは4人の動きが揃いつつもキレは良好。その中で、連動の要となりオーディエンスへのレスもキレも頭ひとつ抜けていたのは、広瀬ゆうきだった。続く「呼べよ嵐」のイントロでセンターステージに移ると、そのステージを活かして1コーラス目では4人がグルグルと周回。より近い距離で、四者四様のスタイルでオーディエンスと視線を交わし合う。パフォーマンスの面では、ここでは水希 蒼のジャンプの高さと躍動感が特に印象に残った。
MCでの広瀬の「今日は、たっくさんライブをしようと思って来ました!」との言葉に続いて、場をさらにアツくしたのが鉄板曲「はなまるぴっぴはよいこだけ」。歌唱中の盛り上がりもさることながら、各人コンマ数カウントずつズラされたイントロや間奏等での飛び上がりを美しく見せてくれた点も印象深かった。

また、「超反応ガール」でのフォーメーションの入り混じり方も見事。狭いセンターステージ上にもかかわらず、ここでもその魅せ方は美しい。加えてこの曲では、広瀬・水希と巴 奎依・福緒 唯というペアの組み合わせも、それぞれのボーカルの特色を際立たせていた。その福緒、曲明けのMC中にぴょんぴょん跳ねたりオーディエンスにぺこりとお辞儀をしたりと、楽曲中も含めてとにかくステージからのアピールに愛らしさをたたえており、出番中終始目を引いていたように思う。

一旦MCを挟んだのち、「自転車に花は舞う」からA応Pはラストスパート。どこか懐かしさのあるアイドルテイストのあるこの曲は、巴によく似合う。ダンスもパワフルなだけではなくしとやかさが交じる点も、よりそう感じさせるのだろう。また、Dメロ中にセンターで目を合わせたかと思うと一気にサイドステップで飛び出していく、広瀬と水希のコンビネーションも実にいい。そして再びの鉄板ソング「全力バタンキュー」で、自らの出番を締めくくる。センターステージでのパフォーマンスとなったため、改めて曲中の表情変化の豊かさも届きやすいものにとなっていたし、Dメロでステージ縁に座ってレスをする巴にやられたオーディエンスは少なくなかったはず。また、スキを見つけてはダンス中にクラップの煽りを挟み込む広瀬のステージのプロっぷりも、非常に印象に残るところだった。

続けて登場したのは駒形友梨。まずは現在放送中の『キラキラ☆プリキュアアラモード』OPテーマ「SHINE!! キラキラ☆プリキュアアラモード」を歌唱。キュートさと清涼感を両立させた歌声をベースに、歌詞に応じて要所要所で表情をうまくトッピング。センターステージでは、サビの締めでくるっと観客全体と目を合わせたりと動きでも魅せつつ、息継ぎのポイントのない難曲を笑顔で明るく歌いきる。また、大サビ前の「できあがり!」のセリフをキュートに言い切ったところでは、大きな歓声が上がっていた。

すると今度は、ファンクラブに入っているほど大好きな坂本真綾の「指輪」を、しっとりとカバー。Aメロ高音部のファルセットなど、彼女の澄んだ歌声と楽曲との愛称も良好で、会場中に染み入るような歌声を、微笑みも交えながら響かせていく。
そして最後に、『キラキラ☆プリキュアアラモード』の挿入歌「勇気が君を待ってる」を初披露。OPテーマに少しだけ強さを付加したような歌声で、再び勢いのある楽曲を歌う駒形。堂々と、ブレもほとんどないまっすぐな歌声で、最後まで気持ちよさそうに歌い上げていった。

3番手に登場したのはMICHI。「Overture -Sprint for the Dreams-」をバックに登場した彼女は、まずは1stアルバムの曲順通り、デビュー曲「Cry for the Truth」で力強い歌声を届ける。ときに手を振りつつ、ステージ上を動きつつの歌唱で、Dメロ前には観客を煽りつつセンターステージへと移動。場を巻き込む力も見せつけてくれる。続く最新シングル「I4U」は、音域の非常に広い曲。しかし彼女の歌声は、ブレずに力強い。低音はずっしと重く、逆にサビの高音は突き抜けるように、しっかりと歌いきっていく。そんなこの曲に入り込んでいたMICHIだったが、同時にその表情からは楽しんでいる様子もありありと感じられた。

そしてフロアを踊らせにかかる、キラーチューン「Checkmate!?」へ。オーディエンスの反応も上々で、身体を揺らしコールを入れてこの曲をMICHIとともに楽しんでいく。楽曲に合わせて彼女の表情もより明るくなり、さらにステージをエンジョイしているように感じられた。
そして最後に最新シングルのカップリング曲、ハイスピードなロックチューン「超常性ワールド」で会場のボルテージを最高潮まで持っていくMICHI。2サビでスピーカーのところに仕込んでおいた月の形のペンライトを取り出して、それを振りながら歌唱していったりと、オーディエンスとのコミュニケーションもバッチリ。彼らを引っ張りつつ、最後まで力いっぱいの歌唱で魅了していってくれた。

