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INTERVIEW

2016.11.17

TVアニメ『ブレイブウィッチーズ』OPテーマ「アシタノツバサ」リリース記念 石田燿子インタビュー

TVアニメ『ブレイブウィッチーズ』OPテーマ「アシタノツバサ」リリース記念 石田燿子インタビュー

イラストレーター・島田フミカネの原案を元に始動し10年。2度のTVアニメシリーズと劇場版、OVAでのアニメ化を果たした『ストライクウィッチーズ』の新シリーズとなる『ブレイブウィッチーズ』が10月より放送開始されている。主題歌を第1作より担当し、自らを「ウィッチーズの一人」と称する石田燿子が新章を迎えた今の心境とは?思い出も含みながら語る石田の言葉からは、『ウィッチ』に対する深い愛がよく知れる。

――『ブレイブウィッチーズ』の主題歌を担当すると聞いたのはいつ頃でしたか?

石田燿子 『ブレイブウィッチーズ』(以下、『ブレイブ』)が始まる、結構ギリギリまでお話はなかったんですよ。『ブレイブ』をやるって発表自体はかなり前にありましたよね。だから私、「えー!」って思って。「歌えるのかな」って(気持ちが)ザワザワする期間が長かったです。『ストライクウィッチーズ』のイベントに出ているときにも、「『ブレイブ』の新情報が出るかも」というときがあって、「オープニングを歌うのはこの方になりました!」って他の方が出てきたら超サプライズだなとか思って(笑)、すっごくドキドキしていました。だから、知らされたときは「舞台が変わってもまた『ウィッチ』の世界を歌わせてもらえるんだな」と思ってすごくうれしかったです。

――今年リリースした、『ストライクウィッチーズ』の楽曲を集めたアルバム『秘め歌コンプリートBOX』のブックレットでも、キャストの方々が「長いおつきあい」である『ウィッチ』に対する思いを述べていました。新シリーズとなる『ブレイブ』でも主題歌を担当することになった石田さんとしては、今どのような思いですか?

石田 私は、出てるといえば出てますけど、出てないといえば出てない立場なので(笑)。ただ、『ブレイブ』ではキャラクターも舞台も変わり、キャストも一新することになったので、「もしかしたら主題歌担当も変わって新しい風を入れるのかな」って気持ちはありました。私も声優の皆さんと同じくこの作品が大好きで……。ちょっと熱く語るかもしれないですけど(笑)。

――それを期待していたのでぜひ(笑)。

石田 だから私も、作品のいちファンであり、「自称ウィッチ」なんですよ。「石田隊員」としてずっと関わらせていただいてきたつもりなので、「今回違う人になるんですよ」と言われても、「分かりました。今回はその方が合っていると思ったならどうぞ」という気持ちではあったんです。もちろん歌えたら最高ですし、歌いたい気持ちは強いですし、歌えなかったら残念なんですけど。TVシリーズの『2』や劇場版のときは「次も歌いたい」って思っていて、「歌えなかったらどうしよう」って不安はすごく大きかったんです。でも、今回もそうでしたけど、いつもすぐには教えてくれないんですよね(笑)。だから今回、歌わせていただくことにはなりましたけど、変えることを知らされたとしても、気持ちよく「いってらっしゃい!」っていう気持ちではいました。

――キャストの方も、新人の頃から一緒にやってきてお互いに仲良くなって、という積み重ねがあるからか、新作を見守る気持ちにもなるようですね。

石田 そうですね。一緒に成長してきた、というところはありますね。キャラクターも声優さんも、いつも応援してくださる皆さんも含めて「仲間だ」という絆は感じています。ファンの方々はずっと長い間応援してくれていて、間が空いても待ってくれるんですからね。みんなで積み重ねてきた、という感覚は強いですよね。

――『ウィッチ』の楽曲、というところではどんな印象をお持ちですか?

石田 「The アニソン」という王道だと思うんですよね。アニメに沿った曲になっているし、キャラクターたちの一生懸命さとか元気とか勇気とかをもらえます。私も歌いながらいつも励まされますね。ストレートな歌詞が聴く人の心にドーンと届く、「これがアニソンだよね」って何度歌っても思います

――今回の「アシタノツバサ」もまさに王道の曲ですね。

石田 空をイメージできるような曲調で、『ウィッチ』の世界を表した曲だと思いますけど、新シリーズに向けた歌詞になっていますし、フレッシュ感や初々しさみたいなものも感じました。例えば、“約束の空”とか“羽ばたく”という歌詞は今までの曲にも出てきた言葉ですけど、“シャンと背筋を伸ばして”というのは面白いと思いました。あそこは歌っていてもポイントだったというか、「これから始動する新しい『ウィッチ』の曲なんだな」ってすごく思えました。今回は作詞も作曲も、『ストライクウィッチーズ』の曲を書いたことがない方なので、そこも新シリーズっぽいですよね。

――『ウィッチ』の曲ということで意識する部分はあるんですか?

石田 そこは今までも特にはないです。あくまで、曲と歌詞に沿って気持ちを寄せていく、という気持ちです。ただ今回は、エールとかフレッシュ感を出せたら……と思いながら、今までの経験値や石田大尉としての目線も込めました。

――長い隊員生活を生かして?

