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REPORT

2017.06.05

15年間の真摯な愛が産んだ、夢の舞台。 “MUSIC THEATER 2017”レポート

5月27日・28日の両日、さいたまスーパーアリーナにて“MUSIC THEATER 2017”が開催。ソニーミュージックグループが誇るアーティスト陣が2日間・延べ24,000人へと、いずれも力一杯自らのアニメ音楽を届けていった。ここでは28日の公演を中心に2日間の模様をレポートする。

サプライズも! 序盤から豪華すぎるラインナップ

このイベントは、音楽とアニメとのコラボレーションを展開してきたソニーミュージックグループがおくる音楽イベント。演奏楽曲すべてがアニメの主題歌や挿入歌で構成されており、必ずそのアニメ作品の映像を背負いながら楽曲が歌われるというのも特徴のひとつ。これまでに同グループが手がけたアニメ作品の歴史も楽曲と同時に味わい、感じられるように構成されていたのだ。

そんなライブイベントは、両日ともLiSAの「Rising Hope」で幕を開ける。

冒頭の一節目を歌い終わった刹那の「いくよー!」のシャウトで自らのステージに一気に勢いをつけ、パワフルなボーカルでのっけから飛ばしていく。中央に置かれたピンクのお立ち台にもときおり足をかけ、パフォーマンス面でも攻めっ気満載。LiSAが観客に委ねた落ちサビの大合唱も壮観だった。そしてトップバッターらしく「今日1日楽しむ準備はいい?このままいくよ!」と場内をさらに高めたら、「crossing field」ではDメロ前にセンターステージでマイクを天に掲げて闊歩。

場内の高まりを受け止めるその姿には、王者の風格のようなものさえ漂っていた。27日は「oath sign」、28日は「Rally Go Round」と「crossing field」からつながる形で、さらに観客のボルテージを高めたら、最新シングル「Catch the Moment」へ突入。完全にオーディエンスのハートを掴み、自分のフィールドで全力パフォーマンスを展開する――そんなLiSAのデート(LiVE)を凝縮したかのような4曲で、彼女は場内を揺らし、観客のハートを揺さぶっていった。

さらに観客の心が波立つのは、二番手のアーティストがステージに登場した瞬間。そこに立ったのは、なんと雨宮 天!

ソロでの出演はサプライズとなった彼女は、スタンドマイクを前に、終始凛とした表情でデビュー曲「Skyreach」を鋭く歌う。観客を煽る際も、表情を変えずにただ右腕を振り上げるのみ。楽曲の世界を、表情までも駆使して表現していった。

続くGARNiDELiAも、デビュー曲「ambiguous」からステージをスタート。ボーカルのメイリアはその歌声にシャープさと凄味を持たせながら、このステージを楽しんでいる心持ちもにじみ出ていた。27日はMCの後に「BLAZING」、そして28日は歌詞のように心を撃ち抜きに来る「grilletto」へとよどみなく流れる。歌声の強さはそのままに、間奏ではtokuの奏でるシンセに乗せての、ダンサーふたりを従えてのダンスも見事。それは「約束 -promise code-」でも変わらずに続いていった。

と、ELISAの登場で不意に会場の雰囲気が変わる。「REALISM」でステージに上がった彼女は、オペラ調の歌声を高らかに響かせていく。落ちサビ、一瞬ほぼアカペラのようになる部分でも“聴かせる”歌声だ。そして「EONIAN -イオニアン-」では冒頭での優しく穏やかな歌声から、再び徐々にクレッシェンド。最後には神々しく歌声を重ねて、自らの出番を閉じる。

神々しいといえば、次に登場した高垣彩陽にも共通する特徴。「君がいる場所」を高音部のビブラートを利かせたファルセットを活かして歌い上げる。一方『戦姫絶唱シンフォギアGX』から27日は「Next Destination」、28日には「Rebirth-day」で激しめのデジタルサウンドにマッチした中音域の力強さを映えさせ、自身の持つふたつの魅力をそれぞれ遺憾なく提示してくれた。