そのアツくなった会場に、interludeで涼やかな風を吹かせてくれたのが、バトンを受け継ぐみみめめMIMI。ライトを持ちつつステージに入り来て、センターステージで歌い始めたのは「CANDY MAGIC」。タカオユキの持ち味である儚げな歌声が、楽曲の持つ青春感をさらに引き立てる。加えて、軽快なステップや美しいスピンなどで視覚的にも魅せていく彼女。それを笑顔とともに届けていく姿も、よりこの空間を爽やかにしていた。同じく爽やかで、かつ夏にピッタリのナンバーが、続く「晴レ晴レファンファーレ」。VJにMVを背負いながら、ここでも笑顔で楽しそうなタカオ。手にしたペンライトをうまく活用しつつ、Dメロ直前にはワイパーを先導しさらに場内の一体感を高めていく。
と、ここで一転シリアスな最新曲「リライミライ」に。彼女の歌声はこの曲では歌詞に沿って切実に響き、特にDメロでの力いっぱい振り絞るような歌唱ではその点がより際立っていた。加えて、その楽曲展開に合わせての表情の作り方や、キリッとした視線の振り方も、また見事。

曲明けに「梅雨といえば、傘……じゃなくてタオル!」と呼びかけたら、今度はタオル曲「天手古舞」へ。この曲でもVJにMVを背負いつつ、キュートでバタバタのラブソングで盛り上がる。サビではフロアでタオルが回り、2サビ明けの間奏ではホイッスルでオーディエンスを先導。今度はそのタオルが左右に揺れる。その光景にテンションが上ったのか、タカオ自身も後奏で楽しげにステージ上で跳ね回っていた。
そしてラストナンバーは、彼女のシリアス系楽曲の鉄板曲「サヨナラ嘘ツキ」。イントロから、直前とはまた違った意味合いで暴れまくる彼女は、歌声でもその想いをフロアへぶつける。それに呼応する歓声やコールもさらに大きさを増し、さらにその返球を受けたタカオは、後奏で感情を爆発させるかのように頭を身体を振り乱し、ステージを降りた。終わってみれば、完全に“持っていく”気満々の5曲だったように思う。

そしてセンターステージにDJブースがセットされ、「We Will Rock You」をバックにステージに澁谷梓希が、いや、“DJずっ from i☆Ris”が登場。彼女による、DJタイムの始まりだ。彼女が今回プレイしたのは全15曲。どの部分においても繋ぎはスムーズで、オーディエンスへの煽りも堂に入ったもの。まだ数度しかDJとしてステージを経験していないようには思えない堂々たるステージングだった。

しかも、ただ好きな曲を漫然と流すわけではなく、随所にしっかりコンセプトも入れ込んでいる。サビ前にカウントダウンのある「UNDER/SHAFT」からサビにカウントアップを含む「EXCITE」を続けたかと思えば、そのまま“1.2.3”つながりで「回レ!雪月花」へ突入。そこから「千本桜」「極楽浄土」と和モノから徐々にEDM寄りへと「Baby…」からi☆Ris曲ゾーンへと、中盤は特に色濃いテーマを違和感なく次々とスイッチさせていく。また、LiSAを大好きなi☆Risメンバー・若井友希のソロ歌唱曲「My Bright…」を、「Rising Hope」から繋げたのも、i☆Risファンには胸熱ポイントだったことだろう。その中に「MOON SIGNAL」や「一度だけの恋なら」などの鉄板曲も織り込まれており、まったくオーディエンスを飽きさせないラインナップだった。
そして最後は、発売直前だった『プリパラ ULTRA MEGA MIX COLLECTION』から「No D&D code <Y&Co. Hard Dance Remix>」をプレイ。「最大限の力で、飛び上がれー!」と最後までフロアを高めに高め、そのステージを楽しんでいったのだった。

イベントもいよいよ後半戦。interludeでバンドメンバーが登場すれば、喜多村英梨のターンの始まりだ。まずは、ゴリッゴリのメタルナンバー「Revolution【re:i】」で鋭く攻め、場を自らのフィールドへと塗り替える。それに呼応するかのようにサビではフロアからコールも上がるが、「かかってこいやぁ!」とさらに上を要求する喜多村。その声にさらに場内のボルテージは上がり、2サビ明けには喜多村からの煽りを受けヘドバンも起こっていた。