石田 そうですそうです。元々、(『ストライクウィッチーズ』1期オープニングの)「私にできること」を歌うとき……、私がまだウィッチになる前ですね(笑)。あのときは、主人公である(宮藤)芳佳ちゃんの気持ちをそのまま詞にしたのかなと思うぐらいにキャラクターがすごく反映されてる歌詞だったから、芳佳ちゃんみたいな気持ちで歌おうという意識だったんです。でも今回はそういうのもなく、ただ思ったままに。新シリーズを見られるうれしさは観てくださる皆さんと同じで。あとは、歌える楽しさと。

――『ウィッチ』という作品に対してはどんな印象を持っていますか?

石田 10人単位で出てくるウィッチがみんな個性的で、しかも「今回はこの子がメイン」という「お当番回」があるじゃないですか。深く掘り下げるお話がたくさんあるところに惹きつけられます。一人ひとりの個性がお話に反映されていて、でも個性的なキャラクターなんだけど絆や信頼感といった「仲間」を描いているところが魅力かな。あと、女の子が戦って頑張ってると基本応援したいですよね。

――新シリーズでも魅力的なキャラクターがたくさん登場しますが、『ウィッチ』ではどのキャラクターに感情移入されていましたか?

石田 エーリカ(・ハルトマン)かな。(ゲルトルート・)バルクホルンさんとのやりとりが好きで。しっかりしたお姉ちゃんとボヤっとした子、みたいな。エーリカの自動車用のワイドミラーが売っていたので、今、自分の車にそれをつけながら運転していますよ(笑)。

――ボヤッとした子が気になりますか?

石田 そうですね。ほっとけないというか。新シリーズでもニパ(ニッカ・エドワーディン・カタヤイネン)が気になります。

――CDのDVD付限定盤には、山野ホールで行われた『秘め歌コンプリートBOX』のリリースイベントの模様が収録されます。

石田 これは、(2009年4月5日の『みんながいるからできること!』以降、何度も開催されている『ウィッチ』のイベントである)『みんでき』を重ねてきた私たち全員が緊張したというイベントで(笑)。アコースティック・ライブだったんですよね。オケでもバンドでもなく。ウィッチの曲っていい曲ばかりなんですけど難しくて、それをシンプルな演奏のなかで歌うのってすごく緊張するんですよ。アレンジもテンポ感も全然違うし。私も緊張していました。どのように収録されているのかドキドキですね。でも、「いい曲はどうアレンジされてもいいんだな」ってみんなで話してました。

――園崎未恵さんとのデュエットも収録されていますね。

石田 園崎さんとはめっちゃLINEをやりましたね。「ここすごい難しいけどどうする」みたいな作戦会議を。園崎さんとは飲み会で知り合ってから、同い年ということで意気投合して。実は大学も一緒、校舎も一緒だったことが分かって、友達のように仲良くさせてもらっているんです。気さくなお姉ちゃんですね。同い年なんですけど、キャストの方々がみんなそう呼んでいるので私もそう呼ばせてもらっています(笑)。個人でCDを出されていますし、安心して一緒に歌えました。曲も自分たちで決めたんですよ。「やっぱこれだろう」って。あとはないですよね。「private wing」は難しすぎるのでアコースティックなんて自信がないです(笑)。「約束の空へ」もホントは、ウィッチ全員で歌いたかったですけど「今回は代表して歌おう」って気持ちでした。

――一緒に歌った感想はいかがでしたか?

石田 私のライブのゲストに来ていただいたことはあったんですけど、一緒に歌うのは初めてなので達成感がありましたね。「私たちやったね」っていう。園崎さんの、雰囲気のある歌い方はすごく好きなんです。それに、園崎さんが寄り添ってきてくれたので、「ふたりで歌ってるんだね」という感じが出ていたと思います。人柄ですね。

――『みんデキ』で野川さくらさんが病気で休まれたとき、代わりに園崎さんと小清水亜美さんが歌ったりとか、本当に仲がいいですよね。

石田 本当にすごくいい方たちで。声優さん同士はアフレコで週に1回会われているので、私なんかはどうしても溝を感じることもあるんですけど、『ウィッチ』の方々はすんなり。『みんデキ』で恐れ多くも生アフレコに挑戦したときも坂本少佐(=世戸さおり)が「大丈夫ですよ、石田さん」って言ってくれて、すごく(輪に)「入れて」くれるんですよ。『ブレイブ』では、私だけ継続ということで、元々人見知りですし、ブレイブの皆さんとなじめるか心配だったんです。そうしたら山野ホールのイベントに『ブレイブ』のキャスト4人がいらっしゃったとき、園崎さんが「石田さんがすごい不安だって言ってるんだけどよろしくね」って紹介してくれました。

――引き継ぎが(笑)。

石田 はい、このとき済ませました。安心して飛び込めるなって思いましたね。

――カップリングの「ソラノイロ」は石田さんが作詞された曲ですね。これは『ウィッチ』曲なんですか?

