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2017.05.10

春奈るな、デビュー5周年の集大成!「春奈るな LIVE 2017“5th Anniversary Fes.”♡with you♡」レポート!

春奈るな、デビュー5周年の集大成!「春奈るな LIVE 2017“5th Anniversary Fes.”♡with you♡」レポート!

ファッションモデルとしても活躍し、数々のヒットアニメのテーマソングを担当してきた人気アニソンアーティスト・春奈るなのメジャーデビュー5周年ライブ「“5th Anniversary Fes.”♡with you♡」が5月2日、Zeppダイバーシティ東京にて開催された。春奈は2012年の5月2日「空は高く風は歌う」でデビュー。本楽曲はTVアニメ『Fate/Zero セカンドシーズン』のEDテーマに起用され、彼女を一躍スターダムへと押し上げた。

そんな彼女にとって、このイベントは自身のキャリアでも記念碑的存在であるとともに、彼女を祝うかのような豪華な生バンドによる演奏、さらにメンバーには春奈へいくつもの楽曲を提供してきたSaku、森空青がいることからも「いつもと違う」雰囲気がライブ全体を覆っていた。

ステージの背景はカーテンでアーチ型に設えられており、ギリシア美術を思わせる豪奢なイメージ。さらにステージ中央にはおなじみのアルパカ=みなみが鎮座し、イベントの開始を今かと待ち受けているようにみえる。そして定刻、場内に流れていたオープニングSE「Prologue~over the sky~」がフェードアウトすると、ステージにバックバンドメンバー5人が登壇しスタンバイ。さらに、赤いドレスをまとった春奈も姿を現すと1stアルバムから「微熱の月」でライブをスタートさせる。

「いくよー!」と可愛らしくオーディエンスに笑顔を向けた春奈。オーディエンスも出だしからテンションMAXのコールアンドレスポンスでそれに応える。フロアは一面緑のペンライトで彩られ、少し緊張気味の表情を浮かべていた春奈も次第に持ち前の明るさが前面に表れ、ステージを牽引していく。その後も「狂想リフレイン」「アイヲウタエ」といった1stアルバムからセレクトされた楽曲が披露され、序盤から会場のボルテージは最高潮に。「狂想リフレイン」では、フロアからの赤いペンライトがステージの春奈を照らし出し、彼女のドレスと相まって、楽曲の怪しげな雰囲気をさらに高めていく。スカートをつまんでひらひらとさせる春奈の仕草や、間奏でレーザーポインターを観客に向けるギミックなどはセクシーさをも感じさせ、彼女のエンターテイナーとしての技量も感じずにはいられなかった。また、疾走感のある歌声を響かせた「アイヲウタエ」では、タイアップしたTVアニメ『〈化物語〉セカンドシーズン』をイメージしてか、キュートなピンクのペンライトがフロアを染め上げていく。ここではダンサー2人も参加し、拳を振り上げたロックな振り付けも印象的だ。4曲目は8thシングルから「Dynamic Dreamers」。「憂鬱に負けるな」という歌詞の部分で会場にマイクを向けるかわいらしいパフォーマンスや、間奏のギター・ソロでは、一緒になってギター弾いてる素振りをする春奈の姿に魅了される。アップテンポな楽曲のオンパレードで一気にムードを作り上げた。

ハイテンションな楽曲でスタートを切った春奈は、「今日は5月2日ということで春奈るながデビューして5年が経ちました!皆さんにお祝いしていただけてとてもうれしいです。でも実感はあんまりなくて、まだ1,2年くらいなんじゃないかなって思っちゃう。これも充実してて“るな充”してる証拠なんだなって心から思います。今日は5年間歩んできた感謝の気持ちを歌に込めてみんなにお届けしたいです」と意気込みを語ると、9thシングル「windia」、6thシングル「Startear」、そして2ndシングルの「Overfly」を歌唱。これらはそれぞれPS4ソフト「ソードアート・オンライン ―ホロウ・リアリゼーション―」のOPテーマ、そしてTVアニメ『ソードアート・オンライン』シリーズのEDテーマとなっており、彼女にとっても想い出深い楽曲ばかりだ。ステージの端から端を行き来し、オーディエンスの顔を一人ひとり確かめるように歌い上げる彼女の姿に、観客は高い熱量を持って応えていく。

