12月3日。この日のBLITZのヒロインは、タカオユキ!みみめめMIMI“きみのヒロイン”レポート

12月3日、赤坂BLITZにてみみめめMIMIのワンマンライブ“きみのヒロイン”が開催。2年半前に彼女が初めてボーカルとして姿を表したこの会場で、キャッチーさとアーティスティックさの両立したステージを展開。過去最多の曲数を引っさげ、ボーカル・ソングライティングの両面で確かな成長を遂げた姿を見せてくれた。

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フルバンドの圧に負けない、かわいらしさと激しさ

しかもこの日は、いつもと違ってフルバンド体勢。これまで耳馴染んだ楽曲を、またあらたな形で聴ける。その喜びと期待が、開演前から場内にはあふれていた。そして「白い鳥」に合わせてイメージ映像が流れると、ステージ奥のセットが開いてボーカル・タカオユキが登場。この夏のキラーチューン「晴レ晴レファンファーレ」の頭サビを歌ったところで「楽しんでいきましょう!」とひと声で観客を盛り立てる。そしてMVをバックに笑顔で、自らを鼓舞するファンファーレのようにこの曲を歌っていく。曲明けに「今日はみんなのヒロインになれるように、お届けしていきます!」と意気込みを語ったところで、続くは昨年夏のシングルより「CANDY MAGIC」。序盤からフルスロットルの様相だが、直前の意気込みと合わせて考えると、最初に観客を一気にとりこにしてしまおう……という意志が伺える。ステップはこの日も変わらず軽やかで笑顔な一方、フルバンドでより迫力ある音・パフォーマンスに触れられるということに、喜びを感じたファンも多かったに違いない。
そしてその意志は、そこに「センチメンタルラブ」が続いた瞬間確信に変わった。間違いない。タカオユキは“BLITZのヒロイン”になろうとしている。2年半ぶりの、同じステージでのデビュー曲で成長まで見せられたら、新旧すべてのファンがとりこになるのは当然だ。フルバンドでこの曲を聴ける喜びもさることながら、それでいてタカオのキュートさも失われずにこの中でしっかり存在していた。

“初バンド”でのライブへの意気込みも語りつつ、早速次曲「兎ナミダ」へ。頭サビ明けの「はいっ♪」の煽りもかわいらしく、ときとしてタイトルに冠したウサギのように跳ねながら、ステージ上を右へ左へお立ち台の上へと動きながらの歌唱。最後には両手でウサギの耳を作って、どこまでも愛らしくまとめていた。そこから少しの間を置き気持ちを整えてから、さらに切ない恋の歌「1メートル」をしっとりと披露。今日最初のバラードに観客もじっと聴き入る。するとその切なさは、「たからもの」でいっそう大きなものになる。その感情の波は聴き手だけでなく発信側のタカオも感じていたようで、落ちサビではその歌声が詰まりそうになるほどの想いを乗せていた。バラード曲ならではの、この日前半の聴きどころが、ここにはあった。

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もちろん切ない物語のまま終わっては、誰のヒロインにもなれない。ギターのinterludeを挟んでスタートした「蝶~Butterfly~」はポップで、光が差し込んでくるような印象を与えてくれる。そんな新しく目がける花を見つけた蝶の歌でタカオにも笑顔が戻り、楽曲後半では蝶のように衣装をなびかせながらステージ上を舞うかのようなパフォーマンスを見せてくれた。
そこから「今度は皆さんと飛んでいきたいと思います!」と、観客と久しぶりの“みみめめコール”のやりとりを経て、アッパーチューン「瞬間リアリティ」へ。ここでタカオ自身のテンションも一段階上がったのか、より声の伸びがよくなったような印象を受けた。サビのコール部分に合わせてのファンのジャンプも、タカオに力を与えているような気がする。そのエネルギーを歌声でファンにタカオが返すという、ライブ独特の好循環が生まれたところで、前半戦は幕。