石田 そうですね。どこに使われると決まっているわけではないんですけど。8年間ずっと歌うだけの私ではあったんですけど、「書かせていただけるならぜひ」とは言っていたんです。そうしたら今回、「いいよ」と言っていただけたので「やったーっ」って。気合いを入れて、ありったけの作品愛やキャスト愛をぶちこみました。ウィッチのひとりとしての思いの丈とか。いただいた曲がまさに『ウィッチ』って感じの曲だったので、「これは両A面だな」というつもりで作詞しました。タイトルも「アシタノツバサ」を意識してカタカナに揃えたんですよ。「アシタノツバサ」へのリスペクトや石田大尉としての気持ち、作品が大好きないちファンとしての気持ち、あとは『かどみゅ!』で「アシタノツバサ」を初披露したときのファンの方たちの温かさを入れ込んでいます。「待ってたよ」っていうあの感じ、「みんながいるからウィッチだよね」という思いも込めました。もう入れすぎたぐらい(笑)。

――キャストの方も、ファンは仲間とか家族みたい、とは仰いますよね。

石田 アニメ化前からだと10年経っているのに、まだ好きでいてくれるファンもいるぐらいなので。ファンと作品、というよりはやっぱり「仲間」という気持ちが生まれていますよね。だから歌うときは、そこに甘えることなく「ぶつかっていかなきゃ」って気持ちが少しあるんですよ。「今日も最高だな」って思いながら帰ってほしいので。でも、「いつも元気をもらいます」って言ってもらうんですけど、いっつも届けた倍ぐらいの元気をこっちがもらって帰っています。みんなの方が体力ある(笑)。

――そうなるとレコーディングでも、ライブや『みんデキ』が頭に浮かびそうですね。

石田 大体、「ライブで歌ったらこんなふうに盛り上がってくれるのかな」「オチサビのときはふわっと(ケチャを)やってくれるかな」ってすごくイメージしながら歌っていますね。「今日がライブだったら」って。気持ちが入り過ぎて、譜面を見ながら歌わないといけないのに、目を離して(歌詞が)わかんなくなるとか、よくやります(笑)。

――『ブレイブ』もスタートしてひと月が経ちました。これからの期待としては?

石田 一人ひとりのキャラクターを生かしたお話をたくさん見たいですし、そうなると多分1クールでは収まりきらないと思うんですよ。長く続いてみんなに愛される『ウィッチ』になってほしいですし、その中に私がいられたらうれしいですね。いつまでも歌い続けたいです。

――『秘め歌コンプリートBOX』のとき、芳佳役の福圓美里さんは親世代としてまた登場できたら、と仰っていましたし。

石田 いいですね。「石田さんって何十年も前から歌ってるのに声変わらないね」というのをめざします。「実は歌ってる人は80歳だった。衝撃!」みたいな(笑)。なので、ファンの皆さんもずっと元気でいてくださいね。みんなで一緒に歌いましょう!

Interview&Text By 清水耕司(セブンデイズウォー)


●リリース情報
TVアニメ『ブレイブウィッチーズ』OPテーマ
「アシタノツバサ」』
11月16日発売

【DVD付限定盤】
int-161117-001

品番:COZC-1252~3
価格:¥1,800+税

【通常盤】
int-161117-002

品番:COCC-17138
価格:¥1,200+税

<CD>
1.アシタノツバサ
作詞:Mio Aoyama 作曲・編曲:堀江晶太
2.ソラノイロ
作詞:石田燿子 作曲:田村ジュン 編曲:草野よしひろ
3.アシタノツバサ‐Another Version-
作詞:Mio Aoyama 作曲:堀江晶太 編曲:R.O.N
4.アシタノツバサ<Instrumental>
5.ソラノイロ<Instrumental>
6.アシタノツバサ‐Another Version-<Instrumental>

<DVD>
7月9日山野ホールにて開催、「ストライクウィッチーズ 秘め歌コンプリートBOX発売記念イベント」より
・STRIKE WITCHES~わたしにできること~ /石田燿子
・STRIKE WITCHES 2 ~笑顔の魔法~ /石田燿子
・約束の空へ ~私のいた場所~ /園崎未恵、石田燿子

※収録内容は変更になる可能性がございます。予め、ご了承くださいませ。

●イベント情報
TVアニメ『ブレイブウィッチーズ』OPテーマ「アシタノツバサ」CD購入者限定 発売記念イベント
12月11日(日) 科学技術館サイエンスホール
<昼の部>開場 13:30/開演 14:00
<夜の部>開場 17:30/開演 18:00

出演者:
<昼の部>石田燿子、加隈亜衣、末柄里恵、水谷麻鈴
<夜の部>石田燿子、高森奈津美、五十嵐裕美、石田嘉代、佐藤利奈

価格:¥5,000(税込)
参加方法:『TVアニメ「ブレイブウィッチーズ」オープニング・テーマ「アシタノツバサ」』にイベントチケット申込み券封入。

※一般発売はいたしません
※申込みの際、ぴあ会員登録(無料)が必要です。
受付期間:2016年11月15日(火)正午12:00~11月20日(日)23:59

ⓒ2016島田フミカネ・KADOKAWA/第502統合戦闘航空団

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