続く「バラユリxxxx」ではサウンドは少々デジタルに寄ったものの、バンドの変わらぬアツいプレイに囲まれ、鋭い歌声を響かせる。また、サビ直前の『xxxxx』を1コーラス目に「さーくるふぁいあー!!」に変えて歌った喜多村、2コーラス目のその箇所での、フロアからの「さーくるふぁいあー!!」の声には、満足げな笑みを浮かべていた。そして和テイストの「恋華火」では、VJには蝶が舞う。喜多村の歌声にも艶っぽさが加わり、攻め攻めだけではない彼女の巧さを感じられる1曲となっていた。しかしそのムードも、次曲イントロでの「暴れる時間がやってきたぜ!」のシャウトでまたも一変。サビ前にデスボイスも入る「FORTiTUDE」で、フロアは再び燃え上がる。2サビ明けに再びぶち込まれた喜多村の「暴れろー!」のシャウトが、さらにその場をアツくする。
そして喜多村も発売前の、7月リリースの新曲を披露。その「DiVE to GiG -K- AiM」は、ここまで4曲よりも少しだけポップな、夏らしいロックチューン。コール部も多く存在するので、リリース後にはライブ定番曲になりそうな予感もさせる。また、ラストナンバー「Miracle Premonition」もそのテイストを共有。ラストにふさわしくサビでは場内一体となってのワイパーを行うと、Dメロ明けに喜多村の口から「楽しいねー!」との心からの声も飛び出す。オーディエンスとステージ上、双方が心の底からアガりきったところで、最後はジャンプエンドでそのステージは締めくくられた。

そしてこの日のトリを務めたのは、飯田里穂。interlude中にセンターステージをぐるっと一周しながら手を振ると、「始まりたいカノン」からライブを始める。とにかく飯田のステージは、全6曲を通して観客とのコミュニケーションの密度がハンパないものだった。この1曲目でも、2-Aメロでは視線のみにとどまらず、ステージ端ギリギリに座ってしゃがんで「こんにちは!」と言葉も交わすほど。その肝の座りっぷりにもかかわらず、同時進行で瑞々しい歌声が楽曲自体の色合いをしっかりと表している点には、本当に驚かされた。続く切ないラブソング「HEARTACHE=恋と予感」ではフロアは赤く染まり、少し歌声も大人びる。2コーラス目には、その歌声により少々力が込められていたのも印象的だった。

歌唱後に「今日は“とある曲”を持ってきました!」とフロアの期待を高める飯田。まずは「夏に向けて爽やかな楽曲」と紹介した「片想い接近」から。爽やかで淡い恋心を歌ったこの曲に合わせて、フロアの色はピンクに変わる。そんな曲に、キュートだけどちょっぴり切ない歌声を乗せた彼女に目を合わせられたこの日のオーディエンスは、決まってオチてしまっていたに違いない。

そして先ほど触れた“とある曲”、「Change the world」はなんとこの日初披露! ここまでとは違うゴリッゴリのデジタルロックで、飯田の歌声もしっかりと強めのものに。この曲では確かなボーカル力を、しっかりと見せつけてくれた。また、続く「Stargazer」もそのテイストを引き継いだ攻め曲。その力強い歌声と飯田の先導に引っ張られて、2サビ頭には「STARGAZER!」の大合唱が起こり、楽曲ともどもフロアを盛り上げていった。
そして、イベントのラストを飾るのは「KISS! KISS! KISS!」。楽曲の幕開けを飾るウィスパーが、またフロアをとりこにする。加えて、ラストらしくこの曲では飯田はいい意味で“遊んで”いて、歌声の表情をここまで以上に振り幅大きくつけていたり、フロアとの距離の近いセンターステージを活かして観客に言葉をかけまくったり、不意にイヤモニを少し外して歓声を聴いたりと天真爛漫なステージを展開。彼女らしい、彼女にしかできないステージを会場全体とともに作り上げてくれた。

最後に、この日の出演者が再登場してひと言ずつ挨拶し、このEDトークのMCを務めたMICHIの合図に合わせて「さーくる?(MICHI)」「ふぁいあー!!(会場全体)」のコールでイベントはお開き。最後にスクリーンには、スタッフクレジットの上映ののち、“SEE YOU NEXT YEAR!”と次回開催を期待させる言葉が映し出されていた。

特殊な形状のステージで、心身ともに距離の近いステージを演者もオーディエンスも楽しんだであろう本イベント。イベント自体の充実もさることながら、その生の反応を感じに今後も様々なアーティストにこのステージを踏んでほしいとも思わされた。最後に映し出された“SEE YOU NEXT YEAR!”の言葉が実現し、また多彩な顔ぶれがこのステージに上がることを、心から期待したい。

Text by 須永兼次

“さーくるふぁいあー!! Vol.2”
2017.06.25@CLUB CITTA’川崎

出演:喜多村英梨/飯田里穂/DJずっ from i☆Ris/A応P/みみめめMIMI/駒形友梨/MICHI
主催:SUPERBREAK製作委員会
制作: (株)アブストリームクリエイション
協力: (株)ディスクガレージ

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