一旦『クズの本懐』の映像をinterludeとして挟んだところで、さユりがステージに登場。まずはそのEDテーマ「平行線」をアニメ映像も交えつつ、MVも再現するように歌詞をステージ映像にインサート。形作った彼女の世界で、どこか不安定で危うさを持つ歌声に乗せて、刺すように切実な想いを吐き出していく。その歌声は続く「ミカヅキ」でも同様だったが、歌いきったところでほのかに微笑みが浮かんだようにも見えたのは、曲中随所に登場する“それでも”という言葉に象徴されるような、かすかな希望をこの場でも感じられたからだろうか。続く三月のパンタシアは、逆光の中まずは「はじまりの速度」を歌唱。彼女の歌声も、爽やかながらもどこか危なげで、それが揺れ動きがちな青春時代の想いを表すのにはぴったりだった。ちなみに余談だが、登場前にはこの曲がエンディングを飾った『キズナイーバー』のOP映像がそのまま上映。それをもってBOOM BOOM SATELLITESが「LAY YOUR HANDS ON ME」でこのイベントに“参加”できたというのも、たまらなく粋な計らいだったように思う。そして2曲目「フェアリーテイル」ではその歌声に柔らかさと優しさがプラスされ、会場全体を包み込んでいた。

そのあとは『機動戦士ガンダム ユニコーン RE:0096』の映像が流され、SawanoHiroyuki[nZk]のステージに。ピアノの音色が響くなか、メインステージ中央にボーカルのTielleがリフトアップで登場。浮遊感のある「Into the Sky」で一気に観客をその世界に引き入れるボーカル力を見せる。続けて27日の「&Z」、28日の「aLIEs」ではTielleにかわってmizukiが登場し、Tielleよりも若干瑞々しさ成分の多い歌声を響かせつつ、サビでは澤野弘之とのユニゾンも展開。聴かせるステージを続けていく。最後はGemieがTielleとともにステージに立ち、新曲「gravityWall」を披露。少々プログレの香りも感じるデジタルチューンにおいて、向き合って歌声を重ね合うなどして、息もぴったりに美しいハーモニーを響かせていった。

その空気をガラリと変えたのが、戸松 遥。センターステージにリフトアップで登場した彼女は、まずは人気曲「courage」を力強く歌って耳目をひくと、27日には「motto☆派手にね」、28日には「Girls, Be Ambitious.」を日替わりで披露。振付含めてキュートさに振り切った戸松の歌声は、リリースから時が経ってもいい意味で変わっていなかった。そして最後は「いくよ?」のひと言で会場を爆発させる。そう、それは彼女の持つ最強の武器のひとつ、「Q&A リサイタル!」のはじまりの合図だ。太陽のような笑顔とともに楽しそうにステージ上を駆け回るなどパフォーマンスでも魅せる。一方その歌声は、ガーリーながらもよりアグレッシブやヒロイン感の強いものになっており、3曲それぞれ別の魅力を発揮していた。

そして前半戦のトリを飾ったのは、FLOW。KOHSHI(Vo)の「やっちゃおうぜ、MUSIC THEATER!」のシャウトとともに、いきなりの鉄板曲「DAYS」を披露。そのサウンドに身を任せ、観客も縦ノリでこの曲を楽しむ。曲明け、KEIGO(Vo)が前半戦ラストであることに触れると、「全員で行くとこまで行っちゃおうぜー!」とシャウト。続いて披露した、27日の「COLORS」、28日の「WORLD END」ではステージ上で跳ね回り、さらに会場のボルテージを上げる。そのまま、またもどんな場でも炸裂するナンバー「GO!!!」に突入すると、サビでのコールや間奏でのウェーブ、さらにそれに続いてのコール・アンド・レスポンスなどで休む暇を与えず、最後まで突っ走る。そして「ここにいる全員で、ひとつになろうぜー!!(KEIGO)」とのシャウトに続いて、自身のラストナンバー「風ノ唄」へ。冒頭のコールから体にビリビリ響く音量で、直前で高められまくったオーディエンスの気持ちがもう止められないことを感じさせた。FLOW自身も最後の最後まで雄々しい歌声を展開。ラストには天高く拳を突き上げ、会場一体となっての大ジャンプでフィニッシュ。「またライブで遊ぼうぜー!!!(KEIGO)」とアツくシャウトを送り、ステージを降りた。

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