締めくくりではなく、素晴らしき翌年へと加速するライブに!“Pile 2016大感謝祭!!!「忘年会だヨ!全員集合」”LIVEレポート!

2016年12月27日・28日、品川ステラボールにて“Pile 2016大感謝祭!!!「忘年会だヨ!全員集合」”が開催。この年の秋から続くアジアツアーの一環として開催された2Daysライブは、公演時間約2時間の中にギュッと20曲を詰め込んだ濃厚なものだった。本稿では、28日のライブの模様をお届けする。

定刻になり、客電が落ちてBGMが洋楽になり、ギター・中嶋康孝がスタンバイしたところで、最新シングル「素晴らしきSekai」のイントロとともにPileが登場。ピンクのペンライトの海が、のっけから彼女をもり立てる。Bメロからサビにかけてのトリッキーな拍子も合わせて、サビでの盛り上がりへの起爆剤としていた。そうして迎え入れられたPileの歌声も最初からパワフルなものだ。さらに続けて最新シングルから「FLY」を披露。この曲では間奏の部分で客席の様々な方向を向いてファンと視線を交わし、その後ふと一瞬下を向いて、終盤に再度楽曲に没入。最後のロングトーンまで、この曲をビシッとキメきっていた。

曲明け、「イエーイ!」と上げた声とともに、改めて客席に向けて手を振るPile。昨日に続いてのステージだが、「今日も昨日に負けず盛り上がってくれると思います!」と観客を盛り立てると、続けて「チェックメイト」へ。ここからはアグレッシブなナンバーを中心に4曲連続で披露する、前半の山場へと突入。1・2コーラス目ともにAメロでステージ端まで行って歓声を上げさせつつ、サビのコールもバッチリ。その勢いのまま突入した「金糸雀」では、タイトルよろしくフロアを黄色く染め上げる。鋭く突くような勢いのあるナンバーを艶やかに歌い上げれば、キーがコロコロと変わる難関曲「ヒカリフライト」を、A・Bメロとサビとで緩急をつけて、見せ方のみならず聴こえ方にも注意を払って歌い上げる。さらに続く「Black Butterfly」はイントロこそ静かめに曲の世界に入ったものの、頭サビのハイトーンでサウンドに一気に熱を与え、そのまま1曲駆け抜けていった。

MCでひと息つくなか、ステージ上にはスタンドマイクが登場。それを用いてジャジーなナンバー、「EGOIST」を披露。視覚面での魅せ方がサウンドのもたらすムードにより深みを与え、歌声もそれを大事にするようにな“聴かせる”ものに。そのスタンドマイクを続けて活用したのが「angel song」。だがこちらではその歌声は押し出す方へと変化し、表現方法を曲に合わせてガラリと変える。そして季節的にも合うラブバラード「Not Alone」では、またも歌声の持つ色合いは変わり、今度は温かなものに。1サビ明けや後奏では、歌詞よろしくともに歩んでくれたファンを見やり、その表情にも一瞬笑顔が浮かんでいた。

さて、この日が彼女にとって2016年ラストライブ。ソロでのメジャーデビューから2周年を迎え、来年はめでたく音楽活動開始10周年を迎える……というMCでこれまでを振り返れば、ライブは後半戦へ。その言葉を受けるのにふさわしい曲・メジャーデビュー曲「伝説のFLARE」を歌唱し、アッパーチューンの空気に会場を引き戻す。そんなこの曲だからこそ、歌唱の隙間を見つけては観客とも交流。さらにサビでステージを彩ったスポットライトの色、赤・青・緑・黄は、『テンカイナイト』の伝説の勇者4人のイメージカラー。さらに同時に彼女自身のイメージカラー・ピンクも合わせてきらめき、始まりの1曲であることを視覚的に示唆していた。

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しかしここで、普段ではあまり見られない「ここからすーっごい駆け抜けていきます! 疲れたら座りながらでも、耳だけこっち向いてくれてればいいので、楽しんでください!」との呼びかけが。そう、ここから怒涛のキラーチューン5連発ゾーンがスタートしたのだ。
「それでは行きますよー、『ドリームトリガー』!」と始まりを告げれば、大歓声とともにノリまくる観客。それを前に、Pile自身もダンサブルなパフォーマンスをみせる。そのテンションが合致し、2-Aメロ部の「Message」では大合唱が起こる。続く「キミがくれたKISEKI」もシングル表題曲。ファンを完全に打ち抜きに来た選曲だ。フリもピシッとキメつつも、長めの間奏ではイヤモニを外してコールを煽りつつステージを一往復して歓声を感じる。そんな流れだと、続く「花と翼」でさえも小休憩に感じられてしまう。ミドルナンバーながらも厚めのサウンドのこの曲、決してテンションが落ちることはなく、そのままテンションは上昇しつつ、先へと進んでいく。そして「一歩先へ」のイントロとともにシャウトをキメると再びここからフルスロットル。サビ締めではロングトーン中にゆっくり指差しで会場全体をさーっとさらい、完全に観客の心をとらえに来た。しかも2サビでは自分の限界に挑戦するかのように、ギリギリまで絞り出す。そうして完全に気持ちが入ってゾーンに入ったPileが、最高潮中の最高点を迎えたのが「⇒ NEXT WORLD ⇒」。サビラストの「NEXT WORLD!」では大合唱が起こり、2サビではそこにPileも加わってステージ上と客席がよりひとつになる。そんな最高の盛り上がりをくれた観客へ、最後にはPileから「サンキュー!」と感謝のシャウトも飛び出していた。