続く楽曲は、マルチクリエーター・マチゲリータによる「魔法の城」シリーズ。「煌く星の病」魔法の城、真実の書物。」「終焉の魔法、終天の真意。」の3曲からなるメドレーだ。ゴシックな世界観と重厚なロックテイストで紡がれた楽曲は、近年ライブで歌われるのは珍しいセレクトだといえる。紫に灯されたペンライトの光の中、間奏では歌詞の物語に合わせて暗い森を彷徨うような動きを見せる春奈の姿はまさに表現者と形容するにふさわしい。
メドレーを終えたところで、スペシャルゲストのAKIRAが登場。彼女は春奈と同じく雑誌「KERA」などでも活躍するファッションモデルで、自身のバンド「DISACODE」ではボーカルとしても活動している。2人がデュエットで披露したのは、2017年2月に発売されたミニアルバム「S×W EP」から「禁忌の暁星」。こちらもマチゲリータが手がけたナンバーだ。モデルとしては10年来の付き合いがある2人とあって、歌唱も絶妙なコンビネーション。赤を取り入れたゴシック調のコスチュームに身を包んだAKIRAが春奈と抱擁し、指を絡ませ楽曲の世界観はステージ上でより昇華されていく。

そしてAKIRAと入れ替わりに登壇した次なるスペシャルゲストはアニソンアーティストのKOTOKO。大先輩を前に若干の緊張を隠せない春奈だったが、そんな彼女にKOTOKOは初めて出会った際の思い出を語る。「るなちゃんとはデビュー当時から付き合いがあって。あるフェスで楽屋にあいさつに来てくれた時は、緊張してて震える子鹿のような目で私を見てたでしょ。『この子ちゃんとステージで歌えるかな?』って守ってあげたい気持ちでいっぱいだったけど、今は堂々としてて5年ですごく成長したって感じました」と春奈の成長を喜んだ。そんな彼女たちはKOTOKO作詞によるデュエット曲「S×W -soul world-」を披露。モノトーンのドレスをまとったKOTOKOは持ち前のハイトーンボイスを響かせ、圧巻のパフォーマンスを見せつける。観客の顔を一人ひとり見つめるように歌い上げるKOTOKOと高く遠くを臨むように歌い上げる春奈のコントラストが美しい。その後も「せっかく来ていただいたので、もう一曲歌って頂いてもいいでしょうか!」と春奈に促され、KOTOKOは自身の2ndシングル「Re-sablimity」を歌唱。彼女のライブのキラーチューンである本楽曲はここでもオーディエンスを魅了していく。

そして、3組目に登壇したスペシャルゲストは妄想キャリブレーション。5人組アイドルユニットである妄キャリは、春奈とともにTVアニメ「冴えない彼女の育てかた♭」のテーマソングを担当。今年6月に発売される「桜色ダイアリー」をお披露目し、持ち前の愛らしいコーラスを響かせた。青春ど真ん中のメロディとパステルピンクの衣装もマッチしていて彼女たちらしさあふれるナンバーだ。歌唱後、メンバーの星野にぁは「デビュー前からKERAの読者だったので春奈さんがあこがれでした。今日一緒のステージに立てて光栄です」と彼女の「ハレの日」に駆けつけられたことを喜ぶ。また6月18日には、渋谷クラブクアトロにて『冴えない彼女の育てかた♭』の主題歌を歌う春奈と妄キャリによる2マンライブが開催されることが発表された。一方、春奈も衣装チェンジで登場。10枚目となるニューシングル「ステラブリーズ」に合わせて自らデザインしたという星のアップリケが刺繍された白いドレスがとてもまぶしい。そんな彼女が後半一発目に歌うのはもちろん「ステラブリーズ」。『冴えない彼女の育てかた♭』のOPであり、先の「桜色ダイアリー」の対ともいえる楽曲だ。爽やかなメロディーと自らが手がけた歌詞にのせた軽やかな歌声が心地よく、オーディエンスもそれに呼応するかのように緑のペンライトで彼女の世界を彩っていく。

