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INTERVIEW

2017.01.27

ヒーローにはなれないけれど、あなたの隣にいたい。『にじようび。』で歌手デビュー、松井恵理子ロングインタビュー

ヒーローにはなれないけれど、あなたの隣にいたい。『にじようび。』で歌手デビュー、松井恵理子ロングインタビュー

『アイドルマスター シンデレラガールズ』神谷奈緒役や、TVアニメ『未確認で進行形』夜ノ森紅緒役などで活躍する声優・松井恵理子が、フルアルバム『にじようび。』で歌手デビューを果たす。

アルバムを締めくくるナンバー「声」や、通常盤限定のスペシャルトラック「ユメキセツ」では初挑戦の作詞に挑戦したほか、初回限定盤の特典映像では収録楽曲をイメージしたイラストを描き下ろす様子を動画収録する画期的な試みにもチャレンジしている松井。 出身地の三河とアニメをこよなく愛する彼女に、歌手デビューや声優という仕事への想いをたっぷり語ってもらった。

──ソロアーティストとしての歌手デビューはどんな経緯で決まったんでしょうか。

松井恵理子 そんな劇的なわけでなく、ソロデビューのお話が来てますよ、とマネージャーさんから連絡が来まして。それで徳間さんのスタッフさんたちとお会いして色々お話させて頂きました。

──その時はどんなお話を?

松井 自分が歌うならこういう方向性がいいかなといったことや、最近自分が考えていることなどを色々お話させて頂きました。お話していて、いいものが形にできそうだな、という手応えがお互いにあったんです。今まで声優としてお仕事をさせて頂いてきて、私個人としてファンの方に感謝の気持ちをお伝えできないかな、新しい形で何かを届けられないかなとも思っていたので、今回のアルバムを出させて頂くことになりました。

──元々歌手的な活動をやってみたい気持ちはあったんでしょうか。

松井 全然なかったです! 否定的だったわけではなく、自分から遠い世界のお話と言うか、私はそういうタイプではないだろうなって思ってたんです。私はアニメの世界の住人になりたいと思って声優になったので、歌も歌える人、キャラクターソング以外で自分を表現できる人ってすごいなって感覚でした。だから最初にお話が来た時は「えっ!?」て感じでした。

──アニメに憧れたきっかけの作品はなんだったんですか?

松井 父親がアニメ好きだったので、生まれた時からアニメーションが流れているような環境だったんです。だから私向けに幼児向けのアニメも見せてもらいましたし、お父さんが見る『銀河英雄伝説』のような大人向けのアニメもわからないなりにじーっと見てたりしたんです。その後『ママレード・ボーイ』とか『名探偵コナン』とかを見ていて、このキャラクターたちの声を演じている人がいるんだ、ということを理解した瞬間に「あ、これになろ!」ってぱっと思ったんです。それから思い続けていたらここまで来てしまった感じです。

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──子供の頃の夢が叶ったんですね。憧れた役者さんはいましたか。

松井 『名探偵コナン』でコナンを演じていた高山みなみさんですね。あと竹内順子さん、小林沙苗さん、川上とも子さんといった、少年役を演じる女性声優さんにすごく憧れていました。だから原点は、私も少年役を演じてみたいと思ったことです。専門学校に入って、実際に声優になってからは、役っていうのはめぐり合わせで、キャラクターを演じるということが大事なんだと思うようになったので、今は役の性別とかにはあまりこだわりはないです。

──ステージで歌ったりする経験は声優になる以前からあったんですか?

松井 昔から合唱部や吹奏楽部に所属していたので、ステージに立って人前で何かをする経験は結構していたと思います。それも将来役者になるからとか歌うからではなく、予期せず経験していた感じです。

──今回歌手デビューが発表されて、Twitterやイベントでのファンの皆さんの反応はどうですか?

松井 ありがたいことに、すごく喜んでくださって。でも私と同じように、びっくりしている方もたくさんいました。私自身キャラソンは色々歌わせていただいたんですけど、自分で歌いたい、というようなことを言ったことがなかったので。でもキャラクターとして歌う中で私の歌声や歌い方を気に入ってくださる方もいて、今回アルバムが決まっていろいろな松井さんの歌が聴けるのは嬉しいです、と言って頂けたのはすごく嬉しかったですね。アルバムを出すんだと決断してよかったなと思いました。

──フルアルバムという形でのデビューも驚いた人もいたと思います。

松井 アルバムタイトルにも「にじ」が入っているんですけど、私は声優としてもいろいろなタイプの役柄を演じたいと思ってるんですね。いろんな表現ができる私でありたい気持ちがあるんです。だから、アルバムという形なら松井恵理子はこういう表現に挑戦しました、というのをばばんとまとまって出せると思っていて、それは私がやりたいことのビジョンに近いなと思いました。だからアルバムで良かったなと思います。

──タイトルの「にじようび。」にはどんな意味や想いを込めたんでしょうか。

松井 これは自分で考えたタイトルでして、先程申しましたようにいろいろなキャラクターを演じて、いろいろな表現をしていきたいという気持ちをまず込めました。それから虹って一定の条件が揃わないと見られない奇跡みたいなものだと思うんです。私がしている仕事というのは本当に一期一会で、みなさんが好きになった作品にたまたま私が出演していて、役柄を通して好きになって頂いて、今回出したアルバムを聴いたり、リリイベに来てくださったりするのってすごく奇跡的で、ありがたいものだなという想いがあったんです。その奇跡を大事にしたいという気持ちを込めました。「にじようび。」というのは日曜日にもかかっていて、あまり何かを読み解くぞ! と肩肘張るよりは、そっと隣において頂けるアルバムになればよいなという願いもかかってます。

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