これだけ全開の5連続披露。観客はもとよりPileも相当疲れているだろう……と思ったら「疲れてないですかー?」となかなかに余裕な感じでMCを始めるPile。たしかにインタビューでペース配分の向上などを語ってくれてはいたが、全開のまま5曲歌って平然としているのには、さすがに恐れ入った。
そして物販の案内をサラッとしたところで、「もっともっとみんなを地獄に追いやろうと思うんですけど(笑)」とさらなる攻め曲宣言。続けて「新しくなったタオルを回すと言ったら?」と、「HANABI!!」を予告。頭サビから客席に回りまくるタオルが美しいばかりでなく、コールにジャンプにと鉄板曲ならではの統率の取れ方は観ているだけでも気持ちいい。もちろんステージ上のPileも煽るだけでなく、それに合わせてぴょんぴょん跳ねて楽しそうにこの曲を過ごしていた。

駆け抜けてきたなライブもいよいよ終盤へ。「4月にひと区切りした6年間の活動にありがとうを言うために、その6年間があったからこそ今みんなが私の歌を聴いてくれている、っていう想いを絶対に忘れないように。それに、ライブに来てくれたみんなが、奇跡の集まったあのきれいな景色をいつでも私のライブで思い出せるように」と、「P.S.ありがとう…」を歌唱することを予告。いつも通りラスサビでは、事前に特訓でもしているんじゃないか? と思うくらいバランスの取れた9色の光が客席を彩る。そして自らの言葉通り、ステージ上でPileはその光景に応えて歌声を精一杯響かせ、ステージを一旦降りた。

曲明け、ファンから挙げ続けられたアンコールの声を受け、Pileが再登場。そのパワフルさに「皆さん元気すぎ!」と率直な感想を述べると、続けて「私、死にそう!なくらい幸せー!!」と、全身で心でその想いを受け止めている様子だった。
MCでこの1年を振り返ってから、その今年リリースになったシングル「Melody」を披露。高らかに歌い上げる冒頭のロングトーンは、彼女を歌姫へと変貌させるスイッチのよう。楽曲自体にも始まり感があるので、アンコールの幕開けにしても、2017年への加速の意味合いでも、この場所に置かれたことが非常にしっくりくる。ボーカルに加えて後奏では終盤にも関わらずキレの衰えないダンスを見せて、あらゆる面での魅力を改めて提示していた。

曲明けのMCでは、「皆さんの笑顔で駆け抜けられました」と改めて感謝の言葉。その姿勢は、「今回のグッズは『追い風』(=Pileファンの総称)という単語を大事に作りました追い風さんは、本当にどこに行ってもすごく元気で優しいんですよね」との言動からも、十分に感じることができるもの。続けて「私は、自分がこうやって歌いたいというきっかけを、誰かからもらいました。なので、私も誰かのいろんなきっかけになれるように2017年も精進しますので、よろしくお願いします!」と、来る年への抱負を語っていた。

そんな追い風とPileとの絆を象徴する「いつかキミに届ける世界」が、この日のアンコール2曲目。Bメロで膝をついて客席と極力目線を合わせて、言葉だけでなく行動で一緒に進んでいきたいという想いをあらわにするPile。この2曲の組み合わせ、「追い風さんと一緒に、もっともっと飛んでいく」という意志をも感じられるような流れだ。これで完全に会場中のテンションが突き抜け、この日いちばんの盛り上がりに。2017年へ最高の形でバトンを渡しきった。

……ように思った。しかしステージ上に残るギター・中嶋。彼が観客を煽り「もーいっかい!」の声が会場中を包むと、再び冒頭同様「素晴らしきSekai」のイントロとともに登場するPile。最後の最後にもう1回、最新シングルを届ける。気持ちの乗り方が違うのか、歌声には疲れが見えるどころか冒頭よりもさらに伸びのある歌声を響かせるPile。その高まり方はファンも同様で、そのボルテージはラストまで熱を帯びたまま。2016年最後にして最高のライブは、こうして今度こそ幕を下ろした。

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「2016年のラスト」と言うより、「2017年につなげる」かのような姿を提示した、この日のライブ。それが色濃く感じられたのが、二度歌われた「素晴らしきSekai」。特に二度目は1サビの歌詞のように、どんな困難もみんな一緒に乗り越えていこうという約束をするために、改めて歌ってくれたような印象を受けた。そのタッグが2000と17の年に辿り着く先は、きっと“素晴らしきSekai”であるはず。それを予期させる、アツい空間だった。

Text by 須永兼次

“Pile 2016大感謝祭!!!「忘年会だヨ!全員集合」”LIVE
2016.12.28@品川ステラボール
【SET LIST】
M1.素晴らしきSekai
M2.FLY
M3.チェックメイト
M4.金糸雀
M5.ヒカリフライト
M6.Black Butterfly
M7.EGOIST
M8.angel song
M9.Not Alone
M10.伝説のFLARE
M11.ドリームトリガー
M12.キミがくれたKISEKI
M13.花と翼
M14.一歩先へ
M15.⇒ NEXT WORLD ⇒
M16.HANABI!!
M17.P.S.ありがとう…

EN1.Melody
EN2.いつかキミに届ける世界

DEN.素晴らしきSekai

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