VTR企画として『甘々と稲妻』のレシピ本をもとに、タカオがビーフシチューを作るさまが上映され、その後、包丁の音に乗せてタカオが再登場。「皆さん、おなか空いたんじゃないですか?」との言葉に、早速観客も大歓声で応える。しかしタカオ、「お行儀よく座って食べる気ですか?」と煽る煽る。そう、タカオユキの「O.B.E.N.T.O」はぜひ、楽しく盛り上がっていただきましょう!彼女のキャラ弁を散りばめたVJをバックに、キュートなパフォーマンスとともにこの曲を歌い、タカオユキにしか作れない世界で会場を染め上げていく。それは、この曲を楽しむのはもちろん、クライマックスの“下ごしらえ”としても効いていたのかもしれない。そして栄養補給を済ませたところで、「相対性レプリカ」では一気にスイッチオン。バンドとともに、タカオも暴れまくる。

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そこからコールを煽って高めていき、告げたタイトルは「サヨナラ嘘ツキ」。テンション的にこの流れしかないだろうという、そして「この流れで聴けてよかった!」と思わず感じるコンボだ。こちらも恒例、サビの一斉ジャンプも場内一体となって決まり、2曲続けての攻め曲ゾーンを一気に駆け抜けていった。
そして「1,2,少女」のイントロで、世界は一気に陽転する。フラッグを取り出したタカオは「Are you ready?」と煽れば、メロではそれを振りながらステージ上を左右へと動き、サビでは左右に振ってファンを先導する。この曲で少女の恋心はポップに動き出し、そんな片想い初期のバタバタにピッタリなのが、続く「天手古舞」だ。ライブでは鉄板にブチ上がるタオル曲で、タカオ自身もタオルを手にしてスタンドマイク前に立つ。サビにて客席で無数のタオルが回るさまは、もはや風物詩だ。最後に、激しくも一気に恋心の濃くなったこのパートを、キチッとジャンプエンドで締める。

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と、「季節はすっかりクリスマスだけど……」と切り出すタカオ。あれ、クリスマスソングってあったっけ……などと考えていると「ちょっと季節を早送りして、チョコの歌をプレゼントしたいと思います!」と、「チョコレート革命」のスタート! ふとしたきっかけで1年ほど前に誕生したこの曲は、今ではキラーチューンとしてライブ終盤に歓声を受けるまでに広まった。さらに学生生活の恋心を描いたこの歌詞に似合うパフォーマンスも展開。2コーラス目では歌詞に沿ってちょこんとお立ち台の上に三角座りするさまが、曲のヒロイン像と重なってよりかわいらしく映る。思えばこの曲の成り立ちからパフォーマンスまで、すべてが2年半ぶりに戻ってきた赤坂BLITZに誇る、彼女の成長であった。

だからこそ言えた、「ステージと皆さんとの間に、垣根なんてないですよね!」の言葉。もちろん返ってくるのは、この日いちばんの大歓声だ。そのやり取りから、彼女がファンとの絆を込めて作り上げた曲、「1/2ぶんこ」へ。ポップなみみめめMIMI王道曲にその気持ちを込めたのは、彼女なりのファンへの態度の表明なのかもしれない。それを力いっぱい、でも笑顔で届ける彼女。その方法も含めて、彼女がこの曲に込めた想いであり、ファンへの姿勢なのだろう。力いっぱい歌いきったタカオユキは、ここでステージを降りた。

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“ヒロイン”がいれば、彼女はきっとこれからも歩み続けられる

すると客席からは、まずはクラップでのアンコールが起こり、そして次第にそれは「みみめめ!」「MIMI!」のコールへと変わっていく。こうして徐々に声が広がっていくのもいつもの光景なのだが、この思い出の地だからだろうか、改めて感じた。この広がり方って、彼女のこの2年半の音楽の広がり方に似てやしないだろうか、と。