その後も「I WANNA 電磁的 DO」を始め「Ripple Effect」、「Snowdrop」、「君がくれた世界」とシングルカットされたおなじみのアッパーでパワフルな楽曲のオンパレード。特にノスタルジックな4つ打ちエレクトロニカである「I WANNA 電磁的 DO」はセーラー服でステージに登壇してきたダンサー2人や、バンドメンバーらが黒闇で発光するサングラスをつけて演奏しているところもこだわりを感じられるニクイ演出だ。と、ここで春奈にハッピーなサプライズ。彼女と縁の深いアーティストからのボイスメッセージが場内に流されることに。メンバーにはレーベルメイトである綾野ましろ、GARNiDELiA、ELISA、LiSA、そして「Ripple Effect」を作詞作曲したZAQ、「Snowdrop」を作詞したmegrock、同事務所の声優・三澤紗千香から彼女を祝う嬉しいコメントが続々と到着する。

喜びに満ちた春奈は一層の気迫とともに、国内では一回しか披露したことがないという「如月アテンション」を始め、4thシングル「アイヲウタエ」のカップリングで、ライブではタオルソングとして人気の「恋の戦士」、7thシングル「君色シグナル」を息をつく間もなく立て続けに歌唱。「君色シグナル」では、妄想キャリブレーションがバックダンサーとして登壇し、春奈のパフォーマンスに華を添えていく。

これですべての楽曲を歌いきり、一度は退場した春奈だったが、終演を惜しむオーディエンスによるアンコールが響き渡り、その声に応えるようにステージに再度姿を現した。フロアの最前列にはファンによる「5周年おめでとう」というパネルが掲げられ、春奈にはこれまたうれしいサプライズとなった。バンドメンバーを紹介した後、「まだアノ曲を披露してないですよね。私が5年前のこの日に発売させていただいた楽曲を心を込めてみなさんにお届けしたいと思います」と語った彼女は、デビュー曲「空は高く風は歌う」をアンコールの一曲目にセレクト。心を込めてとの言葉通り、ラストにもかかわらず彼女の歌声は本ライブ最高とも思えるほど冴え渡り、その表情からも気迫が充分に伺えるステージだった。また、「本楽曲に録音から参加した」と語ったバンドメンバーの中には心なしか涙を浮かべている者もいたように思える。まさにステージ一丸となって5年という年月の集大成を体現したパフォーマンスだったといえるだろう。また、6月21日には自身3枚目となるニューアルバム「LUNARIUM」を発売することを明らかにすると、最後はダンサー2人も迎えて、彼女気持ちが詰まった自身作詞のナンバー「るなティックワード」でライブのラストを飾った。そして最後、春奈は涙を浮かべながらファンへのあいさつを述べた。「今日、5周年を迎えられたのは、“るな充”のみんなやスタッフさん、色んな方に支えられたおかげです。いつもみんなにもらっているパワーをこれからも音楽にして返していきたいと思っています。みんなを思う気持ちは絶対負けないので、これからもずっと一緒にいましょう!」そうコメントを残し、最後までファンとの別れを惜しむように何度も客席を振り返りながらステージを後にした。

5周年の集大成と銘打たれた今回のライブ。だが、そのコンセプトはタイトルの通り「with you」、ファンとともに歩んでいく心構えをみせた春奈の決意表明の場だったのではないだろうか。たくさんのアーティスト、バンドメンバー、そしてファンに支えられてきた彼女は、5年の歳月とともに今やアニソン界でも有数のトップシンガーとなった。しかし彼女はまだ歩みを止めることはないだろう。そして、彼女を見守る私たちも同じ歩幅で歩んでいることを忘れてはならない。春奈るなの新たなスタートは今日から始まったのだから。

Text by 鈴木遼介(セブンデイズウォー)

春奈るな LIVE 2017“5th Anniversary Fes.”♡with you♡
2017.05.02@Zeppダイバーシティ東京
【SET LIST】
SE:Prologue ~over the sky~
M1:微熱の月
M2:狂想リフレイン
M3:アイヲウタエ
M4:Dynamic Dreamers
M5:windia
M6:Startear
M7:Overfly
M8:煌く星の病
魔法の城、真実の書物。
終焉の魔法、終天の真意。
M9:禁忌の暁星
M10:S×W -soul world-
M11:Re-sablimity
M12:桜色ダイアリー
M13:ステラブリーズ
M14:I WANNA 電磁的 DO
M15:Ripple Effect
M16:Snowdrop
M17:君がくれた世界
M18:如月アテンション
M19:恋の戦士
M20:君色シグナル
-Encore-
EN1:空は高く風は歌う
EN2:るなティックワード

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