そう思って筆を走らせているうちにも、歓声はどんどん大きくなる。するとタカオのナレーションが始まり、「本日はどうしてもグッズを紹介したいというゲストの方が来ています!」との言葉が。期待高まるステージに登場したのは、この日のゲスト“ピピペペPIPI”さん。なんだかペンとリンゴが似合いそうなハデな出で立ちの彼女は、今年流行った例のフレーズにのせてライブグッズを紹介していく。しかし、さすがにひと通り紹介が済んだところで若干心が折れかけたのか、「これを自らやりたいと言ったなんて……(笑)」と、若干ボヤくタカオであった。
そこからまずはもう1回、改めて「チャチャチャ」で場内を盛り上げる。女の子感のあるかわいさ強めのパフォーマンスを伴わせながら、Dメロ明けにはこちらも恒例となった、客席をコールとクラップの部隊に二分してのコール・アンド・レスポンスを敢行。さらにはバンドメンバーも巻き込んで、この曲を楽しく遊びきっていた。

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賑やかだった曲も終わり、終盤に向けて「今年はたくさん新曲もアルバムも出せたし、リリイベやツアーもできてみんなにたくさん会えた、幸せな1年でした」と、まずは今年を振り返るタカオ。また、この日のタイトルに込めた想いを「自分を変えられるのは自分自身だけど、『誰かのヒロインになりたいと思う気持ちは、こんなにも私を強くしてくれるんだな』ってみんなに教えてもらいました」と語る。そして「私はこれからも、その想いを音楽で届けていきたいです。皆さんのヒロインに、少しでもなれましたか?」と問いかければ、ファンからは大歓声が。
そんなみんなのヒロイン・タカオユキの等身大の気持ちが綴られた曲が、この日のラストナンバー「青い鳥」。何億分の確率を重ねて見つけてくれた人たちへ贈る、「1/2ぶんこ」同様のファンへのメッセージソングだ。想いを伝えようと大事に彼女が歌声を響かせるなか、落ちサビでは青い鳥の紙飛行機がBLITZに舞い、ステージ上には白い羽が降り注ぎ幻想的な空間が作り上げられる。その空間の中で彼女は自らが届けたかったメッセージを届けきり、客席へと深い礼を繰り返す。

再び「白い鳥」をバックに、この地で初ステージを踏んでからの2年半で感じた素直な想いを、包み隠さず語るタカオ。「自分が思うように結果を出せないことがたくさんあって、憧れたステージに立っているのに自分を好きになれなくて、悔しくて情けなくて……」と。だがそれも、「それでも何度も強くなれたのは、みんながいつでも心のなかにいてくれたおかげです」と、やはり感謝の想いへと繋がっていく。そしてこのとき明確になった。タカオのヒロインは誰かひとりではなく、いつも彼女の歌を愛してくれるすべてのファンなのだ、と。そしてその“ヒロイン”たちに、改めて「ありがとうございます」と言葉で伝える。そして「これからもみみめめMIMIの音楽をたくさん愛してもらえたらうれしいです。来年もよろしくね!」と投げかけ、彼女はステージを降りた。直後、メインスクリーンで来年3月3日に、久々の“視聴覚アカデミー Vol.5”の開講が発表! 4ヶ月後に再び会える喜びから、最後に場内にはまた歓声が上がったのだった。

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ストーリー性を感じさせるセットリストを携え、2年半ぶりに堂々と赤坂BLITZのステージに立ったみみめめMIMI。タカオは「青い鳥」を歌い出す直前に「見つけてくれて、ありがとうございます!」と叫んでいたが、総括するには全然早い。着実に歩を進め続ければ、2017年まだまだ“見つけてくれる”人は、間違いなく増えていくだろう――そんな予感をさせたのが、この日・12月3日の赤坂BLITZで繰り広げられていたライブだった。

Text by 須永兼次
Photography by 西原史顕

みみめめMIMI“きみのヒロイン”
2016.12.03@赤坂BLITZ
【SET LIST】
M1. 白い鳥
M2 .晴レ晴レファンファーレ
M3. CANDY MAGIC
M4. センチメンタルラブ
<MC>
M5. 兎ナミダ
M6. 1メートル
M7. たからもの
M8. 蝶~Butterfly~
M9. 瞬間リアリティ
M10. O.B.E.N.T.O
M11. 相対性レプリカ
M12. サヨナラ嘘ツキ
M13. 1,2,少女
M14. 天手古舞
<MC>
M15. チョコレート革命
M16. 1/2ぶんこ

EN1. チャチャチャ
<MC>
EN2. 青い鳥~白い鳥

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